臨時報告書

【提出】
2022/03/31 15:35
【資料】
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提出理由

当社は、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第179条第1項に規定する特別支配株主であるGCホールディングス株式会社(以下「GCホールディングス」といいます。)から、同法第179条の3第1項の規定による株式売渡請求(以下「本売渡請求」といいます。)の通知を受け、2022年3月31日開催の当社取締役会において、本売渡請求を承認することを決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の2の規定に基づき、本報告書を提出するものであります。

特別支配株主から株式等売渡請求の通知がされた場合又は当該株式等売渡請求を承認するか否かが決定された場合

1.本売渡請求の通知に関する事項
(1) 当該通知がされた年月日
2022年3月31日
(2) 当該特別支配株主の商号、本店の所在地及び代表者の氏名
商号 GCホールディングス株式会社
本店の所在地 東京都千代田区丸の内一丁目6番1号
代表者の氏名 代表取締役 小島 亘
(3) 当該通知の内容
GCホールディングスは、会社法第179条第1項に定める当社の特別支配株主(以下「特別支配株主」といいます。)として、当社の株主の全員(ただし、GCホールディングス、互応産業株式会社(以下「互応産業」といいます。)及び当社を除きます。)(以下「本売渡株主」といいます。)に対し、その所有する当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)の全部(以下「本売渡株式」といいます。)をGCホールディングスに売り渡す旨の請求を行うことを決定したとのことであり、当社は、2022年3月31日付でGCホールディングスから以下の内容の通知を受領いたしました。
① 特別支配株主完全子法人に対して本売渡請求をしないこととするときは、その旨及び当該特別支配株主完全子法人の名称(会社法第179条の2第1項第1号)
特別支配株主完全子法人である互応産業に対して本売渡請求をしないことといたします。
② 本売渡請求により本売渡株主に対して、本売渡株式の対価として交付する金銭の額及びその割当てに関する事項(会社法第179条の2第1項第2号、同項第3号)
GCホールディングスは、本売渡株主に対し、本売渡株式の対価(以下「本売渡対価」といいます。)として、その所有する本売渡株式1株につき、1,730円の割合をもって金銭を割当交付いたします。
③ 新株予約権売渡請求に関する事項(会社法第179条の2第1項第4号)
該当事項はありません。
④ 特別支配株主が本売渡株式を取得する日(以下「取得日」といいます。)(会社法第179条の2第1項第5号)
2022年4月28日
⑤ 本売渡対価の支払のための資金を確保する方法(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第1号)
GCホールディングスは、①GCホールディングス及びMCP5投資事業有限責任組合の間の2022年3月24日付募集株式総数引受契約書に基づくMCP5投資事業有限責任組合によるGCホールディングスが発行した普通株式に対する出資金、並びに、②GCホールディングス、株式会社京都銀行及び株式会社三菱UFJ銀行の間の2022年3月24日付金銭消費貸借契約書に基づく株式会社京都銀行及び株式会社三菱UFJ銀行からの借入金によって、本売渡対価の支払を行う予定です。
⑥ その他の本売渡請求に係る取引条件(会社法第179条の2第1項第6号、会社法施行規則第33条の5第1項第2号)
本売渡対価は、取得日以降合理的な期間内に、取得日の前日の最終の当社の株主名簿に記載又は記録された本売渡株主の住所又は本売渡株主が当社に通知した場所において、当社による配当財産の交付の方法に準じて交付するものとします。
ただし、当該方法により本売渡対価の交付ができなかった本売渡株主については、当社の本店所在地にて、当社が指定した方法により(本売渡対価の交付についてGCホールディングスが指定したその他の場所及び方法があるときは、当該場所及び方法により)、本売渡対価の支払を実施することといたします。

2. 本売渡請求を承認する旨の決定に関する事項
(1) 当該通知がされた年月日
2022年3月31日
(2) 当該決定がされた年月日
2022年3月31日
(3) 当該決定の内容
GCホールディングスからの通知のとおり、同社による本売渡請求を承認いたします。
(4) 当該決定の理由及び当該決定に至った過程
GCホールディングスが2022年2月7日から2022年3月23日までを公開買付期間として実施した当社株式に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)に関し、当社が2022年2月7日付で提出いたしました意見表明報告書(以下「本意見表明報告書」といいます。)の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本売渡請求は、GCホールディングスが当社株式のすべて(ただし、GCホールディングス及び互応産業が所有する当社株式並びに当社が所有する自己株式を除きます。)を取得し、当社株式を非公開化することを目的とする取引(以下「本取引」といいます。)の一環として行われるものであり、本売渡対価は、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)と同一の価格に設定されております。
当社は、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資するものであるとの結論に至りました。
当社は、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、2021年11月29日に、MCPキャピタル株式会社(以下、MCPキャピタル株式会社の発行済株式のすべてを所有するMCPパートナーズ株式会社と総称して「MCP」といいます。)及び当社の代表取締役社長である藤村春輝氏(以下「藤村氏」といいます。)から本公開買付けを通じて当社株式を非公開化することに関する本取引に至る経緯、スキーム概要、想定スケジュールの概要等に係る初期的な提案書が提出され、同日、MCP及び藤村氏に検討する旨の連絡を行い、MCP及び藤村氏と本取引の実施の是非及び条件について協議を進めることで合意いたしました。当該提案内容を検討するに当たり、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「③ 当社が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、本公開買付価格の公正性その他の本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、2021年12月10日付で、ファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として山田コンサルティンググループ株式会社(以下「山田コンサル」といいます。)を、リーガル・アドバイザーとしてシティユーワ法律事務所をそれぞれ選任いたしました。また、2021年12月10日、本取引に係る提案を検討するための特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。なお、本特別委員会の構成及び具体的な活動内容等については、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。)を設置し、本取引に係る協議・交渉を行う体制を構築いたしました。
その上で、当社は、本取引の目的、本取引後の経営体制・方針、本取引の諸条件等について、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における意見、指示、要請等に基づいた上で、山田コンサル及びシティユーワ法律事務所の助言を受けながら、MCP、藤村氏及びGCホールディングスとの間で2021年12月16日より2022年2月3日まで複数回にわたる協議・交渉を重ねた上で、本取引の妥当性について検討してまいりました。
また、本公開買付価格については、当社は、2022年1月5日にMCP及び藤村氏から本公開買付価格を1株当たり1,620円とする旨の提案を受けた後、山田コンサルから受けた当社株式の株式価値に係る試算結果の報告内容及び本特別委員会からの交渉方針に係る意見を踏まえた上で、可能な限り当社の少数株主の利益に配慮する観点より、2022年1月17日、GCホールディングス、MCP及び藤村氏に対し、本公開買付価格の引き上げに係る検討を要請いたしました。なお、当該要請を行うに際して、本特別委員会からは、2022年1月14日の会合において、本取引と同様に非公開化を目的としたマネジメント・バイアウト(MBO)及び親会社による完全子会社化の事例(経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」(以下「M&A指針」といいます。)を公表した2019年6月28日以降に公表された63件)と比較し、市場株価に対するプレミアムという観点では、1,620円という提案価格には一定の合理性があると認め得るものの(上記過去事例63件における市場株価へのプレミアムの平均値が、公表日の前営業日における終値に対して41.56%(小数点以下第三位を四捨五入。以下プレミアムの計算において同じとします。)、公表前1ヶ月間の終値単純平均値に対して44.73%、公表前3ヶ月間の終値単純平均値に対して48.43%、公表前6ヶ月間の終値単純平均値に対して49.72%であるのに対して、1,620円という提案価格の市場株価(2022年1月13日を基準日とし、基準日終値、並びに直近1ヶ月間、直近3ヶ月間及び直近6ヶ月間の終値単純平均値に基づき算定)へのプレミアムは概ね48%~49%と計算されました。)、提案価格に基づく株価純資産倍率(PBR)が0.72倍となる当社の純資産の状況等も勘案すると、その引き上げを要請することが適切であるとの意見が示されました。かかる要請を受けてGCホールディングス、MCP及び藤村氏より、当社は、2022年1月18日に、本公開買付価格を1株当たり1,670円とする旨の再提案を受けました。これに対し、当社は、2022年1月21日に、同月17日の上記要請と同様の観点、即ち、可能な限り当社の少数株主の利益に配慮する観点から、GCホールディングス、MCP及び藤村氏に対し、本公開買付価格の更なる引き上げの要請を行いました。なお、本特別委員会からは、当該要請に先立ち2022年1月20日に開催された会合において、同月14日の会合において示された意見に加え、当社株式について株価が確認可能な期間(大阪証券取引所に上場した2001年3月1日以降)の終値の最高値である2017年11月2日の1株当たり1,710円で取得している株主が存在する可能性があることを踏まえ、中長期にわたり当社株式を所有している少数株主の状況等も勘案すれば、本公開買付価格の再度の引き上げを要請することが適切であるとの意見が示されました。かかる要請を受けてGCホールディングス、MCP及び藤村氏より、当社は、2022年1月24日に、本公開買付価格を1株当たり1,700円とする旨の再提案を受けました。これに対し、当社は、2022年1月27日に、なお可能な限り当社の少数株主の利益に配慮する観点から、GCホールディングス、MCP及び藤村氏に対し、本公開買付価格の更なる引き上げの要請を行いました。なお、本特別委員会からは、当該要請に先立ち2022年1月26日に開催された会合において、同月20日の会合において示された意見を再度踏まえ、中長期にわたり当社株式を所有している少数株主の状況及び当社の純資産の状況等も勘案すれば、本公開買付価格の再度の引き上げを要請することが適切であるとの意見が示されました。かかる要請を受けてGCホールディングス、MCP及び藤村氏より、当社は、2022年1月31日に、本公開買付価格を1株当たり1,720円とする旨の再提案を受けました。これに対し、当社は、2022年2月1日に、当社の少数株主の利益に最大限配慮する観点から、GCホールディングス、MCP及び藤村氏に対し、本公開買付価格の更なる引き上げの要請を行いました。なお、本特別委員会からは、当該要請に先立ち2022年2月1日に開催された会合において、1,720円という価格は少数株主にとっても合理的な水準の域にあると考えられるものの、当社の少数株主の利益を最大限確保する観点から、本公開買付価格の再度の引き上げを要請することが適切であるとの意見が示されました。かかる交渉を経て、当社は、2022年2月2日にGCホールディングス、MCP及び藤村氏から本公開買付価格を1株当たり1,730円とする旨の最終提案を受けました。当社は、当該提案について、その妥当性を本特別委員会に確認する他、2022年2月3日付で山田コンサルから取得した株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)の内容も踏まえて慎重に検討を行い、その結果、当該価格は、本公開買付けの公表日の直近取引成立日である2022年2月1日の株式会社東京証券取引所市場第二部(以下「東証二部」といいます。)における当社株式の終値1,090円に対して58.72%、2022年2月3日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,088円(小数点以下を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じとします。)に対して59.01%、過去3ヶ月間の終値単純平均値1,089円に対して58.86%、過去6ヶ月間の終値単純平均値1,088円に対して59.01%のプレミアムがそれぞれ加えられた価格であり、前述したとおり過去事例63件における市場株価へのプレミアムの平均値が、公表日の前営業日における終値に対して41.56%、公表前1ヶ月間の終値単純平均値に対して44.73%、公表前3ヶ月間の終値単純平均値に対して48.43%、公表前6ヶ月間の終値単純平均値に対して49.72%であることと比較しても、当社株式の市場株価に対して合理的なプレミアムが付されていると評価でき、また、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」に記載の山田コンサルによる市場株価法に基づく算定結果のレンジの上限を上回っており、また、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づく算定結果のレンジの中央値を上回ることから、合理性を有すると判断するに至り、当社は当該提案を応諾することといたしました。なお、本公開買付価格は、当社の2021年9月30日現在の簿価純資産から算出した1株当たり純資産額(2,257円)を下回っておりますが、資産売却等の困難性や清算に伴う相当な追加コストの発生等を考慮すると、簿価純資産額がそのまま換価されるわけではなく、相当程度棄損することが見込まれます。また、上記のとおり、当社は、少数株主の利益に最大限配慮する観点より、当社の純資産の状況等も踏まえた交渉を行いましたが(その結果、当初の提案価格1,620円に基づく株価純資産倍率(PBR)が0.72倍であったところ、本公開買付価格に基づく株価純資産倍率(PBR)は0.77倍に上がっております。)、純資産額は会社の清算価値を示すものであり、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値の算定において重視することは合理的ではないと考えております。このように、当社は、MCP、藤村氏及びGCホールディングスとの間で、継続的に本公開買付価格の交渉を行ってまいりました。
さらに、当社は、リーガル・アドバイザーであるシティユーワ法律事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けるとともに、本特別委員会から2022年2月3日付で答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けました(本答申書の概要及び本特別委員会の具体的な活動内容等については、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」の「① 当社における特別委員会の設置及び答申書の取得」をご参照ください。)。その上で、当社は、シティユーワ法律事務所から受けた法的助言及び山田コンサルから取得した本株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本特別委員会から提出された本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本取引を通じて当社の企業価値を向上させることができるか、本公開買付価格を含む本取引の諸条件は妥当なものか、本取引は公正な手続を通じて行われることにより一般株主の享受すべき利益が確保されるものとなっているか等の観点から慎重に協議・検討を行いました。
本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「② 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ア)本公開買付けの実施を決定するに至った背景等」に記載のとおり、当社グループ(当社、連結子会社2社、関連会社1社及びその他の関係会社1社の計5社を意味します。以下同じです。)は、繊維用の油剤・糊剤を始め、化粧品、電子材料、紙や金属等の様々な分野及び多種の用途に製品を提供し、顧客ニーズに対応する形で化学工業製品の製造販売に係る事業を展開してまいりました。繊維業界における国内の織物生産の縮小や電子材料業界における価格競争の激化等、当社グループの事業を取り巻く環境は変化しており、かかる環境下において、様々な産業における技術革新やそれに伴う顧客ニーズの変化に対応すべく、当社としては、より成長性の高い分野を見極めながら、競争力の源泉となり得る新製品・新機能の開発及び生産性を向上させるための設備投資等を積極的かつ継続的に行っていく必要があると認識しております。しかしながら、当社グループでは、顧客からの個別の要望に応え、多岐にわたる製品を提供し、市場のニーズにきめ細かく対応しつつも、上場会社として一定の利益水準を確保・継続する必要があるとの考えの下、積極的な設備投資や事業構造の革新等を推し進めることができておらず、結果として、中長期的な視点から2002年3月期から2021年3月期の過去20年間の推移をみても、連結財務諸表での売上高は約63億円から約76億円の範囲で推移し続けており、継続的な成長を実現することができておりません。
かかる状況において、当社は、MCP及び藤村氏から、本取引に係る協議・交渉の過程において、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)意見の根拠及び理由」の「② 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ア)本公開買付けの実施を決定するに至った背景等」に記載のとおり、藤村氏の経営能力、MCPがこれまで培ってきたノウハウ、知見及びMCPが保有する経営リソース等と、当社が創業以来培ってきた高度なポリマー配合技能を軸とした高いQCD(注1)水準と考えられる製品提供力及び顧客の個別需要への柔軟な対応力等の事業上の強みを併せて活用することにより、繊維用糊剤事業、電子材料事業を安定成長させつつ、今後の成長が期待できる水溶性ポリエステル樹脂、化粧品用樹脂事業を成長させ、既存の事業基盤を土台としながらも、川上・川下領域への進出及び既存の事業展開領域における新製品の開発や他社との提携及びM&Aを通じた研究開発・生産の最適化を目指して事業拡大に当たり必要となる設備投資等の先行投資を実行するとともに、成長戦略のオプションとして事業領域拡大、顧客との協業、他社との提携及びM&Aを積極的に実施していくという方針が示され、2022年1月初旬に当社としても、かかる施策を通じて、高度なポリマー配合技能を軸とした高いQCD水準と考えられる製品提供力及び顧客の個別需要への柔軟な対応力により独自の機能性をもった化学工業製品の製造販売を行う企業としての当社の事業基盤を維持・活用しながら、MCPの協力の下、中長期的な観点から、川上・川下領域への進出及び既存の事業展開領域における新製品の開発や他社との提携及びM&Aを通じた研究開発・生産の最適化を図ることにより各事業における経営資源の機動的な最適分配を実現することが可能となり、事業拡大に当たり必要となる設備投資等の先行投資を実行し、成長戦略のオプションとして事業領域を拡大することにより当社の持続的な成長及び企業価値の向上に資するものと判断いたしました。
(注1)「QCD」とは、一般的に製造業において生産管理を行う上で重要とされる、Quality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)の3要素の頭文字であります。
しかしながら、かかる積極的な施策の遂行は、中長期的には当社の企業価値向上に資することが期待できるものの、直ちにその効果が発現し当社の業績に貢献するとは限らず、むしろ、事業拡大に当たり必要となる設備投資等の先行投資による、減価償却費の増加や先行投資に係る支払いに伴い、短期的には当社の利益水準やキャッシュ・フローの悪化を招く可能性があります。当社が上場を維持しながら当該施策を実施した場合には、資本市場からの十分な評価を得ることができず、当社の株主の皆様に対して、短期的に当社株式の市場株価の下落といった不利益を与えるおそれが懸念されます。かかる懸念を払拭し、当社が将来的かつ持続的な成長を実現するためには、当社株式を非公開化することにより、短期的な業績変動に過度にとらわれることなく、中長期的な観点に立脚した上で機動的かつ柔軟な意思決定を可能とする経営体制を構築し、ハンズオンでの支援を行うことができるMCPの経営ノウハウ及び人材ネットワーク等の経営支援を最大限活用することで仕入先、メーカーとのネットワークの構築及び次世代の経営層の育成を含む人材面での教育体制や仕組みを根付かせることができ、当社の企業価値向上を実現する最良の選択であると判断するに至りました。また、当社株式の非公開化により、上場を維持するために必要な費用(有価証券報告書等の継続的な情報開示に要する費用、監査費用、株主総会の運営や株主名簿管理人への事務委託に要する費用等)を削減することができ、かつ、上場会社として必要となる管理部門の維持のための費用その他のコスト等、上場維持によるその他の経営負担も解消され、事業成長への経営資源の集中を図ることも可能になると考えております。
なお、当社株式の非公開化を行った場合には、当社は資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなり、また、上場会社として当社が享受してきた社会的な信用力及び知名度の向上による優れた人材の確保及び取引先の拡大等に影響を及ぼす可能性が考えられます。しかしながら、当社の現在の現預金の水準や昨今の間接金融における低金利環境等に鑑みると、あえてエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行う必要はないと考えております。また、当社の社会的な信用力及び知名度の向上による優れた人材の確保及び取引先の拡大等については、事業活動を通じて獲得・維持される部分が大きくなっており、当社株式の上場を維持する必要性は相対的に減少していると認識しております。加えて、第三者によるものではなく、2013年6月より当社の代表取締役社長を務めており、当社の事業内容を熟知している藤村氏が経営を継続することで、当社が創業以来培ってきた高度なポリマー配合技能を軸とした高いQCD水準と考えられる製品提供力及び顧客の個別需要への柔軟な対応力等の事業上の強みを活かしつつ、MCPの有するリソースやネットワークに基づく方針・施策を取り入れることにより、当社の企業価値向上を実現していくことが可能になると考えられることから、マネジメント・バイアウト(MBO)の手法により、引き続き藤村氏が当社の経営に当たることは合理的であると考えております。さらに、本スクイーズアウト手続(当社の株主をGCホールディングス及び互応産業のみとし、当社株式を非公開化するための一連の手続を意味します。)完了日に、藤村氏がGCホールディングスに対して20%出資することが想定されている点についても、本取引後の当社の経営に対する藤村氏の高いコミットメントを意味するものであり、当社の役職員、取引先その他のステークホルダーとの関係性の維持・発展等の観点から、当社の中長期的な企業価値向上にとって有益であると考えました。
以上を踏まえ、当社は、2022年2月4日開催の当社取締役会において、マネジメント・バイアウト(MBO)の手法により、藤村氏による再出資を伴う形で本公開買付けを含む本取引により当社株式を非公開化することが、当社の企業価値の向上に資するものであると判断いたしました。
また、本公開買付価格(1,730円)が、(a)本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(3)算定に関する事項」に記載されている山田コンサルによる当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定結果のレンジの上限値を上回っており、また、DCF法に基づく算定結果のレンジの中央値を上回ること、(b)本公開買付けの公表日の前営業日である2022年2月3日を基準日とし、その直近取引成立日である2022年2月1日の東証二部における当社株式の終値1,090円に対して58.72%、基準日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値1,088円に対して59.01%、過去3ヶ月間の終値単純平均値1,089円に対して58.86%、過去6ヶ月間の終値単純平均値1,088円に対して59.01%のプレミアムがそれぞれ加えられた価格であり、経済産業省が「M&A指針」を公表した2019年6月28日以降に公表された他のマネジメント・バイアウト(MBO)及び親会社による完全子会社化の事例(63件)におけるプレミアム(上記のとおり、市場株価へのプレミアムの平均値が、公表日の前営業日における終値に対して41.56%、公表前1ヶ月間の終値単純平均値に対して44.73%、公表前3ヶ月間の終値単純平均値に対して48.43%、公表前6ヶ月間の終値単純平均値に対して49.72%)と比較して、その平均的な水準以上のプレミアムが付されていると考えられること、(c)本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(6)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置」に記載の利益相反を回避するための措置が採られていること等、当社の一般株主の利益への配慮がなされていると認められること、(d)上記利益相反を回避するための措置が採られた上で、当社とMCP、藤村氏及びGCホールディングスとの間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が複数回行われ、より具体的には、当社において、本特別委員会との協議、山田コンサルによる当社株式の株式価値に係る算定結果の内容や財務的見地からの助言及びシティユーワ法律事務所から受けた法的助言等を踏まえて、MCP、藤村氏及びGCホールディングスとの間で真摯かつ継続的に協議・交渉が行われた上で決定された価格であること、(e)本特別委員会が、事前に交渉方針を確認するとともに、適時にその状況の報告を受け、交渉上重要な局面において意見、指示、要請等を行った上で、本公開買付価格を含む本取引の条件について妥当である旨の意見を述べていること等を踏まえ、当社は、2022年2月4日開催の当社取締役会において、本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、当社の株主の皆様に対して、合理的な株式の売却の機会を提供するものであると判断いたしました。なお、本公開買付価格は、当社の2021年9月30日現在の簿価純資産から算出した1株当たり純資産額(2,257円)を下回っておりますが、資産売却等の困難性や清算に伴う相当な追加コストの発生等を考慮すると、簿価純資産額がそのまま換価されるわけではなく、相当程度棄損することが見込まれます。また、純資産額は会社の清算価値を示すものであり、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値の算定において重視することは合理的ではないと考えました。なお、継続企業の観点からは山田コンサルの株式価値算定のDCF法において中央値を上回る水準であり、当社が多額に保有している現預金については最低限の必要運転資金(売上原価及び販管費の合計額から減価償却費を控除した金額の1ヶ月から1.5ヶ月の水準)を除き、株式価値に反映していることから、当社は、本公開買付価格について、市場株価法に加え、DCF法による分析結果を勘案して検討した結果、妥当であると判断いたしました。
以上より、当社は、2022年2月4日開催の当社取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(藤村氏及び田中久喜氏を除く取締役7名(福島泰人氏、三宅得山氏、古川輝雄氏、松村正人氏及び渡邊徹氏並びに監査等委員である西川憲一氏及び吉田弘文氏))の全員一致で、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議いたしました。なお、当社の代表取締役である藤村氏は、GCホールディングスへの出資を予定しており、かつ本公開買付け成立後も継続して当社の経営に当たることを予定していること、また、当社の取締役(監査等委員)である田中久喜氏は、本取引後において税理士として藤村氏への役務提供を予定していることから、利益相反の疑いを回避する観点より、当該取締役会における審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場においてMCP、藤村氏及びGCホールディングスとの協議及び交渉にも一切関与しておりません。
その後、当社は、2022年3月24日、GCホールディングスより、本公開買付けの結果について、当社株式4,920,531株の応募があり、そのすべてを取得することとなった旨の報告を受けました。この結果、2022年3月30日(本公開買付けの決済の開始日)付で、GCホールディングスの所有する当社株式に係る議決権所有割合(注2)は、同社の完全子会社である互応産業を通じた間接所有分と併せて、97.43%となり、GCホールディングスは、当社の特別支配株主に該当することとなりました。
(注2)「議決権所有割合」は、当社が2022年2月4日に公表した「2022年3月期第3四半期決算短信[日本基準](連結)」に記載された2021年12月31日現在の発行済株式総数 (6,992,000株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(699,882株)を控除した株式数(6,292,118株)に係る議決権の数(62,921個)を分母として計算し、また、小数点以下第三位を四捨五入しております。
このような経緯を経て、当社は、GCホールディングスより、本日付で、本意見表明報告書の「3 当該公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本取引の一環として、本売渡請求をする旨の通知を受けました。そして、当社は、かかる通知を受け、本売渡請求を承認するか否かについて、慎重に協議、検討いたしました。
その結果、当社取締役会は、(a)本売渡請求は本取引の一環として行われるものであるところ、当社は、上記のとおり、本取引は当社の企業価値の向上に資すると判断しており、当該判断を変更すべき特段の事情が見受けられないこと、(b)本売渡株式1株につき1,730円という本売渡対価は、本公開買付価格と同一の価格であること、及び下記「(4)公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載のとおり、本取引の公正性を担保するための措置が講じられていること等から、本売渡株主にとって合理的な価格であり、少数株主の利益への配慮がなされていると考えられること、(c)GCホールディングスは、①GCホールディングス及びMCP5投資事業有限責任組合の間の2022年3月24日付募集株式総数引受契約書に基づくMCP5投資事業有限責任組合によるGCホールディングスが発行した普通株式に対する出資金、並びに、②GCホールディングス、株式会社京都銀行及び株式会社三菱UFJ銀行の間の2022年3月24日付金銭消費貸借契約書に基づく株式会社京都銀行及び株式会社三菱UFJ銀行からの借入金によって、本売渡対価の支払を行う予定であり、当社としても、MCP5投資事業有限責任組合の作成に係る出資証明書、株式会社京都銀行の作成に係る融資証明書及び株式会社三菱UFJ銀行の作成に係る融資証明書によりGCホールディングスによる資金確保の方法を確認していること、また、GCホールディングスによれば、本売渡対価の支払に支障を及ぼす事象は発生しておらず、今後発生する可能性も認識されていないとのこと等から、GCホールディングスによる本売渡対価の支払のための資金の準備状況は相当であり、本売渡対価の交付の見込みがあると考えられること、(d)本売渡対価の交付までの期間及び支払方法について不合理な点は認められないことから、本売渡請求に係る取引条件は相当であると考えられること、(e)本公開買付けの開始以降本日に至るまで当社の企業価値に重大な変更は生じていないこと等を踏まえ、本売渡請求は、本売渡株主の利益に配慮したものであり、本売渡請求の条件等は適正であると判断し、本日、GCホールディングスからの通知のとおり、本売渡請求を承認する旨の決議をいたしました。
上記の当社取締役会においては、審議及び決議に参加した当社の取締役(藤村氏及び田中久喜氏を除く取締役7名(福島泰人氏、三宅得山氏、古川輝雄氏、松村正人氏及び渡邊徹氏並びに監査等委員である西川憲一氏及び吉田弘文氏))の全員一致により本売渡請求を承認する旨の決議を行っております。なお、当社の代表取締役である藤村氏は、GCホールディングスへの出資を予定しており、かつ本取引後も継続して当社の経営に当たることを予定していること、また、当社の取締役(監査等委員)である田中久喜氏は、本取引後において税理士として藤村氏への役務提供を予定していることから、利益相反の疑いを回避する観点より、当該取締役会における審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場においてMCP、藤村氏及びGCホールディングスとの協議及び交渉にも一切関与しておりません。
以 上