有価証券報告書-第24期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/25 15:15
【資料】
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【項目】
131項目

研究開発活動

当社及び連結子会社の研究開発は、当社研究開発本部の各研究所及び各連結子会社の研究開発部門によって推進されております。当連結会計年度の当社及び連結子会社の研究開発費は338億円であります。
当社グループの研究開発本部の組織は、次のとおりであります。
・研究開発企画管理部
・Mitsui Chemicals Singapore R&D Centre
・合成化学品研究所
・高分子材料研究所
・機能材料研究所
・生産技術研究所
・モビリティデベロップメントセンター
当連結会計年度における各事業セグメント、新事業創出のための研究開発及びコーポレート研究の主要研究課題、研究開発費は、次のとおりであります。
(1) モビリティ
主に当社において、「モビリティ」領域の製品群(エラストマー、機能性コンパウンド、機能性ポリマー等)の開発を行っております。当連結会計年度では、自動車用材料分野の新銘柄開発(エラストマー、機能性コンパウンド)やICT材料及び光学材料の新製品開発(機能性ポリマー)に重点を置いております。
当セグメントに係る研究開発費は86億円であります。
(2) ヘルスケア
当社において、「ヘルスケア」領域の製品群(ビジョンケア材料、パーソナルケア材料、高機能不織布等)の開発を行っております。また、Kulzer GmbHとサンメディカル㈱は、当社との連携も含めて、オーラルケア分野の製品開発を行っております。当連結会計年度では、各事業領域における新製品開発(歯科材料、衛生材料用不織布、バイオ触媒等)に重点を置いております。
当セグメントに係る研究開発費は37億円であります。
(3) フード&パッケージング
当社において、包装材やICT分野向けのコーティング剤や接着剤等の製品開発を行っております。包装用フィルムやシートの製品開発は三井化学東セロ㈱において、また、当社と三井化学東セロ㈱は共同でICT分野向けの機能製品開発を、それぞれ進めております。他方、三井化学アグロ㈱では、農業用及び防疫用薬剤に関する製品開発を行っております。当連結会計年度では、包装材料のリサイクル技術やICT分野での新製品、新規農薬原体の開発に重点を置いております。
当セグメントに係る研究開発費は94億円であります。
(4) 基盤素材
当社において、「基盤素材」領域の製品群(フェノール及びフェノール誘導品、ハイドロキノン等工業薬品、高純度テレフタル酸、ペット樹脂等)の事業強化に資する合理化プロセスの開発を継続的に行っております。また、当社では、ポリオレフィン樹脂の競争力強化に資する高性能重合触媒の開発を、㈱プライムポリマーでは、当社との連携の下、ポリオレフィン樹脂やPPコンパウンドの新銘柄・新製品開発を、それぞれ進めております。他方、三井化学SKCポリウレタン㈱では、ウレタンフォーム関連の製品開発を行っております。
当セグメントに係る研究開発費は49億円であります。
(5) 新事業創出に向けた研究開発
当社においては、「社会課題解決に資する当社独自材料をベースとした新事業」を創出するための研究開発を進めております。その中でも、ICT材料、ロボット材料、エネルギーソリューション事業に注力するとともに、それに資する施策として、オープンイノベーションの推進にも力を入れております。また、Mitsui Chemicals Singapore R&D Centreでは、アジア・パシフィック地域発の新事業創出を視野に入れた研究開発に取り組んでおります。加えて、当連結会計年度では、繊維強化複合材料や金属樹脂一体成型技術を用いた複合部材に加えて、軽量化された自動車部品の開発に重点を置いております。
新事業創出に係る研究開発費は29億円であり、その他セグメント及び全社費用等に計上しております。
(6) コーポレート研究
当社において、各セグメント領域における製品やサービスの維持・強化・拡充に必要な基盤技術開発並びに革新技術開発を行っております。特に、近年は、マテリアルズインフォマティクスや感性評価技術といった最先端の基盤技術の展開やオープンイノベーションによる新たな技術の獲得にも積極的に取り組んでおります。また、昨今の環境問題やカーボンニュートラルに資する取り組みとして、ケミカルリサイクル・マテリアルリサイクル・バイオマス原料転換・CCUに関する研究開発にも注力しております。
コーポレート研究に係る研究開発費は43億円であり、全報告セグメントに配賦しております。