有価証券報告書-第53期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/28 9:51
【資料】
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【項目】
106項目

研究開発活動

当社グループにおける研究開発活動は、デベロップセンターが主体となり、包装フィルムと充填機械の統合による液体包装システムの開発に力を注いでおります。特に液体充填用フィルムは、当社のブランドである「tlfシリーズ」の他、さらに機能性を向上させた新ブランド「RevSpecシリーズ」を開発し、時代のニーズに合わせラインナップの強化を図っております。充填機械は、既存機の性能向上はもとより、液体包装需要の多様化に対応するため、新包装形態用機械の開発を行っております。
また、充填機械オプション装置では、業界初の軟X線インライン検査装置や付加価値を追求した液体充填システムの開発、環境対応に繋がるフィルムの開発も行ってまいりました。
当連結会計年度における研究開発活動の概要は次のとおりであります。
<新フィルムの開発>当社グループの液体包装技術・理論を結集し、さらに機能性・利便性を追求すべく、新たなフィルムの開発を行っております。
高速液体自動充填のさらなる進化を目指し、「tlf XA-S」の性能をそのままに充填温度レンジのワイド化を実現したシーラントフィルム「RevSpec-WR」を昨年秋に開催された日本国際包装機械展(JAPAN PACK 2017)に出展いたしました。
今後はユーザーでの実生産評価を行い、市場展開を図ってまいります。
<縦ピロー液体充填機「LaPLUS」の開発>これまでの機械開発で蓄積したノウハウを活用し、大容量袋に対応した縦ピロー液体充填機「LaPLUS」の開発を行いました。「LaPLUS」は、従来機の倍の速度で加工可能な生産性、フィルム幅変更を容易に行える新機能を付与し、作業効率が大幅に向上できる仕様となりました。
<「ぷちっとパウチ」及び専用充填機「ORIOS」の開発>「折って・押して・注ぐ」ことができる新包装形態「ぷちっとパウチ」が、この度ユーザーの一部商品に採用され販売されました。消費者の反響を踏まえ、今後は様々な商品に採用されるよう「ぷちっとパウチ」及び専用充填機「ORIOS」のさらなる改善・改良に取り組んでまいります。
<新包装形態の開発>近年、世帯の多様化が進み、食品業界でも単身世帯、夫婦二人世帯等の小世帯に対応した小容量、個包装化のニーズが高まっております。そのようなニーズに対応すべく開発した新包装形態「インストパウチ」は、自立型包装袋でドレッシング・ソース等液体調味料の個包装化に適した包装袋で、液体充填機「DANGAN G2」でロールフィルムから充填することができ、従来の袋状フィルムに充填する方法に比べ、格段に生産性向上が見込める製品となっております。
そのほか、ユニバーサルデザインを考慮し、開封後の切り口の安全性を向上させた異形包装形態の開発も進めております。
今後もさらなる包装形態の付加価値を追求し、製品化を目指してまいります。
当社グループの「フィルム・液体充填機DANGAN・オペレーション」をワン・ストップでお客様に提供する強みを生かし、DANGAN IoT機能(インテリジェント化)の開発を進めております。
将来の自働化・省人化を目指す基盤として「DANGAN CLOUD」を立ち上げ、お客様の工場で稼働するDANGANの稼働状況の分析や遠隔支援等、サポートサービスの充実を目指してまいります。
今後は消耗品交換予測機能や充填条件設定の簡易化及び充填ラインの最適化・自働化機能の開発に取り組んでまいります。
このように、フィルム分野・充填機分野双方の技術と液体充填理論の構築を積極的に行った結果、当連結会計年度における研究開発費の総額は4億26百万円となっております。
上記金額には消費税等は含まれておりません。