有価証券報告書-第56期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/27 10:44
【資料】
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【項目】
121項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、円安・株高基調で推移し、消費税率引上げ前の特需もあり緩やかな回復基調となりました。また、世界経済は、米国では雇用や住宅市場に明るい動きが見られ、アジアでは引き続き高い成長率が継続し、欧州では債務危機から緩やかに改善しつつあり、景気は回復に向かいました。
発泡プラスチック業界は、原燃料価格の高騰への対応もあり上半期は厳しい状況が続きました。下半期は、消費税率引上げ前の住宅・自動車・大型家電などの耐久消費財の需要が本格化し断熱材や緩衝材の需要が増加しましたが、一方で、更なる原燃料価格の上昇に加え、大雪などによる物流への影響もありました。これらの状況を受け、当社グループは、製品価格是正に努めると共に、需要増への生産・販売対応、成長分野に対する生産能力増強、独自技術に基づいた付加価値の高い製品の販売に注力しました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は、円安による外貨建売上の円換算額の増加や製品価格是正効果もあり前年同期比16.8%増の112,128百万円となりました。営業利益は5,909百万円(同29.2%増)、経常利益は6,509百万円(同32.1%増)、当期純利益は4,404百万円(同32.5%増)となりました。
なお、第1四半期連結会計期間に、当社の持分法適用関連会社であった日本アクリエース株式会社の株式を追加取得し連結子会社といたしました。
セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
(押出事業)
液晶テレビ基板やデジタル家電輸送用に用いられる緩衝包装材の発泡ポリエチレンシート「ミラマット」は、大型デジタルテレビの普及が一巡したことによる需要減の影響を受け売上が減少しました。ポリエチレン気泡緩衝材「キャプロン」は、家電向け需要が減少しましたが、新たな部品包装材用途への採用拡大により売上は増加しました。自動車部品や家電製品の通い函などに用いられる発泡ポリプロピレンシート「Pボード」は、スマートフォン・タブレット端末のガラス基板輸送など、新たな分野への用途開拓が進み売上が増加しました。トラックの積載品の保護や部品の通い函に用いられる発泡ポリエチレン押出ボード「ミラプランク」は、物流量が伸び売上が増加しました。即席麺・弁当容器等として幅広く用いられる食品用包材の発泡ポリスチレンシート「スチレンペーパー」は、引き続き堅調な需要に支えられ、新製品の拡販、新規需要の取り込みもあり売上が増加しました。広告宣伝用ディスプレイ材、折箱に用いられる発泡ポリスチレンボード「ミラボード」は、消費税率引上げ前の大型家電等の特需もあり売上が増加しました。建築土木資材分野の主力製品である発泡ポリスチレン押出ボードの住宅用断熱材「ミラフォーム」は、主に、戸建住宅や分譲マンションの省エネ需要増に加え、消費税率引上げ前の需要増もあり、売上が増加しました。なお、第1四半期連結会計期間より日本アクリエース株式会社を連結子会社としております。
これらの結果、押出事業の売上高は39,614百万円(前年同期比12.7%増)、営業利益は1,926百万円(同19.3%減)となりました。
(ビーズ事業)
発泡ポリプロピレン「ピーブロック」は、主にバンパーコア材・内装材・シートコア材等の自動車部品のほか、ユニットバス向け保温緩衝材・IT製品輸送用通い函・家電製品用緩衝包装材・競技用グラウンド基礎緩衝材等に用いられており、世界各地で製造販売を行っております。日本国内では、自動車メーカーの北米向け輸出の回復や消費税率引上げ前の需要増により自動車資材分野の売上が増加しました。緩衝包装材分野は、家電メーカーの海外移転による需要減がありましたが、ユニットバス向け保温緩衝材の需要拡大により売上が増加しました。北米及びブラジルでは、自動車市場が引き続き好調に推移し売上が増加しました。欧州では、現地通貨での売上は減少したものの、円安の影響により売上は増加しました。アジアでは、自動車市場及び家電市場が依然高い成長を維持したことから売上が増加しました。発泡性ポリスチレン「スチロダイア」は、水産・農業用及び家電用緩衝包装材分野では、季節による需要変動がありましたが、通期では前期並みの需要を確保し、建材・土木分野では、需要が増加したことに加え、原燃料価格高騰に対応した価格是正の寄与もあり売上は増加しました。ユニットバス天井材に使用されているハイブリッド成形品「スーパーブロー」は、新モデルの需要が堅調に推移し売上が増加しました。
これらの結果、ビーズ事業の売上高は67,034百万円(前年同期比20.9%増)、営業利益は4,545百万円(同69.1%増)となりました。
(その他)
一般包材は、国内では消費税率引上げ前の大型家電などの需要増により売上が増加しました。中国では省エネ家電の購入に対する補助金の打ち切りもあり需要が低調に推移し売上は減少しました。
これらの結果、その他の売上高は5,479百万円(前年同期比0.7%増)、営業損失は32百万円(前年同期は営業利益1百万円)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、増加要因である税金等調整前当期純利益6,536百万円、減価償却費4,865百万円などに対し、減少要因である売上債権の増加1,436百万円、法人税等の支払額1,424百万円などにより、差引き7,200百万円の収入(前年同期比322百万円減少)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出8,735百万円などに対し、定期預金の純減による収入1,775百万円などにより、差引き8,430百万円の支出(同2,646百万円増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入6,900百万円などに対し、長期借入金の返済による支出5,639百万円、配当金の支払額894百万円などにより、差引き190百万円の収入(前年同期は1,160百万円の支出)となりました。
これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ42百万円減少して6,972百万円となりました。