有価証券報告書-第110期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/03/23 16:13
【資料】
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【項目】
126項目

研究開発活動

当社グループは、医療用医薬品に関して国内外にわたる積極的な研究開発活動を展開しており、国際的に通用する革新的な医薬品の創製に取り組んでおります。国内では、御殿場、鎌倉に研究拠点を配置し、連携して創薬の研究を行う一方、浮間では工業化技術の研究を行っております。また、海外では、中外ファーマ・ユー・エス・エー・インコーポレーテッド(米国)、中外ファーマ・ヨーロッパ・リミテッド(英国)、日健中外科技(北京)有限公司(中国)、台湾中外製薬股份有限公司(台湾)が医薬品の開発・申請業務を、中外ファーマボディ・リサーチ・ピーティーイー・リミテッド(シンガポール)が医薬品の研究開発を行っています。
当連結会計年度におけるCoreベースの研究開発費は、1,135億円(前年同期比11.2%増)、売上収益研究開発比率は14.4%となりました。
2020年1月1日から2020年12月31日までの研究開発活動の進捗状況は以下のとおりであります。
「がん領域」
・抗HER2抗体チューブリン重合阻害剤複合体「RG3502」(製品名:「カドサイラ」)は、2020年8月にHER2陽性の乳がんにおける術後薬物療法の適応拡大について承認を取得しました。
・ROS1/TRK阻害剤「RG6268」(製品名:「ロズリートレク」)は、2020年2月にROS1 融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんの適応拡大について承認を取得しました。
・改変型抗PD-L1モノクローナル抗体「RG7446」(製品名:「テセントリク」)は、2020年2月に、切除不能な進行・再発の肝細胞がんを対象として承認申請を行い、同年9月に承認を取得しました。また、同年7月に腎細胞がん(カボザンチニブとの併用)、同年8月に非小細胞肺がん(ステージⅢ)(RG6058との併用)を対象としてそれぞれ第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。加えて同年10月に膵臓腺がんを対象として第Ⅰ相国際共同治験(「RG6058」又は「RG1569」との併用)を開始しました。第Ⅲ相国際共同治験IMvigor010及びIMmotion151の結果に鑑み、筋層浸潤尿路上皮がん(アジュバント)及び腎細胞がんを対象とする開発をそれぞれ中止しました。
・抗VEGF(血管内皮増殖因子)ヒト化モノクローナル抗体「RG435」(製品名:「アバスチン」)は、2020年2月に切除不能な進行・再発の肝細胞がんを対象として承認申請を行い、同年9月に承認を取得しました。また、同年1月に小細胞肺がんを対象として第Ⅲ相国際共同治験(「RG7446」との併用)を開始しました。第Ⅲ相国際共同治験IMmotion151の結果に鑑み、腎細胞がんを対象とする開発を中止しました。
・抗CD79b抗体薬物複合体「RG7596」は、2020年6月に、再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫を対象として承認申請を行いました。
・抗TIGITヒトモノクローナル抗体「RG6058」は、2020年2月に小細胞肺がん、同年3月に非小細胞肺がん、同年8月に非小細胞肺がん(ステージⅢ)、同年9月に食道がんを対象としてそれぞれ第Ⅲ相国際共同治験(「RG7446」との併用)を開始しました。
・腫瘍溶解性5型アデノウイルス「OBP-301」は、2020年3月に食道がんを対象として第Ⅱ相臨床試験を開始しました。
・「AMY109」は、2020年3月に固形がんを対象として第Ⅰ相臨床試験を開始しました。
・抗CD137アゴニストスイッチ抗体「STA551」は、2020年3月に固形がんを対象として第Ⅰ相臨床試験を開始しました。
・抗CD20/CD3バイスペシフィック抗体「RG6026」は、2020年3月に血液がんを対象として第Ⅰ相臨床試験を開始しました。
・選択的エストロゲン受容体分解薬「RG6171」は、2020年4月に乳がんを対象として第Ⅰ相臨床試験を、同年10月に第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。
・「SPYK04」は、2020年9月に固形がんを対象として第Ⅰ相臨床試験を開始しました。
・抗HER2/CD3バイスペシフィック抗体「RG6194」は、2020年11月に固形がんを対象として第Ⅰ相国際共同治験を開始しました。
・Raf/MEK阻害剤「CKI27」は、2020年1月に、全世界における製造・開発・販売の独占的実施権を許諾するグローバルライセンス契約をVerastem Oncology社と締結しました。
「骨・関節領域」
・活性型ビタミンD3誘導体「ED-71」(製品名:「エディロール」)は、2020年12月に中国にて骨粗鬆症を適応症として承認を取得しました。
「神経疾患領域」
・pH依存的結合性ヒト化抗IL-6レセプターモノクローナル抗体「SA237/RG6168」(製品名:「エンスプリング」)は、2020年6月に視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防を適応症として承認を取得し、8月に発売しました。また、同年8月に米国にて視神経脊髄炎スペクトラム障害を適応症として承認を取得しました。
・SMN2 スプライシング修飾剤「RG7916」は、2020年10月に脊髄性筋萎縮症を対象として承認申請を行いました。
・パーシャルTAAR1アゴニスト「RG7906」は、2020年2月に統合失調症を対象として第Ⅱ相国際共同治験を開始しました。
・抗ミオスタチンadnectin「RG6206」は、第Ⅱ/Ⅲ相国際共同治験「SPITFIRE試験」の結果に鑑み、デュシェンヌ型筋ジストロフィーを対象とする開発を中止しました。
・バソプレシン1a 受容体アンタゴニスト「RG7314」は、ロシュ社による複数の海外試験の結果に鑑み、自閉スペクトラム症を対象とする開発を中止しました。
「その他の領域」
・抗補体C5リサイクリング抗体「SKY59/RG6107」は、2020年9月に発作性夜間ヘモグロビン尿症を対象として第Ⅲ相国際共同治験を開始しました。
・ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体「MRA/RG1569」(製品名:「アクテムラ」)は、2020年5月に新型コロナウイルス肺炎を対象として国内第Ⅲ相臨床試験を開始しました。
・抗血液凝固第Ⅸa/Ⅹ因子ヒト化二重特異性モノクローナル抗体「ACE910/RG6013」(製品名:「ヘムライブラ」)は、2020年6月に後天性血友病Aを対象として国内第Ⅲ相臨床試験を開始しました。
※本章において、金額は億円未満を四捨五入しております。また、増減及び%は億円単位で表示された数字で計算しております。