訂正内部統制報告書-第123期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2021/12/27 14:02
【資料】
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財務報告に係る内部統制の基本的枠組みに関する事項

当社代表取締役社長植竹正隆は、当社及び連結子会社(以下「当社グループ」)の財務報告に係る内部統制の整備及び運用に責任を有しており、企業会計審議会が公表した「財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準並びに財務報告に係る内部統制の評価及び監査に関する実施基準の設定について(意見書)」に示されている内部統制の基本的枠組みに準拠して財務報告に係る内部統制を整備及び運用しております。
なお、内部統制は、内部統制の各基本的要素が有機的に結びつき、一体となって機能することで、その目的を合理的な範囲で達成しようとするものであります。このため、財務報告に係る内部統制により財務報告の虚偽の記載を完全には防止又は発見することができない可能性があります。

評価の範囲、基準日及び評価手続に関する事項

財務報告に係る内部統制の評価は、当連結会計年度の末日である2020年3月31日を基準日として行われており、評価に当たっては、一般に公正妥当と認められる財務報告に係る内部統制の評価の基準に準拠しております。
本評価においては、連結ベースでの財務報告全体に重要な影響を及ぼす内部統制(全社的な内部統制)の評価を行った上で、その結果を踏まえて、評価対象とする業務プロセスを選定しております。当該業務プロセスの評価においては、選定された業務プロセスを分析した上で、財務報告の信頼性に重要な影響を及ぼす統制上の要点を識別し、当該統制上の要点について整備及び運用状況を評価することによって、内部統制の有効性に関する評価を行いました。
財務報告に係る内部統制の評価の範囲は、当社グループについて、財務報告の信頼性に及ぼす影響の重要性の観点から必要な範囲を決定しております。
当社グループは当社及び連結子会社23社で構成されておりますが、うち当社及び連結子会社13社を対象として行った全社的な内部統制の評価結果を踏まえ、業務プロセスに係る内部統制の評価範囲を合理的に決定いたしました。
なお、その他の連結子会社10社については、金額的及び質的重要性の観点から僅少であると判断し、全社的な内部統制の評価範囲に含めておりません。
業務プロセスに係る内部統制の評価範囲については、まず業務の相互依存、補完性の観点から事業拠点の分析を行い、国内の当社及び子会社1社を本社拠点、中国の子会社3社を中国拠点、シンガポール及びマレーシアの子会社2社をシンガポール拠点、欧州の子会社4社を欧州拠点とみなし、その他の子会社は各社単位を事業拠点と分類しました。その後、各事業拠点の当連結会計年度の売上高(連結会社間取引消去後)の金額が大きい拠点から合算していき、当連結会計年度の連結売上高の概ね2/3に達している3事業拠点を「重要な事業拠点」といたしました。選定した重要な事業拠点においては、企業の事業目的に大きく関わる勘定科目として売上高、売掛金及び棚卸資産に至る業務プロセスを評価の対象といたしました。
さらに、選定した重要な事業拠点にかかわらず、それ以外の事業拠点をも含めた範囲について、重要な虚偽記載の発生可能性が高く、見積や予測を伴う重要な勘定科目に係る業務プロセスやリスクが大きい取引を行っている事業又は業務に係る業務プロセスを、財務報告への影響を勘案して重要性の大きい業務プロセスとして評価対象に追加しております。

評価結果に関する事項

下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすことになり、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。したがって、当連結会計年度末日時点において、当社グループの財務報告に係る内部統制は有効でないと判断いたしました。

当社の連結子会社であるCHUGOKU MARINE PAINTS (Shanghai), Ltd.(以下、「CMP上海」という。)において、現地監査人も加わった社則及び規程類の見直し等の内部統制の改善に関連した話し合いの中で、退職金に相当する支払いに関する労働組合との協約の存在を確認し検討した結果、本来は負債計上すべき退職給付に係る負債の計上が漏れていることが判明いたしました。
これを受け、当社は、退職給付債務の算定を外部専門家に依頼するとともに、本件が発生した経緯や原因等の調査を進めるにあたって、より客観的な調査を行うため、2021年11月17日に外部専門家から構成される調査委員会を設置し調査を行い、2021年12月24日にCMP上海における退職給付に係る負債の計上漏れに関して、同委員会から調査結果報告書を受領いたしました。
当社は、本報告書の内容及び会計監査人による指摘に基づき過年度の決算を訂正し、2017年3月期から2021年3月期までの有価証券報告書、及び2019年3月期第3四半期から2022年3月期第1四半期までの四半期報告書について訂正報告書を提出いたしました。
訂正の原因として、CMP上海において労働組合との協約を適切に財務諸表へ反映させる意識が欠如していたこと、CMP上海における退職給付会計の実務に精通する人材の不足、CMP上海で締結された労働組合との協約のような人事規程等に対する当社によるモニタリング、及び海外子会社に対する特に規程類に関する内部監査が十分でなかったことが挙げられます。
これらの当社及びCMP上海の全社的な内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼしており、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
なお、上記の開示すべき重要な不備については当連結会計年度の末日後に認識したため、当連結会計年度の末日においては是正が完了しておりません。また、上記の開示すべき重要な不備に起因する必要な修正は、すべて連結財務諸表に反映しております。
当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、開示すべき重要な不備を是正するために、調査委員会の指摘・提言をふまえ、実効性のある再発防止策を策定の上、財務報告に係る内部統制の不備の改善を図ってまいります。
以上