有価証券報告書-第55期(平成25年1月1日-平成25年12月31日)

【提出】
2014/03/28 11:08
【資料】
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【項目】
121項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における我が国経済は、新政権による経済対策や日銀による金融政策などを背景に円安・株高が進行し、企業収益の改善や個人消費の持ち直しが見られました。しかしながら、欧州の財政不安の長期化や中国を始めとする新興国の経済成長鈍化、輸入原材料の上昇など国内外の懸念材料により景気の先行きは不透明な状況が続いております。
国内農薬業界におきましては、ここ数年の異常気象、慢性的な農家の高齢化及び後継者不足、農耕地の減少、不安定な農作物価格など、農業をとりまく環境は相変わらず厳しい状況であります。またTPP交渉参加がどのような影響をもたらすか明確な予測がつかず悩ましい状況が続いております。一部では日本の食糧自給率の低下を危惧する声もあります。このような状況下において、農業経営の大規模化、法人化などが進んでおります。農薬業界全体では、新規剤の上市、カメムシ・ウンカの多発生がみられたもののほぼ前年並みの結果でありました。
このような情勢の中で当社グループは、東京電力㈱福島第一原子力発電所事故の影響で操業停止に追い込まれた当社の主要生産拠点である福島工場の代替として、平成25年4月に茨城工場を完成させ、一部製品についての自社生産を再開いたしました。なお、現在までに東京電力㈱が当社グループに支払った損害賠償金は、当社グループが被った損害全体の一部に過ぎず、東京電力㈱に対しては引き続き損害賠償金を請求して行く方針です。また「我々のお客様は農家である」という基本方針のもと、ユーザーである農家とのコミュニケーションを図り、直接農家のニーズに触れ、農家、会員店・JA・販売店とともに普及展示圃を通じて「トライアングル作戦」を展開し、技術普及販売に努めてまいりました。さらに、当社グループの主力製品である土壌消毒剤の適正かつ効率的な普及並びに農家の土壌に関する諸問題解決に寄与するため、平成25年12月に土壌分析室を結城事業所に設置し、平成27年度より農家に対する土壌分析サービス事業を展開することにいたしました。
その結果、当連結会計年度の売上高は133億5千1百万円(前連結会計年度比14億3千3百万円の増加、前連結会計年度比12.0%増)、営業利益は10億3千9百万円(前連結会計年度比1億2千6百万円の減少、前連結会計年度比10.8%減)、経常利益は19億1千3百万円(前連結会計年度比7億4千万円の増加、前連結会計年度比63.1%増)、当期純利益は13億5千6百万円(前連結会計年度比7億円の増加、前連結会計年度比106.9%増 )となりました。
当社グループは農薬の製造、販売事業の単一セグメントでありますが、製品の種類別の営業概況は次のとおりであります。また、剤の区分の見直しを行ったことにより、当連結会計年度より区分を一部変更したため、前連結会計年度を変更後の区分に組み替えて比較しております。
①農薬事業
(イ)害虫防除剤
アルバリン水溶剤、粒剤」が前年実績を上回り、その他の害虫防除剤はほぼ前年実績並みに推移しましたが、ダニ剤の「カネマイトフロアブル」が前年実績を下回り、害虫防除剤全体で前年実績を少し下回りました。この結果、売上高は19億3千3百万円(前連結会計年度比5千6百万円の減少、前連結会計年度比2.9%減)となりました。
(ロ)病害防除剤
「キノンドー水和剤、フロアブル」が前年実績を上回り、その他の病害防除剤はほぼ前年並みに推移し、病害防除剤全体で前年実績を上回りました。この結果、売上高は7億2千4百万円(前連結会計年度比1千5百万円の増加、前連結会計年度比2.2%増)となりました。
(ハ)土壌消毒剤
販売4年目となったセンチュウ剤「ネマキック粒剤」が順調に伸長しました。土壌消毒剤「バスアミド微粒剤」、「D-D」も前年実績を上回り、土壌消毒剤全体でも前年実績を大きく上回りました。この結果、売上高は72億5千9百万円(前連結会計年度比11億1千6百万円の増加、前連結会計年度比18.2%増)となりました。
(ニ)除草剤等
「モゲトン粒剤」、「カソロン粒剤」が前年実績を上回り、さらに「アークエース1KG粒剤」の再上市も順調に行われ、除草剤全体で前年実績を上回りました。また展着剤では、上市2年目の「アイヤーエース」、「ササラ」が伸長し前年実績を上回りました。この結果、売上高は18億9千9百万円(前連結会計年度比2億2百万円の増加、前連結会計年度比11.9%増)となりました。
(ホ)輸出・その他
国内バルク等販売については、前年度末の在庫が影響し前年実績を下回りましたが、輸出は各国での登録取得が進む「カネマイトフロアブル」中心におしなべて順調に推移し、前年実績を上回りました。この結果、売上高は15億3千4百万円(前連結会計年度比1億5千5百万円の増加、前連結会計年度比11.2%増)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、117億5千6百万円(前連結会計年度比40億6百万円の増加)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は 36億1千6百万円の収入(前連結会計年度は15億4千9百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は 2億2千3百万円の支出(前連結会計年度は5億3千2百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は 6億9千7百万円の支出(前連結会計年度は1億9千9百万円の支出)となりました。
なお、キャッシュ・フローの詳細は「7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3)当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析」に記載のとおりであります。