有価証券報告書-第198期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/19 15:40
【資料】
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【項目】
55項目

事業等のリスク

当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性のある主なリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 新製品の研究開発に関わるリスク
当社グループは独創性の高い国際的に通用する有用な新製品の開発に取り組んでおります。開発パイプラインの充実と早期の上市を目指しておりますが、新薬開発の難度が高まる中、すべての品目の開発が今後計画どおりに進み承認・発売に至るとは限らず、有効性や安全性の観点から開発が遅延または中止しなければならない事態になる場合も予想されます。そのような場合には、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(2) 連結売上収益における比率の高い特定製品に関するリスク
当社グループの収益の柱である、非定型抗精神病薬ラツーダ(ルラシドン塩酸塩)の当連結会計年度の北米での売上収益は、当社連結売上収益の38%を占めております。ラツーダは、特許侵害訴訟の動向や他の有力な競合品の出現その他予期せぬ事情等により、売上収益が減少した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(3) 知的財産権に関わるリスク
当社グループは研究開発において種々の知的財産権を使用しております。これらは当社グループ所有のもの、または適法に使用許諾を受けたものとの認識のうえで使用しておりますが、当社グループの認識の範囲外で第三者の知的財産権を侵害する可能性があります。また当社グループの事業は多くの知的財産権によって保護されていますが、保有する知的財産権が第三者に侵害された場合のほか、知的財産権の有効性や帰属を巡る係争が発生した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(4) 医療制度改革について
国内においては、急速に進展する少子高齢化等により医療保険財政が悪化する中、先発医薬品の価格抑制や後発医薬品の使用促進などの医療費抑制策が図られ、さらなる医療制度改革の論議が続けられております。医療制度改革はその方向性によっては当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
また、海外においても医薬品は各種の規制を受けており、行政施策の動向によっては、重要な影響を受ける可能性があります。
(5) 副作用問題について
医薬品は開発段階において充分に安全性の試験を実施し、世界各国の所轄官庁の厳しい審査を受けて承認されておりますが、市販後に新たな副作用が見つかることも少なくありません。市販後に予期せぬ副作用が発生した場合に、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(6) 提携解消について
当社グループは仕入商品の販売、合弁事業、共同販売、開発品の導入または導出、共同研究等さまざまな形で他社と提携を行っております。何らかの事情によりこれらの提携関係を解消することになった場合には、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(7) 主要な事業活動の前提となる事項について
当社グループの主な事業は医療用医薬品事業であり、国内においては、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」等の薬事に関する法令に基づき、その研究開発および製造販売等を行うにあたり、「第一種医薬品製造販売業」、「第二種医薬品製造販売業」(いずれも有効期間5年)等の許可等を取得しております。また、海外においても医療用医薬品事業を行うにあたっては、当該国の薬事関連法規等の規制を受け、必要に応じて許可等を取得しております。これらの許可等については、各法令で定める手続きを適切に実施しなければ効力を失います。また各法令に違反した場合、許可等の取消し、または期間を定めてその業務の全部もしくは一部の停止等を命ぜられることがある旨が定められております。当社グループは、現時点において、許可等の取消し等の事由となる事実はないものと認識しておりますが、将来、当該許可等の取消し等を命ぜられた場合には、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(8) 訴訟に関わるリスク
当社の主力商品の一つである非定型抗精神病薬ラツーダに関して、当連結会計年度に当社は新たに用途特許および製剤特許を取得しましたが、当連結会計年度末現在、当社及び当社子会社による複数の後発医薬品メーカーに対する特許侵害訴訟が係属しています。また、当社グループの事業活動に関連して、医薬品の副作用、製造物責任、労務問題、公正取引等に関連し、訴訟を提起される可能性があります。上記特許侵害訴訟及びその他の訴訟には性質上不確実性があり、その動向によっては、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(9) 工場の閉鎖または操業停止に関わるリスク
当社グループの工場が、技術上の問題、使用原材料の供給停止、火災、地震、その他の災害等により閉鎖または操業停止となり、製品の供給が遅滞もしくは休止した場合、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(10) 金融市況および為替変動による影響について
株式市況の低迷によっては保有する株式の評価損や売却損が生じ、金利動向によっては借入金等の支払利息が増加するほか、金融市況の悪化によっては退職給付制度債務が増加するなど、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、為替相場の変動によっては、輸出入取引および連結子会社業績等の円換算において、重要な影響を受ける可能性があります。
(11) 非金融資産の減損の影響について
当社グループは、事業用の資産やのれん等、さまざまな有形固定資産や無形資産を保有しております。将来、大幅な業績の悪化や価値の低下等があった場合、減損処理の必要が生じ、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(12) 親会社との取引について
当社と親会社である住友化学株式会社との間で、大阪研究所、愛媛工場および大分工場の土地賃借、これらの事業所等で使用する用役や主に原薬を製造する際に使用する原料の購入契約を締結しております。当該契約等は、一般的な市場価格を参考に双方協議のうえ合理的に価格が決定され、当事者からの申し出がない限り1年ごとに自動更新されるものであります。このほか、親会社から出向者の受入を行っており、また、資金効率向上等の観
点から親会社への短期貸付を実施しております。今後も当該取引等を継続していく方針でありますが、同社との契約・取引内容等に変化が生じた場合には、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(13) 海外事業展開に関するリスク
当社グループは、北米、中国を中心にグローバルな事業活動を展開しておりますが、各国の規制・制度変更や外交関係の悪化、政情不安等のリスクが内在しており、このようなリスクに直面した場合、当社グループの事業計画が達成できず、経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(14) 情報管理に関するリスク
当社グループは、各種情報システムを使用しているため、システムの障害やコンピューターウィルス等により、業務が阻害される可能性があります。また、個人情報を含め多くの機密情報を保有していますが、これらが社外に漏洩した場合には、損害賠償、行政処分、社会的信用の毀損等により、当社グループの経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(15) コンプライアンスに関するリスク
当社グループは、コンプライアンスの推進を全ての事業活動の土台と位置付け、法令および企業倫理の遵守に努めておりますが、コンプライアンスの精神に反するような事態が生じた場合には、企業グループとしての社会的信用の失墜等により、経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。
なお、上記以外にもさまざまなリスクがあり、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。