臨時報告書

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2022/05/12 16:42
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提出理由

株式会社カネカ(以下「カネカ」といいます。)は、2022年5月12日開催の取締役会において、カネカを株式交換完全親会社とし、セメダイン株式会社(以下「セメダイン」といいます。)を株式交換完全子会社とする株式交換(以下「本株式交換」といいます。)を行うことを決議し、同日、両社間で株式交換契約(以下「本株式交換契約」といいます。)を締結しましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第6号の2に基づき、臨時報告書を提出いたします。

株式交換の決定

(1) 本株式交換の相手会社に関する事項
① 商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容
商号セメダイン株式会社
本店の所在地東京都品川区大崎一丁目11番2号ゲートシティ大崎イーストタワー
代表者の氏名代表取締役社長 天知 秀介
資本金の額
(2022年3月31日現在)
3,050百万円
純資産の額
(2022年3月31日現在)
(連結)24,682百万円
総資産の額
(2022年3月31日現在)
(連結) 14,919百万円
事業の内容接着剤、シーリング材、特殊塗料、粘着剤等の製造及び販売

② 最近3年間に終了した各事業年度の売上高、営業利益、経常利益及び純利益
(連結) (単位:百万円)
2020年3月期2021年3月期2022年3月期
売上高27,67425,75928,577
営業利益1,2231,5222,136
経常利益1,1741,5182,148
親会社株主に帰属する当期純利益7961,0631,479

(単体) (単位:百万円)
2020年3月期2021年3月期2022年3月期
売上高24,03722,77424,574
営業利益7301,0321,483
経常利益9161,3061,850
当期純利益7109861.425

③ 大株主の氏名又は名称及び発行済株式の総数に占める大株主の持株数の割合
(2022年3月31日現在)
大株主の氏名又は名称発行済株式の総数に占める大株主の持株数の割合(%)
株式会社カネカ54.76
セメダイン共栄会9.37
日本ウイリング株式会社3.40
株式会社LIXIL2.00
アジアケンディジャパン株式会社1.37
三木産業株式会社1.33
セメダイン従業員持株会1.12
黒川貴美子0.90
ジェイアンドエス保険サービス株式会社0.83
東和通商株式会社0.71

(注)持株数の割合については、自己株式を除く発行済株式総数に基づいて計算しております。
④ 提出会社との間の資本関係、人的関係及び取引関係
資本関係カネカは、セメダインの普通株式(以下「セメダイン株式」といいます。)8,218,700株(2022年3月31日現在の発行済株式総数(自己株式数を除く)に占める割合にして54.76%)を保有しており、同社の親会社であります。
人的関係カネカの執行役員1名及び従業員2名がセメダインの取締役に就任しております。また、カネカは、セメダインより1名を出向者として受け入れており、セメダインは、カネカより6名を出向者として受け入れております。
取引関係カネカは、セメダインに対して、原材料供給及び研究開発の協力等を行っております。

(2)本株式交換の目的
カネカは、1949年に創業した後、同年10月31日に株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)市場第一部、株式会社大阪証券取引所(以下「大阪証券取引所」といいます。なお、2015年7月に東京証券取引所と大阪証券取引所の現物市場が統合され、これに伴い、東京証券取引所市場第一部に指定されております。)市場第一部に上場し、また、1949年12月21日に株式会社名古屋証券取引所(以下「名古屋証券取引所」といいます。)市場第一部に上場しました。2022年3月31日現在、カネカグループ(カネカ、カネカの連結子会社90社、非連結子会社22社及び関連会社16社(うち、持分法適用関連会社3社。)で構成される企業グループをいいます。以下同じです。)は、「Material Solutions Unit(塩化ビニル樹脂、モディファイヤー、変成シリコーンポリマー等)」、「Quality of Life Solutions Unit(スチレン系発泡樹脂・成型品、ポリイミドフィルム、太陽電池、アクリル系合成繊維等)」、「Health Care Solutions Unit(医療機器、低分子医薬品原料、API、バイオ医薬品等)」、「Nutrition Solutions Unit(機能性食品素材、マーガリン、香辛料、乳製品等)」を有し、幅広い分野でグローバルに事業を展開しております。
カネカグループでは、2009年9月の創立60周年を機に策定した長期経営ビジョン「KANEKA UNITED宣言」で定める「企業理念」、「目指す企業像」、「ESG憲章」から成る経営理念に基づき、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現することを経営の最重要課題としております。また、「KANEKA UNITED宣言」の実現に向けて、現中期経営計画において「環境・エネルギー」、「健康」、「情報通信」、「食料生産支援」の4つの成長分野へ経営資源を重点配分し、事業活動を通じて社会へ貢献することを目指しております。
一方、セメダインは、1923年に創業し、1968年には東京証券取引所市場第二部に上場し、本日現在、セメダイングループ(セメダイン、セメダインの連結子会社8社及び持分法適用関連会社2社で構成される企業グループをいいます。以下同じです。)は、接着剤、シーリング材の専業メーカーとしての基盤を確立しており、その品質や技術力の高さは国内外に広く知られております。また、セメダイングループは、「より良い製品をより多くの人に提供することにより社会貢献する」という企業理念のもと、1923年11月に製造販売を開始した溶液型接着剤である「セメダインA」(1931年に「セメダイン」を商標登録)をはじめとし、1938年3月に完成した日本初の家庭用合成接着剤で無色透明で耐水性・耐熱性・速乾性に優れた「セメダインC」により、模型飛行機ブーム、教育支援活動等を経て全国的に広く普及しその名称が接着剤の代名詞と言われるほど今日でも広く使用されております。その後も耐久性に優れ、建物内外装の広範囲な用途に適するシーリング材「セメダインPOSシール」、粘着接着が可能な無溶剤型の弾性接着剤「セメダインスーパーX」等、数多くの画期的製品を市場に送り出しております。開発力の高さでも定評があり、近年には海外展開にも積極的に取り組み、1977年の台湾子会社「台湾施敏打硬股份有限公司」の設立を皮切りとして、1981年にタイ、2012年に中国、フィリピン、2013年に米国へと海外展開を推進し、『「つけるが、価値。」つけることを通じて、新しい価値を生み出し、世の中の課題に答えを出す。』をミッションとして、グループ全体の事業基盤を強化・拡大するための施策を実行中であります。
カネカグループは、製造する変成シリコーンポリマー等をセメダイングループへ製品原料として供給しており、両社グループの協力関係形成に向け、カネカは、段階的にセメダイン株式を取得しております。カネカは、1990年4月に第三者割当増資により資本参加して以降、2015年12月に実施した公開買付けを含む市場内外における取引を通じてセメダイン株式を追加取得し、本日時点でセメダイン株式を8,218,700株(2022年3月31日現在の発行済株式総数(自己株式数を除く)に占める割合にして54.76%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、保有割合の計算において同じです。))所有しております。
昨今、両社を取り巻く事業環境は大きく変化しております。カネカにおいては、セメダインを連結子会社とした後、想定していた①構造用接着剤(注1)や熱伝導性接着剤(注2)等の大きな成長が期待される分野での新規開発、②欧米、アジアにおけるグローバル事業拡大、③カネカが有する人材、知見等も活用したコスト競争力強化、安全・安定操業確保策の実施等のシナジー効果の実現に向け注力して参りました。具体的には、先端分野における両社での研究開発及び中国・米国等での建築分野や自動車分野における市場開発、事業展開において、緊密に協働して参りました。その結果として、相応の効果発現は達成できたものの、カネカとセメダインがともに上場会社として独立した事業運営を行っている現状では、両社の共同事業運営、経営資源の相互活用に関して、セメダインの少数株主の利益を考慮した慎重な検討を要する等、カネカグループ全体として最適な意思決定を迅速かつ柔軟に行うことが十分にできていない点があり、海外事業の更なる拡大や新規事業開発、技術開発をスピーディに実行するための課題となっていると考えております。加えて、カネカは、2019年に経済産業省が策定した「グループ・ガバナンス・システムに関する実務指針」や、2020年の東京証券取引所における「従属上場会社における少数株主保護の在り方等に関する研究会」の設置をはじめとする上場会社の独立性に関する昨今の議論も踏まえ、セメダインとの資本関係の在り方について検討を続けて参りましたが、本株式交換の実行によりセメダインをカネカの完全子会社とすることは、更なるカネカグループ全体の意思決定スピードの向上に寄与し、新規事業開発、海外事業展開等の重要課題に対して両社の経営資源を適時適切に投入・活用することを可能とし、カネカ及びセメダイン両社にとって企業価値向上の観点から最適な選択であると考えるに至り、2021年12月下旬にカネカからセメダインに対して本株式交換の提案を行いました。
(注1)「構造用接着剤」とは、主に自動車、船舶、航空機等において長時間、大きな荷重に耐えることが可能な信頼性の高い接着剤です。近年、自動車軽量化のための異材接合、走行快適性等において注目が高まるとともに接着剤も多様化しております。
(注2)「熱伝導性接着剤」とは、熱伝導性が高く熱放散性に優れる接着剤であり、電装品等の高温にさらされる部品の接着をはじめとした用途に使用されます。
カネカは本株式交換によりセメダインがカネカの完全子会社となることで、セメダインが享受できるメリットとして、セメダインによるカネカの有するグローバル事業基盤、顧客ネットワーク、技術、ノウハウ、人材等の経営資源の活用が迅速かつ柔軟に行えることにより、セメダインのブランド・事業価値を更に向上させ、より存在感のある企業になることが可能になると考えております。
具体的には、接着剤の原料樹脂に関するカネカのポリマー合成技術とセメダインの配合・評価技術の組み合わせを深化させることでセメダインにおける構造用接着剤や熱伝導性接着剤等の新規開発を更に加速するとともに、カネカのグローバルな経営資産の活用により、スピーディかつ効率的に事業を拡大することが可能と考えます。構造用接着剤については、自動車のボディの接合用途において更なる性能向上とグローバル展開により採用を拡大していくことが可能と考えます。また、建築分野においても、構造用接着剤を従来のボルトや溶接ではない新たな接合方法として提案しており、カネカが有する断熱材、PV(注3)等の事業でのゼネコン、ハウスメーカー、工務店等との関係性をより一層有効活用することで、セメダインの事業拡大が可能と考えます。熱伝導性接着剤については、電機・通信分野において両社が保有する熱対策についてのニーズ情報、技術、製品及び顧客アクセス等を活用することによるセメダイン製品の開発の加速と、今後、大きな成長が期待できるEV(電気自動車)用電装品の放熱用途における、カネカのグローバルネットワークを活用した欧米での展開加速により、事業を拡大することが可能と考えます。
(注3)「PV」とは、「photovoltaic(フォトボルタイク)」の略で、カネカにおいては太陽電池の製造・販売事業を指します。
他方、セメダインにおいても、親会社で支配株主であるカネカからの提案を受けて、「(4) 本株式交換に係る割当ての内容の算定根拠等」の「④ 公正性を担保するための措置(利益相反を回避するための措置を含む)」に記載のとおり、本株式交換の公正性を担保するため、本株式交換の検討に当たり必要となる独立した検討体制の具体的な内容について検討し、当該検討体制を適切に構築した上、2022年2月中旬以降、本株式交換に係る具体的検討を開始することといたしました。具体的検討を開始するに際し、カネカからの提案に対するセメダイン取締役会における意思決定過程の公正性、透明性及び客観性の確保並びに意思決定の恣意性の排除を目的として、2022年2月25日に支配株主であるカネカとの間で利害関係を有しない独立した委員から構成される特別委員会(以下「本特別委員会」といい、詳細については、下記「(4) 本株式交換に係る割当ての内容の算定根拠等」の「④ 公正性を担保するための措置(利益相反を回避するための措置を含む)」をご参照ください。)を設置し、併せて外部専門家を起用する等の具体的検討に向けた体制を整備いたしました。
当該体制のもとカネカからの提案について慎重に検討した結果、セメダインは、セメダインがカネカの完全子会社となることで、従来以上に両社グループの連携を緊密化して経営判断の迅速化を図ることが可能となり、また、両社グループの有する資産、技術、ノウハウ、海外ネットワーク等の経営資源をより一層活用することにより、両社グループの中長期的な視点に立った経営戦略を機動的に実現することが可能となるため、本株式交換はセメダインの企業価値向上に資するとの認識に至りました。本株式交換後の具体的な施策及びそれに基づき顕在化する事業シナジーとしては、以下のものを想定しております。
1.カネカグループが幅広い事業領域において有する、資産、技術、人材、ノウハウ、海外拠点のインフラなどの豊富な経営資源をセメダインが積極的に活用することで、新規事業拡大、グローバル化の推進といった事業構造改革を更に加速する。
2.セメダイングループが有する接着剤に関する技術、具体的には各種原料の配合技術、耐久性、接着性をはじめとした評価技術及び導電や防湿などの価値を付与する技術とカネカグループが有する原料樹脂に関するポリマー合成技術を組み合わせ、海外、特に欧米市場における工業用を中心とした新規の接着剤、シーリング材及びコーティング剤等の技術開発を推進し相互の事業基盤を更に強化する。
3.カネカグループの電装品やLED部品用の熱伝導性接着剤とセメダイングループの電子材料用接着剤を両社の製品ラインナップに加え、これらの幅広いラインナップを相互の販路を活用することにより拡販し、相互の業容を更に拡大する。
4.非上場会社となることで、セメダインにおいて、短期的な株式市場からの評価にとらわれることなく機動的かつ迅速な意思決定が可能となることや、親子上場解消に伴う経費削減などにより経営効率を向上させること及びカネカグループが有する資金・人材など事業リソースへのアクセスを強化することで成長戦略を加速させる。
このような状況下で、セメダインは、カネカからの申し入れについて慎重に検討した結果、自らの親会社であり、セメダイングループの製品の原料供給元であるカネカの完全子会社となることで、カネカとの提携関係をさらに強化し、カネカによる積極的な経営資源の投入を受けること、グループ経営のさらなる効率化を図ることが可能となり、迅速な意思決定のもと、より中長期的な視点での経営戦略を実現できる体制を構築することが可能になると考え、本株式交換によりカネカの完全子会社となることがセメダインの企業価値向上に資すると認識するに至りました。
両社は、完全子会社化の方法としては、本株式交換の対価としてカネカの普通株式(以下「カネカ株式」といいます。)がセメダインの少数株主の皆様に交付されることにより、カネカ株式の保有を通じて、本株式交換後に想定されている各種施策の実行を通じて期待されるシナジー効果や、シナジー効果の発現によるカネカの事業発展・収益拡大、その結果としてのカネカ株式の株価上昇等を享受する機会をセメダインの少数株主の皆様に対して提供できる一方、流動性の高いカネカ株式を市場で取引することで随時現金化することも可能であることを踏まえ、本株式交換のスキームを選択することが望ましいとの判断に至りました。
以上の点を踏まえて、両社において総合的に検討した結果、両社は本株式交換によってセメダインがカネカの完全子会社となることが、両社の企業価値の向上に資するものであるとの認識で一致したことから、本株式交換に係る割当比率を含む諸条件についての検討及び協議を経て合意に至り、本日、両社の取締役会において、カネカがセメダインを完全子会社とすることを目的として、本株式交換を実施することを決議し、本株式交換契約を締結いたしました。両社は、本株式交換を実施し、経営の柔軟性向上、グループ戦略のより一層の強化、親子上場解消に伴う経費削減等による経営効率向上等を達成し、両社の企業価値向上を目指して参ります。
(3) 本株式交換の方法、本株式交換に係る割当ての内容その他の株式交換契約の内容
① 本株式交換の方法
本株式交換は、カネカを株式交換完全親会社とし、セメダインを株式交換完全子会社とする株式交換です。本株式交換はカネカにおいては、会社法第796条第2項の規定に基づき、株主総会の決議による承認を必要としない簡易株式交換の手続により、また、セメダインにおいては、2022年6月15日に開催予定のセメダインの定時株主総会において本株式交換契約の承認を受けた上で、2022年8月1日を効力発生日として行われる予定です。
② 本株式交換に係る割当ての内容
カネカ
(株式交換完全親会社)
セメダイン
(株式交換完全子会社)
本株式交換に係る割当比率10.282
本株式交換により交付する株式数カネカの普通株式:1,950,265株(予定)

(注1)株式の割当比率
セメダイン株式1株に対して、カネカ株式0.282株を割当交付いたします。ただし、カネカが保有するセメダイン株式8,218,700株(本日現在)については、本株式交換による株式の割当ては行いません。なお、上記の本株式交換に係る割当比率(以下「本株式交換比率」といいます。)は、算定の根拠となる諸条件に重大な変更が生じた場合、両社間で協議及び合意の上、変更することがあります。
(注2)本株式交換により交付するカネカの株式数
カネカは、本株式交換に際して、本株式交換によりカネカがセメダインの発行済株式(ただし、カネカが保有するセメダイン株式を除きます。)の全部を取得する時点の直前時(以下「基準時」といいます。)におけるセメダインの株主の皆様(ただし、カネカを除きます。)に対して、その所有するセメダイン株式の株式数の合計に本株式交換比率を乗じた数のカネカ株式を割当交付する予定です。なおカネカはかかる交付にあたり、その保有する自己株式を充当する予定であり、本株式交換における割当てに際して新たに株式を発行する予定はありません。なお、セメダインは、本株式交換の効力発生日の前日までに開催する取締役会の決議により、基準時において保有する自己株式(本株式交換に関する会社法第785条第1項に基づく反対株主の株式買取請求に応じて取得する株式を含みます。)の全部を、基準時までに消却する予定です。本株式交換によって交付する株式数は、セメダインの自己株式の取得、消却等の理由により、今後修正される可能性があります。また、上記の本株式交換により交付する株式数は、セメダインが発行する新株予約権が本株式交換の効力発生日の前日までに全て行使されることを前提とするものであり、これらの新株予約権の一部又は全部が行使されなかった場合には、本株式交換により交付する株式数は減少することになります。
(注3)単元未満株式の取扱い
本株式交換に伴い、カネカの単元未満株式(100株未満)を保有することとなるセメダインの株主の皆様については、本株式交換の効力発生日以降、カネカ株式に関する以下の制度をご利用いただくことができます。なお、金融商品取引所市場においてカネカの単元未満株式を売却することはできません。
① 単元未満株式の買増制度(1単元(100株)への買増し)
会社法第194条第1項及びカネカの定款第7条の定め等に基づき、単元未満株式を保有する株主の皆様が、その保有する単元未満株式の数と併せて1単元(100株)となる数のカネカ株式を売り渡すことを請求し、これをカネカから買い増すことができる制度です。
② 単元未満株式の買取制度(1単元(100株)未満株式の売却)
会社法第192条第1項の規定に基づき、カネカの単元未満株式を保有する株主の皆様が、その保有する単元未満株式を買い取ることをカネカに対して請求することができる制度です。
(注4)1株に満たない端数の処理
本株式交換に伴い、カネカ株式1株に満たない端数の割当交付を受けることとなるセメダインの株主の皆様に対しては、会社法第234条その他の関連法令の規定に基づき、その端数の合計数(合計数に1株に満たない端数がある場合は、これを切り捨てるものとします。)に相当する数のカネカ株式を売却し、かかる売却代金をその端数に応じて当該株主の皆様に交付いたします。
③ 本株式交換に伴う新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い
セメダインが発行している全ての新株予約権については、2022年6月15日に開催予定のセメダインの定時株主総会において本株式交換契約の承認が得られた場合、その発行要項の規定に従って、当該新株予約権の新株予約権者に対してその行使を認める予定です。その上で、本株式交換の効力発生日の前日において、未だ権利行使されていない新株予約権については、同日付で、当該新株予約権の取得条項に基づき、セメダインが無償で取得し、消却する予定です。
なお、セメダインは、新株予約権付社債を発行しておりません。
④ その他の本株式交換契約の内容
カネカが、セメダインとの間で2022年5月12日に締結した本株式交換契約の内容は次のとおりであります。
株式交換契約書
株式会社カネカ(以下、「甲」という。)及びセメダイン株式会社(以下、「乙」という。)は、2022年5月12日(以下、「本契約締結日」という。)付で、以下のとおり株式交換契約(以下、「本契約」という。)を締結する。
第1条(株式交換)
甲及び乙は、本契約の定めに従い、甲を株式交換完全親会社、乙を株式交換完全子会社として株式交換(以下、「本株式交換」という。)を行い、甲は、本株式交換により、乙の発行済株式(但し、甲が保有する乙の株式を除く。以下同じ。)の全部を取得する。
第2条(株式交換完全親会社及び株式交換完全子会社の商号及び住所)
甲及び乙の商号及び住所は、以下のとおりである。
(1) 甲(株式交換完全親会社)
商号:株式会社カネカ
住所:大阪市北区中之島二丁目3番18号
(2) 乙(株式交換完全子会社)
商号:セメダイン株式会社
住所:東京都品川区大崎一丁目11番2号ゲートシティ大崎イーストタワー
第3条(本株式交換に際して交付する株式及びその割当て)
1.甲は、本株式交換に際して、本株式交換により甲が乙の発行済株式の全部を取得する時点の直前時(以下、「基準時」という。)における乙の株主(第10条に基づく乙の自己株式の消却後の株主をいうものとし、甲を除く。以下本条において同じ。)に対して、乙の普通株式に代わり、その有する乙の普通株式の数の合計に0.282を乗じて得た数の甲の普通株式を交付する。
2.甲は、本株式交換に際して、基準時における乙の株主に対して、その有する乙の普通株式1株につき、甲の普通株式0.282株の割合(以下、「本株式交換比率」という。)をもって、甲の普通株式を割り当てる。
3.前二項の規定に従い甲が乙の株主に対して割り当てるべき甲の普通株式の数に1株に満たない端数がある場合には、甲は会社法第234条その他の関連法令の規定に従い処理する。
第4条(甲の資本金及び準備金の額)
本株式交換により増加すべき甲の資本金及び準備金の額は以下のとおりとする。
(1) 資本金の額 0円
(2) 資本準備金の額 会社計算規則第39条に従い甲が別途定める額
(3) 利益準備金の額 0円
第5条(本効力発生日)
本株式交換がその効力を生ずる日(以下、「本効力発生日」という。)は、2022年8月1日とする。但し、本株式交換の手続の進行上の必要性その他の事由により必要な場合には、甲及び乙は協議し合意の上、これを変更することができる。
第6条(株主総会の承認)
1.甲は、会社法第796条第2項本文の規定により、本契約につき株主総会の承認を受けないで本株式交換を行う。但し、同条第3項の規定により、本契約につき株主総会の承認が必要となった場合、甲は、本効力発生日の前日までに、本契約につき株主総会の承認を求める。
2.乙は、2022年6月15日に開催予定の株主総会(以下、「乙株主総会」という。)において、本契約の承認及び本株式交換に必要なその他の事項に関する決議を求める。
3.本株式交換の手続の進行上の必要性その他の事由により必要な場合には、甲及び乙は協議し合意の上、乙株主総会の開催日を変更することができる。
第7条(事業の運営等)
1.甲及び乙は、本契約締結日から本効力発生日までの間、それぞれ善良な管理者の注意をもって自らの業務の遂行並びに財産の管理及び運営を行い、かつ、それぞれの子会社をして善良な管理者の注意をもって自らの業務の遂行並びに財産の管理及び運営を行わせるものとする。
2.甲及び乙は、本契約締結日から本効力発生日までの間、本契約において別途定める場合を除き、本株式交換の実行又は本株式交換比率に重大な影響を及ぼす可能性のある行為を行い又はそれぞれの子会社をして行わせる場合は、事前に相手方当事者と協議し、書面合意の上、これを行うものとする。
第8条(剰余金の配当)
1.甲は、2022年3月31日の最終の株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者に対して、1株当たり60円を限度として剰余金の配当を行うことができる。
2.乙は、2022年3月31日の最終の株主名簿に記載又は記録された株主又は登録株式質権者に対して、1株当たり10円を限度として剰余金の配当を行うことができる。
3.甲及び乙は、前各項に定めるものを除き、本契約締結日以降、本効力発生日以前の日を基準日とする剰余金の配当の決議を行ってはならず、また本効力発生日以前の日を取得日とする自己株式の取得(適用法令に従い株主の権利行使に応じて自己の株式の取得をしなければならない場合を除く。)の決議を行ってはならない。
第9条(新株予約権の処理)
乙は、乙株主総会において本契約の承認が得られた場合(甲において、会社法第796条第3項の規定により本契約に関して株主総会の承認が必要となった場合には、甲の株主総会においても本契約の承認を得られた場合)、本効力発生日の前日までに、乙が発行し未だ権利行使されていない新株予約権について、無償で取得の上消却し、その全てを消滅させるものとし、そのために必要な全ての行為を行う。
第10条(自己株式の消却)
乙は、本効力発生日の前日までに開催される乙の取締役会の決議により、基準時において乙が保有する自己株式(本株式交換に際して行使される会社法第785条第1項に定める反対株主の株式買取請求に応じて取得する自己株式を含む。)の全部につき基準時をもって消却するものとする。
第11条(本株式交換の条件変更等)
本契約締結日以降本効力発生日に至るまでの間において、甲又は乙の財産状態又は経営状態に重大な変動が生じた場合、本株式交換比率の適正性に影響を与える重大な事由若しくは本株式交換の実行に重大な支障となる事態が生じ又は明らかとなった場合その他本契約の目的の達成が困難となった場合には、甲及び乙は、協議し合意の上、本株式交換の条件その他の本契約の内容を変更し、若しくは本株式交換を中止し、又は本契約を解除することができる。
第12条(本契約の効力)
本契約は、(i)本効力発生日の前日までに乙株主総会において本契約の承認が得られない場合、(ii)甲において、会社法第796条第3項の規定により本契約に関して株主総会の承認が必要となったにもかかわらず、本効力発生日の前日までに甲の株主総会において本契約の承認が得られない場合、(iii)国内外の法令に基づき本株式交換を実行するために本効力発生日に先立って必要な関係官庁等の承認等が得られなかった場合、及び(iv)前条に基づき本株式交換が中止又は本契約が解除された場合には、その効力を失う。
第13条(合意管轄裁判所)
本契約の履行及び解釈に関し紛争が生じたときは、東京地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とする。
第14条(協議)
本契約に記載のない事項、又は本契約の内容に疑義が生じた場合は、甲及び乙は誠実に協議し、その解決を図るものとする。
上記合意の成立を証するため、本書2通を作成し、各当事者記名押印の上、各自1通を保有する。
2022年5月12日
甲 大阪市北区中之島二丁目3番18号
株式会社カネカ
代表取締役社長 田中 稔
乙 東京都品川区大崎一丁目11番2号ゲートシティ大崎イーストタワー
セメダイン株式会社
代表取締役社長 天知 秀介
(4) 本株式交換に係る割当ての内容の算定根拠等
① 割当ての内容の根拠及び理由
カネカ及びセメダインは、上記「(2)本株式交換の目的」に記載のとおり、2021年12月下旬にカネカからセメダインに対して本株式交換による完全子会社化の提案が行われ、両者の間で真摯に協議・交渉を重ねた結果、カネカがセメダインを完全子会社化することが、両者の企業価値向上にとって最善の判断であると考えるに至りました。
カネカ及びセメダインは、本株式交換に用いられる上記「(3) 本株式交換の方法、本株式交換に係る割当ての内容その他の株式交換契約の内容」の「② 本株式交換に係る割当ての内容」に記載の本株式交換比率の算定に当たって公正性・妥当性を確保するため、それぞれ個別に、両社から独立した第三者算定機関に株式交換比率の算定を依頼することとし、カネカは野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)を、セメダインはSMBC日興証券株式会社(以下「SMBC日興証券」といいます。)を、それぞれのファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関に選定いたしました。カネカにおいては、下記「④ 公正性を担保するための措置(利益相反を回避するための措置を含む)」に記載のとおり、カネカの第三者算定機関である野村證券から2022年5月11日付で受領した株式交換比率に関する算定書、リーガル・アドバイザーである大江橋法律事務所からの助言、カネカがセメダインに対して実施したデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえ、慎重に協議・検討した結果、本株式交換比率は妥当であり、カネカの株主の皆様の利益に資するとの判断に至ったため、本株式交換比率により本株式交換を行うことが妥当であると判断しました。
他方、セメダインにおいては、下記「④ 公正性を担保するための措置(利益相反を回避するための措置を含む)」に記載のとおり、セメダインのファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるSMBC日興証券から2022年5月11日付で受領した株式交換比率算定書、リーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業(以下「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。)からの助言、セメダインがカネカに対して実施したデュー・ディリジェンスの結果、本特別委員会の内容及び本特別委員会を通じて提出を受けた、本特別委員会が独自に選任したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である山田コンサルティンググループ株式会社(以下「山田コンサル」といいます。)から2022年5月11日付で受領した株式交換比率算定書等を考慮し、本株式交換比率により本株式交換を行うことについて慎重に協議・検討いたしました。そして、カネカとの間で複数回にわたり行った本株式交換比率を含む本株式交換の条件に係る交渉・協議の内容、及び、本特別委員会から2022年5月12日付で受領した答申書等を踏まえ、本株式交換比率は妥当であり、セメダインの少数株主の皆様の利益に資するものであるとの判断に至ったため、本株式交換比率により本株式交換を行うことが妥当であると判断いたしました。
以上のとおり、カネカ及びセメダインは、両社がそれぞれの第三者算定機関から提出を受けた本株式交換比率の算定結果(セメダインについては、本特別委員会から提出を受けた本株式交換比率の算定結果を含みます。)を参考に、それぞれが相手方に対して実施したデュー・ディリジェンスの結果等を踏まえて慎重に検討し、両社の財務状況・資産状況・将来の見通し等の要因を総合的に勘案した上で、本株式交換比率を含む本株式交換の条件について複数回にわたり慎重に協議・交渉を重ねてまいりました。その結果、カネカ及びセメダインは、本株式交換比率は妥当であり、それぞれの株主の皆様の利益に資するとの判断に至ったため、本株式交換比率により本株式交換を行うことが妥当であると判断いたしました。なお、本株式交換比率は、本株式交換契約に従い、算定の基礎となる諸条件に重大な変更が生じた場合には、両社間で協議の上変更することがあります。
② 算定に関する事項
イ)算定機関の名称及び両社との関係
カネカの第三者算定機関である野村證券及びセメダインの第三者算定機関であるSMBC日興証券及び本特別委員会の第三者算定機関である山田コンサルはいずれも、カネカ及びセメダインの関連当事者には該当せず、独立した算定機関であり、本株式交換に関して記載すべき重要な利害関係を有しません。
株式会社三井住友フィナンシャルグループの一員であるSMBC日興証券及び株式会社三井住友銀行(以下「三井住友銀行」といいます。)は、それぞれカネカの発行済株式の0.10%(2022年3月末時点)及び4.74%(2022年3月末時点)を保有する株主・大株主たる地位を有しており、また、三井住友銀行はカネカ及びセメダインに対して通常の銀行取引の一環としての融資等の取引がありますが、本株式交換に関してカネカ及びセメダインとの利益相反に係る重要な利害関係を有しておりません。SMBC日興証券によれば、SMBC日興証券の社内においては、ファイナンシャル・アドバイザリー業務並びにカネカ及びセメダイン株式の価値算定業務を担当する部署と同社のその他部署との間において情報隔壁措置等の適切な弊害防止措置を講じている他、SMBC日興証券と三井住友銀行との間において情報隔壁措置等の適切な利益相反管理体制が構築されていること、本株式交換に係るSMBC日興証券に対する報酬には、本株式交換の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれておりますが、セメダインとSMBC日興証券の間において、同種の取引における一般的な実務慣行及び本株式交換が不成立となった場合にセメダインに相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案の上、本株式交換の完了を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって、独立性が否定されるものではないこと、また、SMBC日興証券は過去の同種事案の第三者算定機関としての実績を有していること等を踏まえ、セメダインがSMBC日興証券に対して、カネカ及びセメダインの株式価値の算定を依頼することに関し公正性の観点から問題はないと考えられることから、SMBC日興証券をカネカ及びセメダインから独立した第三者算定機関として選定いたしました。
本株式交換に係る山田コンサルの報酬は、本株式交換の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本株式交換の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。
ロ)算定に関する事項
野村證券は、カネカ株式が東京証券取引所市場プライム市場及び名古屋証券取引所プレミア市場に上場、セメダイン株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場し、市場株価が存在することから、市場株価平均法を、カネカ及びセメダインいずれについても比較可能な上場類似会社が存在し、類似会社比較法による株式価値の類推が可能であることから、類似会社比較法を、また、将来の事業活動の状況を評価に反映するため、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)を採用して算定を行いました。
各評価方法によるカネカ株式の1株当たりの株式価値を1とした場合の株式交換比率の算定結果は以下のとおりです。
採用手法株式交換比率の算定結果
市場株価平均法0.229~0.251
類似会社比較法0.182~0.374
DCF法0.198~0.431

なお、市場株価平均法においては、2022年5月11日を算定基準日として、東京証券取引所における算定基準日の終値、算定基準日までの直近5営業日、1ヶ月、3ヶ月及び6ヶ月の各期間の終値単純平均値を採用しております。
野村證券は、上記株式交換比率の算定に際して、公開情報及び野村證券に提供された一切の情報が正確かつ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っておりません。両社及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っておりません。両社の各々の財務予測(利益計画その他の情報を含みます。)については、両社の経営陣により現時点で得られる最善かつ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としております。野村證券の算定は、2022年5月11日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものです。なお、野村證券の算定は、カネカの取締役会が本株式交換比率を検討するための参考に資することを唯一の目的としております。
なお、野村證券がDCF法による算定の前提としたカネカの将来見通しについては、大幅な増益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2022年3月期において、世界経済の回復を背景にした海外売上高の拡大に加え、Medicalの血液浄化・カテーテル新製品、Pharmaの低分子・バイオ医薬品、米州向けSupplementなど重点領域の販売が順調に伸びたことにより、対前年度対比で大幅な増益となることを見込んでおります。また、セメダインの将来見通しについても、大幅な増益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2022年3月期において、新型コロナウイルス感染症拡大による前期の大幅な市場減速からの回復過程における車載用途及び電機・電子部品向け需要の取り込みを見込んでいることから、対前年度比で大幅な増益となることを見込んでおります。本株式交換の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、DCF法による算定の前提とした財務予測には反映しておりません。
他方、SMBC日興証券は、カネカについては、同社が東京証券取引所プライム市場及び名古屋証券取引所プレミア市場に上場しており市場株価が存在していることから市場株価法を、また比較可能な類似上場会社が複数存在し、類似上場会社との比較による株式価値の類推が可能であることから類似上場会社比較法を、加えて、将来の事業活動の状況を評価に反映するためにDCF法を用いて算定を行いました。
市場株価法においては、2022年5月11日を算定基準日として、東京証券取引所プライム市場における1ヶ月間(2022年4月12日から2022年5月11日まで)、3ヶ月間(2022年2月14日から2022年5月11日まで)及び6ヶ月間(2021年11月12日から2022年5月11日まで)の各期間の終値の単純平均値を採用しております。
類似上場会社比較法については、カネカと類似性があると判断される類似上場会社として、東レ株式会社、三菱瓦斯化学株式会社、株式会社ダイセル、DIC株式会社、住友ベークライト株式会社、株式会社クレハ、三洋化成工業株式会社を選定した上で、事業価値に対するEBITDAの倍率を用いて算定を行いました。
DCF法では、カネカが作成した2022年3月期から2025年3月期までの財務予測に基づく2022年1月以降にカネカが創出すると見込まれるフリーキャッシュフローを、一定の割引率で現在価値に割り引くことによって事業価値や株式価値を評価しております。DCF法における継続価値の算定については永久成長法及びマルチプル法により算出しております。具体的には割引率は5.76%~7.04%を使用しております。なお、割引率には加重平均資本コスト(Weighted Average Cost of Capital, WACC)を使用しております。また、永久成長率は-0.25%~0.25%を使用して算出しております。
セメダインについては、同社が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており市場株価が存在していることから市場株価法を、また比較可能な類似上場会社が複数存在し、類似上場会社との比較による株式価値の類推が可能であることから類似上場会社比較法を、加えて、将来の事業活動の状況を評価に反映するためにDCF法を用いて算定を行いました。
市場株価法においては、2022年5月11日を算定基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における1ヶ月間(2022年4月12日から2022年5月11日まで)、3ヶ月間(2022年2月14日から2022年5月11日まで)及び6ヶ月間(2021年11月12日から2022年5月11日まで)の各期間の終値の単純平均値を採用しております。
類似上場会社比較法については、セメダインと類似性があると判断される類似上場会社として、リンテック株式会社、コニシ株式会社、ニチバン株式会社、綜研化学株式会社を選定した上で、事業価値に対するEBITDAの倍率を用いて算定を行いました。
DCF法では、セメダインが作成した2023年3月期から2025年3月期までの財務予測に基づく2022年4月以降にセメダインが創出すると見込まれるフリーキャッシュフローを、一定の割引率で現在価値に割り引くことによって事業価値や株式価値を評価しております。DCF法における継続価値の算定については永久成長法及びマルチプル法により算出しております。具体的には割引率は5.88%~7.18%を使用しております。なお、割引率には加重平均資本コスト(Weighted Average Cost of Capital, WACC)を使用しております。また、永久成長率は-0.25%~0.25%を使用して算出しております。
なお、本株式交換の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、DCF法による算定の前提とした財務予測には反映しておりません。また、SMBC日興証券がDCF法の採用に当たり前提としたカネカの事業計画については、大幅な増益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2022年3月期において、世界経済の回復を背景にした海外売上高の拡大に加え、Medicalの血液浄化・カテーテル新製品、Pharmaの低分子・バイオ医薬品、米州向けSupplementなど重点領域の販売が順調に伸びたことにより、対前年度対比で大幅な増益となることを見込んでおります。セメダインの事業計画については、2023年3月期から2025年3月期としており各期において大幅な増減益は見込んでおりません。
なお、各評価方法によるセメダインの普通株式1株に対するカネカの普通株式の割当株数の算定レンジは、以下のとおりとなります。
採用手法株式交換比率の算定結果
市場株価法0.229~0.242
類似上場会社比較法0.161~0.251
DCF法0.167~0.424

(注)SMBC日興証券は、株式交換比率に関する算定書の作成にあたり、その基礎とされている資料及び情報は全て正確かつ完全なものであることを前提とし、その正確性及び完全性に関して独自の検証は行っておらず、その義務及び責任を負うものではなく、提供された情報が不正確又は誤解を招くようなものであるとする事実又は状況等につきカネカ及びセメダインにおいて一切認識されていないことを前提としております。また、カネカ及びセメダイン並びにその関係会社の資産又は負債に関して、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関に対する評価、鑑定又は査定の依頼も行っておりません。これらの資料及び情報の正確性及び完全性に問題が認められた場合には、算定結果は大きく異なる可能性があります。さらに、カネカ及びセメダイン並びにその関係会社に関する未開示の訴訟、紛争、環境、税務等に関する債権債務その他の偶発債務・簿外債務並びに株式交換比率に関する算定書に重大な影響を与えるその他の事実については存在しないことを前提としております。SMBC日興証券が、株式交換比率に関する算定書で使用しているカネカ及びセメダインの事業計画等は算定基準日における最善の予測及び判断に基づき、カネカ及びセメダインにより合理的かつ適正な手続に従って作成されたことを前提としております。また、株式交換比率に関する算定書において、SMBC日興証券が提供された資料及び情報に基づき提供された仮定をおいて分析を行っている場合には、提供された資料、情報及び仮定が正確かつ合理的であることを前提としております。SMBC日興証券は、これらの前提に関し、正確性、妥当性及び実現性について独自の検証は行っておらず、その義務及び責任を負うものではありません。
なお、SMBC日興証券の算定結果は、SMBC日興証券がセメダインの依頼により、セメダインの取締役会が株式交換比率を検討するための参考に資することを唯一の目的としてセメダインに提出したものであり、当該算定結果は、SMBC日興証券が本株式交換比率の公正性について意見を表明するものではありません。
山田コンサルは、カネカについては、同社が東京証券取引所プライム市場及び名古屋証券取引所プレミア市場に上場しており市場株価が存在していることから市場株価法を、また比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社との比較による株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、加えて、将来の事業活動の状況を評価に反映するためにDCF法を用いて算定を行いました。
市場株価法においては、2022年5月11日を算定基準日として、東京証券取引所プライム市場における算定基準日の終値、算定基準日までの1ヶ月間(2022年4月12日から2022年5月11日まで)、3ヶ月間(2022年2月14日から2022年5月11日まで)及び6ヶ月間(2021年11月12日から2022年5月11日まで)における終値単純平均値を採用しております。
類似会社比較法については、カネカと比較的類似する事業を営む類似上場会社として、デンカ株式会社、株式会社ダイセル、住友ベークライト株式会社、株式会社クレハ、三洋化成工業株式会社及び株式会社日本触媒を選定した上で、事業価値に対するEBITDAの倍率(EV/EBITDA倍率)を用いて算定を行いました。
DCF法では、カネカが作成した2022年3月期から2025年3月期までの財務予測に基づき2022年1月以降にカネカが創出すると見込まれるフリーキャッシュフローを、一定の割引率で現在価値に割り引くことによって事業価値や株式価値を評価しております。DCF法における継続価値の算定については永久成長率法及びマルチプル法により算出しております。具体的には割引率は6.15%~7.15%を使用しております。なお、割引率には加重平均資本コスト(Weighted Average Cost of Capital, WACC)を使用しております。また、永久成長率は-0.25%~0.25%を使用して算出しております。
セメダインについては、同社が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており市場株価が存在していることから市場株価法を、また比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社との比較による株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、加えて、将来の事業活動の状況を評価に反映するためにDCF法を用いて算定を行いました。
市場株価法においては、2022年5月11日を算定基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における算定基準日の終値、算定基準日までの1ヶ月間(2022年4月12日から2022年5月11日まで)、3ヶ月間(2022年2月14日から2022年5月11日まで)及び6ヶ月間(2021年11月12日から2022年5月11日まで)における終値単純平均値を採用しております。
類似会社比較法については、セメダインと比較的類似する事業を営む類似上場会社として、ニチバン株式会社、コニシ株式会社及び綜研化学株式会社を選定した上で、事業価値に対するEBITDAの倍率(EV/EBITDA倍率)を用いて算定を行いました。
DCF法では、セメダインが作成した2023年3月期から2025年3月期までの財務予測に基づき2022年4月以降にセメダインが創出すると見込まれるフリーキャッシュフローを、一定の割引率で現在価値に割り引くことによって事業価値や株式価値を評価しております。DCF法における継続価値の算定については永久成長率法及びマルチプル法により算出しております。具体的には割引率は5.46%~6.46%を使用しております。なお、割引率には加重平均資本コスト(Weighted Average Cost of Capital, WACC)を使用しております。また、永久成長率は-0.25%~0.25%を使用して算出しております。
なお、本株式交換の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、DCF法による算定の前提とした財務予測には反映しておりません。また、山田コンサルがDCF法の採用に当たり前提としたカネカの事業計画については、大幅な増益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2022年3月期において、世界経済の回復を背景にした海外売上高の拡大に加え、Medicalの血液浄化・カテーテル新製品、Pharmaの低分子・バイオ医薬品、米州向けSupplementなど重点領域の販売が順調に伸びたことにより、対前年度対比で大幅な増益となることを見込んでおります。セメダインの事業計画については、2023年3月期から2025年3月期としており各期において大幅な増減益は見込んでおりません。
なお、各評価方法によるセメダインの普通株式1株に対するカネカの普通株式の割当株数の算定レンジは、以下のとおりとなります。
採用手法株式交換比率の算定結果
市場株価法0.226~0.251
類似会社比較法0.176~0.270
DCF法0.184~0.452

(注)山田コンサルは、株式交換比率の算定に際して、両社から提供を受けた情報及び一般に公開された情報等を原則として採用し、それらの資料及び情報等が、全て正確かつ完全なものであることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性の検証は行っておりません。また、両社の資産及び負債(簿外資産及び負債、その他偶発債務を含みます。)については、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への評価、鑑定又は査定の依頼も行っておりません。加えて、両社から提出された財務予測(利益計画その他の情報を含みます。)に関する情報については、各社の経営陣により、当該提出時点で得られる最善の予測と判断に基づき合理的に作成されたことを前提としております。ただし、山田コンサルは、算定の基礎とした事業計画について、両社に質疑応答を行い、その作成経緯及び両社の現状を把握した上で、それらに不合理な点がないかという観点から、当該事業計画の合理性を確認しております。山田コンサルの算定は、2022年5月11日までに同社が入手した情報及び経済条件を反映したものとなります。
③ 上場廃止となる見込み及びその事由
本株式交換により、その効力発生日(2022年8月1日を予定)をもって、セメダインはカネカの完全子会社となり、セメダイン株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従って、2022年7月28日付で上場廃止(最終売買日は2022年7月27日)となる予定です。なお、現在の本株式交換の効力発生日が変更された場合には、上場廃止日も変更される予定です。
上場廃止後は、セメダイン株式を東京証券取引所において取引することができなくなりますが、本株式交換によりセメダイン株主の皆様に割り当てられるカネカ株式は東京証券取引所に上場されており、本株式交換の効力発生日以後も東京証券取引所での取引が可能であることから、基準時においてセメダイン株式を355株以上保有し、本株式交換によりカネカ株式の単元株式数である100株以上のカネカ株式の割当てを受けるセメダインの株主の皆様に対しては、株式の保有数に応じて一部単元未満株式の割当てを受ける可能性はあるものの、1単元以上の株式について引き続き株式の流動性を提供できるものと考えております。
他方、基準時において355株未満のセメダイン株式を保有するセメダイン株主の皆様には、カネカ株式の単元株式数である100株に満たないカネカ株式が割り当てられます。そのような単元未満株式については、その株式数に応じて本株式交換の効力発生日以降の日を基準日とするカネカの配当金を受領する権利を有することになりますが、金融商品取引所市場において売却することはできません。単元未満株式を保有することとなる株主の皆様は、カネカに対し、その保有する単元未満株式を買取ることを請求することが可能です。かかる取扱いの詳細については、「(3) 本株式交換の方法、本株式交換に係る割当ての内容その他の株式交換契約の内容」の「② 本株式交換に係る割当ての内容」の「(注3)単元未満株式の取扱い」をご参照ください。また、本株式交換に伴い1株に満たない端数が生じた場合における端数の取扱いの詳細については、「(3) 本株式交換の方法、本株式交換に係る割当ての内容その他の株式交換契約の内容」の「② 本株式交換に係る割当ての内容」の「(注4)1株に満たない端数の処理」をご参照ください。
なお、セメダイン株主の皆様は、最終売買日である2022年7月27日(予定)までは、東京証券取引所において、その保有するセメダイン株式を従来どおり取引することができるほか、会社法その他関係法令に定める適法な権利を行使することができます。
④ 公正性を担保するための措置(利益相反を回避するための措置を含む)
本株式交換は、カネカが、既にセメダイン株式8,218,700株(2022年3月31日現在の発行済株式総数15,167,000株に占める議決権の所有割合にして54.76%)を保有しており、セメダインはカネカの連結子会社に該当することから、本株式交換の公正性を担保する必要があると判断し、以下のとおり公正性を担保するための措置(利益相反を回避するための措置を含みます。)を実施しております。
イ)独立した第三者算定機関からの算定書の取得
カネカは、カネカ及びセメダインから独立した第三者算定機関である野村證券を2022年2月上旬に選定し、2022年5月11日付で、株式交換比率に関する算定書を取得いたしました。算定書の概要は、上記「② 算定に関する事項」をご参照ください。
他方、セメダインは、カネカ及びセメダイン並びに本株式交換から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるSMBC日興証券を2022年2月下旬に選定し、2022年5月11日付で、株式交換比率に関する算定書を取得いたしました。算定書の概要は、上記「② 算定に関する事項」をご参照ください。なお、セメダインはSMBC日興証券から本株式交換比率が財務的見地から妥当又は公正である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。
さらに、本特別委員会は、カネカ及びセメダイン並びに本株式交換から独立した独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として、独立性及び専門性・実績等を検討の上選定した山田コンサルより、2022年5月11日付で、株式交換比率に関する算定書を取得いたしました。算定書の概要は、上記「② 算定に関する事項」をご参照ください。なお、本特別委員会は、山田コンサルから本株式交換比率が財務的見地から妥当又は公正である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
ロ)独立した法律事務所からの助言
本株式交換のリーガル・アドバイザーとしてカネカは大江橋法律事務所を、セメダインはアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任し、それぞれ本株式交換の諸手続及び意思決定の方法・過程等について、法的な観点から助言を得ております。なお、大江橋法律事務所及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所は、いずれもカネカ及びセメダイン並びに本株式交換から独立しており、カネカ及びセメダインとの間に重要な利害関係を有しません。
ハ)セメダインにおける利害関係を有しない特別委員会からの答申書の取得
セメダインは、2022年2月25日開催のセメダインの取締役会において、本株式交換がセメダインの支配株主であるカネカとの間によってなされるものであることから、上場会社であるセメダインにおける本株式交換に係る意思決定の恣意性を排除し、セメダインの意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確立すること等を目的に、東京証券取引所への届出に基づき独立役員として指定されており、カネカ及びセメダインから独立性を有し、セメダインの事業内容や経営課題等について相当程度の知見を有し、また、本株式交換の検討を行う専門性・適格性を有すると判断される、セメダインの社外取締役である及川隆夫氏及び小町千治氏、並びにセメダインの社外監査役である細野幸男氏、渡辺政宏氏及び水川聡氏の5名により構成される本特別委員会を設置することを決定した上で、これを設置しており(なお、本特別委員会の委員の報酬は、その職務の対価として、答申内容にかかわらず、固定額の報酬を支払うものとされており、本株式交換の成立等を条件に支払われる成功報酬は含まれておりません。)、本株式交換を検討するに当たって、本特別委員会に対し、(ⅰ)本株式交換の目的は正当・合理的と認められるか(本株式交換がセメダインの企業価値向上に資するかを含む。)、(ⅱ)本株式交換の条件(株式交換比率を含む。)の妥当性が確保されているか、(ⅲ)本株式交換において、公正な手続を通じたセメダインの株主の利益への十分な配慮がなされているか、及び(ⅳ)上記(ⅰ)から(ⅲ)のほか、セメダインによる本株式交換を行うことについての決定が少数株主にとって不利益なものでないと考えられるか(以下(ⅰ)から(ⅳ)を総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問いたしました。
また、セメダインの取締役会は、(イ)セメダインの取締役会における本株式交換に関する意思決定については本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行うこと、(ロ)本特別委員会が本株式交換比率その他の本株式交換の条件が妥当でないと判断した場合には、セメダインの取締役会は本株式交換契約を締結しないものとすること、(ハ)セメダインはカネカと本株式交換の条件(株式交換比率を含む。)について交渉するにあたり、本特別委員会に事前に方針を確認し、適時にその状況を報告し、重要な局面でその意見、指示及び要請を受けることにより、本特別委員会が取引条件に関する交渉過程に実質的に影響を与え得る状況を確保すること、(ニ)本特別委員会は、本株式交換に係るセメダインのアドバイザーを利用することができるほか、必要と認めるときは独自のアドバイザーを選任できること(その場合の合理的な費用は、セメダインが負担するものとされております。)、及び(ホ)本特別委員会に対し、本株式交換の条件について必要に応じてカネカと交渉を行う権限を付与することを併せて決議しております。なお、本特別委員会は、上記(ニ)の権限に基づき、2022年3月25日、独自のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として山田コンサルを選任しております。
本特別委員会は、2022年3月4日から2022年5月11日までに、会合を合計11回、合計約18時間にわたって開催したほか、会合外においても電子メール等を通じて、意見交換や情報交換、情報収集等を行い、必要に応じて随時協議を行う等して、本諮問事項に関し、慎重に検討を行いました。具体的には、まず第1回の特別委員会において、セメダインが選任したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるSMBC日興証券並びにリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所につき、いずれもその専門性及び独立性に問題がないことを確認した上で、その選任を承認しました。さらに、本特別委員会は、セメダインが社内に構築した本株式交換の検討体制(本株式交換に係る検討、交渉及び判断に関与するセメダインの役職員の範囲及びその職務を含みます。)に独立性の観点から問題がないことを確認の上、承認しております。なお、第1回の特別委員会においては、各委員のカネカ及び本株式交換からの独立性についても相互に確認しております。その上で、本特別委員会は、(a)カネカから本株式交換の提案内容及び本株式交換の目的並びに本株式交換によって見込まれるシナジー等についての説明を受け、これらの事項についての質疑応答を実施したこと、(b)セメダインから、同社の事業内容、本株式交換の提案を受けた経緯、本株式交換の目的、カネカの提案内容についてのセメダインの考え及び本株式交換がセメダインの企業価値に与える影響、セメダインの事業計画の作成経緯及びその内容等についての説明を受け、これらの事項についての質疑応答を実施したこと、(c)SMBC日興証券から株式価値の算定方法及び算定結果についての説明を受け、これらの事項についての質疑応答を実施したこと、(d)山田コンサルから株式価値の算定方法及び算定結果についての説明を受け、これらの事項についての質疑応答を実施したこと、(e)アンダーソン・毛利・友常法律事務所から、本株式交換の手続面における公正性を担保するための措置並びに本株式交換に係るセメダインの取締役会の意思決定の方法及び過程その他の利益相反を回避するための措置の内容について助言を受けこれらの事項についての質疑応答を実施したこと、(f)セメダインの法務アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所から、カネカに対して実施した法務デュー・ディリジェンスの結果等について説明を受けるとともに、カネカに対して実施した財務デュー・ディリジェンスを担当した財務アドバイザーであるEYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社及び税務デュー・ディリジェンスを担当した税務アドバイザーであるEY税理士法人から、それぞれ財務及び税務デュー・ディリジェンスの結果等について説明を受け、各デュー・ディリジェンスの内容に関して質疑応答を実施したこと、並びに(g)本株式交換についての関連資料等の確認を行ったことにより、本株式交換に関する情報収集を行い、これらの情報も踏まえて、本諮問事項について慎重に協議及び検討して審議を行っております。また、本特別委員会は、セメダインより、セメダインの事業計画の作成経緯及びその内容等についての説明を受け、事業計画の作成過程に関し、不合理な点が認められないことも併せて確認しました。なお、本特別委員会は、カネカとセメダインとの間における本株式交換に係る協議・交渉の経緯及び内容等につき、SMBC日興証券から適時に報告を受けた上で、カネカから本株式交換対価についての最終的な提案を受けるまで、複数回にわたり交渉の方針等について協議を行い、重要な局面においては、交渉の際に提案すべき具体的な株式交換比率を含む交渉方針について意見を述べ、又は指示並びに要請を行う等して、カネカとの交渉過程に実質的に関与しました。
本特別委員会は、このような経緯のもと、これらの説明、算定結果その他の検討資料を前提として、本諮問事項について慎重に審議及び検討を行い、セメダインによる本株式交換を行うことについての決定が少数株主にとって不利益なものではない旨の答申書を、2022年5月12日付で、セメダインの取締役会に対して提出しております。本特別委員会の意見の内容は、次のとおりです。
A) 答申の内容
(ⅰ)本株式交換はセメダインの企業価値の向上に資するものと評価でき、その目的は正当であり、かつ合理的であると認められる。
(ⅱ)株式交換比率を含む、本株式交換の条件は妥当性が確保されていると考えられる。
(ⅲ)本株式交換において、公正な手続を通じたセメダインの株主の利益への十分な配慮がなされていると考えられる。
(ⅳ)上記(ⅰ)から(ⅲ)のほか、セメダインによる本株式交換を行うことについての決定が少数株主にとって不利益なものでないと考えられる。
B) 答申の理由
(ⅰ)本株式交換の目的は正当・合理的と認められるか(本株式交換がセメダインの企業価値向上に資するかを含む。)
本特別委員会が、本株式交換に至る背景・経緯、本株式交換の目的等について、セメダイン及びカネカに対して行ったヒアリング等の内容をまとめると、大要、以下のとおりである。
・セメダインにおいて、カネカの連結子会社となったことによる一定の成果を実現してきているところであるが、セメダインとカネカは、カネカの有しているネットワークや開発力、セメダインが有しているマーケットにおけるブランド力や営業力を融合することで、更なるシナジーを実現していくことを目指しているところ、両社の共同事業運営、経営資源の相互活用に関して、セメダインの少数株主の利益を考慮した慎重な検討を要する等、カネカグループ全体として最適な意思決定を迅速かつ柔軟に行うことが十分にできていない点があり、海外事業の更なる拡大や新規事業開発、技術開発をスピーディに実行するための課題となっている。
・そこで、セメダイン及びカネカは、両社グループの連携を緊密化して経営判断の迅速化を図り、また、両社グループの有する資産、技術、ノウハウ、海外ネットワーク等の経営資源をより一層活用することにより、両社グループの中長期的な視点に立った経営戦略を機動的に実現するために、セメダインがカネカの完全子会社となることが必要であると考えている。
・本株式交換のメリットとしては次のとおりと考えられる。具体的には、①カネカグループの資産、技術、人材、ノウハウ、海外拠点のインフラなどの経営資源の積極活用による新規事業拡大、グローバル化の推進等の事業構造改革の加速、②セメダイングループが有する接着剤に関する技術とカネカグループが有する原料樹脂に関するポリマー合成技術を組み合わせ、海外、特に欧米市場における工業用を中心とした新規の接着剤、シーリング材及びコーティング剤等の技術開発を推進し相互の事業基盤の更なる強化、③カネカグループの電装品やLED部品用の熱伝導性接着剤とセメダイングループの電子材料用接着剤を両社の製品ラインナップに加え、これらの幅広いラインナップを相互の販路を活用することにより拡販、業容の更なる拡大、④短期的な株式市場からの評価にとらわれることなく機動的かつ迅速な意思決定の実現、親子上場解消に伴う経費削減などにより経営効率を向上させること及び、カネカグループが有する資金・人材など事業リソースへのアクセスを強化することでの成長戦略の加速、⑤国内事業(建築事業や自動車事業)において共通する取引先に関する情報共有を密にすることによる新たな取引先の開拓、⑥人材交流の活発化、である。
・本株式交換のデメリットに関しては次のとおり考えることができる。具体的には①取引先への悪影響、従業員の士気の低下などが懸念されるが、面談を通じて丁寧に説明していく等の対応を行うことで影響を限定的なものに留めることができると考えられる。また、②資金調達上の選択肢は若干後退するが、セメダインの現在の財務状況及び昨今の間接金融における低金利環境等や、必要に応じてカネカからの資金調達も検討できることからすると、影響は限定的であると考えている。③さらに、上場廃止することにより、一般的にはコンプライアンス体制の弱体化が懸念されるが、カネカの子会社として、企業集団の内部統制の中でコンプライアンス体制はむしろ強化されることが期待される。
以上の説明内容は、いずれも特段不合理な点はなく、合理的な検討結果と認められるから、本株式交換はセメダインの企業価値の向上に資するものと評価でき、その目的は正当であり、かつ合理的であると認められる。
(ⅱ)本株式交換の条件(株式交換比率を含む。)の妥当性が確保されているか
(a) 株式交換比率
本株式交換に係る株式交換比率は、SMBC日興証券及び山田コンサルの市場株価法の算定結果の上限値を超えるものであると認められる。この点、本株式交換における、直近終値、並びに、1ヶ月間、3ヶ月間及び6ヶ月間の終値単純平均に対するプレミアムについては、近年の上場親会社による上場子会社の完全子会社化を目的とした他の株式交換事例におけるプレミアムの水準と比較しても遜色のないプレミアムが付されているといえる。
また、本株式交換に係る株式交換比率は、SMBC日興証券及び山田コンサルの類似上場会社比較法の算定結果の上限値も超えるものであると認められる。
加えて、本株式交換に係る株式交換比率は、SMBC日興証券及び山田コンサルのDCF法の算定結果のレンジの範囲内にあると認められる。なお、本株式交換に係る株式交換比率は、SMBC日興証券及び山田コンサルのDCF法の算定結果の中央値を下回るものであるものの、中央値に近い数値となっており、本特別委員会が関与しつつセメダインがカネカとの間で複数回にわたって慎重に協議・交渉した結果、合意に至ったものであることなどを総合的に勘案すると、本株式交換に係る株式交換比率の妥当性が否定されるものではないと考えられる。
以上からすると、本株式交換に係る株式交換比率には妥当性があると考えられる。
(b) 交渉過程の手続の公正性
下記「(ⅲ)本株式交換における、公正な手続を通じたセメダインの株主の利益への十分な配慮がなされているか」に記載のとおり、本株式交換に至る交渉過程の手続は公正であると考えられるところ、本株式交換比率は、かかる交渉の結果も踏まえて決定されたものであると認められる。
(c) 本株式交換に係るスキームの妥当性
本株式交換に係るスキームは、セメダインの株主に対して、カネカ株式を割当交付するものである。セメダインの株主は、カネカ株式の保有を通じて、本株式交換後に期待されるシナジー効果や、シナジー効果の発現によるカネカの事業発展・収益拡大、その結果としてのカネカ株式の株価上昇等を享受することができるという点において、セメダインの株主にとってもメリットのある手法であると評価できる。また、カネカ株式は、東京証券取引所プライム市場に上場しており、流動性が高いと考えられ、本株式交換により取得するカネカ株式を市場で売却し、現金化することもできる。
また、その他の取引条件においても特殊·特段不合理な点は見受けられない。
(d) 小括
以上を総合的に考慮すると、株式交換比率を含む本株式交換の条件は妥当性が確保されていると考えられる。
(ⅲ)本株式交換における、公正な手続を通じたセメダインの株主の利益への十分な配慮がなされているか
本株式交換がいわゆる「支配株主による従属会社の買収」として行われるものであり、構造的な利益相反の問題が存在することを踏まえ、本株式交換に係る手続の公正性の担保、本株式交換の実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、セメダインが実施した対応は大要以下のとおりである。
・セメダインは、2021年12月下旬にカネカから本株式交換に係る提案を受け、公正性担保のため、本株式交換の検討に必要となる独立した検討体制を検討・構築した上、2022年2月中旬以降、本株式交換に係る具体的検討を開始することとした後に、同年2月25日開催の取締役会において本特別委員会の設置を決議しており、実務上合理的な範囲で速やかに設置したものと考えられる。この点、本特別委員会の各委員は、社外取締役兼独立役員2名及び社外監査役兼独立役員3名により構成され、また、その報酬は、本株式交換の成否にかかわらず支払われる固定報酬のみであり、本株式交換の成立等を条件とする成功報酬は含まれていないため、カネカ及び本株式交換の成否からの独立性はいずれも認められるものと考えられる。
・セメダインは、独立した外部の専門家を選任し、専門的助言、株式交換比率算定書、法務・財務・税務に係るデュー・ディリジェンス報告書を取得している。なお、外部の専門家のうち、SMBC日興証券に対する報酬には、本株式交換の成立等を条件とする成功報酬が含まれているが、同種の取引における一般的な実務慣行及び本株式交換が不成立となった場合にセメダインに相応の金銭的負担が生じる報酬体系の是非等も勘案の上、本株式交換の完了を条件に支払われる成功報酬が含まれていることをもって、独立性が否定されるものではないと考えられる。
・本特別委員会も、独自に、独立した外部の専門家を選任し、専門的助言及び株式交換比率算定書を取得している。
・セメダイン及び本特別委員会は、SMBC日興証券及び山田コンサルから、本株式交換に係る株式交換比率が財務的見地から妥当又は公正である旨の意見書(フェアネス・オピニオン)は取得していないが、本株式交換に係る検討過程に照らした結果、本株式交換の是非を検討するために、フェアネス・オピニオンの取得が必須であると考えるべき事情までは認められず、フェアネス・オピニオンを取得しなくとも、本株式交換に係る交渉過程及び意思決定過程に至る手続の公正性が否定されるものではないと思料する。
・セメダインの取締役のうち、カネカからの出向者及びカネカの出身者である者は、本株式交換における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を回避する観点から本株式交換に係る協議・交渉・検討の過程に参加・関与しておらず、その他手続の公正性に疑義を与える事実関係は認められない。
・セメダインは、本特別委員会が事前に承認した交渉方針に従い、本株式交換に係る株式交換比率について、少数株主の利益保護の観点からその公正性を確保するための実質的な協議·交渉をカネカとの間で複数回にわたり行い、交渉の結果、株式交換比率の引上げに成功している。
・カネカは、セメダインの株式の50%超を保有する支配株主であるところ、カネカは本特別委員会からのヒアリングに対して、もし、セメダインの株式の買収を提案等がされても、これに応じてセメダインの株式を売却することはないと回答しており、積極的なマーケットチェックを実施する必要性が高いとは認められず、マーケットチェックに係る施策を実施していないとしても不合理とは認められない。
・カネカは、セメダインの株式の総株主の議決権の50%超を保有する支配株主であることから、本株式交換について、いわゆるマジョリティ・オブ・マイノリティ条件を設定した場合に、企業価値の向上に資する本株式交換に対する阻害効果も懸念されるため、当該条件を設定しないことについて不合理とは認められない。
・本株式交換に係るプレスリリースにおいては、セメダインの一般株主による取引条件の妥当性等についての判断のために相当な情報が開示される予定であることが認められる。
以上を総合的に考慮すると、本株式交換において、公正な手続を通じたセメダインの株主の利益への十分な配慮がなされていると考えられる。
(ⅳ)上記(ⅰ)から(ⅲ)のほか、セメダインによる本株式交換を行うことについての決定が少数株主にとって不利益なものではないと考えられるか
上記(ⅰ)から(ⅲ)の検討事項以外の点において、セメダインによる本株式交換を行うことについての決定が少数株主にとって不利益なものであると考えるべき特段の事情は認められないため、セメダインによる本株式交換を行うことについての決定は、少数株主にとって不利益なものではないと考えられる。
ニ)利害関係を有する取締役を除く取締役全員の承認及び監査役全員の異議がない旨の意見
本日開催のセメダイン取締役会では、セメダインの取締役8名のうち、天知秀介代表取締役はカネカ出身であり、大津功取締役、飯田秋彦取締役及び塩田裕啓取締役はカネカからの出向者であるため、本株式交換における構造的な利益相反及び情報の非対称性の問題による影響を回避する観点から、天知秀介代表取締役、大津功取締役、飯田秋彦取締役及び塩田裕啓取締役を除く4名の取締役において審議の上、その全員一致で、本株式交換を行うことの決議を行いました。その後、確実に会社法上の定足数を満たす有効な決議を行うため、上記のセメダイン取締役会における審議及び決議に参加していない取締役4名のうち、すでにカネカを退職している天知秀介代表取締役を加えた取締役5名にて、改めて審議の上、全員一致で、上記の決議を行いました。
なお、天知秀介代表取締役、大津功取締役、飯田秋彦取締役及び塩田裕啓取締役は、本株式交換における構造的な利益相反及び情報の非対称性の問題による影響を回避する観点から、いずれも本株式交換に関する協議及び交渉に参加しておりません。ただし、天知秀介代表取締役は、確実に会社法上の定足数を満たす有効な取締役会決議を行うために二段階目の取締役会決議にのみ参加しております。また、上記のセメダイン取締役会においては、監査役全員が上記決議に異議がない旨の意見を述べております。
(5)本株式交換の後の株式交換完全親会社となる会社の商号、本店の所在地、代表者の氏名、資本金の額、純資産の額、総資産の額及び事業の内容
商号株式会社カネカ
本店の所在地大阪市北区中之島二丁目3番18号
代表者の氏名代表取締役社長 田中 稔
資本金の額33,046百万円
純資産の額現時点では確定しておりません。
総資産の額現時点では確定しておりません。
事業の内容Material Solutions Unit、Quality of Life Solutions Unit、Health Care Solutions Unit、Nutrition Solutions Unitに関する製品の製造及び販売

以上