有価証券報告書-第54期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/27 10:36
【資料】
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【項目】
146項目

研究開発活動

当社グループにおける研究開発活動は、デベロップセンターが主体となり、近年、社会的にも問題となっている少子高齢化による働き手不足や廃プラスチックによる環境汚染問題対策についても注力し、包装フィルムと充填機械の統合による液体包装システムの開発を行っております。充填機械は既存機の性能向上はもとより、省人化・スキルレス化へ、液体充填用フィルムは当社のブランドである「tlfシリーズ」の他、さらに機能性を向上させた新ブランド「RevSpecシリーズ」等、環境負荷低減に向けた開発を行い、時代のニーズに合わせたラインナップの強化を図ってまいりました。
また、充填機械オプション装置では、業界初の軟X線インライン検査装置や付加価値を追求した液体充填システムの開発も行ってまいりました。
当連結会計年度における研究開発活動の概要は次のとおりであります。
<新フィルムの開発>プラスチックごみの環境影響がクローズアップされ、社会全体でこの問題に取り組む必要があり、液体包材にも同様の配慮が求められます。そのため、当社でも持続可能な社会に貢献すべく、地球環境に配慮した液体充填用フィルムの開発に取り組み、資源循環型プラスチック等の技術開発や軟包材の利点を生かしたパッケージとしての利便性向上の追求を行い、ライフサイクル全体での環境負荷を低減する開発を進めております。
これからの液体包材の安全・安心・利便性の追求と持続可能な社会の実現のために、幅広く貢献できる開発を実施してまいります。
近年、少子高齢化による働き手不足といった課題を社会的に抱えており、作業の効率化が求められております。
当社は、働き手不足を解消するために、省人化とスキルレス化を実現する「DANGAN G2 オートスプライス機」と、充填製品の品質確保のための各種「シール検査装置」の開発を進めております。昨年秋に開催された東京国際包装展(TOKYO PACK2018)に、自働化ラインとして出展いたしました。今後、これらをベースにさらに進化させてまいります。
<新包装形態の開発>近年、世帯の多様化が進み、食品業界でも単身世帯、夫婦二人世帯等の小世帯に対応した小容量、個包装化のニーズが高まっております。そのようなニーズに対応すべく新包装形態「インストパウチ」の開発を完了しリリースいたしました。自立型包装袋でドレッシング・ソース等液体調味料の個包装化に適した包装袋で、液体充填機「DANGAN G2」でロールフィルムから充填することができ、従来の袋状フィルムに充填する方法に比べ、格段に生産性向上が見込める製品となっております。
そのほか、ユニバーサルデザインを考慮し、開封後の切り口の安全性を向上させた異形包装形態の開発も完了しリリースいたしました。
今後も社会のニーズに応えるべく、様々な開封方法や包装形態の開発を進め、さらなる包装形態の付加価値を追求し、製品化を目指してまいります。
当社グループの「フィルム・液体充填機DANGAN・オペレーション」をワン・ストップでお客様に提供する強みを生かし、DANGAN IoT機能(インテリジェント化)の開発を進めております。
将来の自働化・省人化を目指す基盤として「DANGAN CLOUD」を立ち上げ、お客様の工場で稼働するDANGANの稼働状況の分析や遠隔支援等、サポートサービスの充実を目指してまいります。
2019年6月に、まずは生産条件のトレーサビリティーと稼働状況分析等が行える「ロギングサービス」をリリースいたします。
今後は消耗品交換予測機能や充填条件設定の簡易化及び充填ラインの最適化・自働化機能の開発に取り組んでまいります。
このように、フィルム分野・充填機械分野双方の技術と液体充填理論の構築を積極的に行った結果、当連結会計年度における研究開発費の総額は480百万円となっております。
上記金額には消費税等は含まれておりません。