有価証券報告書-第56期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/27 10:44
【資料】
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【項目】
121項目

研究開発活動

当社グループは省エネ、省資源など地球エネルギー資源の保護及び地球環境への配慮を基本として、社会・市場からの要求を先取りし、ユーザーから信頼される製品を提供出来るよう研究開発活動を進めております。
研究開発は二つの研究所(鹿沼研究所及び四日市研究所)を拠点として、各事業部の開発部門、工場生産技術部門また海外子会社との連携を図りながらグローバルな視点で行われております。両研究所は当社グループの中核技術である発泡技術と関連する得意技術を活用して、現行製品の品質・性能の改善及び新たな高機能製品群の開発に取り組んでおります。主として、鹿沼研究所は押出発泡技術、四日市研究所はビーズ発泡技術を駆使して新技術、新製品の開発を進めております。更に、開発された新技術、新製品は、戦略的かつ速やかな特許出願により知的財産権の確保に努めております。
当連結会計年度における当社グループの支出した研究開発費の総額は売上高の1.8%に相当する2,015百万円であります。
セグメントごとの研究開発活動の概要は以下のとおりであります。
(押出事業)
押出発泡技術をベースに環境対応、市場の効率化に貢献する製品の開発に努めております。
食品、産業資材分野では、木目模様をシンプルな工程にて付与した食品容器用「スチレンペーパー」、並びにディスプレイ用「ミラボード」の開発が順調に進んでおります。また、ボトル等に使用されますキャップクロージャー用シートも、市場の潜在ニーズに合致した高性能新規シートの開発が完成しつつあります。更に永久帯電防止シリーズにも、新たな切り口で付加価値を追加した製品を提案していく予定です。今後も、本分野で市場の効率化に特化した新製品を積極的に市場投入し、ユーザーに評価を仰ぎたいと考えております。
断熱材に使用される発泡ポリスチレンボード「ミラフォーム」は、住宅の省エネルギー化の流れにより順調に伸びております。高性能・次世代型断熱材「ミラフォームΛ(ラムダ)」は市場での採用が着実に増えてまいりましたが、更なる高機能化及び環境対応も着実に進めております。それらの市場投入を加速し、より一層の用途・需要の拡大に邁進してまいります。
(ビーズ事業)
当社の得意とする重合、ビーズ発泡、成形技術を生かした高機能性製品群の開発、拡充に取り組んでおります。
近年開発したポリ乳酸ビーズ発泡体「LACTIF」は、植物由来というだけではなく耐熱、耐油性のあるポリエステルのビーズ発泡成型体であるという特長があります。この特長を活かし、FRP芯材としての用途開発を進めておりますが、軽量化の観点から更なる高倍率発泡に取り組んでおります。また、発泡性スチレン系ビーズの分野では、前連結会計年度に高断熱発泡体のビーズ成形が可能な新製品「スチロラムダ」を上市し、建材分野での採用が進んでいます。更なる高倍率化、断熱性の向上、耐熱性の改良を進展させることにより、省エネ、省資源、軽量化が必要な住設機器等への市場展開を期待しています。更に、高度化、多様化するグローバルな市場要求に応えるため、ポリスチレン、ポリオレフィンといった従来の発泡素材の高機能、高付加価値化のみならず、エンプラ系や様々なポリマーアロイビーズ発泡体の研究開発も進めております。
ブロー成形とビーズ成形を融合した表皮一体型ビーズ発泡体「スーパーブロー」に関しては、軽量かつ高強度・高断熱性に加え、緩衝性などの新たな機能の付与、及び成形技術・装置を深化させる事で、救命艇防舷材用途などへの展開が進みました。今後も市場の潜在ニーズをキャッチし、新たな用途・分野へのアプローチを継続してまいります。ブロー成形と押出発泡技術を融合した製品「スーパーフォーム」については、軽量かつ高断熱性に加え、耐熱性、消音性などの新機能を付与したことで、新たな分野への展開が進みました。今後は製造基盤技術の開発によりコスト低減を進めてまいります。バリアー性燃料タンク「ガスソシー」に関しては、機能及び生産性の向上が進みました。今後は用途・需要の拡大及びグローバル展開に向けた研究を進めてまいります。