四半期報告書-第111期第2四半期(平成26年7月1日-平成26年9月30日)
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1) 経営成績の分析
① 連結業績全般の概況
当第2四半期連結累計期間(以下「当期間」)における当社グループの主な事業の状況を概観しますと、情報機器事業では、オフィスサービス分野のA3カラー複合機が好調に推移し、前年同期から販売台数を伸ばしました。欧米では複合機とITサービスを組み合わせたハイブリッド型の販売が成果を挙げており、特に業種別提案型販売で先行している米国において成功事例が増えています。商業・産業印刷分野では、新製品効果も寄与し、デジタル印刷機の販売台数は前年同期を上回りました。また、産業用インクジェットヘッドを中心にインクジェット関連も好調な販売が続きました。
ヘルスケア事業では、海外はデジタル機器を中心に販売を伸ばしましたが、国内は診療報酬改定の影響が継続し、主力のカセッテ型デジタルX線画像診断システムを含み厳しい状況が続きました。一方、新たな事業領域である超音波画像診断装置は自社開発の新製品を投入し、事業強化を進めました。
産業用材料・機器事業では、産業用光学システム分野は、計測機器が光源色分野を中心に好調を維持し、売上を拡大しました。また、光学分野の産業・プロ用レンズの販売も概ね堅調に推移しました。機能材料分野は、大型液晶テレビ、中小型パネルの需要が堅調に推移したことにより、液晶偏光板用TACフィルム及び視野角拡大用VA-TACフィルムの販売数量は前年同期を上回りました。
これらの結果、当期間における当社グループの連結売上高は、4,785億円(前年同期比6.2%増)となりました。情報機器事業の増収が全社を牽引しました。
営業利益は、情報機器事業での増益、産業用材料・機器事業での収益好転、為替の円安影響も寄与し、291億円(前年同期比20.7%増)となりました。
経常利益は、営業利益の増益を受け、286億円(前年同期比33.4%増)となりました。
税金等調整前四半期純利益は274億円となりました。前期にはHDD用ガラス基板事業の撤退損失168億円等を計上したため、当期は大幅な増益となりました。
四半期純利益は、146億円(前年同期比164.2%増)となりました。前期はグループ再編に伴う繰延税金資産の見直しに係る税効果92億円を計上しましたが、税金等調整前四半期純利益の改善が大きく、大幅な増益となりました。
② 主要3セグメントの状況
(注)当連結会計年度の第1四半期連結会計期間から、産業用インクジェット事業の報告区分を、「その他」区分より「情報機器事業」区分に変更しております。この変更に伴い、前第2四半期連結累計期間のセグメント情報は、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。
1)情報機器事業
オフィスサービス分野では、A3カラー複合機が好調を維持し、全ての地域で前年同期から販売台数を伸ばしました。欧米を中心に推進しているハイブリッド型の販売が成果を挙げています。特に米国では業種別に再編した複合機の営業チームと買収したITサービス企業の営業チームの連携が進み、ソリューションやサービスを武器にした大手新規顧客の開拓やITサービスでの大型契約の獲得など多くの成功事例が増えています。
商業・産業印刷分野では、デジタル印刷システムのカラー最上位機種「bizhub PRESS(ビズハブ プレス) C1100」「bizhub PRESS C1085」など新製品が商業印刷市場で高い評価を得て、カラー機を中心に販売台数を伸ばしました。事業強化に注力しているMPM(Marketing Print Management)サービスは、欧州でのCharterhouse PM Ltd.(本社:イギリス)買収に続き、本年6月にはErgo Asia Pty Ltd.(本社:オーストラリア)を買収してアジア・パシフィックの体制を強化、更に北米や日本などグローバル展開に向けた体制整備とサービスの拡充を進めています。また、産業用インクジェットヘッドなどコンポーネントの販売も前年同期比で高い成長を示しました。インクジェットテキスタイルプリントにおいては、世界の捺染市場を牽引する欧州市場での販売・サービス体制の強化に向けて、Verga IT S.r.l.(本社:イタリア)を買収し、同分野では初となる販売会社を設立しました。(Verga IT S.r.l.との契約締結及び販売会社設立は、平成26年10月1日)
これらの結果、当事業の外部顧客に対する売上高は、3,811億円(前年同期比9.1%増)、営業利益は302億円(同12.0%増)となりました。サービス提供力を軸としたカラー機の販売増と、それに伴う粗利増や為替の円安影響が増収増益に寄与しました。
2)ヘルスケア事業
主力のカセッテ型デジタルX線撮影装置「AeroDR(エアロディーアール)」の販売は、国内では医療機関の投資意欲停滞の影響を受け微増に留まりましたが、海外では欧米での有力パートナーとの協業も寄与し数量を拡大しました。超音波画像診断装置では、事業統合したパナソニックヘルスケア株式会社超音波部門と共同開発した新製品「SONIMAGE(ソニマージュ)HS1」を発売しました。本製品は病院市場で高い評価を得て、事業貢献が始まりました。一方、フィルム製品は新興国での需要拡大が継続し、販売数量、売上金額とも前年を上回りました。
これらの結果、当事業の外部顧客に対する売上高は364億円(前年同期比1.3%増)と増収を確保しましたが、営業利益は超音波画像診断装置事業立ち上げに伴う経費増もあり、10億円(同46.4%減)に留まりました。
3)産業用材料・機器事業
産業用光学システム分野では、計測機器はInstrument Systems GmbH(本社:ドイツ)での販売が好調を持続し、収益を拡大しました。また、光学分野の産業・プロ用レンズは前年同期並みの売上を維持し、ブルーレイディスク用ピックアップレンズは家庭用ゲーム機向け販売が堅調に推移しました。
機能材料分野では、大型液晶テレビの需要が堅調に推移し、画面サイズの大型化も進みました。また、スマートフォン、タブレットなど中小型パネルの需要も好調に推移しました。このような市況の中、当社が得意とする薄膜タイプの液晶偏光板用TACフィルム及び視野角拡大用VA-TACフィルムの販売数量は前年同期を上回りました。
これらの結果、当事業の外部顧客に対する売上高は594億円(前年同期比4.8%減)、営業利益は121億円(同35.6%増)となりました。コンパクトカメラ用レンズの需要縮小や携帯カメラ用レンズの事業縮小、並びにHDD用ガラス基板の事業撤退に伴い、売上高は減少しました。一方、利益面ではTACフィルムや計測機器の販売増、産業用光学システム分野での一連の構造改革効果が増益に大きく寄与しました。
(参考)第2四半期連結会計期間の状況
主なセグメントの状況
(注)当連結会計年度の第1四半期連結会計期間から、産業用インクジェット事業の報告区分を、「その他」区分より「情報機器事業」区分に変更しております。この変更に伴い、前第2四半期連結会計期間のセグメント情報は、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。
(2) 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末比88億円(0.9%)減少の9,572億円となりました。流動資産は223億円(3.8%)減少の5,669億円(総資産比59.2%)となり、固定資産は135億円(3.6%)増加の3,902億円(総資産比40.8%)となりました。
流動資産については、現金及び預金は前連結会計年度末比80億円減少し874億円となりました。加えて、有価証券が109億円減少したことにより、現金及び現金同等物としては190億円減少の1,694億円となりました。受取手形及び売掛金は80億円減少し2,121億円となりました。また、たな卸資産は58億円増加し1,211億円となりました。
固定資産については、有形固定資産は研究開発新棟の建設、情報機器事業における設備投資及び産業用材料・機器事業における新規事業に係る投資等により、前連結会計年度末比65億円増加し1,799億円となりました。投資その他の資産は投資有価証券及び繰延税金資産が増加したこと等により、前連結会計年度末比69億円増加の989億円となりました。
総負債については、前連結会計年度末比95億円(2.0%)減少の4,764億円となりました。支払手形及び買掛金は74億円減少の887億円、未払法人税等は49億円増加の105億円、退職給付に係る負債は114億円増加の650億円となりました。有利子負債(長短借入金と社債の合計額)は、175億円減少の1,785億円となりました。
純資産については、前連結会計年度末比6億円(0.1%)増加の4,807億円となりました。利益剰余金は168億円減少し2,255億円となりました。これは、四半期純利益の計上146億円、期末剰余金の配当支払いによる減少38億円、自己株式の消却による減少207億円、退職給付に関する会計基準の適用による減少70億円等があったことによるものです。また、自己株式は取得による増加118億円及び消却による減少207億円等により、90億円の減少となりました。一方、その他の包括利益累計額は為替換算調整勘定の増加67億円、その他有価証券評価差額金の増加12億円等により、85億円増加の201億円となりました。
これらの結果、当第2四半期連結会計期間末の自己資本比率は、0.5ポイント増加の50.0%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間(以下「当期間」)の連結キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フロー444億円の創出と、設備投資を中心とした投資活動によるキャッシュ・フロー290億円の支出の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは154億円のプラスとなりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは334億円のマイナスとなりました。
その他に、現金及び現金同等物に係る換算差額の調整等があり、当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末比190億円減少の1,694億円となりました。
当期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前四半期純利益274億円、減価償却費236億円、のれん償却額47億円等によるキャッシュ・フローの増加と、法人税等の支払い63億円、未払金及び未払費用の減少32億円、運転資本の増加による減少2億円等によるキャッシュ・フローの減少により、営業活動によるキャッシュ・フローは444億円のプラス(前年同期は460億円のプラス)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
研究開発新棟の建設、情報機器事業における設備投資及び産業用材料・機器事業における新規事業に係る投資等の結果、有形固定資産の取得による支出は180億円となりました。その他に、情報機器事業における事業譲受及び子会社株式等の取得による支出82億円、無形固定資産の取得による支出35億円等があり、投資活動によるキャッシュ・フローは290億円のマイナス(前年同期は196億円のマイナス)となりました。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシ
ュ・フローは154億円のプラス(前年同期は263億円のプラス)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
有利子負債の純減少額174億円、自己株式の取得による支出110億円、配当金の支払い38億円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは334億円のマイナス(前年同期は81億円のマイナス)となりました。
(4)事業上及び財政上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は366億円となりました。
なお、当第2四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況について重要な変更はありません。
(注) 「3 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における記載金額は、表示単位未満を切り捨てて表示しております。
① 連結業績全般の概況
当第2四半期 連結累計期間 | 前第2四半期 連結累計期間 | 増減 | ||
(自26.4.1 | (自25.4.1 | |||
至26.9.30) | 至25.9.30) | |||
億円 | 億円 | 億円 | % | |
売上高 | 4,785 | 4,504 | 281 | 6.2 |
売上総利益 | 2,369 | 2,140 | 229 | 10.7 |
営業利益 | 291 | 241 | 49 | 20.7 |
経常利益 | 286 | 214 | 71 | 33.4 |
税金等調整前四半期純利益 | 274 | 0 | 273 | - |
四半期純利益 | 146 | 55 | 91 | 164.2 |
円 | 円 | 円 | % | |
1株当たり四半期純利益 | 28.86 | 10.48 | 18.38 | 175.4 |
億円 | 億円 | 億円 | % | |
設備投資額 | 256 | 194 | 61 | 31.6 |
減価償却費 | 236 | 235 | 0 | 0.4 |
研究開発費 | 366 | 345 | 21 | 6.1 |
億円 | 億円 | 億円 | % | |
フリー・キャッシュ・フロー | 154 | 263 | △109 | △41.5 |
人 | 人 | 人 | % | |
連結従業員数 | 41,713 | 41,851 | △138 | △0.3 |
為替レート | 円 | 円 | 円 | % |
USドル | 103.04 | 98.85 | 4.19 | 4.2 |
ユーロ | 138.92 | 130.00 | 8.92 | 6.9 |
当第2四半期連結累計期間(以下「当期間」)における当社グループの主な事業の状況を概観しますと、情報機器事業では、オフィスサービス分野のA3カラー複合機が好調に推移し、前年同期から販売台数を伸ばしました。欧米では複合機とITサービスを組み合わせたハイブリッド型の販売が成果を挙げており、特に業種別提案型販売で先行している米国において成功事例が増えています。商業・産業印刷分野では、新製品効果も寄与し、デジタル印刷機の販売台数は前年同期を上回りました。また、産業用インクジェットヘッドを中心にインクジェット関連も好調な販売が続きました。
ヘルスケア事業では、海外はデジタル機器を中心に販売を伸ばしましたが、国内は診療報酬改定の影響が継続し、主力のカセッテ型デジタルX線画像診断システムを含み厳しい状況が続きました。一方、新たな事業領域である超音波画像診断装置は自社開発の新製品を投入し、事業強化を進めました。
産業用材料・機器事業では、産業用光学システム分野は、計測機器が光源色分野を中心に好調を維持し、売上を拡大しました。また、光学分野の産業・プロ用レンズの販売も概ね堅調に推移しました。機能材料分野は、大型液晶テレビ、中小型パネルの需要が堅調に推移したことにより、液晶偏光板用TACフィルム及び視野角拡大用VA-TACフィルムの販売数量は前年同期を上回りました。
これらの結果、当期間における当社グループの連結売上高は、4,785億円(前年同期比6.2%増)となりました。情報機器事業の増収が全社を牽引しました。
営業利益は、情報機器事業での増益、産業用材料・機器事業での収益好転、為替の円安影響も寄与し、291億円(前年同期比20.7%増)となりました。
経常利益は、営業利益の増益を受け、286億円(前年同期比33.4%増)となりました。
税金等調整前四半期純利益は274億円となりました。前期にはHDD用ガラス基板事業の撤退損失168億円等を計上したため、当期は大幅な増益となりました。
四半期純利益は、146億円(前年同期比164.2%増)となりました。前期はグループ再編に伴う繰延税金資産の見直しに係る税効果92億円を計上しましたが、税金等調整前四半期純利益の改善が大きく、大幅な増益となりました。
② 主要3セグメントの状況
当第2四半期 連結累計期間 | 前第2四半期 連結累計期間 | 増減 | |||
(自26.4.1 | (自25.4.1 | ||||
至26.9.30) | 至25.9.30) | ||||
億円 | 億円 | 億円 | % | ||
情報機器事業 | 外部売上高 | 3,811 | 3,494 | 317 | 9.1 |
営業利益 | 302 | 270 | 32 | 12.0 | |
ヘルスケア事業 | 外部売上高 | 364 | 359 | 4 | 1.3 |
営業利益 | 10 | 19 | △8 | △46.4 | |
産業用材料・機器事業 | 外部売上高 | 594 | 624 | △29 | △4.8 |
営業利益 | 121 | 89 | 31 | 35.6 |
(注)当連結会計年度の第1四半期連結会計期間から、産業用インクジェット事業の報告区分を、「その他」区分より「情報機器事業」区分に変更しております。この変更に伴い、前第2四半期連結累計期間のセグメント情報は、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。
1)情報機器事業
オフィスサービス分野では、A3カラー複合機が好調を維持し、全ての地域で前年同期から販売台数を伸ばしました。欧米を中心に推進しているハイブリッド型の販売が成果を挙げています。特に米国では業種別に再編した複合機の営業チームと買収したITサービス企業の営業チームの連携が進み、ソリューションやサービスを武器にした大手新規顧客の開拓やITサービスでの大型契約の獲得など多くの成功事例が増えています。
商業・産業印刷分野では、デジタル印刷システムのカラー最上位機種「bizhub PRESS(ビズハブ プレス) C1100」「bizhub PRESS C1085」など新製品が商業印刷市場で高い評価を得て、カラー機を中心に販売台数を伸ばしました。事業強化に注力しているMPM(Marketing Print Management)サービスは、欧州でのCharterhouse PM Ltd.(本社:イギリス)買収に続き、本年6月にはErgo Asia Pty Ltd.(本社:オーストラリア)を買収してアジア・パシフィックの体制を強化、更に北米や日本などグローバル展開に向けた体制整備とサービスの拡充を進めています。また、産業用インクジェットヘッドなどコンポーネントの販売も前年同期比で高い成長を示しました。インクジェットテキスタイルプリントにおいては、世界の捺染市場を牽引する欧州市場での販売・サービス体制の強化に向けて、Verga IT S.r.l.(本社:イタリア)を買収し、同分野では初となる販売会社を設立しました。(Verga IT S.r.l.との契約締結及び販売会社設立は、平成26年10月1日)
これらの結果、当事業の外部顧客に対する売上高は、3,811億円(前年同期比9.1%増)、営業利益は302億円(同12.0%増)となりました。サービス提供力を軸としたカラー機の販売増と、それに伴う粗利増や為替の円安影響が増収増益に寄与しました。
2)ヘルスケア事業
主力のカセッテ型デジタルX線撮影装置「AeroDR(エアロディーアール)」の販売は、国内では医療機関の投資意欲停滞の影響を受け微増に留まりましたが、海外では欧米での有力パートナーとの協業も寄与し数量を拡大しました。超音波画像診断装置では、事業統合したパナソニックヘルスケア株式会社超音波部門と共同開発した新製品「SONIMAGE(ソニマージュ)HS1」を発売しました。本製品は病院市場で高い評価を得て、事業貢献が始まりました。一方、フィルム製品は新興国での需要拡大が継続し、販売数量、売上金額とも前年を上回りました。
これらの結果、当事業の外部顧客に対する売上高は364億円(前年同期比1.3%増)と増収を確保しましたが、営業利益は超音波画像診断装置事業立ち上げに伴う経費増もあり、10億円(同46.4%減)に留まりました。
3)産業用材料・機器事業
産業用光学システム分野では、計測機器はInstrument Systems GmbH(本社:ドイツ)での販売が好調を持続し、収益を拡大しました。また、光学分野の産業・プロ用レンズは前年同期並みの売上を維持し、ブルーレイディスク用ピックアップレンズは家庭用ゲーム機向け販売が堅調に推移しました。
機能材料分野では、大型液晶テレビの需要が堅調に推移し、画面サイズの大型化も進みました。また、スマートフォン、タブレットなど中小型パネルの需要も好調に推移しました。このような市況の中、当社が得意とする薄膜タイプの液晶偏光板用TACフィルム及び視野角拡大用VA-TACフィルムの販売数量は前年同期を上回りました。
これらの結果、当事業の外部顧客に対する売上高は594億円(前年同期比4.8%減)、営業利益は121億円(同35.6%増)となりました。コンパクトカメラ用レンズの需要縮小や携帯カメラ用レンズの事業縮小、並びにHDD用ガラス基板の事業撤退に伴い、売上高は減少しました。一方、利益面ではTACフィルムや計測機器の販売増、産業用光学システム分野での一連の構造改革効果が増益に大きく寄与しました。
(参考)第2四半期連結会計期間の状況
当第2四半期 連結会計期間 | 前第2四半期 連結会計期間 | 増減 | ||
(自26.7.1 | (自25.7.1 | |||
至26.9.30) | 至25.9.30) | |||
億円 | 億円 | 億円 | % | |
売上高 | 2,502 | 2,319 | 183 | 7.9 |
売上総利益 | 1,225 | 1,116 | 109 | 9.8 |
営業利益 | 175 | 163 | 11 | 7.0 |
経常利益 | 182 | 144 | 37 | 26.1 |
税金等調整前四半期純利益(△は損失) | 156 | △59 | 216 | - |
四半期純利益(△は損失) | 90 | △42 | 132 | - |
円 | 円 | 円 | % | |
1株当たり四半期純利益(△は損失) | 17.91 | △7.95 | 25.86 | - |
億円 | 億円 | 億円 | % | |
設備投資額 | 114 | 79 | 35 | 44.7 |
減価償却費 | 120 | 119 | 0 | 0.6 |
研究開発費 | 183 | 173 | 10 | 6.3 |
億円 | 億円 | 億円 | % | |
フリー・キャッシュ・フロー | 220 | 229 | △8 | △3.8 |
為替レート | 円 | 円 | 円 | % |
USドル | 103.92 | 98.95 | 4.97 | 5.0 |
ユーロ | 137.76 | 131.05 | 6.71 | 5.1 |
主なセグメントの状況
当第2四半期 連結会計期間 | 前第2四半期 連結会計期間 | 増減 | |||
(自26.7.1 | (自25.7.1 | ||||
至26.9.30) | 至25.9.30) | ||||
億円 | 億円 | 億円 | % | ||
情報機器事業 | 外部売上高 | 1,997 | 1,796 | 201 | 11.2 |
営業利益 | 184 | 169 | 15 | 9.0 | |
ヘルスケア事業 | 外部売上高 | 203 | 197 | 6 | 3.3 |
営業利益 | 10 | 18 | △8 | △43.9 | |
産業用材料・機器事業 | 外部売上高 | 294 | 314 | △20 | △6.5 |
営業利益 | 56 | 46 | 9 | 19.3 |
(注)当連結会計年度の第1四半期連結会計期間から、産業用インクジェット事業の報告区分を、「その他」区分より「情報機器事業」区分に変更しております。この変更に伴い、前第2四半期連結会計期間のセグメント情報は、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。
(2) 財政状態の分析
当第2四半期 連結会計期間末 | 前連結会計年度末 | 増減 | ||
総資産 | (億円) | 9,572 | 9,660 | △88 |
総負債 | (億円) | 4,764 | 4,860 | △95 |
純資産 | (億円) | 4,807 | 4,800 | 6 |
自己資本比率 | (%) | 50.0 | 49.5 | 0.5 |
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末比88億円(0.9%)減少の9,572億円となりました。流動資産は223億円(3.8%)減少の5,669億円(総資産比59.2%)となり、固定資産は135億円(3.6%)増加の3,902億円(総資産比40.8%)となりました。
流動資産については、現金及び預金は前連結会計年度末比80億円減少し874億円となりました。加えて、有価証券が109億円減少したことにより、現金及び現金同等物としては190億円減少の1,694億円となりました。受取手形及び売掛金は80億円減少し2,121億円となりました。また、たな卸資産は58億円増加し1,211億円となりました。
固定資産については、有形固定資産は研究開発新棟の建設、情報機器事業における設備投資及び産業用材料・機器事業における新規事業に係る投資等により、前連結会計年度末比65億円増加し1,799億円となりました。投資その他の資産は投資有価証券及び繰延税金資産が増加したこと等により、前連結会計年度末比69億円増加の989億円となりました。
総負債については、前連結会計年度末比95億円(2.0%)減少の4,764億円となりました。支払手形及び買掛金は74億円減少の887億円、未払法人税等は49億円増加の105億円、退職給付に係る負債は114億円増加の650億円となりました。有利子負債(長短借入金と社債の合計額)は、175億円減少の1,785億円となりました。
純資産については、前連結会計年度末比6億円(0.1%)増加の4,807億円となりました。利益剰余金は168億円減少し2,255億円となりました。これは、四半期純利益の計上146億円、期末剰余金の配当支払いによる減少38億円、自己株式の消却による減少207億円、退職給付に関する会計基準の適用による減少70億円等があったことによるものです。また、自己株式は取得による増加118億円及び消却による減少207億円等により、90億円の減少となりました。一方、その他の包括利益累計額は為替換算調整勘定の増加67億円、その他有価証券評価差額金の増加12億円等により、85億円増加の201億円となりました。
これらの結果、当第2四半期連結会計期間末の自己資本比率は、0.5ポイント増加の50.0%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
(単位:億円) |
当第2四半期 連結累計期間 | 前第2四半期 連結累計期間 | 増減 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 444 | 460 | △15 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △290 | △196 | △94 |
計 | |||
(フリー・キャッシュ・フロー) | 154 | 263 | △109 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △334 | △81 | △252 |
当第2四半期連結累計期間(以下「当期間」)の連結キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フロー444億円の創出と、設備投資を中心とした投資活動によるキャッシュ・フロー290億円の支出の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは154億円のプラスとなりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは334億円のマイナスとなりました。
その他に、現金及び現金同等物に係る換算差額の調整等があり、当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末比190億円減少の1,694億円となりました。
当期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前四半期純利益274億円、減価償却費236億円、のれん償却額47億円等によるキャッシュ・フローの増加と、法人税等の支払い63億円、未払金及び未払費用の減少32億円、運転資本の増加による減少2億円等によるキャッシュ・フローの減少により、営業活動によるキャッシュ・フローは444億円のプラス(前年同期は460億円のプラス)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
研究開発新棟の建設、情報機器事業における設備投資及び産業用材料・機器事業における新規事業に係る投資等の結果、有形固定資産の取得による支出は180億円となりました。その他に、情報機器事業における事業譲受及び子会社株式等の取得による支出82億円、無形固定資産の取得による支出35億円等があり、投資活動によるキャッシュ・フローは290億円のマイナス(前年同期は196億円のマイナス)となりました。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシ
ュ・フローは154億円のプラス(前年同期は263億円のプラス)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
有利子負債の純減少額174億円、自己株式の取得による支出110億円、配当金の支払い38億円等により、財務活動によるキャッシュ・フローは334億円のマイナス(前年同期は81億円のマイナス)となりました。
(4)事業上及び財政上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の金額は366億円となりました。
なお、当第2四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況について重要な変更はありません。
(注) 「3 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」における記載金額は、表示単位未満を切り捨てて表示しております。