訂正有価証券報告書-第35期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/24 11:55
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【項目】
124項目

研究開発活動

当企業集団の研究開発活動は、当社および連結子会社が行っております。連結子会社である㈱ファンケル化粧品、㈱ファンケルヘルスサイエンス、㈱アテニアにつきましては、同社の商品企画に基づく研究開発業務を当社が有償で受託しております。
当企業集団は、当社総合研究所において、化粧品、栄養補助食品、発芽米および青汁に係る基盤技術研究ならびに製品開発研究活動を通じて、「安心・安全」を軸とした安全性・機能性研究を推進し、科学的根拠に基づいた製品開発を行っております。また、相談窓口に直接寄せられるお客様の「声」を集積し分析した「ヤッホーシステム」を製品開発に活かすとともに、国内外の多くの研究機関との共同研究や産官学連携事業への参画など、幅広い研究開発活動を行っております。研究者は、農学、薬学、理学など博士号取得者を含む総勢145名体制となっております。また、平成28年度には脳科学研究、遺伝子組換え、製剤研究などの基礎研究に軸足を置いた第二研究所の開設を予定しており、今後さらなる増員を含む研究開発体制の強化を図ってまいります。
当連結会計年度における研究開発関連費用の総額は2,353百万円であり、セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
(1) 化粧品関連事業
ファンケル化粧品およびアテニア化粧品の製品開発において、皮膚科学に基づく肌機能や素材探索などの基礎研究から、安全性や有効性の研究、処方開発、容器開発など広範な領域における研究開発を行っております。
ファンケル化粧品では、創業以来続けてきた安心・安全という価値を実現するために肌にストレスを与える可能性のある成分を排除する「無添加」にこだわり続けてきました。今、ストレスを与えないだけでなく、受けてしまったストレスも解消する「アンチストレス」を掲げ、新たな価値に挑み続けております。
当連結会計年度においては、「きれいが満ちあふれる。色・艶しっくりメイク」をコンセプトに、肌が美しくなる効果と、溶け込むような色づきで上品な仕上がりを叶えるメイク機能を両立させた「ファンケル ポイントメイク」シリーズを開発、新発売いたしました。また、無添加処方による肌へのやさしさと厳選した植物由来の美容成分を贅沢に配合し、エイジングケア、ブライトニングケア、保湿などの美肌機能による肌悩みに働きかける「ボタニカル フォース」シリーズを㈱セブン&アイ・ホールディングスと共同開発いたしました。
肌ストレス研究を通じて、ストレスにすぐに反応して分泌される「MIF(マクロファージ遊走阻止因子)」が炎症を誘発し肌ダメージやメラニン合成を促進することを発見し、“シミのはじまり”をブロックする新成分を配合し、肌本来の美白力を引き出す「ホワイトニングライン」を開発、リニューアル発売いたしました。
アテニア化粧品においては、スキンケアの効率を最大化させる「時計美容」という新理論をもとに、スキンケアラインをリニューアルし、エイジングケアライン「ドレスリフト」、本格保湿ケアライン「プリマモイスト」を開発、発売いたしました。また、加齢による肌のくすみ・たるみによる影をカバーする「隠しピンク設計」という新発想によるメイクラインを開発、発売いたしました。
当事業における研究開発関連費用は1,275百万円であります。
(2) 栄養補助食品関連事業
健康事業の開発コンセプト「体内効率設計」の考え方に基づき、摂取後に体内で効率よく効果を発揮するように成分の性質を一つひとつ見極め、「①吸収性の向上:機能成分をより多く、②持続性の向上:体内でより長く、③機能性の促進:より強く」の3点を軸に技術開発および製品設計、開発を行っております。また、日本一の健康サポート企業を目指し、「お客様のグッドエイジング(一生涯、心身ともに健康で生きること)」を実現するための様々な研究を行っております。
当連結会計年度においては、遺伝子検査による将来の生活習慣病リスクを解析し、予防医療的見地に立ち、一生涯の健康を実現する「グッドエイジングプログラム」専用の生活習慣サプリメントシリーズ、筋肉・骨を強化し、自分の足で歩き続けることをサポートする「ロイシン」、認知機能の維持にアプローチする「α-GPコリン」、冴えにアプローチする「フェルラ酸」、酸化や糖化をコントロールする「還元型ケルセチン」、詰まりに着目した「PSG」を開発、発売いたしました。
平成25年9月の発売以来高い支持を得ております、体の“重さ”や“固まり”の根本原因にアプローチする「コシラックス」に、体内で長く効率的に働く体内効率機能をさらに高める技術を加え、リニューアル発売いたしました。市販後調査結果において「コシラックス」摂取による腰痛の諸症状の緩和効果を確認し、この結果を第68回日本体力医学会大会において研究発表いたしました。
また「カロリミット」シリーズから、食事のカロリーへのアプローチに加え、年齢とともに低下する基礎代謝や活動代謝、食事誘発性熱産生など、“代謝の低下”に着目した「大人のカロリミット」を開発、発売いたしました。
当事業における研究開発関連費用は877百万円であります。
(3) その他
「毎日の食卓から健康を支える」をコンセプトに、発芽米や青汁製品に加え、普段の食事に取り入れられるサプリメント機能を持った高機能な健康ケア食品の製品開発を強化しております。
当連結会計年度におきましては、気になる体調を普段の食事からケアできるサプリメント機能を持った食品「おかずサプリシリーズ」を開発し、腸内環境の乱れにアプローチする「おかずスープdeすっきり」、疲れにアプローチする「おかずスープde元気」、冷えにアプローチする「おかずスープdeぽかぽか」を発売いたしました。
また、秋田県で契約栽培された胚芽の大きい品種の玄米を発芽させ、「発芽米」の特長であるビタミンやミネラル、食物繊維に加え、フェルラ酸やGABA、オリザノールなどの栄養成分も豊富に含まれる「発芽米 金のいぶき」を開発、発売いたしました。
また、「健康のために野菜を摂ることを意識しているが、毎日しっかり栄養を考えたサラダを摂るのは難しい」という悩みに対して、サラダにかけるだけで健康をサポートする素材と成分に着目したドレッシング「バランスにうれしい19素材でつくったドレッシング」、「キレイにうれしい11素材でつくったドレッシング」、「スッキリにうれしい10素材でつくったドレッシング」を開発、発売いたしました。
当事業における研究開発関連費用は199百万円であります。