有価証券報告書-第114期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

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2020/03/25 15:03
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注記事項-重要な会計方針、連結財務諸表(IFRS)

3.重要な会計方針
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社により支配されているすべての事業体であります。支配とは、投資先への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ投資先に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合をいいます。
子会社の財務諸表は、当社が支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、当社グループの連結財務諸表に含まれております。
当社及び子会社間の債権債務残高及び内部取引高、並びに当社及び子会社間の取引から発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
子会社持分の割合が変動した際、支配が継続する場合には、資本取引として会計処理しております。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、当社グループに帰属する持分として資本に直接認識しております。
子会社の非支配持分は、当社グループの持分とは別個に識別しております。子会社の包括利益については、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させております。
子会社の決算日はすべて当社と同じ決算日であります。
② 関連会社
関連会社とは、当社がその財務及び営業の方針の決定に対して重要な影響力を有しているものの、支配をしていない企業をいいます。当社が他の企業の議決権の20%以上50%以下を直接又は間接的に保有する場合、当社は当該他の企業に対して重要な影響力を有していると推定されます。保有する議決権が20%未満であっても、財務及び営業の方針の決定に重要な影響力を行使しうる会社も関連会社に含めております。
関連会社への投資は、取得時には取得原価で認識され、当社が重要な影響力を有することとなった日からその影響力を喪失する日まで、持分法によって会計処理しております。
関連会社に対する投資には、取得に際して認識されたのれん(減損損失累計額控除後)が含まれております。
関連会社の決算日は一部当社と異なっております。決算日の異なる関連会社については、当社決算日において、仮決算を実施しております。
(2) 企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、被取得企業の支配と交換に移転した資産、当社に発生した被取得企業の旧所有者に対する負債及び当社が発行した資本持分の取得日公正価値の合計額として測定されます。
被取得企業における識別可能な資産及び負債は、以下を除いて、取得日の公正価値で測定しております。
・繰延税金資産・負債及び従業員給付契約に関連する資産・負債は、それぞれIAS第12号「法人所得税」及びIAS第19号「従業員給付」に従って認識及び測定しております。
・IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に従って取得日に売却目的保有に分類され取得した非流動資産又は処分グループは、当該基準書に従って測定しております。
・被取得企業の株式に基づく報酬取引に係る負債もしくは資本性金融商品、又は被取得企業の株式に基づく報酬取引の当社の株式に基づく報酬取引への置換えに係る負債もしくは資本性金融商品は、IFRS第2号「株式に基づく報酬」に従って測定しております。
取得対価が取得した識別可能な資産及び引き受けた負債の取得日公正価値の正味の金額を超過する場合は、連結財政状態計算書においてのれんとして認識しております。反対に下回る場合には、直ちに連結損益計算書において収益として認識しております。
仲介手数料、弁護士費用、デュー・デリジェンス費用等の、企業結合に関連して発生する費用は、発生時に費用処理しております。
非支配持分の追加取得については、資本取引として会計処理しているため、当該取引からのれんは認識しておりません。
共通支配下における企業結合取引、すなわち、すべての結合企業又は結合事業が最終的に企業結合の前後で同じ当事者によって支配され、その支配が一時的ではない企業結合取引については、帳簿価額に基づき会計処理しております。
(3) 外貨換算
① 機能通貨及び表示通貨
当社グループの連結財務諸表は、当社の機能通貨である日本円を表示通貨としております。またグループ内の各社は、それぞれ独自の機能通貨を定めており、各社の取引はその機能通貨により測定しております。
② 外貨建取引
外貨建取引は、取引日における直物為替レート、又はそれに近似するレートにより機能通貨に換算しております。
各報告期間の末日において、外貨建の貨幣性項目は、各報告期間の末日現在の為替レートにより機能通貨に換算しております。
取得原価で測定している外貨建非貨幣性項目は、取得日の為替レートにより機能通貨に換算しております。公正価値で測定している外貨建非貨幣性項目は、当該公正価値の測定日における為替レートにより機能通貨に換算しております。当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益として認識しております。
③ 在外営業活動体の財務諸表
在外営業活動体の資産及び負債については各報告期間の末日現在の為替レート、収益及び費用については当該期間中の為替レートが著しく変動していない限り、期中平均為替レートを用いて換算しております。在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体の累積換算差額は、在外営業活動体が処分された期間に純損益に振り替えられます。
(4) 金融商品
① 金融資産
(ⅰ) 当初認識及び測定
当社グループは、営業債権及びその他の債権を発生日に当初認識しており、その他の金融資産は当該金融資産の契約当事者となった取引日に当初認識しております。
当初認識時において、すべての金融資産は公正価値で測定しておりますが、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類されない場合は、当該公正価値に金融資産の取得に直接帰属する取引費用を加算した金額で測定しております。純損益を通じて公正価値で測定される金融資産の取引費用は、純損益に認識しております。
(ⅱ) 分類及び事後測定
当社グループは、保有する金融資産を、(a) 償却原価で測定される金融資産、(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産、(c) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産、(d) 純損益を通じて公正価値で測定される金融資産のいずれかに分類しております。この分類は、当初認識時に決定しており、金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a) 償却原価で測定される金融資産
当社グループが保有する金融資産のうち、次の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定される金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。
当初認識後、償却原価で測定される金融資産については実効金利法を用いて算定し、必要な場合には減損損失を控除しております。実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得又は損失は、当期の純損益に認識しております。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産
当社グループが保有する金融資産のうち、次の条件がともに満たされる場合には、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが所定の日に生じる。
(c) その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産
当社グループは、一部の資本性金融資産については、公正価値の事後の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行っており、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産に分類しております。
当該金融資産は、当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動はその他の包括利益に含めて認識しております。投資を処分した場合、もしくは公正価値が著しく低下した場合に、その他の包括利益を通じて認識された利得又は損失の累計額をその他の資本の構成要素から利益剰余金に振り替えております。
なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産からの配当金については、金融収益として純損益に認識しております。
(d) 純損益を通じて公正価値で測定される金融資産
上記の償却原価で測定される金融資産、又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定される負債性金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定される資本性金融資産以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に分類しております。当社グループの純損益を通じて公正価値で測定される金融資産としては、一部の短期投資、デリバティブ資産等が該当します。なお、当社グループは、当初認識時において、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産として、取消不能の指定を行ったものはありません。
当該金融資産は、当初認識後、公正価値で測定し、その変動は純損益で認識しております。また、純損益を通じて公正価値で測定される金融資産に係る利得又は損失は、純損益に認識しております。
(ⅲ) 金融資産の減損
償却原価で測定される金融資産等に係る減損については、当該金融資産に係る予想信用損失に対して貸倒引当金を認識しております。
当社グループは、各報告日において、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価しております。
金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を12か月の予想信用損失と同額で測定しております。一方で、金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しております。
ただし、営業債権等については常に貸倒引当金を全期間の予想信用損失と同額で測定しております。
金融商品の予想信用損失は、以下のものを反映する方法で見積っております。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・報告日時点で過大なコスト又は労力なしに利用可能である、過去の事象、現在の状況、並びに将来の経済状況の予測についての合理的で裏付け可能な情報
当該測定に係る金額は、純損益で認識しております。
減損損失認識後に減損損失を減額する事象が発生した場合は、減損損失の減少額を純損益として戻入れております。
(ⅳ) 金融資産の認識の中止
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は当社グループが金融資産を譲渡し、当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値のほとんどすべてを移転する場合にのみ金融資産の認識を中止しております。
② 金融負債
(ⅰ) 当初認識及び測定
当社グループは、社債及び借入金等はその発行日に、その他の金融負債は、取引日に当初認識しております。
当初認識時において、すべての金融負債は公正価値で測定しておりますが、償却原価で測定される金融負債については、公正価値から直接帰属する取引費用を控除した金額で測定しております。
純損益を通じて公正価値で測定される金融負債の取引費用は、純損益に認識しております。
(ⅱ) 分類及び事後測定
当社グループは、金融負債について、純損益を通じて公正価値で測定される金融負債と償却原価で測定される金融負債のいずれかに分類しております。この分類は、当初認識時に決定しております。金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
当社グループの純損益を通じて公正価値で測定される金融負債としては、デリバティブ負債が該当します。当初認識時において純損益を通じて公正価値で測定される金融負債として、取消不能の指定を行ったものはありません。純損益を通じて公正価値で測定される金融負債は、当初認識後、公正価値で測定し、その変動については当期の純損益として認識しております。
償却原価で測定される金融負債については、当初認識後、実効金利法による償却原価で測定しております。実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得又は損失については、当期の純損益に認識しております。
(ⅲ) 金融負債の認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅した時、すなわち、債務が履行された時、契約中に特定された債務が免責、取消し又は失効となった時に、金融負債の認識を中止しております。
③ 金融資産と金融負債の相殺
金融資産と金融負債は、認識された金額を相殺する法的に強制可能な権利を現在有しており、かつ純額で決済するか、又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有している場合にのみ相殺し、連結財政状態計算書において純額で表示しております。
④ 金融商品の公正価値
公正価値で測定される金融商品は、様々な評価技法やインプットを使用して算定しております。公正価値の測定に用いた評価技法へのインプットの観察可能性に応じて算定した公正価値を以下の3つのレベルに分類しております。
レベル1・・・同一の資産又は負債に関する活発な市場における公表市場価格により測定した公正価値
レベル2・・・レベル1以外の、資産又は負債について、直接又は間接的に観察可能なインプットにより
測定した公正価値
レベル3・・・資産又は負債についての観察可能な市場データに基づかないインプットにより測定した
公正価値
⑤ ヘッジ会計
当社グループは、金利リスクの回避又は軽減を目的として、金利スワップ等のデリバティブ取引を利用しております。当社グループは、ヘッジ関係の開始時に、ヘッジ関係並びにヘッジの実行に関する企業のリスク管理目的及び戦略の公式な指定と文書化を行っております。当該文書には、ヘッジ手段、ヘッジ対象、ヘッジされるリスクの性質、及びヘッジ関係がヘッジ有効性の要求を満たしているかどうかを判定する方法を記載しております。また当社グループでは、ヘッジ関係の開始時、及び継続的に、ヘッジ関係がヘッジ有効性の要求を満たしているかどうかを評価しております。継続的な判定は、各報告日又はヘッジ有効性の要求に影響を与える状況の重大な変化があった時のいずれか早い方において実施しております。
なお、当社グループではキャッシュ・フロー・ヘッジ、公正価値ヘッジ及び在外営業活動体に対する純投資ヘッジは行っておりません。
(5) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3か月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
現金同等物には、譲渡性預金、定期預金、コマーシャルペーパー、公社債投信、金銭の信託等を含めております。
(6) 棚卸資産
棚卸資産は、原価と正味実現可能価額のいずれか低い額で測定しております。正味実現可能価額は、通常の事業の過程における見積売価から、完成までに要する原価の見積額及び販売に要する費用の見積額を控除した額であります。原価は、購入原価、加工費、現在の場所及び状態に至るまでに発生したすべての費用を含んでおり、主として総平均法に基づいて算定しております。
(7) 有形固定資産
有形固定資産の測定は原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体・除去及び敷地の原状回復費用の当初見積額が含まれております。
土地及び建設仮勘定以外の各資産の減価償却費は、それぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で計上しております。
主要な資産項目ごとの見積耐用年数は、以下のとおりであります。
・建物及び構築物 10-35年
・機械装置及び運搬具 7-14年
・工具、器具及び備品 3-10年
見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、各連結会計年度末に再検討し、変更が必要となった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(8) のれん及び無形資産
① のれん
のれんは償却を行わず、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で計上しております。
また、のれんは企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれる資金生成単位又は資金生成単位グループに配分し、連結会計年度末までに最低年に一度又は減損の兆候がある場合にはその都度、減損テストを実施しております。のれんの減損損失は純損益として認識し、その後の戻入れは行っておりません。
なお、のれんの当初認識時における測定は、注記「3.重要な会計方針 (2) 企業結合」に記載しております。
② 無形資産
無形資産の測定は、原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した額で計上しております。
個別に取得した無形資産の取得原価は、資産の取得に直接起因する費用を含めて測定しております。
企業結合において取得した無形資産の取得原価は、取得日現在における公正価値で測定しております。
自己創設の無形資産については、資産化の要件を満たす開発費用を除き、その支出額はすべて発生した期の費用として認識しております。資産化の要件を満たす開発費用は、ソフトウェアのみになります。
当初認識後は、耐用年数を確定できない無形資産を除いて、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却しております。
主要な無形資産の見積耐用年数は、以下のとおりであります。なお、耐用年数を確定できない重要な無形資産はありません。
・商標権 20年
・顧客関係 15年、20年
・ソフトウェア 5年
見積耐用年数、残存価額及び償却方法は、各連結会計年度末に再検討し、変更が必要となった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
③ 研究開発費
研究関連支出については、発生時に費用認識しております。開発関連支出については、信頼性をもって測定することができ、将来的に経済的便益を得られる可能性が高く、当社グループが開発を完成させ、当該資産を使用又は販売する意図及びそのための十分な資源を有している場合にのみ資産計上しております。なお、研究関連支出と開発関連支出が明確に区分できない場合には、研究関連支出として発生時に費用認識しております。
(9) リース
前連結会計年度(自 2018年1月1日 至 2018年12月31日)
資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを当社グループに移転するリース取引はファイナンス・リースに分類し、それ以外の場合にはオペレーティング・リースに分類しております。
ファイナンス・リース取引においては、リース資産及びリース債務はリース開始日に算定したリース物件の公正価値又は最低支払リース料総額の現在価値のいずれか低い金額で当初認識しております。
リース資産は、見積耐用年数又はリース期間のいずれか短い方の期間にわたって定額法により減価償却しております。支払リース料は、利息法に基づき、金融費用とリース債務の返済額とに配分しております。
オペレーティング・リース取引においては、リース料支払額はリース期間にわたって定額法により費用として認識しております。
契約がリースであるか否か、又は契約にリースが含まれているか否かについては、IFRIC(解釈指針)第4号「契約にリースが含まれているか否かの判断」に従い、契約の実質に基づき判断しております。
当連結会計年度(自 2019年1月1日 至 2019年12月31日)
借手としてのリース取引について、リース開始日に、リース負債を未払リース料総額の現在価値で、使用権資産をリース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整し、リース契約に基づき要求される原状回復義務等のコストを加えた額で測定しております。
使用権資産は、見積耐用年数又はリース期間のいずれか短い方の期間にわたって定額法により減価償却しております。リース料は、利息法に基づき、金利費用とリース負債の返済額とに配分しております。金利費用は連結損益計算書上、使用権資産に係る減価償却費と区分して表示しております。
ただし、リース期間が12ヶ月以内の短期リース及び原資産が少額のリースについては、使用権資産及びリース負債を認識せず、当該リースに関連したリース料を、リース期間にわたり定額法又は他の規則的な基礎のいずれかにより費用として認識しております。
貸手としてのリース取引で重要なものはありません。
(10) 非金融資産の減損
棚卸資産、繰延税金資産、売却目的で保有する非流動資産及び従業員給付から生じる資産を除く非金融資産は、各報告期間の末日現在において、資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを検討しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積っております。のれんについては、減損の兆候の有無にかかわらず、連結会計年度末までに最低年に一度、回収可能価額を見積っております。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分費用控除後の公正価値のうちいずれか高い方の金額としております。資産の使用価値の算定に適用する割引率は、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクのうち、それについて将来キャッシュ・フローの見積りを調整していないものに関する現在の市場評価を反映した税引前の割引率としております。
個別資産の回収可能価額の見積りが可能でない場合には、当該資産が属する資金生成単位の回収可能価額を算定しております。企業結合により取得したのれんは、取得日以降、企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれる当社グループの資金生成単位又は資金生成単位グループに配分して減損テストを行っております。
全社資産は別個のキャッシュ・インフローを発生させないため、個別の全社資産の回収可能価額は算定できません。全社資産に減損の兆候がある場合、当該資産の処分を決定している場合を除き、全社資産が属する資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額を算定し、帳簿価額と比較しております。
減損損失は、見積回収可能価額が帳簿価額を下回る場合に純損益として認識しております。資金生成単位又は資金生成単位グループに関連して認識した減損損失は、最初に、当該資金生成単位又は資金生成単位グループに配分したのれんの帳簿価額を減額し、次に、当該単位内の各資産の帳簿価額に基づいた比例按分により、当該単位の中の他の資産に配分しております。
当社グループは、連結会計年度の末日において、過去の期間にのれん以外の資産について認識した減損損失がもはや存在しないか又は減少している可能性を示す兆候があるかどうかを検討しております。そのような兆候が存在する場合には、当社グループは当該資産の回収可能価額を見積っております。
過去の期間において、のれん以外の資産について認識した減損損失は、最後の減損損失を認識した以後に当該資産の回収可能価額の算定に用いた見積りに変更があった場合にのみ、戻入れをしております。この場合には、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで、減損損失の戻入れとして増額しております。
減損損失の戻入れは、過去の期間において当該資産について認識した減損損失がなかったとした場合の償却又は減価償却控除後の帳簿価額を上限としております。
(11) 従業員給付
① 退職後給付
当社グループは、従業員の退職後給付制度として確定給付制度と確定拠出制度を運営しております。
(ⅰ) 確定給付制度
確定給付制度については、確定給付制度債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用を、予測単位積増方式を用いて各制度ごとに個別に算定しております。
割引率は、将来の給付支払見込日までの期間に対応した期末日時点の優良社債の市場利回りに基づき算定しております。
確定給付制度債務の現在価値と制度資産の公正価値との純額を、負債又は資産として計上しております。ただし、確定給付制度が積立超過である場合は、確定給付資産の純額は、制度からの返還又は制度への将来掛金の減額の形で利用可能な経済的便益の現在価値を資産上限額としております。また、確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額は金融費用(金融収益)として純損益に認識しております。
確定給付負債(資産)の純額の再測定は、発生した期においてその他の包括利益として一括認識し、直ちに利益剰余金に振り替えております。
過去勤務費用は、発生した期の純損益として認識しております。
(ⅱ) 確定拠出制度
確定拠出型の退職給付に係る掛金は、勤務を提供した時点で費用として認識しております。
② その他の従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、従業員が関連するサービスを提供した時点で費用として認識しております。
賞与については、それらの支払を行う現在の法的債務もしくは推定的債務を有しており、信頼性のある見積りが可能な場合に、支払われると見積られる金額を負債として認識しております。
有給休暇費用は累積型有給休暇制度に係る法的債務又は推定的債務を有し、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる金額を負債として認識しております。
(12) 株式に基づく報酬
① ストックオプション制度
当社は、持分決済型の株式に基づく報酬制度として、ストックオプション制度を導入しておりましたが、業績連動型株式報酬制度を導入したことに伴い、ストックオプション制度は、既に付与されているものを除いて廃止しております。
② 業績連動型株式報酬制度
当社は、持分決済型の株式に基づく報酬制度として、業績連動型株式報酬制度を導入しております。
業績連動型株式報酬制度は、受領したサービスを付与日における当社株式の公正価値で測定し、付与日から権利確定期間にわたり費用として認識し、同額を資本剰余金の増加として認識しております。付与日における当社株式の公正価値は、株式の市場価格を予想配当を考慮に入れて修正し、算定しております。
(13) 引当金
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが現在の法的又は推定的債務を負っており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。
引当金として認識した金額は報告期間の末日における現在の債務を決済するために要する支出に関して、リスク及び不確実性を考慮に入れた最善の見積りであります。貨幣の時間価値の影響が重要な場合には、引当金は債務の決済に必要と見込まれる支出の現在価値で測定しております。
(14) 収益
当社グループは、以下の5ステップアプローチに基づき、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する
ステップ2:契約における履行義務を識別する
ステップ3:取引価格を算定する
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する
ステップ5:企業が履行義務の充足時に収益を認識する
当社グループは、化粧品、スキンケア製品、ヘアケア製品、サニタリー製品、ファブリックケア製品等の一般消費財及び、油脂アルコールや界面活性剤等の化学品の販売を行っており、このような製品販売については、製品の引渡時点において顧客が当該製品に対する支配を獲得することから、履行義務が充足されると判断しており、当該製品の引渡時点で収益を認識しております。また、収益は、顧客との契約において約束された対価から、値引き、リベート及び返品等を控除した金額で測定しております。
(15) 法人所得税
法人所得税は、当期税金及び繰延税金から構成されております。これらは、企業結合に関連するもの、及び直接資本又はその他の包括利益で認識される項目を除き、純損益として認識しております。
① 当期税金
当期税金は、税務当局に納付又は税務当局から還付されると予想される金額で算定しております。税額の算定にあたっては、当社グループが事業活動を行い、課税対象となる損益を稼得する国において、報告期間の末日までに制定され、又は実質的に制定されている税率及び税法に基づいております。
② 繰延税金
繰延税金資産及び負債は、報告期間の末日における資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務上の金額との一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して認識しております。
繰延税金資産は将来減算一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して、将来の課税所得により利用できる可能性が高い範囲内で認識し、繰延税金負債は原則としてすべての将来加算一時差異について認識しております。
繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、繰延税金資産の一部又は全部の便益を実現させるのに十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分については、帳簿価額を減額しております。未認識の繰延税金資産は毎期再評価され、将来の課税所得が、繰延税金資産の回収を可能にする可能性が高くなった範囲で、当社グループは過去に未認識であった繰延税金資産を認識しております。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を認識しておりません。
・のれんの当初認識から生じる将来加算一時差異
・企業結合取引を除く、会計上の利益にも税務上の課税所得にも影響を与えない取引によって発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異のうち、一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合
・子会社及び関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異のうち、予測可能な期間内に一時差異が解消されない可能性が高い場合
繰延税金資産及び負債は、報告期間の末日までに制定され、又は実質的に制定されている税率及び税法に基づいて、当該資産が実現する期又は負債が決済される期に適用されると予想される税率によって算定されます。
繰延税金資産及び負債は、当期税金負債と当期税金資産を相殺する法的強制力のある権利を有し、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合、相殺しております。
当社及び一部の子会社は、連結納税制度を適用しております。
(16) 1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期利益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有するすべての潜在株式の影響を調整して計算しております。
(17) 売却目的で保有する非流動資産
継続的使用ではなく主に売却取引により回収される非流動資産又は処分グループのうち、1年以内に売却する可能性が非常に高く、かつ現在の状態で即時に売却可能で、当社グループの経営者が売却計画の実行を確約している場合には、売却目的で保有する非流動資産又は処分グループとして分類しております。売却目的保有に分類されている間又は売却目的保有に分類されている処分グループの一部である間は、非流動資産は減価償却又は償却は行わず、売却目的保有に分類された非流動資産又は処分グループを、帳簿価額と売却費用控除後の公正価値のうち、いずれか低い方の金額で測定しております。
(18) 資本及びその他の資本項目
① 普通株式
普通株式は、発行価額を資本金及び資本剰余金に認識しております。また、株式発行費用は発行価額から控除しております。
② 自己株式
自己株式は取得原価で評価され、資本から控除しております。当社の自己株式の購入、売却又は消却において、利得又は損失は認識しておりません。なお、帳簿価額と売却時の対価との差額は、資本として認識しております。
(19) 配当金
当社の株主に対する配当のうち、期末配当は当社の株主総会により決議された日、中間配当は取締役会により決議された日の属する期間の負債として認識しております。
(20) 会計方針の変更
(リース)
当社グループは、当連結会計年度よりIFRS第16号「リース」(2016年1月公表)(以下、「IFRS第16号」)を適用しております。IFRS第16号の適用にあたっては、経過措置として認められている、本基準の適用による累積的影響を適用開始日に認識する方法を採用しております。
IFRS第16号の適用に際し、契約にリースが含まれているか否かについては、IFRS第16号C3項の実務上の便法を選択し、IAS第17号「リース」(以下、「IAS第17号」)及びIFRIC第4号「契約にリースが含まれているか否かの判断」のもとでの判断を引き継いでおります。適用開始日以降は、IFRS第16号の規定に基づき判断しております。
過去にIAS第17号を適用してオペレーティング・リースに分類した借手としてのリースについては、適用開始日に、使用権資産及びリース負債を認識しております。リース負債は、残存リース料を適用開始日における借手の追加借入利子率を用いて割り引いた現在価値で測定しております。当該追加借入利子率の加重平均は、1.0%であります。使用権資産は、リース負債の当初測定額に前払リース料等を調整した額で当初の測定を行っております。
過去にIAS第17号を適用してファイナンス・リースに分類した借手としてのリースについては、適用開始日の使用権資産及びリース負債の帳簿価額を、それぞれ、その直前の日におけるIAS第17号に基づくリース資産及びリース債務の帳簿価額で算定しております。
前連結会計年度末においてIAS第17号を適用した解約不能のオペレーティング・リース契約と、適用開始日において連結財政状態計算書に認識したリース負債の調整表は、以下のとおりであります。
百万円
解約不能オペレーティング・リース契約(2018年12月31日)25,018
ファイナンス・リース債務(2018年12月31日)2,419
解約可能オペレーティング・リース契約等139,998
2019年1月1日におけるリース負債167,435

また、適用開始日において連結財政状態計算書に認識した使用権資産は、171,890百万円であります。
なお、当社グループは、IFRS第16号の適用に際し、以下の実務上の便法を使用しております。
・特性が合理的に類似したリースのポートフォリオに単一の割引率を適用
・減損レビューを実施することの代替として、リースが適用開始日直前においてIAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」を適用して不利であるかどうかの評価に依拠
・当初直接コストを適用開始日現在の使用権資産の測定から除外
  • 有価証券報告書-第114期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)