有価証券報告書-第90期(平成25年1月1日-平成25年12月31日)

【提出】
2014/03/27 9:32
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業績等の概要

(1) 業績
〈当連結会計年度の業績全般の概況〉
当連結会計年度におけるわが国の経済は、政府による各種政策の効果が徐々に表れ、また円安・株高の影響が進み、雇用情勢や個人消費にも持ち直しの動きが見られるなど、景気は緩やかながら着実な回復基調にありました。
このような状況のなか、当社グループは「ベストクオリティで世界と共生」の基本理念のもと“お客様の満足感・信頼感の向上”を目指し、引き続き「安全、安心、快適な生活空間の創造に貢献」をテーマに、創造的・革新的な製品開発及び独創的な衛生管理サービスの提供を行いました。また、売上・利益の拡大を図るため、積極的な営業展開を推進するとともに、経営資源の有効活用やコストの削減に取り組みました。
以上の結果、当連結会計年度における売上高は1,357億37百万円(前期比8.2%増)、営業利益は54億46百万円(前期比32.0%増)、経常利益は64億69百万円(前期比38.0%増)、当期純利益は29億86百万円(前期比73.5%増)と大幅な増収増益となりました。
なお、当社グループは殺虫剤の売上構成比が高く、売上高は3月~7月に偏るという季節性がある一方、人件費等の固定費は年間を通じてほぼ均等に発生するため、四半期ごとの売上高や利益には相応の影響があります。
セグメントの業績の概要は次のとおりであります。
[家庭用品事業]
家庭用品事業におきましては、個人消費の持ち直しや、長く続いたデフレにも変化の兆しが見られるものの、当社グループが取り扱う消費財などには十分に波及するまでに至らず、依然として、企業間での厳しい競争が続く状況でありました。
このような状況のなか、殺虫剤や園芸用品を中心に、積極的な新製品の投入や製品価値を高めるリニューアルの実施に取り組むとともに、売場展開の強化などにより市場の活性化を図り売上の拡大に努めました。
以上の結果、当連結会計年度における当事業の売上高は1,225億82百万円(前期比10.3%増)、セグメント利益(営業利益)は39億37百万円(前期比60.3%増)となりました。
なお、前連結会計年度に子会社となった㈱バスクリンの業績については、前連結会計年度は4月~12月の9ヵ月分でしたが、当連結会計年度は1月~12月の12ヵ月分を連結業績に取り込んでおります。
(家庭用品事業の業績)(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率
殺虫剤部門45,89949,8573,9588.6%
日用品部門59,07565,2516,17610.5%
口腔衛生用品29,33032,1962,8669.8%
入浴剤14,45116,8102,35916.3%
その他日用品15,29316,2439506.2%
ペット用品・その他部門6,1237,4731,34922.0%
売 上 高 合 計111,098122,58211,48310.3%
セグメント利益(営業利益)2,4553,9371,48160.3%

(注)売上高にはセグメント間の内部売上高又は振替高が含まれております。その金額は前連結会計年度では3,319百万円、当連結会計年度では5,034百万円です。
部門別の主な状況は以下のとおりであります。
殺虫剤部門
殺虫剤部門において、市場は6月まで好調に推移しましたが、7月中旬以降は局地的な豪雨などの天候不順が影響したことで、年間では前期をわずかに上回る状況となりました。一方、当社市場シェア(自社推計)については、53.8%と前期比1.8ポイントの拡大を図ることができました。
このような状況のなか、主力の液体蚊とり『アースノーマット』が売上を大幅に伸ばし、蚊とり線香『アース渦巻香』では好評の“バラの香り”に加え、新製品“アロマグリーンの香り”“ラベンダーの香り”が売上増に寄与しました。また、プッシュ式蚊とり『おすだけノーマット200日用』や設置型虫よけ『バポナ虫よけネットW240日用』など長期間使用タイプの追加による売上寄与、ゴキブリ用毒餌剤『ブラックキャップ』、コバエ捕獲器『コバエがホイホイ』の売上増、更には返品削減効果などにより、当部門全体の売上高は498億57百万円(前期比8.6%増)となりました。
日用品部門
日用品部門において、口腔衛生用品分野では、洗口液『モンダミン』が新製品寄与やマーケティング活動の奏功などにより売上を伸ばしたほか、入れ歯関連用品『ポリデント』・『ポリグリップ』、知覚過敏予防ハミガキ『シュミテクト』が堅調であったことで、売上高は321億96百万円(前期比9.8%増)となりました。
入浴剤分野では、『バスロマン』は前期を若干下回ったものの、『きき湯』など㈱バスクリンの製品が売上を伸ばしたことで、売上高は168億10百万円(前期比16.3%増)となりました。
その他日用品分野では、エアコン洗浄剤『アースエアコン洗浄スプレー』の売上が増加したほか、㈱バスクリンの薬用育毛剤『モウガ』・『髪姫』なども売上を伸ばし、売上高は162億43百万円(前期比6.2%増)となりました。
以上の結果、当部門全体の売上高は652億51百万円(前期比10.5%増)となりました。
ペット用品・その他部門
ペット用品・その他部門において、当連結会計年度より連結業績に取り込んだニッケペットケア㈱の売上が加わったことや、シャンプーなどのペットケア用品、首輪などのペット用アクセサリー用品が売上を伸ばしたことで、売上高は74億73百万円(前期比22.0%増)となりました。
[総合環境衛生事業]
総合環境衛生事業におきましては、主要な顧客層である食品業界や医薬品業界等で「安全・安心」意識の高まりから、高品質な衛生管理サービスが求められており、当事業の行う高度な技術サービスに対するニーズが期待できる状況でありました。
このような状況のなか、年間契約の増加による安定した収益拡大を目指すため、技術開発力の強化と営業体制の充実に取り組み、新規契約の獲得と契約金額の増大に努めました。
以上の結果、当連結会計年度における当事業の売上高は183億38百万円(前期比2.7%増)、セグメント利益(営業利益)は14億75百万円(前期比1.4%増)となりました。
(総合環境衛生事業の業績)(単位:百万円)
前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率
売 上 高17,86218,3384752.7%
セグメント利益(営業利益)1,4541,475201.4%

(注)売上高にはセグメント間の内部売上高又は振替高が含まれております。その金額は前連結会計年度では142百万円、当連結会計年度では148百万円です。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べて16億35百万円増加し、128億43百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は70億26百万円となりました。これは、税金等調整前当期純利益66億49百万円、減価償却費17億44百万円、のれん償却額17億7百万円を計上し、たな卸資産の減少額15億81百万円があった一方で、退職給付引当金の減少額7億85百万円、売上債権の増加額9億38百万円、仕入債務の減少額5億97百万円、法人税等の支払額24億62百万円があったことなどによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、減少した資金は14億19百万円となりました。これは、有価証券の売却による収入7億27百万円があった一方で、有形固定資産の取得による支出19億90百万円、その他の支出4億4百万円があったことなどによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、減少した資金は40億58百万円となりました。これは、短期借入金の純減額6億9百万円、長期借入金の返済による支出14億66百万円、配当金の支払額19億18百万円があったことなどによるものです。