有価証券報告書-第90期(平成25年1月1日-平成25年12月31日)

【提出】
2014/03/27 9:32
【資料】
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【項目】
126項目

研究開発活動

当社グループは「ベストクオリティで世界と共生」を基本理念に、めまぐるしく変わる市場環境と消費者志向に対応すべく、常にお客様の視点に立ったニーズを発掘する姿勢、提供のタイミングを逃さない開発スピードを念頭におき、クオリティの高い安全な高付加価値製品の創造と衛生管理サービス提供業務の研究開発活動を行っております。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費は20億37百万円でありました。
報告セグメント別の研究開発活動は以下のとおりであります。
(1) 家庭用品事業
① 基本方針
当事業では、お客様の生活空間の質の向上を目的に、基礎的な研究を充実させ、戦略的なテーマを選定し、独創的で高品質な製品を他社に先駆けて発売することを目指しております。
この方針のもと、お客様や小売店様からの要望、市場動向、技術動向などに関する情報の入手・調査・分析を行い、技術の向上を通じて、市場が求める製品の開発や品質改善に取り組んでおります。
② 殺虫剤にかかる研究
ハエ・蚊・ゴキブリ・ダニ・ノミなどの伝染病を媒介する衛生害虫やアリ・ハチ・ムカデなどの不快害虫の駆除を目的とした家庭用殺虫剤(医薬品・医薬部外品など)の研究開発を行っております。近年の傾向として、対象害虫に特化した専用の殺虫剤や、忌避・予防、あるいは殺虫剤分を含まない製品、更には使用時の香りを重視した製品の需要が高まっており、これらお客様ニーズの多様化にも応えるべく取り組んでおります。
当連結会計年度の主な研究成果は以下のとおりであります。
長期間使用のニーズを受けて、1プッシュで蚊を落とす『おすだけノーマット』に業界最長の200日分を、成長を続ける設置型虫よけ『バポナ虫よけネットW』、『バポナ玄関用虫よけネットW』にそれぞれ240日用を発売しました。
また、香りに対するニーズの高まりから、前期に発売した『アース渦巻香 バラの香り』に加えて“アロマグリーンの香り”を、忌避・予防製品には『虫よけアロマ』を発売しました。
更には、蛾に特化した業界初の『ガ ハイパージェット』、使いやすさ、使用感を追求した『服の上からサラテクト クールミスト』を発売しました。
③ 日用品にかかる研究
お客様の健康、居間・浴室・トイレ・キッチンなどの居住空間の質の向上に役立つ製品の提供を目指し、口腔衛生用品・入浴剤・芳香剤・衣類用防虫剤・除菌洗浄剤・ネズミ駆除剤などの研究開発を行っております。
当連結会計年度の主な研究成果は以下のとおりであります。
口腔衛生用品では、洗口液が苦手な方や、初めて洗口液をお使いになる方に、水のような自然な使い心地の『モンダミン アクア』を発売しました。
入浴剤では、乾燥肌対策にご好評のウルモアシリーズに『ウルモア クール ピンクグレープフルーツ&フラワーミント』を追加しました。また、㈱バスクリンからは生薬技術を活かした『めぐリラク 温かマッサージエッセンス』を、アロマの効果を求められるお客様の需要増加に応えて『AROMA SPARKLING』、『きき湯アロマリズム クリアリングヴァーベナの香り』を発売しました。更には環境問題に配慮して、きき湯シリーズに詰め替えタイプを発売しました。
衣類用防虫剤では、これまでの無香タイプから香りを求められるお客様のニーズの高まりを受けて、『ピレパラアース 柔軟剤の香り シルキーアロマ』を発売したほか、消臭芳香剤では、ご好評の『消臭アロマパレット』にトイレ用を発売しました。
④ 園芸用品にかかる研究
家庭用殺虫剤で培ってきた技術やノウハウを活かし、“より安心に”、“より安全に”、“よりわかりやすく”、“より使いやすい”を基本理念に、園芸愛好家の方から初心者の方まで幅広くご使用いただける園芸用品の研究開発を行っております。
当連結会計年度の主な研究成果は以下のとおりであります。
殺虫剤では、春野菜から冬野菜まで、31種類もの幅広い作物の主要害虫を防除する『アースガーデンT』を発売しました。また、『お庭の虫コロリ 速効シャワー』、『お庭の虫コロリ パウダー』、『クモの巣徹底退治スプレー』を発売しました。
除草剤では、食品由来の有効成分を使用した非農耕地用除草剤『おうちの草コロリ』を発売しました。
当連結会計年度における家庭用品事業の研究開発費は18億78百万円となりました。
(2) 総合環境衛生事業
① 検査・検定にかかる研究
当事業では、契約先からの各種検査・分析や異物検定要請に正確かつ迅速に対処するために、東日本(千葉県鎌ケ谷市)と西日本(大阪府大東市)にそれぞれ総合分析センターを設置しております。
それぞれの分析センターでは、契約先の製造環境(施設・設備、機械・器具、空調、使用水、作業員)や原料・製品などの微生物検査、DNAを利用した同定、昆虫・毛髪・微生物など有機物および石やガラスなどの無機物の異物検定、塵埃や水質などの環境測定など、検査・分析機関として各種検査手法の精度アップ及びDNAレベルでの精度も視野に入れた、迅速な検査技法に関する研究を主として行っております。
② 施工・調査等にかかる研究
調査技術・調査機器・施工技術などの研究開発は、学術技術部、開発企画部と総合分析センターが相互に連携を取りながら行っております。また、効果的・効率的な危害物質の制御の施工に関する技術につきましては、可能な限り化学合成薬剤の使用量を控えることを目的とした独自開発に加え、公的機関及び大学、民間企業との共同研究開発も含めて取り組んでおります。
③ 今後の方針
契約先の顧客満足度を向上させるためには、検査精度の充実及び危害物質の汚染や混入を防止するための技術開発が重要となります。
前連結会計年度には、埼玉県産業技術センターとの共同研究にて開発した「ラピコム(迅速に大腸菌群の汚染源を特定するシステム)」は、大腸菌群、乳酸菌、芽胞菌に引き続き対象菌種を拡大し、より広範囲な対応をすべく、システムの拡大を図っております。
今後におきましては、ISO17025(試験所及び校正機関に関する一般要求事項を規程した国際標準規格)の維持と更なる精度管理の強化、産官学との連携の強化、及び分析機器や社内システムのレベルアップについて更なる推進を図ってまいります。
当連結会計年度における総合環境衛生事業の研究開発費は1億58百万円でありました。