有価証券報告書-第81期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/24 11:19
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124項目

事業等のリスク

当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況並びに株価等(以下「業績等」という。)、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあります。
なお、記載中、将来に関する事項は当連結会計年度末(平成27年3月31日)において判断したものであります。
また、当社は、これらのリスク発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。
(1)エネルギー業界をとりまく環境の変化
当連結会計年度のエネルギー業界においては、シェール革命の進行、欧州・中国の景気減速の影響、OPECの生産量維持の方針等により平成26年9月から原油価額が急激に下落し、国内の石油製品価格も低下したため多大な在庫評価損が発生しました。また、定着した節約志向の影響は大きく、依然として需要は低迷し、当社及びグループ企業にとって厳しい経営環境が続きました。
石油・ガス業界をとりまく環境は、供給側であるOPECの産油量動向や中東情勢、需要側では大消費国である米国、中国、インドなどの経済状況等が原油価格に大きな変動をもたらします。また、国内では環境意識の高まりや低炭素社会に向けた官民をあげての取り組みにより、エネルギーの節約志向は今後一層強まるものと考えられます。これら原油価格の変動や国内市況並びにエネルギー環境の変化等が当社グループの業績等に重要な影響を与える可能性があります。
(2)気温の変動によるリスク
当社グループの主力となる事業はエネルギー卸売及び周辺事業、エネルギー小売及び周辺事業及びソリューション事業(以下「エネルギー事業」という。)であり、売上高の全セグメントのうち9割以上を占めています。このエネルギー事業については、基本的には気温の変動によるリスクを有しており、なかでも石油部門の主力商品である民生用灯油については、冬が最需要期であり、夏の使用量と比較して著しい格差があります。このため、暖冬により冬場の灯油の消費量が減少した場合、販売計画に狂いが生じ、また価格にも影響を及ぼすなど、気温の変動が当社グループの販売実績及び業績等に重要な影響を与える可能性があります。
(3)エネルギー業界における競争の激化
当社グループの属するエネルギー業界においては、規制緩和、環境問題、少子高齢化等の要因により、電力、石油、都市ガス、LPガス等の垣根を越えたエネルギー間競争が激化しています。「オール電化」「太陽光発電」「エネファーム」などのエコロジーと関連する商品群の開発・販売推進により、今後もこの傾向が続くものと予想されます。
また、LPガス業界においては、LPガス消費者の獲得やそれに伴うLPガス価格の引き下げ等、同業者間の競争が激しくなっています。石油業界においても、ガソリンスタンド間の厳しい生き残り競争や民生用灯油の巡回販売、ホームセンター他の販売チャネル間の争い等、同業者間の激しい競争が続いています。
こうしたエネルギー間競争及び同業者間競争の激化は、当社グループの業績等に重要な影響を与える可能性があります。
(4)取引先の信用リスク
当社グループの販売形態には、卸売販売及び小売販売があります。主に卸売販売については掛売りをしており、平成27年3月末現在の「受取手形及び売掛金」の残高は243億円であります。
これらの売上債権については、回収サイトの短縮化や、取引先の資金状況を勘案し一部現金による前受制により回収の早期化を図っています。また、コンピュータシステムによる与信等債権管理の徹底を行っています。さらに、当社グループは貸倒損失発生時に備え十分な引当金を計上していますが、予測不能な事態が生じた場合には、売上債権の回収に支障を来し、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
(5)外国為替変動リスク
当社グループは、主に、国内において円建による取引を行っていますが、当社の石油製品の輸出入及び自転車の輸入、㈱シナネンゼオミックの抗菌剤の輸出については一部外貨建で取引を行っています。このため、当社グループの業績が外国為替の変動に影響を受けることがあります。当社は、為替変動リスクを軽減するためヘッジ取引を行っていますが、必ずしもこれを完全に回避できるものではありません。
また、主力商品である石油類及びLPガスについては主に国内元売会社から仕入れていますが、原油やLPガスの輸入価格が、為替の変動により間接的に当社グループの仕入価格に影響を及ぼすというリスクを有しています。
(6)固定資産の評価に関するリスク
当社グループは、主にエネルギー事業に係る資産として、石油類卸売設備、LPガス充填設備及びガソリンスタンド設備並びにこれらの設備を使用するための土地を保有しており、有形固定資産の平成27年3月末現在の帳簿残高は227億円となっています。当社グループはこれまで非効率資産の売却を進め、財務体質の強化に努めています。
設備投資につきましては、回収可能性を十分に検討したうえで実行し、定期的に回収可能額の評価を行いますが、その結果、新たに減損損失が発生するリスクを有しています。
(7)投資等に係る潜在的リスク
当社グループは経営基盤の強化を図るため、子会社または関連会社の設立、外部との資本提携等を行っていく可能性があります。投資等にあたっては投資リスク等を勘案したうえで決定し、その後定期的に投資価値のチェックにより回収可能性の判断を行っています。その際、必要があれば回収不能額を見積もり、引当金等を計上する方針でありますが、投資先の経営成績及び財政状態が予想以上に悪化した場合には、当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。
また、当社は、株主の安定化及び業務遂行上の政策的な理由等から長期間保有している株式があります。これらの株式については、過去に減損処理を行っており、その後の投資先の経営成績及び財政状態並びに株価の推移等から投資価値は十分にあると認識しています。しかしながら、日本経済の動向及び海外情勢等に予測し難い事態が生じた場合には、株価下落により評価損が発生し、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
(8)新規事業に参入するリスク
当社グループは、前連結会計年度及び当連結会計年度において、法人向け省エネ、節電、防災ニーズに対応するエネルギーマネジメントサービスを開始しています。また、群馬県及び静岡県でのメガソーラー発電所の開所並びに茨城県での太陽光発電所の分譲販売を推進する一方、電力小売販売の一層の拡大を図り、官公庁や学校施設への電力供給を開始しました。
このように当社グループは、新規収益源の発掘・育成を積極的に推進していきますが、新規事業が期待通りの成長をとげ予想通りの収益を計上する保証はありません。将来においてこれらの新規事業の業績が当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
(9)海外進出に潜在するリスク
当社グループでは、㈱シナネンゼオミックが抗菌剤「ゼオミック」について、EPA(米国環境保護庁)及びFDA(米国食品医薬品局)から認可を取得し、現在、米国をはじめ東南アジア等海外に販売活動を進めています。販売にあたっては、主に国外の販売代理会社を通じて行うことになりますが、当該会社が影響を受ける海外情勢及び当該会社との関係により、当社グループの販売実績及び業績等に影響を与える可能性があります。
(10)石油・LPガス設備の保安等と環境汚染に関するリスク
当社グループは、保安は全てに優先すると考え、石油及びLPガス販売に係る設備等について、関係諸法規及び内部規定に基づき定期的に厳格な保安監査を実施しています。また、石油設備については石油漏出による環境汚染事故を防止するため㈱損害保険ジャパンと共同でリスクファイナンスを含む総合リスクマネジメントを実施しています。しかしながら、これらの対策が石油及びLPガスの漏洩等の事故及びそれによる損失の可能性を無にするものではありません。
(11)製品の品質及び安全に関するリスク
当社グループは、煉炭、豆炭をはじめとする固形燃料、豆炭こたつ等の生活関連部門、抗菌・環境部門、自転車等の輸入等その他の部門において製造、販売をしています。製品の生産開始以来、品質管理には十分留意しており、製造物責任法(PL法)の施行後は、生産物責任賠償保険に加入し事故発生による費用負担の低減を図っています。また、消費生活用製品安全法に基づき、製品の安全な使用方法に関する周知徹底を図るとともに事故発生時の対応強化に努めています。
しかしながら、今後大規模な製品回収や製造物責任が問われる不測の製品事故等が発生した場合には、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
(12)個人情報の取扱いについて
当社グループは、エネルギー事業に係るLPガス及び都市ガスの消費者データ、また、ガソリンスタンド利用者のカード決済用データに関する個人情報等を保有しています。このような個人情報等を保護するために、平成17年4月から情報セキュリティ委員会を設置するとともに、従業員等に向けた個人情報保護に関する教育プログラムの実施、生体認証システム及び暗号化等の情報セキュリティシステムの導入、各種規程の制定等を行っています。
しかしながら、何らかの原因により個人情報が外部に漏洩した場合には、当社グループに対する信用が失われ、その結果、売上高の減少等により当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
(13)自然災害等に関するリスク
当社グループは、石油卸売設備、LPガス充填設備及びガソリンスタンド設備等の資産を所有しています。これらの設備が大規模な台風、地震、津波、洪水等の自然災害等により被災した場合、正常な事業活動ができなくなり、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。
また、新型インフルエンザ等の大流行により当社グループが人的被害を受けた場合においても、正常な事業活動ができなくなり、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。