有価証券報告書-第116期(平成28年12月1日-平成29年11月30日)

【提出】
2018/02/27 15:34
【資料】
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【項目】
109項目

業績等の概要


(1)業績
当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境は、海外では米国において回復が継続し、中国をはじめ東南アジアでは景気持ち直しが継続したことにより、緩やかに回復しました。国内においても個人消費や設備投資は持ち直しの動きが継続し、企業収益や雇用情勢の改善もあり、緩やかな回復基調が継続しました。
当社の関連する自動車業界においても、国内の自動車生産台数は前年同期比増加で推移し、ゴム工業用品の生産においても前年同期を上回りました。また、タイヤ並びに合成ゴムの生産は総じて前年並みで推移しました。
このような環境の中、市場の回復に対し、既存事業の拡販、新製品の紹介、内外の新規顧客の開拓に注力した結果、日本国内向け、海外向けとも有機ゴム薬品の販売が前年同期を上回りました。また、樹脂薬品、中間体、その他薬品についても積極的な販売活動を行った結果、新製品の受注拡大と合わせ、既存品についても販売増加したことから、それぞれの業種において売上高が前年同期を上回りました。
原材料においては、当期に入り為替が円安で推移し、原油・ナフサ価格が昨年比で上昇したことや、中国からの輸入原料価格が上昇したことにより、原材料価格が上昇しました。この影響を最小限とするため、内外の新規調達先の探索や評価を積極的に行いました。生産においては、市場環境変化による需要増や、内外の顧客要望に応えるため、生産数量や時期並びに人員配置の効率化に対し全社を挙げて取り組み、柔軟な生産対応を行いました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は70億3百万円(前年同期比8.8%増)、営業利益は2億65百万円(前年同期比179.9%増)、経常利益は2億58百万円(前年同期比201.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1億79百万円(前年同期比422.9%増)となりました。
セグメント業績の概況は次のとおりであります。
① 化学工業薬品事業
売上高は69億66百万円(前年同期比8.5%増)、セグメント利益(営業利益)は2億37百万円(前年同期比182.5%増)となりました。
② 不動産賃貸事業
売上高は36百万円(前年同期比186.6%増)、セグメント利益(営業利益)は28百万円(前年同期比159.4%増)となりました。
(化学工業薬品事業の部門別の概況)
<ゴム薬品>ゴム薬品の分野は、国内につきましては、当期においても国内自動車販売や生産が前年同期と比較し、増加傾向で推移しました。このような環境の中、ゴム製品の顧客の需要増に対応するとともに、加硫促進剤や老化防止剤をはじめとする主力商品の拡販活動に注力しました。また、昨年上市したゴム向け新規製品の顧客への提案活動を国内外の顧客に積極的に行いました。この結果、工業用製品・タイヤ向け並びに合成ゴム向け薬品につきまして、数量金額とも前年同期を上回りました。
輸出につきましては、東南アジアの持ち直し傾向が継続し、顧客需要の拡大に対し拡販努力を行った結果、為替は昨年比でやや円安で推移したこともあり、数量金額とも前年同期を上回りました。
この結果、国内・輸出合わせてのゴム薬品の売上は、43億19百万円(前年同期比9.9%増)となりました。
<樹脂薬品>樹脂薬品の分野は、国内につきましては、アクリル酸・アクリル酸エステルの生産が堅調で推移し、前年同期比で増加傾向となりました。当社の主要製品においては、輸入品との競合が引き続き継続し、品目により増減はあったものの、主要品目で販売数量を伸ばしたことから、国内の販売数量売上は前年同期を上回りました。
輸出につきましては、中国をはじめとする既存顧客が回復傾向となったことや、昨年と比較し為替が円安で推移したことから、積極的に拡販活動を行い、数量金額とも前年同期を上回りました。
この結果、樹脂薬品部門合計の売上は7億57百万円(前年同期比3.1%増)となりました。
<中間体>中間体部門においては、界面活性剤中間体は品目により増減がありましたが、需要が全体で低調で推移し、売上が前年同期を下回りました。染顔料中間体及び農薬中間体は主要品目においては、顧客の需要変動に合わせ積極的な生産販売を行った結果、顧客の需要拡大もあり、全体として前期同期比で売上が増加しました。 医薬中間体・機能性化学品は、海外向けで顧客の生産減少と他社との競合により売上減となりました。しかし、国内においては主要品目において拡販に注力し、新規顧客を獲得したことから売上が増加し、全体では売上が前年同期を上回りました。
この結果、中間体部門合計の売上は8億8百万円(前年同期比14.1%増)となりました。
<その他>環境用薬剤は在庫調整影響と他社との競合により、売上が前年同期を下回りました。 潤滑油向けは品目により増減がありましたが、主要品目で顧客での需要が第3四半期に入り前年同期比減となったことから、前年同期を下回りました。新規用途向けは、新規商品の販売の受注が拡大し、既存の主要製品において当期中に受注できたことから、一部品目で売上減となったものの、全体では売上が前年同期を上回りました。
この結果、この部門合計の売上は10億80百万円(前年同期比3.2%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益2億41百万円、減価償却費2億63百万円、売上債権の減少88百万円、仕入債務の増加1億88百万円の計上による資金の増加に対し、たな卸資産の増加2億80百万円の計上による資金の減少等により6億12百万円の資金の増加(前年同期は3億29百万円の資金の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得4億4百万円の計上による資金の減少等により4億10百万円の資金の減少(前年同期は2億35百万円の資金の減少)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済53百万円、リース債務の返済15百万円の計上等による資金の減少等により68百万円の資金の減少(前年同期は42百万円の資金の減少)となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べて1億34百万円増加して8億44百万円となりました。