有価証券報告書-第36期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/22 10:02
【資料】
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【項目】
76項目

研究開発活動

当社の研究開発活動は時代とともに変化する市場ニーズに適合し、環境、人体、頭髪に優しい高品質の製品開発に重点を置いております。社内に設置している製品開発委員会において市場動向、価格、原料、品質、コンセプト等を検討し、その結果を受けながら研究部の各製品部門の開発チームにおいて開発を進める体制をとっております。
現在、研究開発は、製品開発、製品評価、基礎研究、薬事の構成で運営しております。
主な、セグメントごとの研究開発内容は、以下のとおりであります。
(製品開発)
① トイレタリー
平成27年2月に発売した新製品「コタヘッドスパ エヴァーリーフ」は、自然の恵みから作り出された、スキャルプエステ7品目とヘアエステ7品目の製品群が、頭皮や毛髪のバランスを整え、癒しあふれるエヴァーリーフの世界を実現します。
同新製品は、新たな至福の癒しを追及したスペシャルプログラムとして、「永遠に瑞々しく美しい存在」をコンセプトとし、自然の恵みを取り入れ、頭皮や毛髪に対して高い補修性能を持った薬剤とリラクゼーションを提供できるマッサージプログラムを同時に開発いたしました。
様々な頭皮の状態に合わせて使い分けることで頭皮を健やかに保つ、スキャルプエステ7品目と、様々なダメージを受けた毛髪に対し、保水性を高める当社独自の2種類のナノ化補修成分(4Sユニット、ケラミドロール)を配合することにより毛髪を美しく保ち、また求める3つの質感に対応する、ヘアエステ7品目を開発いたしました。
② 報告セグメント一体
時代背景を考慮し、お客様のご要望にお応えできる製品開発を、基礎研究成果を利用して取り組んでおります。
(基礎研究)
現在の基礎研究の重点課題は以下の4点であり、外部研究機関、大学の協力を得ながら研究を行っております。
① 有効成分のナノ粒子化による育毛効果及び毛髪内部への影響
② mRNA活性の解析による育毛効果の評価法
③ 3D皮膚モデルを用いた安全性評価方法の運用
④ 品質工学を用いた、毛束への安定したウェーブ形成の試験方法の確立と運用
基礎研究の重点課題①・②は、有効成分のナノ粒子化という新たなアプローチにより、どの程度の育毛効果が得られるかを研究しており、将来的な育毛剤開発に有効につながる基礎研究として捉え、中長期的テーマとして継続研究しております。
③につきましては、昨今、企業が製品の安全性を確認するために行う動物実験などが問題視されております。当社は創業当初から動物実験は行っておりませんでしたが、一方では昨今の加水分解コムギ末に端を発した皮膚アレルギー問題や美白化粧品による白斑問題など、お客様に安全性の高い製品を提供することも求められております。
そこで、人工的に人間の表皮を再現した皮膚細胞モデルを使用した安全性確認試験法を確立することにより、安全性の高い製品開発につながると考え、中長期的テーマとして基礎研究を行っており、確立いたしました。
次期におきましては、それらの試験方法により現在開発中の製品の評価の運用に着手いたします。
④につきましては、これまでであれば担当者による施術、温度条件、毛束の状態など、バラつきの出やすかった毛束を用いたウェーブ剤のウェーブ形成効果の測定を、品質工学を用いて安定化を図ることにより、開発しているパーマ剤の性能評価をよりバラつきが少なく正確に行うことが可能となり、評価方法として確立することが可能となりました。そこで、次期はそれらを運用し様々な条件下でもバラつきの少ないウェーブ剤の開発に応用開発してまいります。
当社は、各セグメントに属する研究開発活動を同一の部署及び設備において実施しているため、セグメントごとに研究開発費を把握することが困難であります。
なお、当事業年度に支出した研究開発費の総額は263百万円であります。