公開買付届出書

【提出】
2022/10/03 10:10
【資料】
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脚注、表紙

(注1) 本書中の「公開買付者」及び「当社」とは、出光興産株式会社をいいます。
(注2) 本書中の「対象者」とは、東亜石油株式会社をいいます。
(注3) 本書中の記載において計数が四捨五入又は切捨てされている場合、合計として記載される数値は計数の総和と必ずしも一致しません。
(注4) 本書中の「法」とは、金融商品取引法(昭和23年法律第25号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注5) 本書中の「令」とは、金融商品取引法施行令(昭和40年政令第321号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注6) 本書中の「府令」とは、発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令(平成2年大蔵省令第38号。その後の改正を含みます。)をいいます。
(注7) 本書中の「株券等」とは、株式に係る権利をいいます。
(注8) 本書中の記載において、日数又は日時の記載がある場合は、特段の記載がない限り、日本国における日数又は日時を指すものとします。
(注9) 本書中の「営業日」とは、行政機関の休日に関する法律(昭和63年法律第91号。その後の改正を含みます。)第1条第1項各号に掲げる日を除いた日をいいます。
(注10) 本書の提出に係る公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)は、日本の金融商品取引法で定められた手続及び情報開示基準を遵守して実施されますが、これらの手続及び基準は、米国における手続及び情報開示基準とは必ずしも同じではありません。特に米国1934年証券取引所法(Securities Exchange Act of 1934。その後の改正を含み、以下「米国1934年証券取引所法」といいます。)第13条(e)項又は第14条(d)項及び同条の下で定められた規則は本公開買付けには適用されず、本公開買付けはこれらの手続及び基準に沿ったものではありません。本書中に含まれる全ての財務情報が米国の会社の財務情報と同等の内容とは限りません。また、公開買付者及び対象者は米国外で設立された法人であり、その役員も米国居住者ではないため、米国の証券関連法を根拠として主張し得る権利又は要求を行使することが困難となる可能性があります。また、米国の証券関連法の違反を根拠として、米国外の法人及びその役員に対して、米国外の裁判所において法的手続を開始することができない可能性があります。さらに、米国外の法人並びに当該法人の子会社及び関連者に米国の裁判所の管轄が認められるとは限りません。
(注11) 本公開買付けに関する全ての手続は、特段の記載がない限り、全て日本語において行われるものとします。本公開買付けに関する書類の全部又は一部については英語で作成されますが、当該英語の書類と日本語の書類との間に齟齬が存在した場合には、日本語の書類が優先するものとします。
(注12) 本書中の記載には、米国1933年証券法(Securities Act of 1933。その後の改正を含みます。)第27A条及び米国1934年証券取引所法第21E条で定義された「将来に関する記述」が含まれています。既知若しくは未知のリスク、不確実性又はその他の要因により、実際の結果が「将来に関する記述」として明示的又は黙示的に示された予測等と大きく異なることがあります。公開買付者又はその関係会社を含む関係者は、「将来に関する記述」として明示的又は黙示的に示された予測等が結果的に正しくなることをお約束することはできません。本書中の「将来に関する記述」は、本書の日付の時点で公開買付者が有する情報を基に作成されたものであり、法令で義務付けられている場合を除き、公開買付者又はその関係会社を含む関係者は、将来の事象や状況を反映するために、その記述を更新したり修正したりする義務を負うものではありません。

対象者名

東亜石油株式会社

買付け等をする株券等の種類

普通株式

買付け等の目的

(1)本公開買付けの概要
公開買付者は、本書提出日現在、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場に上場している対象者の普通株式(以下「対象者株式」といいます。)6,234,425株(所有割合(注1):50.12%)を所有しており、対象者を連結子会社としております。
(注1) 「所有割合」とは、対象者が2022年8月8日に提出した「第150期第1四半期報告書」(以下「対象者第1四半期報告書」といいます。)に記載された、2022年6月30日現在の発行済株式総数(12,443,500株)から、対象者が2022年7月29日に公表した「2023年3月期第1四半期決算短信[日本基準](連結)」(以下「対象者第1四半期決算短信」といいます。)に記載された、2022年6月30日現在の対象者が所有する自己株式数(4,229株)を控除した株式数(12,439,271株)に対する割合(小数点以下第三位を四捨五入。以下、所有割合の記載において同じとします。)をいいます。
公開買付者は、2022年9月30日開催の取締役会において、対象者株式の全て(但し、公開買付者の所有する対象者株式及び対象者の所有する自己株式を除きます。以下同じです。)を取得し、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的とする取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決議いたしました。
本公開買付けにおいて、公開買付者は、2,058,375株(所有割合:16.55%)を買付予定数の下限と設定しており、本公開買付けに応じて応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の総数が買付予定数の下限を満たさない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。他方、上記のとおり、公開買付者は、対象者株式の全てを取得することを企図しておりますので、買付予定数の上限は設けておらず、応募株券等の総数が買付予定数の下限以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。なお、買付予定数の下限(2,058,375株)は、本取引において、公開買付者が対象者を完全子会社化することを目的としており、下記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の「② 株式併合」に記載の完全子会社化のために必要な株式併合の手続を実施する際には、会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第309条第2項に規定する株主総会における特別決議が要件とされているため、公開買付者単独で当該要件を満たすことができるように設定したものです。また、買付予定数の下限(2,058,375株)は、対象者第1四半期報告書に記載された2022年6月30日現在の対象者の発行済株式総数(12,443,500株)から、対象者第1四半期決算短信に記載された同日現在の対象者が所有する自己株式数(4,229株)を控除した株式数(12,439,271株)に係る議決権の数(124,392個)の3分の2(82,928個)に、対象者の単元株式数である100株を乗じた数を基礎として、これから公開買付者が本書提出日現在所有する対象者株式(6,234,425株)を控除した数に設定しております。
本公開買付けに際して、公開買付者は、2022年9月30日付で、対象者の主要株主に相当し、第2位株主に相当するCornwall Capital Management LP(所有株式数:3,918,100株、所有割合:31.50%(注2)、以下「Cornwall」といいます。)との間で、Cornwallがその運営するファンドを通じて実質的に所有する(投資一任契約その他の契約又は法律の規定に基づき、株式に投資をするのに必要な権限を有していることをいいます。以下同じです。)対象者株式の全て(以下「本応募合意株式」といいます。)について本公開買付けに応募する旨の契約(以下「本応募契約」といいます。)を締結しております。当該契約の概要については、下記「(6)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項」」をご参照ください。
(注2) Cornwallが対象者の主要株主に相当すること及びCornwallの株主順位は、公開買付者がCornwallから直接確認した、Cornwallが実質的に所有する株式数に基づきます。
公開買付者は、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているため、本公開買付けにおいて対象者株式の全てを取得できなかった場合には、下記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載されている、対象者の株主を公開買付者のみとするための一連の手続を実施することにより、対象者株式の全てを取得することを予定しております。
また、対象者が2022年9月30日に公表した「当社親会社である出光興産株式会社による当社株式に対する公開買付けに係る賛同の意見表明及び応募推奨に関するお知らせ」(以下「対象者プレスリリース」といいます。)によれば、対象者は、2022年9月30日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議したとのことです。
なお、上記対象者取締役会決議は、公開買付者が、本公開買付け及びその後の一連の手続により、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを企図していること並びに対象者株式が上場廃止となる予定であることを前提として行われたものとのことです。また、対象者は、当該取締役会決議にて、対象者が2021年12月13日付で公表した「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」(以下「本計画書」といいます。)を撤回することを決議したとのことです。
上記対象者取締役会決議の詳細は、対象者プレスリリース及び下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑥ 対象者における利害関係を有しない取締役(監査等委員である者を含む)全員の承認」をご参照ください。
(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針
① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程
2022年6月30日現在、公開買付者並びに対象者を含む子会社184社及び関連会社58社(以下「公開買付者グループ」といいます。)は、①燃料油事業、②基礎化学品事業、③高機能材事業、④電力・再生可能エネルギー事業、⑤資源事業、⑥その他の事業を行っております。公開買付者は、1911年6月、創業者の出光佐三氏の下で、出光商会として福岡県門司市(現・北九州市門司区)で創業し、関門地区を中心として石油販売を開始しました。1940年3月に、東京で、出光佐三氏が出光興産株式会社を設立し、1947年11月には出光商会は出光興産株式会社と合併しました。なお、公開買付者は、2006年10月に東京証券取引所市場第一部に上場し、2022年4月4日付の東京証券取引所の市場区分の再編により、現在は東京証券取引所プライム市場に上場しております。
また、公開買付者は、2016年12月、ロイヤル・ダッチ・シェル ピーエルシーの子会社のザ・シェル・ペトロリウム・カンパニー・リミテッド及びザ・アングロ・サクソン・ペトロリウム・カンパニー・リミテッドから昭和シェル石油株式会社(以下「昭和シェル石油」といいます。)の株式117,761,200株(当時の発行済株式総数の31.3%に相当)を取得し、その後、2019年4月1日を効力発生日として、公開買付者を株式交換完全親会社、昭和シェル石油を株式交換完全子会社とする株式交換により、昭和シェル石油を公開買付者の完全子会社といたしました。その後、公開買付者は、同年7月1日を効力発生日として、公開買付者を吸収分割承継会社、昭和シェル石油を吸収分割会社とする吸収分割(以下「本吸収分割」といいます。)を行い、昭和シェル石油から同社の全事業を承継しました。
一方、対象者は、1924年2月に石油製品類の輸入販売を目的に日本重油株式会社として創立され、1942年4月に日本重油株式会社が日米礦油株式会社の営業財産を一部譲り受け、東亜石油株式会社と改称しました。そして、対象者は、1950年5月に東京証券取引所に上場し、1955年7月に神奈川県川崎市にて製油所の建設と常圧蒸留装置の操業を開始し、石油精製業へ進出しました。なお、対象者は、1953年1月に株式会社大阪証券取引所(以下「大阪証券取引所」といいます。)に上場し、1961年10月には株式会社名古屋証券取引所(以下「名古屋証券取引所」といいます。)へも上場しておりますが、2006年3月に対象者の申請に基づき名古屋証券取引所より上場廃止となり、同年4月に対象者の申請に基づき大阪証券取引所より上場廃止となっているため、現在は、2022年4月4日付の東京証券取引所の市場区分の再編により、東京証券取引所スタンダード市場に上場(市場区分の再編前は東京証券取引所市場第二部に上場)しております。なお、対象者プレスリリースによれば、対象者は、東京証券取引所における市場区分の再編に関し、2021年12月13日付で、2022年4月の市場区分の再編に伴い、スタンダード市場を選択する旨の申請書を提出するとともに、本計画書を開示しているとのことですが、その後、2022年9月30日開催の対象者取締役会において、上場廃止を前提とした本公開買付けに賛同する旨の意見を決議したことから、併せて、本計画書を撤回することも決議したとのことです。
また、対象者は1998年1月に東京電力株式会社と電力受給契約を締結し、原油の精製過程で発生する副生ガスと残渣油を燃料として効率的に発電し、電力を外部に供給する事業を開始しましたが、同社(現東京電力エナジーパートナー株式会社)との間の契約は2021年3月末を以て期間満了により終了しております。本書提出日現在、対象者は専ら公開買付者から石油精製及び発電を受託しており、生産された各石油製品と電力を全量公開買付者に引き渡しております。対象者は、東日本、とりわけ国内最大の需要地である首都圏への石油製品の供給を担う公開買付者グループの重要な基幹製油所運営者として、公開買付者との間の2018年5月31日付原油精製及び発電の業務委託に関する基本協定書に基づいて、原油・原料油を各種石油製品に加工する精製業務及び精製過程で発生する副生ガス・残渣油を利用した発電業務を行っております。対象者の京浜製油所(神奈川県川崎市)は、重質油熱分解装置(注1)を始めとした設備により、残油処理装置の装備率は99%(小数点以下を四捨五入しております。)となっております。対象者はそうした設備を活用することで、重質原油及び原料油の精製に特化し、ガソリン、灯油、軽油といった付加価値の高い製品を効率的に精製するとともに、それに連携した発電設備を有効に活用して、製油所と発電所の一体運営を効率的に行い、高いエネルギー効率と資源の有効利用を実現していると考えているとのことです。
(注1) C重油基材やアスファルトの原料である減圧残渣油を高温で熱分解し、付加価値の高いガソリンや軽油の得率を高める装置をいいます。
公開買付者及び対象者の資本関係については、1979年12月に、昭和石油株式会社が伊藤忠商事株式会社から対象者株式24,806,250株(当時の対象者の発行済株式総数の約25%に相当)を譲り受け、同社に代わって対象者の筆頭株主となりました。その後、昭和石油株式会社とシェル石油株式会社とが合併して昭和シェル石油となり、昭和シェル石油の一層の資本参加による連携の強化並びに対象者の株主資本の充実による財務体質の改善及び事業の持続的な発展を図ることを目的として、対象者は、2005年10月に昭和シェル石油を割当先とする第三者割当増資(当時の対象者の増資後の発行済株式総数の約20.26%に相当する25,210,000株を引受け)を実施しました。当該第三者割当増資により、昭和シェル石油が所有する対象者株式は62,344,250株(当時の対象者の発行済株式総数の約50.10%に相当)となり、対象者は昭和シェル石油の連結子会社となりました。なお、取得時期、取得方法等は確認できないものの、昭和シェル石油は、当該第三者割当増資に先立ち、対象者株式12,328,000株(当該第三者割当増資直前の対象者の発行済株式総数の約12%に相当)を取得しております。その後、対象者が、2018年10月1日を効力発生日として、普通株式10株につき1株の割合で行った株式併合により、昭和シェル石油の所有する対象者株式は6,234,425株(当時の対象者の発行済株式総数の約50.11%に相当)となりました。さらに、2019年7月1日を効力発生日とする本吸収分割により、昭和シェル石油が所有する対象者株式の全てを公開買付者が承継し、対象者が公開買付者の連結子会社となって現在に至っております。
(ⅰ)前回公開買付けについて
2020年12月16日に公開買付者が提出した公開買付届出書(2020年12月21日及び2021年1月29日に公開買付者が提出した当該公開買付届出書の訂正届出書を含みます。)に記載のとおり、公開買付者は、2020年12月15日付取締役会決議に基づき、対象者株式の全て(但し、公開買付者の所有する対象者株式及び対象者の所有する自己株式を除きます。以下同じです。)を取得し、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的とする取引(以下「前回取引」といいます。)の一環として、公開買付け(買付け等の期間を2020年12月16日から2021年2月15日、対象者株式1株当たりの買付け等の価格(以下「前回公開買付価格」といいます。)を2,450円とした公開買付けで、以下「前回公開買付け」といいます。)を実施いたしましたが、2021年2月16日に公開買付者が提出した公開買付報告書に記載のとおり、前回公開買付けに応募された株券等の数の合計は470,668株となり買付予定数の下限(2,058,875株)に満たなかったため不成立となりました。前回公開買付けの実施に至る経緯は以下のとおりです。
前回取引検討時、公開買付者及び対象者が属する石油業界では、国内の石油製品需要は、1999年にピークアウトし、人口減少やエコカーの普及により漸減傾向にありました。その後、その傾向は加速し、気候変動への対応としての脱炭素社会への動き、自動車の所有から共同利用への変化等が相まって、国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)のシナリオによれば、2030年には、現状比2割から3割程度減少すると見込まれておりました(注2)。さらに、近時の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う原油価格の下落、自動車、航空機向けを中心とした石油製品需要の減少もあり、事業環境はさらに厳しさを増しておりました。
(注2) Source:IEA (2020) World Energy Outlook. All rights reserved.
前回取引検討時、公開買付者においては、2019年11月14日付で策定・公表された中期経営計画(2020~2022年度)にて基本方針とした、どのように環境が変化しても柔軟且つ強靭に対応できる「レジリエントな事業ポートフォリオの実現」を目指し、長期的視野の下、燃料油事業等の収益基盤事業の構造改革、成長事業の拡大、次世代事業の創出を推進することで、企業価値の向上に努めておりました。また、対象者においては、上記重質油熱分解装置や発電能力の活用や高い技術力の発揮、人材育成を通じて、企業価値の向上に努めておりました。もっとも、公開買付者と対象者がともに上場会社として独立した事業運営を行っている状況では、対象者の経営資源の有用性、取引としての客観的な公正性について対象者の少数株主の利益をも考慮した慎重な検討を要することから、公開買付者グループの経営の最適化を図ることが必ずしも十分に実現できていないと認識しておりました。
このような状況を踏まえ、公開買付者は、中期経営計画(2020~2022年度)を公表した2019年11月中旬からグループ戦略についての検討を開始しました。その検討の結果、2020年4月上旬、公開買付者の収益基盤である燃料油事業を強化し、公開買付者グループ全体の企業価値の最大化を実現するためには、国内最大の需要地である首都圏への石油製品の供給を担い、公開買付者グループにとって重要な基幹製油所を運営する対象者について、上場会社としての独立性を維持するよりも、対象者を完全子会社化し、公開買付者グループの一体経営により経営の効率化及び最適化、意思決定の柔軟化及び迅速化を図ることが必要不可欠であるとの認識に至りました。すなわち、対象者を完全子会社化することで、公開買付者グループの石油製品生産体制の最適化を目指しつつ、短期的な収益変動のリスクに必ずしもとらわれない、長期的な視野に立った経営判断を迅速に行うことを可能とした上で、公開買付者の協力の下、操業の効率化や経営環境の変化への迅速な対応が将来的な競争力の強化につながるのであればそれを果断に実行することを可能とすることにより、ガソリンを中心とした国内石油製品需要の減少、脱炭素社会に向けた動きに対応していくことが必要不可欠であるとの認識に至りました。また、公開買付者は、対象者の完全子会社化により、国内製品需要の減少に対応して、公開買付者グループの石油製品生産及び石油精製設備投資における柔軟且つ迅速な対応が可能となり、また、気候変動対応においても公開買付者グループ全体で連携を強化し、温室効果ガスの削減に関わる取り組みの強化等が可能になるとの考えに至りました。さらに、公開買付者グループ全体の石油製品生産、石油精製設備投資、人員配置等の最適化を図ることが可能となり、公開買付者及び対象者両社の持続的な成長に繋げることが可能になると確信いたしました。公開買付者が対象者を完全子会社化することによる、これらの効果の詳細については、下記「(イ)操業の効率化及び事業環境変化への迅速な対応」をご参照ください。
そこで、公開買付者は、2020年4月上旬に、完全子会社化に関わる初期的検討を開始し、その後、公開買付者及び対象者を含む公開買付者グループから独立したリーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所を、公開買付者及び対象者を含む公開買付者グループから独立した財務アドバイザーとしてゴールドマン・サックス証券株式会社(以下「ゴールドマン・サックス」といいます。)をそれぞれ2020年8月中旬に選任の上、前回取引に関する具体的な検討を開始しました。公開買付者は、対象者の公開買付者以外の株主に対して合理的な株式売却の機会を与えることが対象者の公開買付者以外の株主の利益に資すると考えたため、前回取引の取引形態として公開買付けによることを前提に、2020年8月下旬から同年9月上旬にかけて前回取引の条件や手法等について検討を重ねてまいりました。その結果、公開買付者は、前回取引は、公開買付者及び対象者の両社にとって、企業価値向上に繋がる可能性があるとの考えを持つに至りました。そして、公開買付者は、2020年9月2日、対象者に対して前回取引の協議を開始したい旨の意向を伝え、同月9日、対象者としても、前回取引について検討する旨の回答を対象者から受領いたしました。その後、公開買付者は、同年9月28日に対象者に対して前回取引に関する提案書(以下「前回提案書」といいます。)を提出いたしました。これに対して、対象者は、前回公開買付価格及びその他前回公開買付けを含む前回取引の公正性を担保すべく、公開買付者及び対象者から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券株式会社(以下「野村證券」といいます。)を、リーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所(現:アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業。以下「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」といいます。)を、それぞれ9月下旬に選任するとともに、2020年10月16日、公開買付者から独立した立場で前回取引について検討、交渉等を行うため、特別委員会(以下「前回特別委員会」といいます。)を設置したとのことでした。また、前回特別委員会は、対象者において、フィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券を、リーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任することを承認し、前回公開買付けに係る協議・交渉を行う体制を構築したとのことでした。
前回提案書の提出以降、公開買付者と対象者は、前回取引に向けた具体的な協議・検討を開始いたしました。公開買付者は、前回取引の実現可能性の精査のためのデュー・ディリジェンスを2020年10月上旬から同年12月上旬まで実施するとともに、並行して、対象者との間で、前回取引の意義及び目的に関するより詳細な協議・検討や、前回取引後の経営体制・事業方針、前回取引における諸条件等についての協議・検討を複数回にわたって重ねた結果、2020年12月11日、前回公開買付価格を1株当たり2,450円とすることで合意に至りました。
2020年12月15日、公開買付者と対象者は、対象者を公開買付者の完全子会社とすることが公開買付者及び対象者を取り巻く事業環境の変化に対応し、両社の企業価値向上に資する最善の方策であるとの考えで一致し、前回公開買付けを実施いたしました。具体的には、公開買付者は、公開買付者が対象者を完全子会社化することにより、以下の効果が期待されるものと考えておりました。もっとも、前回公開買付けは、応募された株券等の数の合計が470,668株であり買付予定数の下限(2,058,875株)に満たなかったため、不成立となりました。
(イ)操業の効率化及び事業環境変化への迅速な対応
まず、前回取引により、対象者が非公開化されることで、公開買付者グループの石油製品生産体制の最適化を目指しつつ、短期的な収益変動のリスクに必ずしもとらわれない、長期的な視野に立った経営判断を迅速に行うことが可能となると考えておりました。
対象者を取り巻く事業環境としては、ガソリンを中心とした国内の石油製品需要の減少が続き、製油所間の競争が激しくなることが想定されており、また、脱炭素社会への動きが強まり、二酸化炭素(CO2)の排出削減等に対する社会的要請も強まると見込まれておりました。このことから、対象者としては、国内製品需要が減少する中においても競争力を維持するため既存の製油所の操業をより効率化すること及びカーボンニュートラルへの取り組みの強化等、事業環境変化への迅速な対応が、将来に向けた重要な課題であると認識しているとのことでした。公開買付者としても、対象者が上場会社として存続し続ける場合、対象者の少数株主の皆様の安定的な利益(株主の皆様に対する配当を含みます。)にも配慮する必要があるため、操業の効率化や経営環境変化への迅速な対応には限界があるものと考えておりました。しかし、前回取引により対象者が非公開化されることで、公開買付者の協力の下、それが将来的な競争力の強化につながるのであれば、果断に実行することが可能になり、長期的には対象者の企業価値の向上に寄与するものと考えておりました。
また、前回取引により、対象者が公開買付者の完全子会社となった場合、公開買付者の資本力・信用力・人材をより活用することができ、対象者単独では困難であった操業の効率化・事業環境変化への迅速な対応につながる戦略的・機動的な投資について、財務的な観点や、長期的な視点から対象者の企業価値を向上することにつながるかどうかという経営判断の観点から、より的確に検討することが可能になると考えておりました。
(ロ)対象者が公開買付者の完全子会社となることによる経営の安定化
前回取引は、上記のとおり内需減少が続く石油精製業界において、公開買付者が対象者の資本比率を高める取引でした。
公開買付者は、対象者が本取引により公開買付者の完全子会社となることで、公開買付者グループの事業戦略と完全に合致した方向での経営に取り組むことができるようになることで、公開買付者グループの燃料油事業サプライチェーンの安定性を高めることができるものと判断しておりました。
(ハ)グループ一体としての人材活用
公開買付者は従業員の雇用確保、人材の有効活用を重要な施策と考えておりました。前回取引後当面の間は、前回取引において前回公開買付け後に予定されていた対象者を公開買付者の完全子会社とするための手続の完了時点における対象者の従業員について、原則としてその雇用を継続することを予定しておりました。また、人材の有効活用、従業員の成長の機会の提供等の観点から、対象者を含む公開買付者グループ全体での人材交流を、燃料油事業及びその他の事業においてもこれまで以上に活発化させ、有限である人的資源を適材適所に配置することを考えておりました。これにより、公開買付者としても対象者の人材を公開買付者グループの中で有効に活用することが可能となり、人材の確保、組織の活性化につながるものと考えておりました。
なお、対象者の完全子会社化によるデメリットとしては、上場廃止によるデメリットである、エクイティ・ファイナンスにより資金調達を行うことが難しくなること、及び上場会社として対象者が享受してきた知名度や社会的な信用力による優れた人材の確保等に影響を及ぼす可能性があることのほか、エネルギー需要の減少等により対象者の経営成績が悪化した場合の公開買付者への負担の増大等があり得ますが、上記のとおり、対象者の完全子会社化によって、上場廃止による上記のデメリットを上回る効果がある上に、公開買付者は既に対象者を連結子会社としており、また、対象者の取引先の9割は公開買付者であることから(対象者が2020年6月24日に提出した第147期有価証券報告書13頁参照)、公開買付者は、既に、対象者を完全子会社としている場合と同等の負担を負っているものといえ、公開買付者が対象者を完全子会社化することによりデメリットは特段生じないものと考えておりました。
また、公開買付者は、前回公開買付価格についても、対象者との間で、2020年11月中旬以降、複数回にわたる協議・交渉を重ねてまいりました。具体的には、公開買付者は、親会社による連結上場子会社の完全子会社化の取引にて一般的に用いられている株式価値評価手法のうち、主に市場株価法、及びディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)に基づく財務アドバイザーの分析結果を参考とし、同時点における公正な株式価値として、2020年11月16日に、前回公開買付価格を1株当たり2,050円とする旨の初回提案を行いました。公開買付者は、2020年11月18日に、対象者から、当該提案価格(2,050円)は、過去の取引所市場における対象者株式の取引価格を下回っており、近時の完全子会社化を目的とした上場子会社に対する公開買付取引におけるプレミアム水準と比較して低い水準にあることを理由に前回公開買付価格の引き上げの要請を受けたため、2020年11月24日に、本公開買付価格を1株当たり2,150円とする第2回提案を行いました。公開買付者は、2020年11月26日に、対象者から、当該提案価格(2,150円)は、なお対象者の企業価値を十分に評価していないと考えていることを理由に、当該提案価格の前提となる対象者の株式価値評価及びプレミアム水準について質問を受けたことから、同年12月1日に公開買付者と対象者双方の財務アドバイザー間で協議を行い、当該協議の結果も踏まえて、同年12月2日に、前回公開買付価格を1株当たり2,250円とする第3回提案を行いました。公開買付者は、同月4日に、対象者から、当該提案価格(2,250円)は、近時の完全子会社化を目的とした上場子会社に対する公開買付取引におけるプレミアム水準と比較して十分なプレミアムが付されていないと考えていることを理由に前回公開買付価格の引き上げの要請を受けたことを踏まえて検討し、同月8日に、前回公開買付価格を1株当たり2,400円とする第4回提案を行いました。公開買付者は、同月9日に、対象者から、当該提案価格(2,400円)からのさらなる引き上げの要請を受けたことを踏まえて検討し、同月10日に、前回公開買付価格を1株当たり2,450円とする第5回提案を行いました。当該協議・交渉の結果、公開買付者と対象者は、2020年12月11日、前回公開買付価格を1株当たり2,450円とすることで合意に至りました。以上の経緯の下で、公開買付者は、公開買付者が対象者を完全子会社化することが、公開買付者グループ全体の企業価値向上に資するとの結論に至り、公開買付者は、2020年12月15日付取締役会決議に基づき、前回公開買付けを実施することを決定いたしました。
なお、前回公開買付けに際して、公開買付者は、Cornwallとの間で協議・交渉を行っておらず、Cornwallとの間で、Cornwallがその運営するファンドを通じて実質的に所有する対象者株式の全てについて前回公開買付けに応募する旨の契約を締結しておりません。
(ⅱ)前回検討取引について
公開買付者は、前回公開買付けの終了後も公開買付者グループの戦略について検討を行っておりましたが、前回公開買付けが不成立に終わったことを踏まえて、基本的には、従来と同様、対象者の上場を維持した上で、公開買付者グループの企業価値向上を目指すこととしておりました。もっとも、公開買付者の対象者株式の所有割合及びCornwallの対象者株式の実質的所有割合が併せて80%を超えている状況及び東京証券取引所の市場区分の再編に伴う上場維持基準の改正も踏まえて、公開買付者は、2021年9月下旬から、改めて、公開買付者グループの企業価値向上の手段の選択肢の一つとして公開買付者による対象者の完全子会社化も念頭に置いて、公開買付者のグループ戦略を検討しておりました。そのような状況において、2022年2月中旬にCornwallから、「石油業界の構造改革の必要性を理解している」というコメントと共にその実質的に所有する対象者株式の売却に関する協議の申入れを受けました。公開買付者は、当該申入れを踏まえ、再度公開買付けの検討を開始いたしました。
公開買付者は、2022年2月下旬、Cornwallから、Cornwallが実質的に所有する対象者株式の買取りに応じる意向があるか確認を求められたため、同月下旬、売却価格次第では、買取りに応じる意向がある旨を伝えました。その後、公開買付者は、2022年3月上旬、Cornwallから、公開買付者とCornwallとの間で売却価格について合意できるのであれば、Cornwallが実質的に所有する対象者株式を売却することも検討可能である旨を伝えられ、2022年3月下旬には、Cornwallから、売却価格がCornwallが評価する価格以上である場合にはその実質的に所有する対象者株式を公開買付者に売却する意向がある旨を伝えられました。この売却意向を伝えられたことを踏まえ、公開買付者は、対象者株式の全てを取得し、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的とする取引(以下「前回検討取引」といいいます。)に関する具体的な検討を開始し、2022年3月下旬に、対象者に対して、前回公開買付けが不成立となった後初めて、前回検討取引実施に向けた協議開始の初期的な打診を行い、同月下旬に対象者からも前回検討取引について検討する旨の回答を受けて、公開買付者における前回検討取引の条件や手法等のさらなる検討を経た後、同年4月6日に、対象者に対して前回検討取引に関する提案書を提出いたしました。
これに対して、対象者は、前回検討取引における公開買付けの価格及びその他前回検討取引における公開買付けを含む前回検討取引の公正性を担保すべく、公開買付者及び対象者から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券を、リーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を、それぞれ4月上旬に選任するとともに、2022年4月12日、公開買付者から独立した立場で本取引について検討、交渉等を行うため、特別委員会(以下「前回検討特別委員会」といいます。)を設置したとのことでした。また、前回検討特別委員会は、対象者において、フィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券を、リーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任することを承認し、前回検討取引における公開買付けに係る協議・交渉を行う体制を構築したとのことでした。
当該提案書の提出以降、公開買付者と対象者は、前回検討取引に向けた具体的な協議・検討を開始いたしました。公開買付者は、前回検討取引の実現可能性の精査のためのデュー・ディリジェンスを2022年4月上旬から同年5月上旬まで実施するとともに、並行して、前回検討取引における公開買付けの価格についても、対象者との間で、2022年4月上旬以降、複数回にわたる協議・交渉を重ねておりました。具体的には、それまでのデュー・ディリジェンスの状況や、対象者の市場株価推移の分析、類似上場会社との比較分析を勘案した上で、前回公開買付け開始以降、公開買付者とCornwallが対象者株式の8割を超える持分を所有し流通株式比率が低下する中、公開買付者による完全子会社化が再開されるという思惑によって、株価が、前回公開買付け終了後の2021年2月16日から検討当時まで、2021年2月19日を除いて、前回公開買付価格2,450円を一度も下回ることがなかったという事実についても考慮し、2022年4月12日に、前回検討取引における公開買付けの価格を1株当たり3,000円とする旨の初回提案を行いました。
その後、公開買付者は、2022年4月14日、対象者から、少数株主の保護に関する公開買付者の考え方、Cornwallとの交渉状況等について質問を受けました。公開買付者は、2022年4月19日、当該質問に対して、少数株主の利益にも十分配慮することが必要であり少数株主に合理的な株式の売却の機会を与える本取引は、少数株主の利益に資すると考えていること、Cornwallとは交渉中である旨等を回答いたしました。公開買付者は、2022年4月25日、当該回答に関して、前回検討特別委員会から、Cornwallとの交渉経緯を公開買付届出書等の開示文書に記載すること、及び初回提案価格は、2022年4月21日を基準とする直近3か月間の東京証券取引所における対象者株式の1株当たりの終値単純平均株価3,084円に対して2.7%のディスカウントであること等から、初回提案価格は切り口によっては対象者株式の市場株価からディスカウントであると見られかねない条件であるところ、そのような条件では前回検討特別委員会として対象者の少数株主に公開買付けへの応募を推奨することは難しいと考えているため公開買付価格を引き上げることを要請されました。
しかし、4月27日に、対象者から、対象者の京浜製油所で過去に生産された石油製品について、揮発油等の品質の確保等に関する法律及び同製品の販売を担当する公開買付者との取決めに従った製品試験項目を一部実施していなかったこと(以下「本不適切行為」といいます。)が判明したとの報告を受けました。なお、対象者は、2022年5月6日付「当社 京浜製油所における製品試験に関する不適切行為について」と題するプレスリリースにおいて、本不適切行為の概要を公表しております。
公開買付者は、前回検討取引の実施に当たり、対象者における本不適切行為の事実関係の調査、原因究明、及び再発防止策の策定等の対応が対象者に与える財務上、経営上の影響を精査する必要があると考えたことから、2022年5月2日に前回検討取引の検討を中止いたしました。なお、公開買付者は、2022年5月上旬に、Cornwallに対しても、前回検討取引の検討を中止した旨を伝えております。
(ⅲ)本公開買付けについて
前回検討取引の検討の中止後、対象者において、対象者の2022年5月18日付「特別調査委員会の設置について」と題するプレスリリース記載のとおり、本不適切行為の事実関係の調査、原因究明、及び再発防止策の策定等を目的とする特別調査委員会が設置され、特別調査委員会の調査が実施されたとのことです。公開買付者は、2022年5月下旬以降随時、子会社である対象者から、特別調査委員会の調査の進捗等について報告を受けていましたが、2022年7月下旬、本不適切行為に関する対象者への財務上、経営上の影響が限定的であるとの見通しが立つに至りました。なお、対象者は、2022年9月22日付「当社における製品試験の不適切行為に関する調査結果および今後の対応について」と題するプレスリリース(以下「調査結果プレスリリース」といいます。)において、当該特別調査委員会の調査結果を公表しており、監督官庁である経済産業省や品質認証機関である一般財団法人日本品質保証機構及びLRQAリミテッドから操業停止に至るような指導や措置等が出ておらず、生産活動を継続できると判断していることから、本不適切行為が対象者の業績に与える影響は軽微と判断しているとのことです。
また、公開買付者は、2022年7月下旬、Cornwallに対し、公開買付者が対象者株式の全てを取得し、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的とする取引を再度実施する場合の対応方針を確認したところ、引き続き、売却価格がCornwallが評価する価格以上であれば、その実質的に所有する対象者株式を公開買付者に売却する意向に変わりはないことを確認いたしました。
公開買付者は、前回検討取引の検討の中止後も、公開買付者が対象者を完全子会社化することが、公開買付者及び対象者を取り巻く事業環境の変化に対応し、両社の企業価値向上に資する最善の方策であると考えておりましたが、監督官庁である経済産業省や品質認証機関である一般財団法人日本品質保証機構及びLRQAリミテッドから対象者の操業停止に至るような指導や措置等が出ておらず生産活動を継続できると判断の上、本不適切行為に関する対象者への財務上、経営上の影響が限定的であるとの見通しが立つに至ったこと、本不適切行為に関する品質管理体制を含めた、対象者のコンプライアンス、内部統制の強化を図る必要性を認識したこと、及び上記のとおりCornwallの意向に変わりはないことが確認できたことを踏まえ、2022年7月下旬、改めて、法務、財務等の観点から、完全子会社化に関わる初期的検討を開始いたしました。
その後、公開買付者は、公開買付者及び対象者を含む公開買付者グループから独立したリーガル・アドバイザーとして西村あさひ法律事務所を、公開買付者及び対象者を含む公開買付者グループから独立した財務アドバイザーとしてゴールドマン・サックスをそれぞれ2022年7月下旬に改めて選任の上、本取引に関する具体的な検討を開始しました。公開買付者は、2022年7月下旬、対象者に対して、本不適切行為の調査の進捗等に関する報告も踏まえ、改めて本取引に向けた協議を開始したい旨の意向を伝え、同月下旬、対象者から、対象者としても本取引について検討する旨の回答を受けました。そして、対象者としても公開買付者との間における当該協議に応じることとしたとのことです。その後、公開買付者は、2022年8月4日、対象者に対して、本取引に関する提案書(以下「提案書」といいます。)を提出いたしました。なお、公開買付者は、提案書提出時点においては、Cornwallとの間で、本応募契約について、締結するか否かも含めて内容に関し交渉中であったため、本応募契約を締結することを本取引実施の前提とすることを提案しておりません。
これに対して、対象者は、本公開買付けにおける対象者株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)及びその他本公開買付けを含む本取引の公正性を担保すべく、公開買付者及び対象者から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券を、リーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を、それぞれ8月上旬に選任するとともに、2022年8月5日、公開買付者から独立した立場で本取引について検討、交渉等を行うため、特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。本特別委員会の構成及び具体的な活動内容等については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)を設置したとのことです。また、本特別委員会は、対象者において、フィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券を、リーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任することを承認し、本公開買付けに係る協議・交渉を行う体制を構築したとのことです。
提案書の提出以降、公開買付者と対象者は、本取引に向けた具体的な協議・検討を開始いたしました。公開買付者は、本取引の実現可能性の精査のためのデュー・ディリジェンスを2022年8月上旬から同年9月下旬まで実施するとともに、並行して、2022年9月2日に対象者との間で本取引の意義及び目的、本取引後の経営体制・事業方針、並びに本取引における買付け等の期間や買付予定の株券等の数等の諸条件等について、前回取引から重要な変動が生じていないことを確認しました。
その結果、前回取引と同様の諸条件で行うこととし、2022年9月30日、公開買付者と対象者は、対象者を公開買付者の完全子会社とすることにより、公開買付者及び対象者を取り巻く事業環境の変化に対応し、品質管理体制を含めた、対象者のコンプライアンス、内部統制の強化を行うことが、両社の企業価値向上に資する最善の方策であるとの考えで一致しました。具体的には、公開買付者は、公開買付者が対象者を完全子会社化することにより、上記「(ⅰ)前回公開買付けについて」の「(イ)操業の効率化及び事業環境変化への迅速な対応」乃至「(ハ)グループ一体としての人材活用」に記載のとおり、前回公開買付けにおいて公開買付者が期待していた効果と同様の効果が期待されるものと考えております。また、公開買付者が対象者を完全子会社化することによるデメリットについても、上記「(ⅰ)前回公開買付けについて」に記載のとおり、前回公開買付けと同様に、特段生じないものと考えております。
公開買付者は、本公開買付価格についても、改めて、対象者との間で、2022年8月上旬以降、公開買付者及びその株主・ステークホルダーにとっての利益、並びにCornwallを含む対象者の一般株主・ステークホルダーにとっての利益を踏まえて、対象者による本公開買付けへの賛同・応募推奨の可否及び本公開買付けの成立の見通しについて総合的に検討してまいりました。その中で、公開買付者は、対象者の2022年8月23日までの過去52週高値(終値ベースで3,295円)及び過去52週安値(終値ベースで2,160円)、並びに、前回公開買付け開始以降、公開買付者とCornwallが対象者株式の8割を超える持分を所有し流通株式比率が低下する中、公開買付者による完全子会社化が再開されるという思惑によって、株価が、前回公開買付け終了後の2021年2月16日から本不適切行為の概要が公表された2022年5月6日まで、2021年2月19日を除いて、前回公開買付価格2,450円を一度も下回ることがなかったという事実も考慮し、2022年8月16日に対象者から受領した2023年3月期から2026年3月期の事業計画(以下「対象者事業計画」といいます。)における対象者の最新の状況を踏まえた将来予測及び事業戦略・方針についても確認した上で、2022年8月23日までの時点で、2022年8月上旬より開始したデュー・ディリジェンスにより本公開買付けの検討の継続に重大な影響を与える事項が発見されていなかったことも踏まえて、2022年8月24日に、本公開買付価格を1株当たり3,000円とする旨の初回提案を行いました。なお、初回提案における当該公開買付価格は、初回提案の日の前営業日である2022年8月23日の東証スタンダード市場における対象者株式の終値2,160円に対して38.89%(小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、プレミアム率の計算において同じです。)、2022年8月23日から直近1ヶ月間の株価単純平均値2,353円(小数点以下を四捨五入しております。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して27.50%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値2,442円に対して22.85%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値2,659円に対して12.82%のプレミアムを加えた価格です。
当該提案を受けて、対象者は、公開買付者に対し、2022年8月25日に、初回提案における当該公開買付価格は、2022年8月24日終値及び2022年8月24日終値を基準日とする1ヶ月間・3ヶ月間・6ヶ月間の終値単純平均値(小数点以下四捨五入)に対して、13.0%~38.1%のプレミアムが加算されているところ、当該プレミアム水準は、対象者が賛同の意見表明及び応募推奨を決議した、前回公開買付けの際に加算されたプレミアム(2020年12月14日終値及び2020年12月14日を基準日とする1ヶ月間、3ヶ月間、6ヶ月間の終値単純平均値に対して23.1%~39.0%)と比較して、著しく劣る水準ではないと考えている旨を伝えると共に、本公開買付けの成立のためには、対象者の大株主の動向が非常に重要と考えていることから、対象者及び本特別委員会における検討に当たり公開買付者と当該大株主との応募契約締結に向けた協議状況を注視したいこと、及び当該協議状況を共有することを要請したとのことです。
その後も、公開買付者は、対象者との間で、対象者のフィナンシャル・アドバイザーを通じて、継続的に協議・交渉を行いました。また、公開買付者は、上記のとおり2022年7月下旬に売却価格がCornwallが評価する価格以上であれば、その実質的に所有する対象者株式を公開買付者に売却する意向に変わりはないことを確認した後、2022年8月29日付で、Cornwallから、本公開買付価格を1株当たり3,150円とした本公開買付けが実施されるのであれば、Cornwallがその運営するファンドを通じて実質的に所有する対象者株式の全てについて本公開買付けに応募する意向がある旨のLetter of Intent(以下「本LOI」といいます。)を受領しました。
公開買付者は、初回提案における本公開買付価格の検討の際の考慮要素に加えて、本LOIにおいて示されたCornwallの意向も踏まえ、2022年9月22日、対象者に対して、最終提案として、本公開買付価格を1株当たり3,150円とする提案を行いました。これに対し、公開買付者は、2022年9月26日、対象者から、本公開買付価格を1株当たり3,150円とすることを受諾する旨を伝えられました。
以上の経緯の下で、公開買付者は、公開買付者が対象者を完全子会社化することが、公開買付者グループ全体の企業価値向上に資するとの結論に至り、2022年9月30日付取締役会決議に基づき、本公開買付けを実施することを決定いたしました。また、公開買付者は、同日付で、Cornwallとの間で本応募契約を締結いたしました。
② 対象者における意思決定の過程及び理由
(ⅰ)前回公開買付けについて
対象者プレスリリースによれば、対象者が2020年12月15日に公表した「当社親会社である出光興産株式会社による当社株式に対する公開買付けに係る賛同の意見表明及び応募推奨に関するお知らせ」及び2021年1月29日に公表した「『当社親会社である出光興産株式会社による当社株式に対する公開買付けに係る賛同の意見表明及び応募推奨に関するお知らせ』の一部変更に関するお知らせ」に記載のとおり、対象者は、2020年9月2日、公開買付者から前回取引の協議を開始したい旨の意向を伝えられたことから、同月9日、対象者としても前回取引について検討する旨を公開買付者に回答したとのことでした。そして、公開買付者との間における当該協議に応じることとし、同月28日、公開買付者から前回提案書を受領したとのことでした。当該提案を契機として、対象者は、前回取引に関して、公開買付者及び対象者から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を、公開買付者及び対象者から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券を、それぞれ9月下旬に選任したとのことでした。そして、対象者は、対象者が公開買付者の連結子会社であり、前回取引が構造的な利益相反の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、前回取引の公正性を担保するため、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を踏まえ、直ちに、公開買付者から独立した立場で、対象者の企業価値の向上及び対象者の少数株主の皆様の利益の確保の観点から前回取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始したとのことでした。
具体的には、対象者は、2020年9月下旬から、対象者の独立社外取締役及び社外有識者から構成される前回特別委員会の設置に向けた準備を進めたとのことでした。その上で、同年10月16日開催の取締役会における決議により、中村新氏(対象者の独立社外取締役(監査等委員)、銀座南法律事務所 弁護士)、木村滋氏(対象者の独立社外取締役(監査等委員)、イーレックス株式会社社外取締役)、久保惠一氏(対象者の独立社外取締役(監査等委員)、公認会計士久保惠一事務所 公認会計士)、長谷川臣介氏(長谷川公認会計士事務所 公認会計士)及び高橋明人氏(高橋・片山法律事務所 弁護士)の5名から構成される前回特別委員会を設置し、前回特別委員会に対し、(ア)前回取引の目的が合理的と認められるか(前回取引が対象者の企業価値向上に資するかという点を含む。)、(イ)前回取引に係る手続きの公正性が確保されているか、(ウ)前回取引の条件(前回公開買付価格を含む。)の妥当性が確保されているか、(エ)上記(ア)から(ウ)を踏まえて、前回取引が対象者の少数株主にとって不利益なものではないと考えられるか、(オ)対象者取締役会が前回公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主に対して前回公開買付けに応募することを推奨する旨の決議を行うことの是非について諮問したとのことでした。また、対象者取締役会は、前回特別委員会の設置にあたり、前回取引に関する対象者取締役会の意思決定は、前回特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特に前回特別委員会が前回取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、対象者取締役会は当該取引条件による前回取引に賛同しないこと、並びに、①前回特別委員会が必要と認める場合には、自らのフィナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザー等のアドバイザーを選任する(その場合の合理的な費用は対象者が負担する。)、又は、対象者のアドバイザーを承認する権限、②対象者の役職員その他前回特別委員会が必要と認める者から前回取引の検討及び判断に必要な情報を受領する権限、並びに、③前回特別委員会が必要と認める場合には、公開買付者との間で前回取引の取引条件等の協議及び交渉を行う権限を付与すること等を決議したとのことでした。
また、対象者は、前回特別委員会において、対象者のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券並びに対象者のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けているとのことでした。
以上の経緯の下で、対象者は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた前回取引における手続の公正性を確保するための対応についてのガイダンスその他の法的助言及び野村證券から受けた対象者株式の価値算定結果に関する報告、公開買付者との交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を踏まえつつ、前回公開買付けを含む前回取引が対象者の企業価値向上に資するか否か、及び前回公開買付価格を含む前回取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議及び検討を行ってきたとのことでした。
なお、対象者における協議及び検討並びに公開買付者との交渉過程において、前回特別委員会は、適宜、対象者や対象者のアドバイザーから報告を受け、確認及び意見の申述等を行ってきたとのことでした。対象者のフィナンシャル・アドバイザーは、公開買付者との交渉にあたっては、事前に対象者内で検討し、前回特別委員会の意見を踏まえた交渉方針に従って対応を行っており、また、公開買付者から前回公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、直ちに前回特別委員会に対して報告を行い、その助言を踏まえて対象者内にて検討を行い、対応を行ってきたとのことでした。
そして、対象者は、2020年12月14日、前回特別委員会から、(ア)前回公開買付けを含む前回取引の目的は合理的なものである(前回取引が対象者の企業価値向上に資するものである)と考える旨、(イ)前回取引において、公正な手続を通じた対象者の株主の利益への十分な配慮がなされていると考える旨、(ウ)前回取引の条件(前回公開買付価格を含む。)の妥当性・公正性が確保されていると考える旨、(エ)上記(ア)乃至(ウ)を踏まえると、前回取引は対象者の少数株主にとって不利益なものではないと考える旨、(オ)上記(ア)乃至(エ)を踏まえれば、現時点において、対象者取締役会が前回公開買付けに賛同意見を表明し、対象者の株主に対して前回公開買付けへの応募を推奨する旨の決定を行うことは相当であると考える旨の答申書(以下「前回答申書」といいます。)の提出を受けたとのことでした。
その結果、以下のとおり、対象者としても、2020年12月15日、公開買付者の完全子会社となることにより、シナジーの創出を見込むことができ、対象者の企業価値の向上に資するとの結論に至ったとのことでした(なお、以下の記載は2020年12月15日時点の情報です。)。
対象者は、公開買付者から石油精製を受託し、原油・原料油を各種石油製品に加工する「石油事業」と、石油精製の過程で発生する副生ガス・残渣油を利用した発電を行う「電気事業」の2本柱で事業を行っているとのことでした。石油事業においては重質油熱分解装置という競争力のある設備を有しており、対象者は一般的な製油所と比較し、上流の設備に対して分解設備の能力が高く、単位当たりの付加価値も高くなっているとのことでした。加えて、分解の過程で発生するカロリーの低いガスを発電ボイラーに用いることで発電も行っているとのことでした。
その一方で、石油製品の需要は、供給過剰の傾向が強く、省エネルギー社会等を背景として今後も減少傾向が継続すると想定されており、加えてコロナ禍もあり、現在も想定以上に製品需要が減退しているとのことでした。対象者としては重質油を軽質の製品に分解して利益を得ており、重質油と軽質油の価格差が大きいほど収益が上がるようになっているとのことでしたが、価格差が想定よりも開いていないことも対象者の競争力及び足元の業績に影響しているとのことでした。
そのような状況下でも対象者として事業展開を推進していくためには、対象者と公開買付者が一体となることによって、オペレーション面での連携を強化することが必要だと考えているとのことでした。すなわち、公開買付者グループ内で視点を統一し、意思決定の迅速化を進めることによって、変化の激しい事業環境への柔軟な対応が可能となり、対象者事業所の設備のさらなる有効活用を実現させ、さらに現在上場会社として組織が重くなっている中で、日々のオペレーションに集中することで、より効率的な経営が望めるという考えに至ったとのことでした。
また、脱炭素化社会へ向けた動向、ESG経営実行への要請等の事業環境の変化に迅速、且つ適切に対応するためには、石油精製事業に専ら依存している対象者単独では限界があることから、公開買付者の完全子会社となり、公開買付者グループの資産、技術、資本等を活用していくことを望んでいるとのことでした。
さらに、対象者としては事業規模と人的資源の不足の問題等が将来に向けた事業の構築に対する大きな制約となることを懸念しており、公開買付者との一層の連携を通じた戦略的・機動的な投資の実行、優秀な人材の採用及び多彩な事業に精通した人材の育成を望んでいるとのことでした。
また、これまで対象者は上場会社として、対象者の少数株主の利益を尊重し、対象者としての独立性の確保に努めてきたとのことでした。このため、公開買付者グループの経営インフラを共通活用することについては、公開買付者グループと少数株主との利益相反の懸念、対象者としての独立性の確保のため、迅速且つ円滑にその推進を行うことに多大な労力を要したとのことでした。前回取引後においては、公開買付者の完全子会社になることで、そのような公開買付者グループと少数株主の間の利益相反や独立性確保のための制約を回避しつつ、中長期的な成長の観点から必要な公開買付者グループとの連携及び経営資源の効率的活用を迅速且つ円滑に行いながら、対象者を含む公開買付者グループの中長期的な企業価値向上に資することができると考えているとのことでした。
また、前回公開買付価格に係る交渉経緯に関し、2020年11月16日、対象者は、公開買付者から、前回公開買付価格を1株当たり2,050円とすることを含む最初の提案を受領して以降、公開買付者との間で、前回公開買付価格を含む前回取引に係る取引条件について継続的に協議及び交渉を行ってきたとのことでした。具体的には、公開買付者から、同月24日に前回公開買付価格を1株当たり2,150円とする旨の提案を、同年12月2日に前回公開買付価格を1株当たり2,250円とする旨の提案を、同月8日に前回公開買付価格を1株当たり2,400円とする旨の提案を受領したとのことでした。その後も公開買付者との間で、対象者のフィナンシャル・アドバイザーを通じて、継続的に協議及び交渉を行い、その結果、対象者は、2020年12月10日、公開買付者から、前回公開買付価格を1株当たり2,450円とすることを含む最終提案を受けるに至ったとのことでした。前回公開買付価格に関し、対象者は、以下の点等から、前回公開買付価格である1株当たり2,450円は対象者の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、前回公開買付けは、対象者の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な対象者株式の売却の機会を提供するものであると判断したとのことでした。
(a)当該価格が、対象者において、前回公開買付価格を含む前回取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、前回特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で十分な交渉を重ねた結果合意された価格であること。
(b)当該価格が、野村證券から2020年12月14日付で提出を受けた対象者株式の価値算定結果に関する株式価値算定書における野村證券による対象者株式の価値算定結果のうち、市場株価平均法による算定結果の範囲を上回っており、また、DCF法による算定結果の範囲内であること。
(c)当該価格が、前回公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2020年12月14日の東証二部における対象者株式の終値1,991円に対して23.05%、2020年12月14日から直近1ヶ月間の終値単純平均値1,807円に対して35.58%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値1,762円に対して39.05%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値1,818円に対して34.76%のプレミアムが加算されたものであり、親会社による上場子会社の完全子会社化を目的とした過去の公開買付けの事例におけるプレミアムの水準に照らしても、合理的な水準の範囲内にあるものと認められること。
(d)当該価格は、前回特別委員会から取得した前回答申書においても、妥当であると認められると判断されていること。
以上から、対象者は、前回取引が対象者の企業価値の向上に資するものであるとともに、前回公開買付価格を含む前回取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2020年12月15日開催の対象者取締役会において、前回公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、前回公開買付けへの応募を推奨することを決議したとのことでした。
(ⅱ)前回検討取引について
対象者プレスリリースによれば、対象者は、2022年3月下旬、公開買付者から前回検討取引の協議を開始したい旨の意向を伝えられたことから、同月下旬、対象者としても前回検討取引について検討する旨を公開買付者に回答したとのことです。そして、対象者としても公開買付者との間における当該協議に応じることとし、同年4月6日に、公開買付者から、前回検討取引に関する提案書を受領したとのことです。その後、同月12日、公開買付者から、前回検討取引における公開買付け価格を1株当たり3,000円とする旨の初回提案を受領したとのことです。当該提案を契機として、対象者は、前回検討取引に関して、公開買付者及び対象者から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を、公開買付者及び対象者から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券を、それぞれ4月上旬に選任したとのことです。そして、対象者は、対象者が公開買付者の連結子会社であり、前回取引と同様、前回検討取引が構造的な利益相反の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、前回検討取引の公正性を担保するため、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を踏まえ、直ちに、公開買付者から独立した立場で、対象者の企業価値の向上及び対象者の少数株主の皆様の利益の確保の観点から前回検討取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始したとのことです。
具体的には、対象者は、2022年4月上旬から、公開買付者から独立した立場で前回検討取引について検討、交渉等を行うため、対象者の独立社外取締役及び社外有識者から構成される特別委員会の設置に向けた準備を進めたとのことです。その上で、同月12日開催の取締役会における決議により、中村新氏(対象者の独立社外取締役(監査等委員)、銀座南法律事務所 弁護士)、木村滋氏(対象者の独立社外取締役(監査等委員)、イーレックス株式会社社外取締役)、久保惠一氏(対象者の独立社外取締役(監査等委員)、公認会計士久保惠一事務所 公認会計士)、長谷川臣介氏(長谷川公認会計士事務所 公認会計士)及び高橋明人氏(高橋・片山法律事務所 弁護士)の5名から構成される前回検討特別委員会を設置したとのことです。また、対象者取締役会は、前回検討特別委員会の設置にあたり、前回検討取引に関する対象者取締役会の意思決定は、前回検討特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特に前回検討特別委員会が前回検討取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、対象者取締役会は当該取引条件による前回検討取引に賛同しないこと、並びに、①前回検討特別委員会が必要と認める場合には、自らのフィナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザー等のアドバイザーを選任する(その場合の合理的な費用は対象者が負担する。)、又は、対象者のアドバイザーを承認する権限、②対象者の役職員その他前回検討特別委員会が必要と認める者から前回検討取引の検討及び判断に必要な情報を受領する権限、並びに、③前回検討特別委員会が必要と認める場合には、公開買付者との間で前回検討取引の取引条件等の協議及び交渉を行う権限を付与すること等を決議したとのことです。
また、対象者は、前回検討特別委員会において、対象者のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券並びに対象者のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けているとのことです。
その後、対象者は、2022年4月14日、公開買付者に対し、少数株主の保護に関する公開買付者の考え方、Cornwallとの交渉状況等について質問をしたとのことです。対象者は、公開買付者から、2022年4月19日、当該質問に対して、少数株主の利益にも十分配慮することが必要であり少数株主に合理的な株式の売却の機会を与える前回検討取引は、少数株主の利益に資すると考えていること、Cornwallとは交渉中である旨等の回答を受領したとのことです。前回検討特別委員会は、公開買付者に対して、2022年4月25日、当該回答に関して、Cornwallとの交渉経緯を公開買付届出書等の開示文書に記載すること、及び初回提案価格は、2022年4月21日を基準とする直近3か月間の東京証券取引所における対象者株式の1株当たりの終値単純平均株価3,084円に対して2.7%のディスカウントであること等から、初回提案価格は切り口によっては対象者株式の市場株価からディスカウントであると見られかねない条件であるところ、そのような条件では前回検討特別委員会として対象者の少数株主に公開買付けへの応募を推奨することは難しいと考えているため公開買付価格を引き上げることを要請したとのことです。
対象者は、前回検討取引の協議中であった4月27日に、公開買付者に対し、本不適切行為が判明したとの報告を行ったとのことです。なお、対象者は、2022年5月6日付「当社 京浜製油所における製品試験に関する不適切行為について」と題するプレスリリースにおいて、本不適切行為の概要を公表しております。
対象者は、2022年5月2日に、公開買付者より、前回検討取引の実施に当たり、対象者における本不適切行為の事実関係の調査、原因究明、及び再発防止策の策定等の対応が対象者に与える財務上、経営上の影響を精査する必要があると考えたことから、前回検討取引の検討を中止する旨の連絡を受け、対象者においても、前回検討取引の検討を中止したとのことです。
(ⅲ)本公開買付けに向けた検討体制の構築の経緯と判断内容
対象者プレスリリースによれば、前回検討取引の検討の中止後、対象者において、対象者の2022年5月18日付「特別調査委員会の設置について」と題するプレスリリース記載のとおり、本不適切行為の事実関係の調査、原因究明、及び再発防止策の策定等を目的とする特別調査委員会が設置され、特別調査委員会の調査が実施されたとのことです。対象者は、親会社である公開買付者に対し、2022年5月下旬以降随時、特別調査委員会の調査の進捗等について報告していたとのことですが、2022年7月下旬、本不適切行為に関する対象者への財務上、経営上の影響が限定的であるとの見通しが立つに至ったとのことです。なお、対象者は、調査結果プレスリリースにおいて、当該特別調査委員会の調査結果を公表しており、監督官庁である経済産業省や品質認証機関である一般財団法人日本品質保証機構及びLRQAリミテッドから操業停止に至るような指導や措置等が出ておらず、生産活動を継続できると判断していることから、本不適切行為が対象者の業績に与える影響は軽微と判断しているとのことです。
対象者は、2022年7月下旬、公開買付者から、本不適切行為の調査の進捗等に関する報告も踏まえ、改めて本取引に向けた協議を開始したい旨の意向を伝えられたことから、同月下旬、対象者としても本取引について検討する旨を公開買付者に回答したとのことです。そして、対象者としても公開買付者との間における当該協議に応じることとし、2022年8月4日、公開買付者から本取引に関する提案書を受領したとのことです。当該提案を契機として、対象者は、本取引に関して、公開買付者及び対象者から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を、公開買付者及び対象者から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として野村證券を、それぞれ8月上旬に選任したとのことです。そして、対象者は、対象者が公開買付者の連結子会社であり、前回取引及び前回検討取引と同様、本取引が構造的な利益相反の問題が類型的に存する取引に該当することに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保するため、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を踏まえ、直ちに、公開買付者から独立した立場で、対象者の企業価値の向上及び対象者の少数株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始したとのことです。
具体的には、対象者は、2022年8月上旬から、対象者の独立社外取締役及び社外有識者から構成される本特別委員会の設置に向けた準備を進めたとのことです。その上で、同月5日開催の取締役会における決議により、久保惠一氏(対象者の独立社外取締役(監査等委員)、公認会計士久保惠一事務所 公認会計士)、角田和好氏(対象者の独立社外取締役(監査等委員))、高橋明人氏(対象者の独立社外取締役(監査等委員)、高橋・片山法律事務所 弁護士)及び長谷川臣介氏(長谷川公認会計士事務所 公認会計士)の4名から構成される本特別委員会(本特別委員会の設置等の経緯、検討の経緯及び判断内容等については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「(ⅰ)本特別委員会設置等の経緯」乃至「(ⅲ)判断内容」をご参照ください。)を設置し、本特別委員会に対し、本公開買付けに賛同の意向を表明するとともに、対象者の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨することが、対象者の少数株主にとって不利益なものではないか、すなわち、(ア)本取引の目的が合理的と認められるか(本取引が対象者の企業価値向上に資するかという点を含む。)、(イ)本取引に係る手続の公正性が確保されているか、(ウ)本取引の条件(本公開買付けにおける買付価格を含む。)の妥当性が確保されているか、(エ)上記(ア)から(ウ)を踏まえて、本取引が対象者の少数株主にとって不利益なものではないと考えられるか、(オ)対象者取締役会が本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議を行うことの是非(以下、これらを総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問したとのことです。また、対象者取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、本取引に関する対象者取締役会の意思決定は、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特に本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、対象者取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないこと、並びに、① 本特別委員会が必要と認める場合には、自らのフィナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザー等のアドバイザーを選任する(その場合の合理的な費用は対象者が負担する。)、又は、対象者のアドバイザーを承認(事後承認を含む。)する権限、② 対象者の役職員その他本特別委員会が必要と認める者から本取引の検討及び判断に必要な情報を受領する権限、並びに、③ 本特別委員会が必要と認める場合には、公開買付者との間で本取引の取引条件等の協議及び交渉を行う権限を付与すること等を決議したとのことです(当該取締役会における決議の方法については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「(ⅰ)本特別委員会設置等の経緯」をご参照ください。)。
また、対象者は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「(ⅱ)本取引検討の経緯」に記載のとおり、本特別委員会において、対象者のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券並びに対象者のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任の承認を受けているとのことです。
以上の経緯の下で、対象者は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた本取引における手続の公正性を確保するための対応についてのガイダンスその他の法的助言及び野村證券から受けた対象者株式の価値算定結果に関する報告、公開買付者との交渉方針に関する助言その他の財務的見地からの助言を踏まえつつ、本公開買付けを含む本取引が対象者の企業価値向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議及び検討を行ってきたとのことです。
なお、対象者における協議及び検討並びに公開買付者との交渉過程において、本特別委員会は、適宜、対象者や対象者のアドバイザーから報告を受け、確認及び意見の申述等を行ってきたとのことです。対象者のフィナンシャル・アドバイザーは、公開買付者との交渉にあたっては、事前に対象者内で検討し、本特別委員会の意見を踏まえた交渉方針に従って対応を行っており、また、公開買付者から本公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、直ちに本特別委員会に対して報告を行い、その助言を踏まえて対象者内にて検討を行い、対応を行ってきたとのことです。
また、本公開買付価格に係る交渉経緯に関し、2022年8月24日、対象者は、公開買付者から、本公開買付価格を1株当たり3,000円とすることを含む最初の提案を受領して以降、公開買付者との間で、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件について継続的に協議及び交渉を行ってきたとのことです。具体的には、対象者は、公開買付者に対し、同月25日に、初回提案における当該公開買付価格は、2022年8月24日終値及び2022年8月24日終値を基準日とする1ヶ月間・3ヶ月間・6ヶ月間の終値単純平均値(小数点以下四捨五入)に対して、13.0%~38.1%のプレミアムが加算されているところ、当該プレミアム水準は、対象者が賛同の意見表明及び応募推奨を決議した、前回公開買付けの際に加算されたプレミアム(2020年12月14日終値及び2020年12月14日を基準日とする1ヶ月間、3ヶ月間、6ヶ月間の終値単純平均値に対して23.1%~39.0%)と比較して、著しく劣る水準ではないと考えている旨を伝えると共に、本公開買付けの成立のためには、対象者の大株主の動向が非常に重要と考えていることから、対象者及び本特別委員会における検討に当たり公開買付者と当該大株主との応募契約締結に向けた協議状況を注視したいこと、及び当該協議状況を共有することを要請したとのことです。その後も公開買付者との間で、対象者のフィナンシャル・アドバイザーを通じて、継続的に協議及び交渉を行い、その結果、対象者は、2022年9月22日、公開買付者から、最終提案として、本公開買付価格を1株当たり3,150円とする提案を受けるに至ったとのことです。これに対し、対象者は、2022年9月26日、本公開買付価格を1株当たり3,150円とすることを受諾する旨を公開買付者に伝えたとのことです。
本公開買付価格に関し、対象者は、以下の点等から、本公開買付価格である1株当たり3,150円は対象者の少数株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であり、本公開買付けは、対象者の少数株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な対象者株式の売却の機会を提供するものであると判断したとのことです。
(a)当該価格が、対象者において、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、本特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で十分な交渉を重ねた結果合意された価格であること。
(b)当該価格が、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「② 対象者における独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」の野村證券から2022年9月29日付で提出を受けた対象者株式の価値算定結果に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。)における野村證券による対象者株式の価値算定結果のうち、市場株価平均法による算定結果の範囲を上回っており、また、DCF法による算定結果の範囲内であること。
(c)対象者は、2022年5月6日付「当社 京浜製油所における製品試験に関する不適切行為について」において本不適切行為を公表し、同月18日「特別調査委員会の設置について」において特別調査委員会の設置を公表し、その後2022年9月22日に「当社における製品試験の不適切行為に関する調査結果および今後の対応について」において特別調査委員会による調査結果の公表をしているところ、これらの公表後、対象者の市場株価は一定の反応を示しているとも言い得る一方で、株価の変動は単独の事象のみに起因するものでは無く、また当該不適切行為に関する各外部公表について、対象者が市場株価に何らか影響を及ぼすことを企図して行われたことを窺わせる事情を本特別委員会において見出していないことから、本公開買付価格の妥当性・公正性が損なわれるものでは無いと考えられること。また、対象者は、2022年7月29日付で業績予想の下方修正を公表しているところ、当該業績予想の修正及び開示については対象者において合理的な方法及び手順で策定されたものであり、当該業績予想の修正及び開示の内容及びタイミングについて対象者が意図的に対象者株式の市場株価を下げる意図で策定及び公表したものである等の事実を窺わせる事情を本特別委員会において見出していないことから、本公開買付価格の妥当性・公正性が損なわれるものでは無いと考えられること。
(d)当該価格が、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2022年9月29日の東証スタンダード市場における対象者株式の終値2,273円に対して38.58%、2022年9月29日から直近1ヶ月間の終値単純平均値2,281円に対して38.10%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値2,348円に対して34.16%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値2,505円に対して25.75%のプレミアムが加算されたものであること。また、前回公開買付けの公表後において、対象者株式の市場価格が国内の株式市場全体の株価の推移及び同業他社の株価平均の推移に比して上昇傾向にあったものと見受けられることに鑑みれば、前回公開買付けの公表日の直前取引日を基準日としたプレミアムの水準も勘案すべきものと考えられるところ、前回公開買付けの実施について公表された2020年12月15日以前の市場価格と比較すると、当該価格は、その前営業日である2020年12月14日の東京証券取引所市場第二部における対象者株式の終値1,991円に対して58.21%、2020年12月14日から直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,807円に対して74.32%、同直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,762円に対して78.77%、同直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,818円に対して73.27%のプレミアムが加算されたものであること。これらに鑑みれば、前回公開買付けの公表日の直前取引日を基準日としたプレミアムの水準は、2019年以降に公表され、公開買付けが成立している45件の上場子会社の完全子会社化事例におけるプレミアム水準(公表日の前営業日の終値に対して44.8%、公表日の前営業日までの過去1ヶ月間の終値の単純平均値に対して45.7%、同過去3ヶ月間の終値の単純平均値に対して45.1%、同過去6ヶ月間の終値の単純平均値に対して43.2%)に照らしても遜色なく、また、本公開買付けの公表日の直前取引日を基準日としてもいずれもプレミアムが加算された価格であることから、本公開買付価格は、妥当なものと認められること。
(e)当該価格は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「(ⅲ)判断内容」に記載のとおり、本特別委員会から取得した本答申書(次段落において定義します。)においても、妥当であると認められると判断されていること。
そして、対象者は、2022年9月29日、本特別委員会から、(ア)本公開買付けを含む本取引の目的は合理的なものである(本取引が対象者の企業価値向上に資するものである)と考える旨、(イ)本取引において、公正な手続を通じた対象者の株主の利益への十分な配慮がなされていると考える旨、(ウ)本取引の条件(本公開買付価格を含む。)の妥当性・公正性が確保されていると考える旨、(エ)上記(ア)乃至(ウ)を踏まえると、本取引は対象者の少数株主にとって不利益なものではないと考える旨、(オ)上記(ア)乃至(エ)を踏まえれば、現時点において、対象者取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明し、対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決定を行うことは相当である(すなわち、当該意見表明等の決定が、当社の少数株主にとって不利益なものではない)と考える旨の答申書(以下「本答申書」といいます。)の提出を受けたとのことです(本答申書の概要については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」の「(ⅲ)判断内容」をご参照ください。)。
その結果、以下のとおり、対象者としても、2022年9月30日、公開買付者の完全子会社となることにより、前回公開買付けにおいて対象者が期待していたシナジーと同様のシナジーの創出を見込むことができ、対象者の企業価値の向上に資するとの結論に至ったとのことです。
対象者は、公開買付者から石油精製を受託し、原油・原料油を各種石油製品に加工する「石油事業」と、石油精製の過程で発生する副生ガス・残渣油を利用した発電を行う「電気事業」の2本柱で事業を行っているとのことです。石油事業においては重質油熱分解装置という競争力のある設備を有しており、対象者は一般的な製油所と比較し、上流の設備に対して分解設備の能力が高く、単位当たりの付加価値も高くなっているとのことです。加えて、分解の過程で発生するカロリーの低いガスを発電ボイラーに用いることで発電も行っているとのことです。
その一方で、石油製品の需要は、供給過剰の傾向が強く、省エネルギー社会等を背景として今後も減少傾向が継続すると想定されているとのことです。対象者としては、重質油を軽質の製品に分解して利益を得ており、重質油と軽質油の価格差が大きいほど収益が上がるようになっているとのことですが、価格差が想定よりも開いていないことによって対象者の競争力及び足元の業績に影響が生じているとのことです。
そのような状況下でも対象者として事業展開を推進していくためには、対象者と公開買付者が一体となることによって、オペレーション面での連携を強化することが必要だと考えているとのことです。すなわち、公開買付者グループ内で視点を統一し、意思決定の迅速化を進めることによって、変化の激しい事業環境への柔軟な対応が可能となり、対象者事業所の設備のさらなる有効活用を実現させ、さらに現在上場会社として組織が重くなっている中で、日々のオペレーションに集中することで、より効率的な経営が望めるという考えに至ったとのことです。
また、脱炭素化社会へ向けた動向、ESG経営実行への要請等の事業環境の変化に迅速、且つ適切に対応するためには、石油精製事業に専ら依存している対象者単独では限界があることから、公開買付者の完全子会社となり、公開買付者グループの資産、技術、資本等を活用していくことを望んでいるとのことです。
さらに、対象者としては事業規模と人的資源の不足の問題等が将来に向けた事業の構築に対する大きな制約となることを懸念しており、公開買付者との一層の連携を通じた戦略的・機動的な投資の実行、優秀な人材の採用及び多彩な事業に精通した人材の育成を望んでいるとのことです。
また、これまで対象者は上場会社として、対象者の少数株主の利益を尊重し、対象者としての独立性の確保に努めてきたとのことです。このため、公開買付者グループの経営インフラを共通活用することについては、公開買付者グループと少数株主との利益相反の懸念、対象者としての独立性の確保のため、迅速且つ円滑にその推進を行うことに多大な労力を要したとのことです。本取引後においては、公開買付者の完全子会社になることで、そのような公開買付者グループと少数株主の間の利益相反や独立性確保のための制約を回避しつつ、中長期的な成長の観点から必要な公開買付者グループとの連携及び経営資源の効率的活用を迅速且つ円滑に行いながら、対象者を含む公開買付者グループの中長期的な企業価値向上に資することができると考えているとのことです。
以上から、対象者は、本取引が対象者の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2022年9月30日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議したとのことです。
当該取締役会における決議の方法については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑥ 対象者における利害関係を有しない取締役(監査等委員である者を含む)全員の承認」をご参照ください。
③ 本公開買付け後の経営方針
公開買付者及び対象者は、本公開買付け後の経営方針について、上記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」のとおり、2022年8月上旬に公開買付者から対象者に対して提案書を提出して以降、2022年8月上旬から同年9月下旬までの間、協議を重ねてまいりました。公開買付者は、上記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅰ)前回公開買付けについて」の「(イ)操業の効率化及び事業環境変化への迅速な対応」、「(ロ)対象者が公開買付者の完全子会社となることによる経営の安定化」及び「(ハ)グループ一体としての人材活用」の内容について対象者取締役会及び本特別委員会に対して説明を行い、その後、対象者においても公開買付者と共通の認識を持つに至ったとのことです。
公開買付者による対象者の完全子会社化後の公開買付者グループ及び対象者の具体的な事業戦略については、公開買付者及び対象者が今後協議の上、決定していくことになりますが、公開買付者の中期経営計画の柱の一つである国内事業基盤の強化の一環として、対象者の石油事業においては、対象者の事業を公開買付者グループの燃料油事業サプライチェーンの中に完全に組み込むほか、資金の融通、技術・ノウハウの共有、人材交流や適材適所の活用により、対象者を含む公開買付者グループが一体となって、競争力を強化し、今後の厳しい事業環境に対処していくことを基本方針と考えております。また、対象者の電気事業に関しても、既設の石油精製設備からの副生ガスや残渣油を用いた発電所の運営・管理を基本としながらも、対象者における電気事業の知見を基に、社会が求める多様なエネルギーについての取組みについても、公開買付者グループ及び対象者の経営資源を組み合わせることで強化していく考えです。さらに、脱炭素化に向けた取り組み等についても対象者を含む公開買付者グループが一体となって対応していく予定です。
なお、本書提出日現在、対象者取締役会は、社外取締役を含む8名で構成されておりますが、そのうち1名が2020年6月23日まで公開買付者の執行役員であり、1名が公開買付者の執行役員を兼務しております。公開買付者による対象者の完全子会社化後の経営体制につきましては、本書提出日現在未定でありますが、対象者と協議の上で、最適な体制の構築を検討していく予定です。
(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置
公開買付者及び対象者は、対象者が公開買付者の連結子会社であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当し、また、対象者における本取引の検討において利益相反状態が生じ得ることに鑑み、本公開買付価格の公正性を担保するとともに、本取引に関する意思決定の恣意性を排除し、対象者の意思決定過程の公正性、透明性及び客観性を確保し、且つ利益相反を回避するため、以下の措置を実施しております。
なお、公開買付者は、上記「(1)本公開買付けの概要」のとおり、本書提出日現在、対象者株式6,234,425株(所有割合:50.12%)を既に所有しているため、本公開買付けにおいていわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)(以下「MoM」といいます。)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する少数株主の利益に資さない可能性もあるものと考え、そのような下限は設定しておりませんが、公開買付者及び対象者において以下の措置を講じていることから、対象者の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えております。
また、以下の記載のうち、対象者において実施した措置については、対象者から受けた説明に基づくものです。
① 公開買付者における独立した財務アドバイザーからの株式価値算定書の取得
② 対象者における独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
④ 対象者における独立したリーガル・アドバイザーからの助言
⑤ 対象者における独立した検討体制の構築
⑥ 対象者における利害関係を有しない取締役(監査等委員である者を含む)全員の承認
⑦ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置
以上の詳細については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」をご参照ください。
(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)
公開買付者は、上記「(1)本公開買付けの概要」のとおり、対象者を公開買付者の完全子会社とする方針であり、本公開買付けにおいて公開買付者が対象者株式の全てを取得できなかった場合には、本公開買付け成立後、以下の方法により、対象者株式の全ての取得を目的とした手続(以下「本完全子会社化取引」といいます。)を実施することを予定しております。
① 株式売渡請求
公開買付者は、本公開買付けの成立により、公開買付者の所有する対象者の議決権の合計数が対象者の総株主の議決権の数の90%以上となり、公開買付者が会社法第179条第1項に規定する特別支配株主となる場合には、本公開買付けの決済の完了後速やかに、会社法第2編第2章第4節の2の規定に基づき、対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)の全員に対し、その所有する対象者株式の全部を売り渡すことを請求(以下「株式売渡請求」といいます。)する予定です。株式売渡請求においては、対象者株式1株当たりの対価として、本公開買付価格と同額の金銭を対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)に対して交付することを定める予定です。この場合、公開買付者は、その旨を対象者に通知し、対象者に対して株式売渡請求の承認を求めます。対象者が取締役会の決議により株式売渡請求を承認した場合には、関係法令の定める手続に従い、対象者の株主の個別の承諾を要することなく、公開買付者は、株式売渡請求において定めた取得日をもって、対象者の株主全員(公開買付者及び対象者を除きます。)からその所有する対象者株式の全部を取得いたします。そして、当該各株主の所有していた対象者株式1株当たりの対価として、公開買付者は、当該各株主に対し、本公開買付価格と同額の金銭を交付する予定です。対象者プレスリリースによれば、対象者は、公開買付者より株式売渡請求をしようとする旨及び会社法第179条の2第1項各号の事項について通知を受けた場合には、対象者取締役会にてその株式売渡請求を承認する予定とのことです。株式売渡請求に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、会社法第179条の8その他の関係法令の定めに従って、対象者の株主は、裁判所に対して、その有する対象者株式の売買価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められております。
② 株式併合
他方で、本公開買付けの成立後、公開買付者の所有する対象者の議決権の合計数が対象者の総株主の議決権の数の90%未満である場合には、公開買付者は、会社法第180条に基づき対象者株式の併合(以下「株式併合」といいます。)を行うこと及び株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款変更を行うことを付議議案に含む臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)を開催することを、本公開買付けの決済の完了後速やかに対象者に要請する予定です。なお、公開買付者は、対象者の企業価値向上の観点から、本臨時株主総会を可能な限り早期に開催することが望ましいと考えており、本公開買付けの決済の開始日後の近接する日(本書提出日現在においては、2022年11月24日を予定しております。)が本臨時株主総会の基準日となるように、本公開買付けにおける買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)中に基準日設定公告を行うこと、本臨時株主総会を2023年1月中旬乃至下旬を目途に開催することを対象者に対して要請する予定です。なお、公開買付者は、本臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定です。
本臨時株主総会において株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生ずる日において、対象者の株主は、本臨時株主総会においてご承認をいただいた株式併合の割合に応じた数の対象者株式を所有することとなります。株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、対象者の株主に対して、会社法第235条その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じです。)に相当する対象者株式を公開買付者又は対象者に売却すること等によって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する対象者株式の売却価格については、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一となるよう設定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てを行うことを対象者に要請する予定です。また、対象者株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者のみが対象者株式の全てを所有することとなるよう、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)の所有する対象者株式の数が1株に満たない端数となるように決定される予定です。
株式併合に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定として、株式併合がなされた場合であって、株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、対象者の株主は、対象者に対し、自己の所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して対象者株式の価格の決定の申立てを行うことができる旨が定められております。上記のとおり、株式併合においては、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)の所有する対象者株式の数は1株に満たない端数となる予定ですので、株式併合に反対する対象者の株主は、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従い、価格決定の申立てを行うことができることになる予定です。
なお、本公開買付けは、本臨時株主総会における対象者の株主の皆様の賛同を勧誘するものでは一切ありません。
上記①及び②の各手続については、関係法令についての改正、施行及び当局の解釈等の状況等によっては、実施に時間を要し、又は実施の方法に変更が生じる可能性があります。但し、その場合でも、本公開買付けが成立した場合には、本公開買付けに応募しなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)に対しては、最終的に金銭を交付する方法が採用される予定であり、その場合に当該対象者の株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に当該対象者の株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定する予定です。もっとも、株式売渡請求に関する売買価格の決定の申立て又は株式併合についての株式買取請求に関する価格の決定の申立てがなされた場合において、対象者株式の売買価格又は株式買取請求に関する価格は、最終的に裁判所が判断することになります。
以上の各場合における具体的な手続及びその実施時期等については、対象者と協議の上、決定次第、対象者が速やかに公表する予定です。なお、本公開買付けへの応募又は上記の各手続における税務上の取扱いについては、対象者の株主の皆様が自らの責任にて税務専門家にご確認ください。
(5)上場廃止となる見込み及びその事由
対象者株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場されておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数の上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、対象者株式は、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。また、本公開買付けの成立時点では当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後に、上記「(4)本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」のとおり、公開買付者にて、対象者株式の全ての取得を目的とした手続を実施することを予定しておりますので、その場合、対象者株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。なお、上場廃止後は、対象者株式を東京証券取引所スタンダード市場において取引することはできません。
(6)本公開買付けに係る重要な合意に関する事項
上記「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅱ)前回検討取引について」及び「(ⅲ)本公開買付けについて」に記載のとおり、本応募契約の締結に先立ち、2022年2月中旬から、公開買付者とCornwallは、公開買付者の対象者に対する長期計画及び公開買付者の石油精製ポートフォリオ全体について協議してきました。かかる協議を踏まえ、本公開買付けに際して、公開買付者は、2022年9月30日付で、Cornwallとの間で、Cornwallがその運営するファンドを通じて実質的に所有する本応募合意株式について、本書提出日から遅くとも10営業日以内に本公開買付けに応募する旨の本応募契約を締結しております。本応募契約において、公開買付者及びCornwallは、公開買付者が石油製品供給体制の効率化及び安定化を目的して対象者の完全子会社化を企図し、Cornwallが日本の石油供給体制の安定化及びエネルギーセキュリティの向上とこれらの取組みに貢献することをも考慮の上で本公開買付けに応募する旨を確認しています。本応募契約においては、Cornwallによる応募の前提条件として、①対象者の取締役会が本公開買付けに賛同の意見を表明する旨の決議を行い、且つ当該決議が変更又は撤回されていないこと、②公開買付者の表明保証(注1)が不実又は不正確でないこと、③公開買付者が、本公開買付けの開始日において、本応募契約上の自らの義務及び誓約を全て重要な点において履行又は遵守していること、及び④対象者において、「公表」(法第166条第4項に定める意味を有します。)されていない「業務等に関する重要事実」(法第166条第2項に定める意味を有します。)が存在しないことが規定されております。なお、本応募契約上、Cornwallは、その任意の裁量により、当該前提条件を放棄の上、本公開買付けに応募することは禁止又は制限されておりません。また、対象者の取締役会が本公開買付けに賛同の意見を表明する旨の決議を変更又は撤回した場合は、Cornwallは本公開買付けへの応募を撤回できる旨が規定されております。
その他、本応募契約においては、①Cornwallの表明保証(注2)が真実且つ正確であること、②各当事者が、自らの表明保証が不実若しくは不正確であったこと、又は自らの義務若しくは誓約の不履行若しくは不遵守があったことに起因又は関連して相手方当事者に生じた損害等を補償すること、③2022年10月31日又は両当事者が合意した期日までに本公開買付けが開始されない場合、相手方当事者に対する書面による通知により本応募契約を終了できること、及び④本公開買付けの開始後は、各当事者が本応募契約を解除できず、且ついかなる理由によっても本応募契約が終了しないこと等を合意しております。なお、本応募契約以外に、本公開買付けに関する契約又は合意は存在しません。
(注1) 本応募契約では、公開買付者の表明保証事項として、①公開買付者の適法且つ有効な設立及び存続、②本応募契約の締結及び履行、本応募契約の義務の履行並びに本応募契約により企図される取引の履行に必要な権能及び権限の存在、③本応募契約が適法且つ有効に締結され、公開買付者により履行されること並びに本応募契約は公開買付者の有効且つ法的拘束力ある義務を構成し、その条項に従って公開買付者に強制執行可能であること、並びに、④定款、関係当局の命令、又は法令等への違反の不存在が規定されております。
(注2) 本応募契約では、Cornwallの表明保証事項として、①Cornwallの適法且つ有効な設立及び存続、②本応募契約の締結及び履行、本応募契約の義務の履行並びに本応募契約により企図される取引の履行に必要な権能及び権限の存在、③本応募契約が適法且つ有効に締結され、Cornwallにより履行されること並びに本応募契約はCornwallの有効且つ法的拘束力ある義務を構成し、その条項に従ってCornwallに強制執行可能であること、④社内規則、関係当局の命令、又は法令等への違反の不存在、並びに、⑤Cornwallによる本応募合意株式の取得及び保有の適法性及び有効性(法に規定される公開買付規制、インサイダー取引規制の遵守を含む。)、並びに本応募合意株式に対する抵当権の不存在が規定されております。
加えて、本応募契約においては、各当事者は、上記のほか、秘密保持義務及び本応募契約に定めのない事項についての誠実協議義務を負担しております。

届出当初の期間

①【届出当初の期間】
買付け等の期間2022年10月3日(月曜日)から2022年11月15日(火曜日)まで(30営業日)
公告日2022年10月3日(月曜日)
公告掲載新聞名電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。
電子公告アドレス
(https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/)

買付け等の価格

(2)【買付け等の価格】
株券1株につき金3,150円
新株予約権証券
新株予約権付社債券
株券等信託受益証券
( )
株券等預託証券
( )
算定の基礎公開買付者は、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者の財務アドバイザーであるゴールドマン・サックスに対し、対象者株式の価値に係る財務分析を依頼し、これに関してゴールドマン・サックスが作成した2022年9月30日付の株式価値算定書(以下「GS算定書」といいます。)を受領しております(注1)。なお、ゴールドマン・サックスは、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。また、公開買付者は、公開買付者及び対象者において本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置(具体的には、下記「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」における「① 公開買付者における独立した財務アドバイザーからの株式価値算定書の取得」乃至「⑦ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置」に記載の措置)を実施し、対象者の少数株主の利益に十分配慮されていると考えられることから、ゴールドマン・サックスから本公開買付価格又は本公開買付けの公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得しておらず、ゴールドマン・サックスはかかる意見を一切表明しておりません。
ゴールドマン・サックスは、上記のGS算定書において、市場株価法及びDCF法(注1)を用いた分析を行っております。なお、DCF法については本財務予測((注1)に定義します。)に基づいております。各手法の分析結果として、対象者の1株当たり価値として下記のレンジが示されております。
1.市場株価法 2,157円~3,295円
市場株価法については、ゴールドマン・サックスは、2022年9月29日を基準日とし、過去52週間における対象者の株価終値を検討しております。かかる検討に基づき、ゴールドマン・サックスは、対象者株式の1株当たり価値の範囲を2,157円から3,295円までと算出しております。

2.DCF法 1,850円~3,287円
DCF法については、ゴールドマン・サックスは、本財務予測に織り込まれた一定の前提に基づく対象者の将来のフリー・キャッシュ・フローを現在価値に割り引いて対象者株式の価値を分析しております。ゴールドマン・サックスは、DCF法に基づく対象者株式の1株当たり価値の範囲を1,850円から3,287円までと算出しております。ゴールドマン・サックスがDCF法に用いた本財務予測は、2023年3月期から2027年3月期を対象とする5事業年度で構成されております。ゴールドマン・サックスがDCF法に用いた2023年3月期から2027年3月期を対象とする本財務予測には、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれております。具体的には、2023年3月期には、定期修繕を行うために、製油所及び発電所の操業を一定期間停止することが予定されていることから、その前事業年度に比べて大幅な減益となることが見込まれております。また、2024年3月期に、定期修繕からの定常化によって、その前事業年度に比べて大幅な増益となることが見込まれております。なお、本財務予測は、対象者単独のものであり、また、本取引により実現することが期待できるシナジー効果を現時点において具体的に見積もることが困難であることから、当該シナジーを織り込んでおりません。
なお、本公開買付価格である1株当たり3,150円は、公開買付者による本公開買付けの公表日の前営業日である2022年9月29日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値2,273円に対して38.58%、直近1ヶ月間(2022年8月30日から2022年9月29日)の終値単純平均値2,281円に対し38.10%、直近3ヶ月間(2020年6月30日から2022年9月29日)の終値単純平均値2,348円に対して34.16%、直近6ヶ月間(2022年3月30日から2022年9月29日)の終値単純平均値2,505円に対して25.75%のプレミアムをそれぞれ加えた金額となります。また、本公開買付価格は、本書提出日の前営業日である2022年9月30日の東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の終値2,196円に対して43.44%のプレミアムを加えた金額となります。
算定の経緯(本公開買付価格の決定に至る経緯)
公開買付者は、上記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」の「(ⅲ)本公開買付けについて」に記載のとおり、公開買付者が対象者を完全子会社化することにより、上記「(ⅰ)前回公開買付けについて」の「(イ)操業の効率化及び事業環境変化への迅速な対応」乃至「(ハ)グループ一体としての人材活用」に記載のとおり、前回公開買付けにおいて公開買付者が期待していた効果と同様の効果が期待されるものと考えており、また、公開買付者が対象者を完全子会社化することによるデメリットについても、上記「(ⅰ)前回公開買付けについて」に記載のとおり、前回公開買付けと同様に、特段生じないものと考えていることから、公開買付者グループ全体の企業価値向上に資するとの結論に至り、公開買付者は、2022年9月30日付取締役会決議に基づき、本公開買付けを実施することを決定いたしました。

公開買付者は、本公開買付価格についても、対象者との間で、2022年8月上旬以降、公開買付者及びその株主・ステークホルダーにとっての利益、並びにCornwallを含む対象者の一般株主・ステークホルダーにとっての利益を踏まえて、対象者による本公開買付けへの賛同・応募推奨の可否及び本公開買付けの成立の見通しについて総合的に検討してまいりました。その中で、公開買付者は、対象者の2022年8月23日までの過去52週高値(終値ベースで3,295円)及び過去52週安値(終値ベースで2,160円)、並びに、前回公開買付け開始以降、公開買付者とCornwallが対象者株式の8割を超える持分を所有し流通株式比率が低下する中、公開買付者による完全子会社化が再開されるという思惑によって、株価が、前回公開買付け終了後の2021年2月16日から本不適切行為の概要が公表された2022年5月6日まで、2021年2月19日を除いて、前回公開買付価格2,450円を一度も下回ることがなかったという事実も考慮し、2022年8月16日に対象者から受領した対象者事業計画における対象者の最新の状況を踏まえた将来予測及び事業戦略・方針についても確認した上で、2022年8月23日までの時点で、2022年8月上旬より開始したデュー・ディリジェンスにより本公開買付けの検討の継続に重大な影響を与える事項が発見されていなかったことも踏まえて、2022年8月24日に、本公開買付価格を1株当たり3,000円とする旨の初回提案を行いました。なお、初回提案における当該公開買付価格は、初回提案の日の前営業日である2022年8月23日の東証スタンダード市場における対象者株式の終値2,160円に対して38.89%、2022年8月23日から直近1ヶ月間の株価単純平均値2,353円に対して27.50%、同直近3ヶ月間の終値単純平均値2,442円に対して22.85%、同直近6ヶ月間の終値単純平均値2,659円に対して12.82%のプレミアムを加えた価格です。
当該提案を受けて、対象者は、公開買付者に対し、2022年8月25日に、初回提案における当該公開買付価格は、2022年8月24日終値及び2022年8月24日終値を基準日とする1ヶ月間・3ヶ月間・6ヶ月間の終値単純平均値(小数点以下四捨五入)に対して、13.0%~38.1%のプレミアムが加算されているところ、当該プレミアム水準は、対象者が賛同の意見表明及び応募推奨を決議した、前回公開買付けの際に加算されたプレミアム(2020年12月14日終値及び2020年12月14日を基準日とする1ヶ月間、3ヶ月間、6ヶ月間の終値単純平均値に対して23.1%~39.0%)と比較して、著しく劣る水準ではないと考えている旨を伝えると共に、本公開買付けの成立のためには、対象者の大株主の動向が非常に重要と考えていることから、対象者及び本特別委員会における検討に当たり公開買付者と当該大株主との応募契約締結に向けた協議状況を注視したいこと、及び当該協議状況を共有することを要請したとのことです。その後も、公開買付者は、対象者との間で、対象者のフィナンシャル・アドバイザーを通じて、継続的に協議・交渉を行いました。また、公開買付者は、上記のとおり2022年7月下旬に売却価格がCornwallが評価する価格以上であれば、その実質的に所有する対象者株式を公開買付者に売却する意向に変わりはないことを確認した後、2022年8月29日付で、Cornwallから、本公開買付価格を1株当たり3,150円とした本公開買付けが実施されるのであれば、Cornwallがその運営するファンドを通じて実質的に所有する対象者株式の全てについて本公開買付けに応募する意向がある旨の本LOIを受領しました。
公開買付者は、初回提案における本公開買付価格の検討の際の考慮要素に加えて、本LOIにおいて示されたCornwallの意向も踏まえ、2022年9月22日、対象者に対して、最終提案として、本公開買付価格を1株当たり3,150円とする提案を行いました。これに対し、公開買付者は、2022年9月26日、対象者から、本公開買付価格を1株当たり3,150円とすることを受諾する旨を伝えられました。なお、公開買付者が本公開買付けの実施を決定するに至った経緯の詳細につきましては、上記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「(ⅲ)本公開買付けについて」をご参照ください。

(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)
公開買付者及び対象者は、対象者が公開買付者の連結子会社であり、本公開買付けを含む本取引が支配株主との重要な取引等に該当することに鑑み、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置として、以下の措置を実施しております。なお、対象者の代表取締役社長である原田和久氏は2020年6月23日まで公開買付者の執行役員であり、公開買付者の執行役員である山本順三氏は対象者の取締役を兼務しております。原田和久氏及び山本順三氏は、利益相反防止の観点から、対象者の立場において公開買付者との本取引に関する協議・交渉には一切参加しておりません。
① 公開買付者における独立した財務アドバイザーからの株式価値算定書の取得
公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するにあたり、公開買付者及び対象者を含む公開買付者グループから独立した財務アドバイザーであるゴールドマン・サックスに対象者の株式価値の財務分析を依頼いたしました。
詳細につきましては、上記「算定の基礎」をご参照ください。
② 対象者における独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(ⅰ)算定機関の名称並びに公開買付者及び対象者との関係
対象者は、本公開買付価格に関する意見表明を行うにあたり、前回公開買付け同様、公開買付者から提示された本公開買付価格に対する意思決定の公正性を担保するために、公開買付者及び対象者から独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券に対し、対象者株式価値の算定を依頼し、2022年9月29日付で、本株式価値算定書を取得したとのことです。野村證券は、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。また、本特別委員会は、初回の会合において、野村證券の独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、対象者のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として承認したとのことです。なお、対象者は、「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」に記載の公正性担保措置が講じられており、本取引に係る公正性が十分に担保されていると判断したことから、野村證券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
また、本取引に係る野村證券に対する報酬には、本取引の成立等を条件に支払われる成功報酬が含まれているとのことです。対象者は、同種の取引(親会社が上場子会社の株式の全てを取得し、完全子会社とすることを目的とする取引)における一般的な実務慣行及び本取引が不成立となった場合に対象者に相応の金銭負担が生じる報酬体系の是非等も勘案すれば、本公開買付けの完了を条件に支払われる成功報酬が含まれることを以って独立性が否定されるわけではないと判断のうえ、上記の報酬体系により野村證券を対象者のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として選任しているとのことです。

(ⅱ)対象者株式に係る算定の概要
野村證券は、本公開買付けにおいて、複数の算定手法の中から対象者の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、対象者が継続企業であるとの前提の下、対象者の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、対象者株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場していることから市場株価平均法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定手法として用いて、対象者の株式価値の算定を行い、対象者は野村證券から2022年9月29日付で本株式価値算定書を取得したとのことです。
本株式価値算定書において、上記各手法に基づいて算定された対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりとのことです。
市場株価平均法:2,273円から2,505円
DCF法 :2,629円から3,578円
市場株価平均法では、2022年9月29日を算定基準日として、東証スタンダード市場(2022年4月1日までは東京証券取引所市場第二部)における対象者株式の基準日の終値2,273円、直近5営業日の終値の単純平均値2,343円、直近1ヶ月間の終値の単純平均値2,281円、直近3ヶ月間の終値の単純平均値2,348円及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値2,505円を基に、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を2,273円~2,505円と算定しているとのことです。
DCF法では、対象者が作成した事業見通しを基に、2023年3月期から2026年3月期までの4期分の事業見通しにおける収益予測や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、対象者が2023年3月期第2四半期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて、対象者の企業価値や株式価値を算定し、対象者株式の1株当たり株式価値の範囲を2,629円~3,578円と算定しているとのことです。なお、割引率は3.25%~3.75%を採用しており、継続価値の算定にあたっては永久成長率モデルを採用し、永久成長率は-0.25%~0.25%として対象者株式の1株当たり株式価値を算定しているとのことです。
野村證券がDCF法による算定に用いた対象者作成の事業見通しにおいては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、2023年3月期に、定期修繕を行うために製油所及び発電所の操業を一定期間停止することが予定されていることに加え、足元の一部石油製品と原油・原油料の価格差の縮小した状況が継続せずに価格差が拡大するものと想定していることから、2024年3月期は、その前事業年度となる2023年3月期に比べて大幅な増益となることが見込まれているとのことです。また、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、以下の財務予測には加味していないとのことです。
なお、DCF法による分析において前提とした財務予測は以下のとおりとのことです。また、石油事業、電気事業共に、当該予測数値は前回公開買付け以降の市場環境の変化を反映した数値となっているとのことです。さらに、設備投資の金額及び時期についても最新の見込みを反映しているとのことです。
(単位:百万円)
2023年3月期
(9ヶ月)
2024年3月期2025年3月期2026年3月期
売上高23,56432,97930,18929,933
営業利益6693,3163,9354,082
EBITDA3,3758,1398,6918,751
フリー・キャッシュ・フロー5,593-12,3616,39910,486

③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得
(ⅰ)本特別委員会設置等の経緯
上記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者における意思決定の過程及び理由」の「(ⅲ)本公開買付けに向けた検討体制の構築の経緯と判断内容」に記載のとおり、対象者は、2022年8月5日に開催された取締役会における決議により、本特別委員会を設置したとのことです。対象者は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を得つつ、本特別委員会の委員の候補の独立性及び適格性等についても確認を行ったとのことです。その上で、対象者は、公開買付者からの独立性を有すること(久保惠一氏、角田和好氏、高橋明人氏及び長谷川臣介氏と公開買付者又は対象者との間に重要な利害関係は存在しないことを確認しているとのことです。)、及び本取引の成否に関して少数株主の皆様とは異なる重要な利害関係を有していないことを確認した上で、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の助言を得て、本特別委員会全体としての知識・経験・能力のバランスを確保しつつ適正な規模をもって本特別委員会を構成するべく、公認会計士としての経験を通じて培った財務及び会計に関する知見を有する久保惠一氏(対象者の独立社外取締役(監査等委員)、公認会計士久保惠一事務所 公認会計士)、長年にわたり事業会社にて、執行・監督双方の責任者を務め、経営及び監査の豊富な経験を有する角田和好氏(対象者の独立社外取締役(監査等委員))、長年にわたり企業法務をはじめとした法律に関する職務に携わり、その経歴を通じて培った専門家としての豊富な経験、知見を有する高橋明人氏(対象者の独立社外取締役(監査等委員)、高橋・片山法律事務所 弁護士)、及び公認会計士としての経験を通じて培った財務及び会計に関する知見を有する社外有識者である長谷川臣介氏(長谷川公認会計士事務所 公認会計士)の4名を本特別委員会の委員として選定したとのことです。本特別委員会の委員のうち、角田和好氏は、前回検討特別委員会の設置時点においては対象者の社外取締役ではなかったものの、2022年6月28日開催の定時株主総会の承認を経て社外取締役に就任しており、新たに本特別委員会の委員となっております。中村新氏及び木村滋氏は、対象者の社外取締役の退任に伴い、本特別委員会の委員とはなっておりません。また、本特別委員会は、委員間の互選により、本特別委員会の委員長として、高橋明人氏を選定しているとのことです。また、本特別委員会の各委員に対しては、その職務の対価として、答申内容にかかわらず、固定額の報酬を支払うものとされているとのことです。
その上で、対象者は、上記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者における意思決定の過程及び理由」の「(ⅲ)本公開買付けに向けた検討体制の構築の経緯と判断内容」に記載のとおり、本特別委員会に対し、本諮問事項について諮問したとのことです。また、対象者取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、本取引に関する対象者取締役会の意思決定は、本特別委員会の判断内容を最大限尊重して行われるものとし、特に本特別委員会が本取引に関する取引条件を妥当でないと判断したときには、対象者取締役会は当該取引条件による本取引に賛同しないこと、並びに、①本特別委員会が必要と認める場合には、自らのフィナンシャル・アドバイザー及びリーガル・アドバイザー等のアドバイザーを選任する(その場合の合理的な費用は対象者が負担する。)、又は、対象者のアドバイザーを承認(事後承認を含む。)する権限、②対象者の役職員その他本特別委員会が必要と認める者から本取引の検討及び判断に必要な情報を受領する権限、並びに、③本特別委員会が必要と認める場合には、公開買付者との間で本取引の取引条件等の協議及び交渉を行う権限を付与すること等を決議したとのことです。
上記の対象者取締役会においては、対象者の取締役8名のうち、原田和久氏は過去に公開買付者の執行役員を務めていたこと及び山本順三氏は公開買付者の執行役員を兼務していることに鑑み、取締役会における審議及び決議が本取引における構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれを排除し、本取引の公正性を担保する観点から、上記2氏を除く6名の取締役(監査等委員である者を含みます。)において審議の上、全員一致により上記の決議を行ったとのことです。

(ⅱ)本取引検討の経緯
本特別委員会は、2022年8月16日から同年9月29日までの間に合計6回、合計約6時間にわたって開催されたほか、各会日間においても電子メールを通じて報告・情報共有、審議及び意思決定を行い、本諮問事項に係る協議及び検討を行ったとのことです。
具体的には、本特別委員会は、初回の会合において、対象者のフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関である野村證券並びに対象者のリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所について、その独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任を承認し、本特別委員会も必要に応じてその専門的助言を受けることができることを確認したとのことです。
その上で、本特別委員会は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から聴取した意見を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行っているとのことです。
本特別委員会は、公開買付者に対して、本取引を実施する目的・理由等、この時期に本取引を行うことを選択した背景・目的、本取引後の対象者の経営方針・ガバナンス等、本取引のデメリット、本取引の手続・条件等について、取締役会を通じて書面による質問を送付し、これらの事項について、本特別委員会において公開買付者から直接説明を受け、質疑応答を行っているとのことです。
加えて、本特別委員会は、対象者が作成した事業見通しについて、対象者からその内容及び作成経緯等について説明を受けるとともに、これらの事項について合理性を確認したとのことです。そして、上記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「② 対象者における独立したフィナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」のとおり、野村證券は、対象者が作成した事業見通しを基礎として、対象者株式の価値算定を実施しておりますが、本特別委員会は、野村證券から、実施した対象者株式の価値算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受けるとともに、質疑応答及び審議・検討を行った上で、これらの事項について合理性を確認しているとのことです。
また、本特別委員会は、対象者の公開買付者との交渉について、随時、対象者及び野村證券から報告を受けて審議・検討を行い、対象者の交渉方針につき、適宜、必要な意見を述べたとのことです。具体的には、本特別委員会は、対象者より、2022年8月24日に公開買付者から本公開買付価格を1株当たり3,000円とすることを含む最初の提案を受領した旨の報告を受けて以降、野村證券から対応方針及び公開買付者との交渉方針等についての意見を聴取した上で、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から聴取した意見を踏まえて検討を行ったとのことです。その上で、本特別委員会は対象者に対し、公開買付者に対し本公開買付価格の再検討を要請することとしたいとの対象者の意向について異議がない旨の意見を述べるとともに、対象者としての本取引の意義・目的を達するために公開買付者との間で協議すべき事項について意見を述べる等、対象者と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引の条件に関する協議・交渉過程の全般において関与したとのことです。
さらに、本特別委員会は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から、複数回、対象者が公表又は提出予定の本公開買付けに係る本プレスリリースのドラフトの内容について説明を受け、充実した情報開示がなされる予定であることを確認しているとのことです。
(ⅲ)判断内容
本特別委員会は、以上の経緯の下で、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、2022年9月29日付で、対象者取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出したとのことです。

なお、下記「(b)答申理由」の「(ウ)「本取引の条件(本公開買付価格を含む。)の妥当性が確保されているか」について」に記載のとおり、本特別委員会においては、前回特別委員会とは異なり、対象者による不適切行為に起因した株価の変動及び公開買付者とCornwallとの間の本公開買付価格についての交渉を踏まえた本公開買付価格の妥当性・公正性についても判断がなされているものの、本取引の条件(本公開買付価格を含む。)の妥当性・公正性が確保されているとの答申内容には相違ないとのことです。
(a)答申内容
(ア)本公開買付けを含む本取引の目的は合理的なものである(本取引が対象者の企業価値向上に資するものである)と考える。
(イ)本取引において、公正な手続を通じた対象者の株主の利益への十分な配慮がなされていると考える。
(ウ)本取引の条件(本公開買付価格を含む。)の妥当性・公正性が確保されていると考える。
(エ)上記(ア)乃至(ウ)を踏まえると、本取引は対象者の少数株主にとって不利益なものではないと考える。
(オ)上記(ア)乃至(エ)を踏まえれば、現時点において、対象者取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明し、対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決定を行うことは相当である(すなわち、当該意見表明等の決定が、対象者の少数株主にとって不利益なものではない)と考える。
(b)答申理由
(ア)「本取引の目的が合理的と認められるか(本取引が対象者の企業価値向上に資するかという点を含む。)」について
・対象者から説明を受けた、対象者プレスリリース「3 本公開買付けに関する意見の内容、根拠及び理由」の「(2)本公開買付けに関する意見の根拠及び理由」に記載の「(a)本取引の目的及び必要性・背景事情」、並びに「(b)本公開買付けを経て行われる本取引のメリット」について、対象者の現在の事業内容及び経営状況、さらには対象者の属する業界の今後の見通し及び想定される課題等を前提とした具体的なものであると考えられること
・上記(a)及び(b)について、対象者の属する業界及び市場の環境として一般に説明されている内容とも整合すると考えられること
・同じく上記(a)及び(b)について、対象者における将来の競争力強化に向けた現実的なものであると考えられること
・対象者と公開買付者との間で、対象者の属する市場環境や将来における動向予想等も踏まえて本取引の必要性及びメリットの検討を行っているといえること
・対象者から説明を受けた対象者の今後の事業見通し及び成長見通し並びに本取引後に実施を検討している施策等について、対象者の事業内容及び経営状況を前提とした上で、公開買付者の経営方針をも踏まえたものといえ、加えて対象者の属する業界及び市場における今後の課題等を踏まえたものといえ、想定される今後の激しい事業環境の変化の中で対象者の企業価値の維持、さらには向上に資するものとして、いずれも不合理なものとは認められないこと
(イ)「本取引に係る手続の公正性が確保されているか」について
・対象者は本取引への対応を検討するに当たり、対象者における検討及び意思決定の過程に対する公開買付者の影響を排除するべく、対象者及び公開買付者のいずれからも独立した本特別委員会を設置していること
・本特別委員会の委員全4名の過半数となる3名はそれぞれ対象者の社外取締役であり、残る1名は外部の専門家である公認会計士であること
・さらに当該社外取締役のうち1名が本特別委員会委員の互選により同委員会の委員長に選定されていること

・対象者は、本取引への対応を検討するに当たり、本公開買付けの条件とりわけ本公開買付価格の公正性を確保すべく、対象者株式に係る株式価値の算定を、対象者及び公開買付者のいずれからも独立した第三者算定機関である野村證券へ依頼した上で、所定の株式価値算定書を取得していること、また野村證券の上記独立性に関し本特別委員会においても必要な説明を受けた上で当該独立性を確認していること
・また本取引に関する法的助言を得るべく、対象者及び公開買付者のいずれからも独立したリーガル・アドバイザーとして、アンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任していること、またアンダーソン・毛利・友常法律事務所の上記独立性に関し本特別委員会においても必要な説明を受けた上で当該独立性を確認していること
・今般の本完全子会社化取引を含む本取引は、対象者の支配株主(親会社)である公開買付者との間で実施されるものであることから、構造的かつ典型的な利益相反性が生じる可能性があり得るところ、対象者においては、上記の体制のもと、本取引についてより慎重に条件の妥当性・公正性を担保する必要がある旨を認識して、対象者から公開買付者に対して協議過程の早い段階から少数株主の利益に十分配慮した取引条件を要請してきたと言えること
・対象者と公開買付者との間の協議及び交渉の方針に関して、対象者及び対象者のフィナンシャル・アドバイザーでもある野村證券から本特別委員会に対して交渉方針等の説明が行われた上で、本特別委員会において確認された当該交渉方針の下に公開買付者との交渉が進められたこと
・対象者と公開買付者との間の協議及び交渉の具体的な状況についても、適時に本特別委員会への報告が行われてきており、かつ特に本公開買付価格に関する協議及び交渉の局面においては、当該報告の内容を踏まえ本特別委員会から対象者及び対象者のフィナンシャル・アドバイザーに対して意見を述べるとともに、必要と考えられる提言及び要請等を行うなど、本公開買付けの条件とりわけ本公開買付価格の交渉過程に本特別委員会が実質的に関与可能な体制が確保されていること
・その上で、条件の妥当性及び公正性並びに現実性といった事情について、対象者において全般的な検証を重ねた上で、公開買付者との複数回に及ぶ協議を経て、特に本公開買付価格に関して公開買付者とCornwallとの間で実施された交渉の経過や状況等の説明を求めた上で、それらも踏まえて本公開買付価格の妥当性についての検討を行い、今般取締役会決議が予定されている価格についての最終的な調整が進められたこと
・その後、最終的に対象者及び公開買付者間で本公開買付価格を含む本取引の条件について合意するに至り、対象者において、当該合意された価格をもって、取締役会で決議を予定している本公開買付価格となったこと
・さらに、いわゆる二段階買収等に関しても、早期かつ詳細な開示及び説明を行う予定とのことであり、対象者株主の適切な判断機会の確保に努めていると言えること、その他公開買付者及び対象者が作成し開示する予定の各開示書類において、対象者株主(とりわけ少数株主)が本公開買付けを含む本取引の各条件の妥当性等を判断するために必要かつ相当と考えられる情報が開示される予定となっていること
・公開買付者の出身者である取締役については、意思決定過程における公正性、透明性及び客観性を高めるために、対象者における本取引の検討に加わっておらず、今後開催される本取引に関する取締役会の審議及び決議にも参加しない予定であることなど、意思決定過程における恣意性の排除に努めていると言えること

・なお、本公開買付けにおいては、MoMの条件設定は行われていないものの、公開買付者は対象者の支配株主(親会社)であり既に相当数の対象者株式を所有しており、MoMはかえって本公開買付けの成立を不安定なものとする可能性があり得るところである(すなわち、支配株主(親会社)である公開買付者が対象者完全子会社化の意向を示した以上、仮に今回本公開買付けが成立しなかったとしても、将来のいずれかの時点において再度同様の取引が実施される可能性があり、少数株主が不安定な立場に置かれる可能性もあり得ると言える)。加えて、MoMは本公開買付けへの応募を希望する少数株主(すなわち、対象者株式の売却機会を希望する株主)の利益に資さない可能性もあり得るところである。そのため、他のいわゆる公正性担保措置について相当程度の配慮が行われていると言えること等を踏まえると、形式的にMoMが無いことを特に注視しなければならない状況には無いものと考えられる
・本公開買付けにおいて、その買付期間は30営業日と法令上の最短期間である20営業日よりも長期の期間が設定される予定であること、また対象者は公開買付者との間で、対象者が対抗的買収提案者と接触することを禁止するようないわゆる取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者と接触することを制限するような内容の合意を行っていないこと等から、いわゆるマーケット・チェックの観点において特段不合理な状況には無いものと考えられること。なお、市場における潜在的な買収者の有無を調査・検討する、いわゆる積極的なマーケット・チェックに関しては、情報管理の観点等から実務上その実施は必ずしも容易とは言えず、従って本件においてもそのような対応が行われていないことのみをもって、マーケット・チェックの点で不合理な状況が生じるものでは無いと考えられること
・本取引においては、対象者株式の非公開化のために、いわゆる二段階買収の手続が予定されている(現状、本公開買付けの結果次第で、株式売渡請求又は株式併合のいずれかの手続によることが予定されている)が、株式売渡請求に関連する少数株主(一般株主)の権利保護を目的とした会社法上の規定として、裁判所に対して売買価格の決定の申立てを行うことが可能とされていること。また、株式併合に関連する少数株主(一般株主)の権利保護を目的とした会社法上の規定として、所定の条件のもと、対象者の株主は、対象者に対し、自己の所有する普通株式のうち一株に満たない端数となるものの全部を公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して対象者普通株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められていること。かかる申立てが行われた場合の価格の決定は、最終的には裁判所が判断することとなり、対象者の少数株主(一般株主)においては、かかる手続を通じて経済的な利益の確保を図ることが可能とされていること
・以上の通り、本完全子会社化取引の条件の公正性の担保に向けた客観的状況の確保等の諸点について、具体的な対応が行われているものと考えられ、公正な手続を通じた対象者株主の利益への十分な配慮がなされていると考えられること
(ウ)「本取引の条件(本公開買付価格を含む。)の妥当性が確保されているか」について
・対象者において、本取引の条件、とりわけ本公開買付けにおける対象者普通株式に係る本公開買付価格の公正性・妥当性を確保するために、その検討及び判断に際して、対象者株式の株式価値の算定のための独立の第三者算定機関(以下「本第三者算定機関」と言います。)として野村證券を選任し、本第三者算定機関から本株式価値算定書を取得した上で、本株式価値算定書を参考としていること
・本第三者算定機関作成の本株式価値算定書の結論に至る計算過程について、その算定手法は現在の実務に照らして一般的、合理的な手法であると考えられること

・上記算定の内容についても現在の実務に照らして妥当なものであると考えられること、また当該算定の前提となっている対象者の事業計画の内容に関する対象者及び本第三者算定機関から本特別委員会に対する説明を踏まえ、本特別委員会においても、対象者の事業計画の作成経緯及び対象者の現状を把握した上で、それらに照らし不合理な点がないかという観点から事業計画の合理性を確認しており、結論として石油事業と電気事業を対象者事業の2本柱とする当該事業計画を合理的なものであると考えていること
・これらを踏まえ、本第三者算定機関作成の本株式価値算定書について、特段不合理な点あるいは著しい問題などは認められないと考えられること
・また、本株式価値算定書を基礎として対象者においても本取引の必要性及びメリット、対象者の今後の事業への影響といった事情等を全般的に考慮した上で、本公開買付価格の検討を行ってきたと言えること
・対象者において、本第三者算定機関を経験豊富なフィナンシャル・アドバイザーとして起用し、公開買付者との間で、本公開買付価格を含む本取引全般の条件交渉を複数回にわたり実施したと言えること
・対象者取締役会において最終的に決議を予定している本公開買付価格について、対象者の直近5年ほどの市場株価を検討した場合、(1)ここ数年のコロナ禍の状況下での不透明性もひとまず落ち着き既に対象者株価に織り込み済みと考えられること、(2)また対象者株式に対するいわゆるTOB期待を背景とした対象者株価の乱高下についてもCornwallによる対象者株式の買増しが行われなくなったことと相まって沈静化していると言えること、(3)さらに今般の対象者における不適切行為に関する特別調査委員会の調査結果が本取引の実施に先立ち公表されたことで、当該不適切行為に対する市場関係者による評価について対象者株価に反映された状況にあると考えられること、以上を踏まえると対象者の直近に至る株価は株式市場において適切に価格形成が行われた状況にあると考えられ、かかる対象者の市場株価との関係で本公開買付価格のプレミアムを検討すると、本件において相応のプレミアムが付された価格であると言えること
・なお、今般の対象者における不適切行為に関連して、2022年5月6日付で不適切行為の判明について、また同月18日付で特別調査委員会の設置について、さらに同年9月22日付で特別調査委員会の調査結果について、それぞれ対象者による外部公表が行われている。これらの公表の後、対象者の市場株価は一定の反応を示しているとも言い得る一方で、株価の変動は単独の事象のみに起因するものでは無いと考えられる。また当該不適切行為に関する各外部公表について、対象者において対象者の市場株価に何らか影響を及ぼすことを企図して行われたことを伺わせる事情も特段見当たらない。これらを踏まえると、今般の不適切行為に関する対象者の外部公表、またその後の株価変動等の一連の状況により、本公開買付価格の妥当性・公正性が損なわれるものでは無いと考えられること
・さらに対象者は2022年7月29日付で業績予想の修正に関する開示を行っているところ、当該業績予想の修正及び開示は、いずれも対象者における合理的な業績予想プロセスを経て行われたものと理解される。この点、当該業績予想の修正及び開示の内容及びタイミングについて、対象者において対象者の市場株価に何らか影響を及ぼすことを企図して行われたことを伺わせる事情は特段見当たらず、従って、当該業績予想の修正及び開示、またその後の株価変動等の一連の状況により、本公開買付価格の妥当性・公正性が損なわれるものでは無いと考えられること
・また、本公開買付価格に関する対象者と公開買付者との合意に先立ち、公開買付者はCornwallとの間で当該価格についての交渉を行っている。この点、Cornwallは公開買付者から独立した当事者の関係にあると考えられるところ、このようないわゆる独立当事者間での交渉が本公開買付価格に関して行われたとの点は、本公開買付価格の妥当性・公正性確保に向けた重要な要素の一つであると言えること

・これらの対象者における対応は、本公開買付けを含む本取引の条件とりわけ本公開買付価格の公正性・妥当性を確保し、またこれらに関する対象者の判断及び意思決定について、その過程から恣意性を排除するための方法として合理性・相当性を有するものと考えられること
・さらに、対象者からの説明によれば、本完全子会社化取引の条件に関しても、今後特段の事情が無い限り、本公開買付価格と同一の価格を基準として算定、決定する予定であること
・この点、本完全子会社化取引は、本公開買付けの後、本公開買付けに続く手続として行われることが予定されているもの(いわゆる二段階買収としての手続)であり、時間的に近接した両手続における取引条件が同一のものとなるようにすることは合理的と考えられること
(エ)「上記(ア)から(ウ)を踏まえて、本取引が対象者の少数株主にとって不利益なものではないと考えられるか」について
・上記(ア)乃至(ウ)までにおいて検討した諸事項以外の点に関して、本特別委員会において、本公開買付けを含む本取引が対象者の少数株主にとって不利益なものであると考える事情は現時点において特段見あたらず、したがって、本取引は対象者の少数株主にとって不利益なものではないと考える
(オ)「対象者取締役会が本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主に対して本公開買付けに応募することを推奨する旨の決議を行うことの是非」について
・これまでに述べたとおり、(ア)本公開買付けを含む本取引の目的は合理的なものである(本取引が対象者の企業価値向上に資するものである)と考えられること、(イ)本取引において、公正な手続を通じた対象者の株主の利益への十分な配慮がなされていると考えられること、(ウ)本取引の条件(本公開買付価格を含む。)の妥当性・公正性が確保されていると考えられること、(エ)上記(ア)乃至(ウ)を踏まえると、本取引は対象者の少数株主にとって不利益なものではないと考えられることからすると、現時点において、対象者取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明し、対象者の株主に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決定を行うことは相当である(すなわち、当該意見表明等の決定が、対象者の少数株主にとって不利益なものではない)と考えられ、これに反する事情は現時点において特段見当たらない
④ 対象者における独立したリーガル・アドバイザーからの助言
対象者は、前回公開買付け同様、公開買付者及び対象者から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任し、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る対象者の意思決定の方法及びその過程等に関する助言を含む法的助言を受けたとのことです。
なお、アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。また、本特別委員会は、初回の会合において、アンダーソン・毛利・友常法律事務所の独立性及び専門性に問題がないことを確認した上で、対象者のリーガル・アドバイザーとして承認したとのことです。

⑤ 対象者における独立した検討体制の構築
対象者は、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を対象者の社内に構築したとのことです。具体的には、対象者は、2022年7月下旬に、公開買付者から対象者の完全子会社化に関する検討を開始したい旨の初期的申入れを受けた時点以降の、対象者と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程、及び対象者株式の価値評価の基礎となる事業見通しの作成過程において、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、対象者における本取引の検討に、現に対象者グループ(対象者及び対象者の連結子会社である東亜テックス株式会社をいいます。)以外の公開買付者グループ各社の役職員を兼任する対象者の役職員を関与させないこととした上で、公開買付者から独立した取締役2名及び対象者の従業員6名の総勢8名からなる検討体制を構築したとのことです。
⑥ 対象者における利害関係を有しない取締役(監査等委員である者を含む)全員の承認
本公開買付けにおいて、対象者プレスリリースによれば、上記「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者における意思決定の過程及び理由」の「(ⅲ)本公開買付けに向けた検討体制の構築の経緯と判断内容」に記載のとおり、対象者は、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言、野村證券から受けた財務的見地からの助言並びに本株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が対象者の企業価値の向上に資するか否か、及び、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討したとのことです。
その結果、対象者は、「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者における意思決定の過程及び理由」の「(ⅲ)本公開買付けに向けた検討体制の構築の経緯と判断内容」に記載のとおり、本取引が対象者の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2022年9月30日開催の対象者取締役会において、審議及び決議に参加した対象者の取締役(監査等委員である者を含みます。)の全員一致(対象者の取締役8名のうち審議及び決議に参加した6名の全員一致)で、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議したとのことです。
なお、原田和久氏は過去に公開買付者の執行役員を務めていたこと、及び、山本順三氏は公開買付者の執行役員を兼務していることに鑑み、本取引における構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれを排除し、本取引の公正性を担保する観点から、上記2022年9月30日開催の取締役会を含む対象者取締役会におけるこれまでの全ての議案において、その審議及び決議には一切参加しておらず、また、対象者の立場において公開買付者との協議及び交渉にも一切参加していないとのことです。
⑦ 他の買付者からの買付機会を確保するための措置
公開買付者は、対象者との間で、対象者が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が対象者との間で接触することを制限するような内容の合意を行っておりません。
また、公開買付者は、公開買付期間について、法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、比較的長期間である30営業日としております。公開買付者は、公開買付期間を比較的長期に設定することにより、対象者の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保しつつ、公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、もって本公開買付価格の適正性も担保することを企図しております。

なお、公開買付者は、上記「3 買付け等の目的」の「(1)本公開買付けの概要」に記載のとおり、本書提出日現在、対象者株式6,234,425株(所有割合:50.12%)を既に所有しているため、本公開買付けにおいてMoMの買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する少数株主の利益に資さない可能性もあるものと考え、そのような下限は設定しておりませんが、公開買付者及び対象者において上記の措置を講じていることから、対象者の少数株主の利益には十分な配慮がなされていると考えております。また、上記の記載のうち、対象者において実施した措置については、対象者から受けた説明に基づくものです。

(注1) ゴールドマン・サックスによる対象者株式に関する財務分析及びGS算定書の作成を行うにあたっての前提条件、手続、考慮事項及び分析における制約事項に関する補足説明は以下のとおりです。
ゴールドマン・サックス及びその関連会社(以下「ゴールドマン・サックス・グループ」と総称します。)は、様々な個人及び法人顧客のために、アドバイザリー、証券引受及びファイナンス、自己勘定投資、セールス・トレーディング、リサーチ、投資顧問その他の金融及び非金融の業務及びサービスに従事しています。ゴールドマン・サックス・グループ及びその従業員、並びにこれらが管理する又は(共同若しくは単独で)投資若しくはその他の経済的利益を有するファンドその他の事業体が、公開買付者、対象者及びそのいずれかの関係する会社並びに第三者(対象者の大株主であるCornwallを含みます。)の証券、デリバティブ、ローン、コモディティ、通貨、クレジット・デフォルト・スワップその他の金融商品又は本公開買付けに係るいずれかの通貨及びコモディティにつき、常時、売買し、買い持ち若しくは売り持ちのポジションを取り、これらのポジションに対する議決権を行使し又は投資する場合があります。ゴールドマン・サックスは、本公開買付けに関し公開買付者の財務アドバイザーを務め、本取引の交渉に一定の関与をしました。ゴールドマン・サックスは、本取引に関するゴールドマン・サックスのサービスに対して報酬を受領する予定であるほか(報酬の全額は本公開買付けの完了を条件としています。)、公開買付者は、ゴールドマン・サックスが要した一定の実費を負担すること及び財務アドバイザー業務に起因する一定の債務を補償することに同意しています。ゴールドマン・サックスは、これまで公開買付者及び/又はその関係する会社に対して、前回公開買付けに関する公開買付者の財務アドバイザーを務めるなど、一定の財務アドバイザリー及び/又は証券引受業務を提供しており、ゴールドマン・サックスの投資銀行部門はそれらのサービスに関して報酬を受領しており、また、受領する可能性があります。また、ゴールドマン・サックスは、将来、公開買付者、対象者、Cornwall及びそれらの関係する会社に対して、財務アドバイザリー及び/又は証券引受業務を提供する可能性があり、ゴールドマン・サックスの投資銀行部門はそれらのサービスに関して報酬を受領する可能性があります。加えて、ゴールドマン・サックス・グループは、2022年3月31日時点の対象者の株主名簿上同日時点において、対象者の普通株式の1.433%に相当する株式を保有しております。さらに、ゴールドマン・サックス・グループにおいて、Cornwall及びその関係する会社を含む対象者の関係する会社(その各関係する会社を含みます。)との共同投資及び/又はCornwall及びその関係する会社を含む対象者の関係する会社のリミテッド・パートナーシップ持分への投資を行っている可能性があり、また、将来においてこれらの投資を行う可能性もあります。
GS算定書の作成にあたり、ゴールドマン・サックスは、対象者の2022年3月31日、2021年3月31日及び2020年3月31日に終了した3会計年度の有価証券報告書及び2018年12月31日までに終了した3会計年度の有価証券報告書、2022年6月30日までの第1四半期報告書、その他の対象者による対象者の株主に対する一定のコミュニケーション、対象者の経営陣が作成し、公開買付者による一定の調整を織り込み、ゴールドマン・サックスによる使用につき公開買付者の了承を得た、対象者の一定の内部財務分析及び予測(以下「本財務予測」といいます。)等について検討しました。また、ゴールドマン・サックスは、対象者の過去及び現在の事業・財務状況並びに将来の見通しに関する評価について公開買付者及び対象者の経営陣と協議をし、公開買付者の過去及び現在の事業・財務状況並びに将来の見通しに関する評価、並びに本公開買付けの戦略的意義及び潜在的利益について公開買付者の経営陣と協議をし、また、対象者株式の市場価格及び取引状況を検討し、対象者の一定の財務情報及び株式市場に関する情報を他の公開会社の類似の情報と比較したほか、ゴールドマン・サックスが適切と思料するその他の調査と分析を実施し、その他の要因を考慮しました。
財務分析の実施並びにGS算定書の作成にあたり、ゴールドマン・サックスは、ゴールドマン・サックスに対して提供され、ゴールドマン・サックスが聴取し又はゴールドマン・サックスが検討した財務、法務、規制、税務、会計その他の情報全ての正確性及び完全性について、公開買付者の同意に基づき、これに依拠し、また、これを前提としており、これらについて何ら独自の検証を行う責任を負うものではありません。ゴールドマン・サックスは、公開買付者の同意に基づき、本財務予測が、公開買付者の経営陣による現時点で得られる最善の予測及び判断に基づき合理的に作成されたものであることを前提としています。ゴールドマン・サックスは、対象者又は対象者の子会社の資産及び負債(偶発的なもの、派生的なもの又はその他の貸借対照表に計上されていない資産及び負債を含みます。)について独自の評価又は鑑定を行っておらず、かかる評価書又は鑑定書も入手していません。
GS算定書は、本取引を行うに際しての公開買付者の経営上の意思決定や公開買付者がとりうる他の戦略的手段と比較した場合における本取引の利点について見解を述べるものではなく、法務、規制、税務又は会計に関する事項についていかなる見解を述べるものでもありません。ゴールドマン・サックスは、本取引に関するいかなる条件又は側面、あるいは本取引において企図され又は本取引に関連して合意又は修正されるその他の合意又は法律文書に関するいかなる条件又は側面(対象者の各種類の証券の保有者、対象者の債権者又はその他の関係者にとっての本公開買付けの公正性及びこれらの者が本公開買付けに関連して受領した対価の公正性を含みます。)についても、考察を述べるものではなく、また、ゴールドマン・サックスは、対象者の役員、取締役、従業員等に対して本公開買付けに関連して支払われる又は支払うべきあらゆる報酬の金額や性質の公正性又はこれらの者の階級についての見解を示すものではありません。また、ゴールドマン・サックスは、対象者株式の将来の取引価格や、クレジット市場、金融市場、コモディティ市場又は株式市場の変動が対象者又は公開買付者に与える潜在的な影響、本公開買付けの影響による公開買付者又は対象者の支払能力や存続性、公開買付者又は対象者のそれぞれの債務についてその支払期日における弁済能力についての意見を一切表明するものではありません。GS算定書は、必然的に、その時点の経済環境、金融環境及びその他の状況、並びに当該日時点においてゴールドマン・サックスに提供された情報のみに基づいており、ゴールドマン・サックスは、当該日以降に発生するいかなる事情、変化又は事由に基づいても、GS算定書を更新し、改訂し又は再確認する責任を負うものではありません。ゴールドマン・サックスのアドバイザリー・サービス及びGS算定書は、公開買付者の取締役会が本公開買付けを検討するにあたっての情報提供及びかかる検討の補佐のみを目的として提供されたものです。ゴールドマン・サックスは、特定の公開買付価格を公開買付者に対して推奨したことはなく、また、特定の公開買付価格を唯一適切なものとして推奨したこともありません。GS算定書を全体として考慮することなく一部又はその要約を選択することは、GS算定書が依拠するプロセスについての不完全な理解をもたらすおそれがあります。ゴールドマン・サックスはいずれの要素又は実施したいずれの分析に対しても特に重点的に依拠をするものではありません。
(注2) 野村證券は、対象者株式の株式価値の算定に際して、公開情報及び対象者から提供を受けた一切の情報が正確且つ完全であることを前提としており、独自にそれらの正確性及び完全性についての検証は行っていないとのことです。対象者及びその関係会社の資産又は負債(金融派生商品、簿外資産及び負債、その他の偶発債務を含みます。)について、個別の資産及び負債の分析及び評価を含め、独自に評価、鑑定又は査定を行っておらず、第三者機関への鑑定又は査定の依頼も行っていないとのことです。対象者の事業見通しについては、対象者の経営陣により現時点で得られる最善且つ誠実な予測及び判断に基づき合理的に検討又は作成されたことを前提としているとのことです。野村證券の算定は、2022年9月29日までに野村證券が入手した情報及び経済条件を反映したものとのことです。なお、野村證券の算定は、対象者取締役会が対象者株式の株式価値を検討するための参考に資することを唯一の目的としているとのことです。

買付予定の株券等の数

(3)【買付予定の株券等の数】
株券等の種類買付予定数買付予定数の下限買付予定数の上限
普通株式6,204,846(株)2,058,375(株)―(株)
合計6,204,846(株)2,058,375(株)―(株)

(注1) 応募株券等の総数が買付予定数の下限(2,058,375株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の総数が買付予定数の下限(2,058,375株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。
(注2) 本公開買付けにおいては、買付予定数の上限を設定しておりませんので、買付予定数は本公開買付けにより公開買付者が取得する対象者株券等の最大数である対象者株式数(6,204,846株)を記載しております。買付予定数は、対象者第1四半期報告書に記載された2022年6月30日現在の発行済株式総数(12,443,500株)から、対象者第1四半期決算短信に記載された同日現在の対象者が所有する自己株式数(4,229株)及び本書提出日現在の公開買付者が所有する株式数(6,234,425株)を控除したものになります。
(注3) 単元未満株式も本公開買付けの対象としております。なお、会社法に従って対象者の株主による単元未満株式買取請求権が行使された場合には、対象者は法令の手続に従い、公開買付期間中に自己の株式を買い取ることがあります。
(注4) 本公開買付けを通じて、対象者が所有する自己株式を取得する予定はありません。

買付け等を行った後における株券等所有割合

区分議決権の数
買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)62,048
aのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(b)-
bのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(c)-
公開買付者の所有株券等に係る議決権の数(2022年10月3日現在)(個)(d)62,344
dのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(e)-
eのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(f)-
特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2022年10月3日現在)(個)(g)0
gのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(h)-
hのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(i)-
対象者の総株主等の議決権の数(2022年3月31日現在)(個)(j)124,318
買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合
(a/j)(%)
49.88
買付け等を行った後における株券等所有割合
((a+d+g)/(j+(b-c)+(e-f)+(h-i))×100)(%)
100.00

(注1) 「買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)」は、本公開買付けにおける買付予定の株券等の数に係る議決権の数を記載しております。
(注2) 「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2022年10月3日現在)(個)(g)」は、各特別関係者(但し、特別関係者のうち法第27条の2第1項各号における株券等所有割合の計算において府令第3条第2項第1号に基づき特別関係者から除外される者を除きます。)が所有する株券等に係る議決権の数の合計を記載しております。なお、特別関係者の所有株券等(但し、対象者が所有する自己株式を除きます。)も本公開買付けの対象としているため、「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2022年10月3日現在)(個)(g)」は分子に加算しておりません。
(注3) 「対象者の総株主等の議決権の数(2022年3月31日現在)(個)(j)」は、対象者第1四半期報告書に記載された2022年3月31日現在の総株主の議決権の数(1単元の株式数を100株として記載されたもの)です。但し、単元未満株式も本公開買付けの対象としているため、「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、対象者第1四半期報告書に記載された2022年6月30日現在の対象者の発行済株式総数(12,443,500株)から、対象者第1四半期決算短信に記載された同日現在の対象者が所有する自己株式数(4,229株)を控除した株式数(12,439,271株)に係る議決権の数(124,392個)を「対象者の総株主等の議決権の数(2022年3月31日現在)(個)(j)」として計算しております。
(注4) 「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」については、小数点以下第三位を四捨五入しております。

脚注、買付け等を行った後における株券等所有割合

(注1) 「買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)」は、本公開買付けにおける買付予定の株券等の数に係る議決権の数を記載しております。
(注2) 「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2022年10月3日現在)(個)(g)」は、各特別関係者(但し、特別関係者のうち法第27条の2第1項各号における株券等所有割合の計算において府令第3条第2項第1号に基づき特別関係者から除外される者を除きます。)が所有する株券等に係る議決権の数の合計を記載しております。なお、特別関係者の所有株券等(但し、対象者が所有する自己株式を除きます。)も本公開買付けの対象としているため、「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2022年10月3日現在)(個)(g)」は分子に加算しておりません。
(注3) 「対象者の総株主等の議決権の数(2022年3月31日現在)(個)(j)」は、対象者第1四半期報告書に記載された2022年3月31日現在の総株主の議決権の数(1単元の株式数を100株として記載されたもの)です。但し、単元未満株式も本公開買付けの対象としているため、「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、対象者第1四半期報告書に記載された2022年6月30日現在の対象者の発行済株式総数(12,443,500株)から、対象者第1四半期決算短信に記載された同日現在の対象者が所有する自己株式数(4,229株)を控除した株式数(12,439,271株)に係る議決権の数(124,392個)を「対象者の総株主等の議決権の数(2022年3月31日現在)(個)(j)」として計算しております。
(注4) 「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」については、小数点以下第三位を四捨五入しております。

株券等の種類

(1)【株券等の種類】
普通株式

応募の方法

(1)【応募の方法】
① 公開買付代理人
大和証券株式会社 東京都千代田区丸の内一丁目9番1号
② 本公開買付けに係る株券等の買付け等の申込みに対する承諾又は売付け等の申込みをする方(以下「応募株主等」といいます。)は、公開買付代理人の本店又は全国各支店(以下、公開買付代理人にて既に口座をお持ちの場合には、お取引支店といたします。)において、所定の「公開買付応募申込書」に所要事項を記載のうえ、公開買付期間末日の16時までに応募してください。ただし、本店又は全国各支店によって営業時間が異なりますので、予めご確認の上、応募してください。
※新型コロナウイルス感染拡大防止等の対応に伴い、公開買付期間中、店舗の店頭業務を一時休止する等の特別な対応を行っている可能性があります。詳細については、公開買付代理人の本店又は全国各支店にお問い合わせください。併せて、対象となる店舗、特別な対応等につきましては、公開買付代理人のホームページ(https://www.daiwa.jp/)もご参照ください。
③ 本公開買付けに係る対象者株式の応募に際しては、応募株主等が公開買付代理人に開設した応募株主等名義の口座(以下「応募株主口座」といいます。)に、応募する予定の対象者株式が記載又は記録されている必要があります。そのため、応募する予定の対象者株式が、公開買付代理人以外の金融商品取引業者等に開設された口座に記載又は記録されている場合(対象者の株主名簿管理人である三井住友信託銀行株式会社に開設された特別口座に記載又は記録されている場合を含みます。)は、応募に先立ち、公開買付代理人に開設した応募株主口座への振替手続を完了している必要があります。なお、本公開買付けにおいては、公開買付代理人以外の金融商品取引業者等を経由した応募の受付は行われません。
④ 応募の際に個人番号(法人の場合は法人番号)及び本人確認書類が必要となる場合があります。(注1)(注2)
⑤ 外国の居住者である株主等(法人の株主等を含みます。以下「外国人株主等」といいます。)の場合、日本国内の常任代理人を通じて応募してください(常任代理人より、外国人株主等の委任状又は契約書の原本証明付きの「写し」をいただきます。)。
⑥ 個人の株主等の場合、買付けられた株券等に係る売却代金と取得費との差額は、株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税の適用対象となります。(注3)
⑦ 対象者の株主名簿管理人である三井住友信託銀行株式会社に開設された特別口座に記載又は記録されている対象者株式を応募する場合の具体的な振替手続(応募株主口座への振替手続)については、公開買付代理人にご相談いただくか、又は口座管理機関である三井住友信託銀行株式会社にお問い合わせください。(注4)
(注1) 本人確認書類について
公開買付代理人に新規に口座を開設して応募される場合、次の個人番号及び本人確認書類が必要になります(法人の場合は、法人番号及び法人本人の本人確認書類に加え、「現に取引に当たる担当者(取引担当者)」についての本人確認書類及び取引担当者が当該法人のために取引の任に当たっていることの確認が必要になります。)。なお、本人確認書類等の詳細につきましては、公開買付代理人にお尋ねください。
・個人の場合
下記、A~Cいずれかの書類をご提出ください(店頭での口座開設の場合は、本人確認書類の原本のご提示が必要になります。郵送での口座開設の場合は、本人確認書類のコピー(但し、「住民票の写し」は原本)をご提出ください。)。
個人番号確認書類本人確認書類
A個人番号カード(裏)個人番号カード(表)
※郵送又はオンライン経由での口座開設の場合は、「個人番号カード(表)」に加えて、a又はbのうち、いずれか1種類
B通知カードaのいずれか1種類、又はbのうち2種類(但し、「住民票の写し」と「住民票の記載事項証明書」で2種類とすることはできません。)
※郵送又はオンライン経由での口座開設の場合は、a又はbのうち、いずれか2種類(但し、「住民票の写し」と「住民票の記載事項証明書」で2種類とすることはできません。)
C個人番号記載のある住民票の写し又は住民票の記載事項証明書a又はbのうち、「住民票の写し」「住民票の記載事項証明書」以外の1種類

a 顔写真付の本人確認書類
・有効期間内の原本のコピーの提出が必要
パスポート(住所記載欄のない新型パスポート(2020年2月4日以降に発給申請し交付されたパスポート)は、本人確認書類としてご利用いただけません。別途本人確認書類のご用意をお願いいたします。)、運転免許証、運転経歴証明書、各種福祉手帳、在留カード、特別永住者証明書
b 顔写真のない本人確認書類
・発行から6ヶ月以内の原本又はコピーの提出が必要
住民票の写し、住民票の記載事項証明書、印鑑証明書
・有効期間内の原本のコピーの提出が必要
各種健康保険証、国民年金手帳(氏名・住所・生年月日の記載があるもの)、各種福祉手帳等
・法人の場合
下記A~Cの確認書類をご提出ください。
A法人番号確認書類・法人番号指定通知書又は
・法人番号印刷書類
B法人のお客さまの本人確認書類・登記事項証明書又は
・官公庁から発行された書類等
(名称、本店又は主たる事務所の所在地及び事業の内容を確認できるもの)
Cお取引担当者の本人確認書類・個人番号カード(表)又は
・上記個人の場合の本人確認書類(aのいずれか1種類、又はbのうち2種類)

・外国人(居住者を除きます。)、外国に本店又は主たる事務所を有する法人の場合
日本国政府の承認した外国政府又は権限ある国際機関の発行した書類その他これに類するもので、居住者の本人確認書類に準じるもの等(自然人の場合は、氏名、住所、生年月日の記載のあるものに、法人の場合は、名称、本店又は主たる事務所の所在地及び事業の内容の記載のあるものに限ります。)
(注2) 取引関係書類の郵送について
本人確認を行ったことをお知らせするために、当該本人確認書類に記載された住所地に取引関係書類を郵送させていただきます。
(注3) 株式等の譲渡所得等に対する申告分離課税について(個人の株主等の場合)
個人の株主等の方につきましては、株式等の譲渡には、申告分離課税が適用されます。税務上の具体的なご質問等は税理士等の専門家にご相談いただき、ご自身でご判断いただきますようお願い申し上げます。
(注4) 特別口座からの振替手続
上記③に記載のとおり、応募に際しては、特別口座で記載又は記録されている株券等は、公開買付代理人に開設した応募株主口座への振替手続をお取りいただく必要があります。

契約の解除の方法

(2)【契約の解除の方法】
応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも公開買付けに係る契約を解除することができます。契約の解除をする場合は、公開買付期間末日の16時までに、下記「11 その他買付け等の条件及び方法」の「(4)応募株主等の契約の解除権についての事項」に従って、応募受付をした公開買付代理人の本店又は全国各支店に解除書面(公開買付応募申込受付票及び公開買付けに係る契約の解除を行う旨の書面)を交付又は送付してください。但し、送付の場合は、解除書面が公開買付期間末日の16時までに到達することを条件とします。また、本店又は全国各支店によって営業時間が異なりますので、予めご確認の上、解除してください。
解除書面を受領する権限を有する者:
大和証券株式会社 東京都千代田区丸の内一丁目9番1号
(その他の大和証券株式会社全国各支店)

株券等の返還方法、応募及び契約の解除の方法

(3)【株券等の返還方法】
上記「(2)契約の解除の方法」に記載の方法により、応募株主等が公開買付けに係る契約の解除を申し出た場合には、解除手続終了後速やかに下記「10 決済の方法」の「(4)株券等の返還方法」に記載の方法により応募株券等を返還いたします。

株券等の保管及び返還を行う金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地

(4)【株券等の保管及び返還を行う金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地】
大和証券株式会社 東京都千代田区丸の内一丁目9番1号

買付け等に要する資金等

(1)【買付け等に要する資金等】
買付代金(円)(a)19,545,264,900
金銭以外の対価の種類
金銭以外の対価の総額
買付手数料(b)80,000,000
その他(c)6,000,000
合計(a)+(b)+(c)19,631,264,900

(注1) 「買付代金(円)(a)」欄には、買付予定数(6,204,846株)に本公開買付価格(3,150円)を乗じた金額を記載しております。
(注2) 「買付手数料(b)」欄には、公開買付代理人に支払う手数料の見積額を記載しております。
(注3) 「その他(c)」欄には、本公開買付けに関する公告及び公開買付説明書その他必要書類の印刷費その他諸費用につき、その見積額を記載しております。
(注4) その他公開買付代理人に支払われる諸経費及び弁護士報酬等がありますが、その額は未定です。
(注5) 上記金額には消費税等は含まれておりません。

届出日の前々日又は前日現在の預金

①【届出日の前々日又は前日現在の預金】
種類金額(千円)
当座預金56,850,247
計(a)56,850,247

買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等の合計

⑤【買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等の合計】
56,850,247千円((a)+(b)+(c)+(d))

買付け等の決済をする金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地

(1)【買付け等の決済をする金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地】
大和証券株式会社 東京都千代田区丸の内一丁目9番1号

決済の開始日

(2)【決済の開始日】
2022年11月22日(火曜日)

決済の方法

(3)【決済の方法】
公開買付期間終了後遅滞なく、本公開買付けによる買付け等の通知書を応募株主等の住所又は所在地(外国人株主等の場合はその常任代理人の住所)宛に郵送します。
買付けは、現金にて行います。買付け等を行った株券等に係る売却代金は応募株主等の指示により、決済の開始日以後遅滞なく、公開買付代理人から応募株主等(外国人株主等の場合はその常任代理人)の指定した場所へ送金するか(送金手数料がかかる場合があります。)、公開買付代理人の応募受付をした応募株主等の口座へお支払いします。

株券等の返還方法、決済の方法

(4)【株券等の返還方法】
下記「11 その他買付け等の条件及び方法」の「(1)法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容」又は「(2)公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法」に記載の条件に基づき株券等の全部の買付け等を行わないこととなった場合には、返還することが必要な株券等は、公開買付期間末日の翌々営業日(公開買付けの撤回等を行った場合は撤回等を行った日)以降遅滞なく、応募が行われた時の公開買付代理人に開設した応募株主口座の状態に戻すことにより返還します。

法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容

(1)【法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容】
応募株券等の総数が買付予定数の下限(2,058,375株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の総数が買付予定数の下限(2,058,375株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。

公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法

(2)【公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法】
令第14条第1項第1号イ乃至ヌ及びワ乃至ツ、第3号イ乃至チ及びヌ、並びに同条第2項第3号乃至第6号に定める事情のいずれかが生じた場合は、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。
撤回等を行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。

買付け等の価格の引下げの条件の有無、その内容及び引下げの開示の方法

(3)【買付け等の価格の引下げの条件の有無、その内容及び引下げの開示の方法】
法第27条の6第1項第1号の規定により、公開買付期間中に対象者が令第13条第1項に定める行為を行った場合には、府令第19条第1項の規定に定める基準に従い、買付け等の価格の引下げを行うことがあります。買付け等の価格の引下げを行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。買付け等の価格の引下げがなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、引下げ後の買付け等の価格により買付け等を行います。

応募株主等の契約の解除権についての事項

(4)【応募株主等の契約の解除権についての事項】
応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも本公開買付けに係る契約を解除することができます。契約の解除をする場合は、公開買付期間末日の16時までに応募受付けをした公開買付代理人の本店又は全国各支店に解除書面(公開買付応募申込受付票及び公開買付けに係る契約の解除を行う旨の書面)を交付又は送付してください。但し、送付の場合は、解除書面が公開買付期間末日の16時までに到達することを条件とします。なお、公開買付者は、応募株主等による契約の解除があった場合においても、損害賠償又は違約金の支払いを応募株主等に請求することはありません。また、応募株券等の返還に要する費用も公開買付者の負担とします。解除を申し出られた場合には、応募株券等は当該解除の申出に係る手続終了後速やかに上記「10 決済の方法」の「(4)株券等の返還方法」に記載の方法により返還します。

買付条件等の変更をした場合の開示の方法

(5)【買付条件等の変更をした場合の開示の方法】
公開買付者は、公開買付期間中、法第27条の6第1項及び令第13条により禁止される場合を除き、買付条件等の変更を行うことがあります。
買付条件等の変更を行おうとする場合は、その変更の内容等につき電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。買付条件等の変更がなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、変更後の買付条件等により買付け等を行います。

訂正届出書を提出した場合の開示の方法

(6)【訂正届出書を提出した場合の開示の方法】
訂正届出書を関東財務局長に提出した場合(但し、法第27条の8第11項但書に規定する場合を除きます。)は、直ちに、訂正届出書に記載した内容のうち、公開買付開始公告に記載した内容に係るものを、府令第20条に規定する方法により公表します。また、直ちに公開買付説明書を訂正し、且つ、既に公開買付説明書を交付している応募株主等に対しては訂正した公開買付説明書を交付して訂正します。但し、訂正の範囲が小範囲に止まる場合には、訂正の理由、訂正した事項及び訂正後の内容を記載した書面を作成し、その書面を応募株主等に交付する方法により訂正します。

公開買付けの結果の開示の方法

(7)【公開買付けの結果の開示の方法】
本公開買付けの結果については、公開買付期間末日の翌日に、令第9条の4及び府令第30条の2に規定する方法により公表します。

継続開示会社たる公開買付者に関する事項

(3)【継続開示会社たる公開買付者に関する事項】
①【公開買付者が提出した書類】
イ【有価証券報告書及びその添付書類】
事業年度 第107期(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
2022年6月23日関東財務局長に提出
ロ【四半期報告書又は半期報告書】
事業年度 第108期第1四半期(自 2022年4月1日 至 2022年6月30日)
2022年8月10日関東財務局長に提出
ハ【訂正報告書】
訂正報告書(上記イの第107期有価証券報告書の訂正報告書)を2022年9月29日に関東財務局長に提出
②【上記書類を縦覧に供している場所】
出光興産株式会社
(東京都千代田区大手町一丁目2番1号)
株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)

公開買付者及び特別関係者による株券等の所有状況の合計

(1)【公開買付者及び特別関係者による株券等の所有状況の合計】
(2022年10月3日現在)

所有する株券等の数令第7条第1項第2号に該当する株券等の数令第7条第1項第3号に該当する株券等の数
株券62,344(個)―(個)―(個)
新株予約権証券
新株予約権付社債券
株券等信託受益証券( )
株券等預託証券( )
合計62,344
所有株券等の合計数62,344
(所有潜在株券等の合計数)(―)

(注1) 特別関係者である対象者は、2022年6月30日現在、対象者株式4,229株を所有しておりますが、全て自己株式であるため、議決権はありません。
(注2) なお、公開買付者は本書提出後に特別関係者の所有する対象者の株券等を確認の上、本書の訂正が必要な場合には、本書に係る訂正届出書を提出する予定です。

公開買付者による株券等の所有状況

(2)【公開買付者による株券等の所有状況】
(2022年10月3日現在)

所有する株券等の数令第7条第1項第2号に該当する株券等の数令第7条第1項第3号に該当する株券等の数
株券62,344(個)―(個)―(個)
新株予約権証券
新株予約権付社債券
株券等信託受益証券( )
株券等預託証券( )
合計62,344
所有株券等の合計数62,344
(所有潜在株券等の合計数)(―)

特別関係者による株券等の所有状況(特別関係者合計)

(3)【特別関係者による株券等の所有状況(特別関係者合計)】
(2022年10月3日現在)

所有する株券等の数令第7条第1項第2号に該当する株券等の数令第7条第1項第3号に該当する株券等の数
株券0(個)―(個)―(個)
新株予約権証券
新株予約権付社債券
株券等信託受益証券( )
株券等預託証券( )
合計0
所有株券等の合計数0
(所有潜在株券等の合計数)(―)

(注1) 特別関係者である対象者は、2022年6月30日現在、対象者株式4,229株を所有しておりますが、全て自己株式であるため、議決権はありません。
(注2) なお、公開買付者は本書提出後に特別関係者の所有する対象者の株券等を確認の上、本書の訂正が必要な場合には、本書に係る訂正届出書を提出する予定です。

特別関係者

①【特別関係者】
(2022年10月3日現在)

氏名又は名称東亜石油株式会社
住所又は所在地神奈川県川崎市川崎区水江町3番1号
職業又は事業の内容石油事業、電気事業
連絡先連絡者 東亜石油株式会社
経営管理担当取締役 宍戸 康行
連絡場所 神奈川県川崎市川崎区水江町3番1号
電話番号 044(280)0614
公開買付者との関係公開買付者が特別資本関係を有する法人

所有株券等の数

②【所有株券等の数】
東亜石油株式会社
(2022年10月3日現在)

所有する株券等の数令第7条第1項第2号に該当する株券等の数令第7条第1項第3号に該当する株券等の数
株券0(個)―(個)―(個)
新株予約権証券
新株予約権付社債券
株券等信託受益証券( )
株券等預託証券( )
合計0
所有株券等の合計数0
(所有潜在株券等の合計数)(―)

(注1) 特別関係者である対象者は、2022年6月30日現在、対象者株式を4,229株所有しているとのことですが、全て自己株式であるため議決権はありません。

公開買付者と対象者又はその役員との間の取引の有無及び内容

(1)公開買付者と対象者との間の取引の有無及び内容
直近3事業年度における公開買付者と対象者との間の取引金額は以下のとおりです。
(単位:百万円)

決算年月2020年3月期2021年3月期2022年3月期
委託精製料24,04522,86322,341
委託発電料1,4283,4564,339
発電用燃料販売1,7601,477-
揮発油税等16,16129,29225,536
資金の貸付25,40019,99915,687

(2)公開買付者と対象者の役員との間の取引の有無及び内容
該当事項はありません。

公開買付者と対象者又はその役員との間の合意の有無及び内容

(1)公開買付者と対象者との間の合意の有無及び内容
対象者プレスリリースによれば、対象者は、2022年9月30日開催の取締役会において、本公開買付けに関して、対象者が本公開買付けについて賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨することを決議したとのことです。
なお、対象者の意思決定に係る詳細については、対象者プレスリリース及び上記「第1 公開買付要項」の「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑥ 対象者における利害関係を有しない取締役(監査等委員である者を含む)全員の承認」をご参照ください。
(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針
上記「第1 公開買付要項」の「3 買付け等の目的」の「(2)本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」をご参照ください。
(3)本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置
上記「第1 公開買付要項」の「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2)買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等本公開買付けの公正性を担保するための措置)」をご参照ください。

株価の状況

(単位:円)

金融商品取引所名又は認可金融商品取引業協会名東京証券取引所スタンダード市場(注1)
月別2022年3月4月5月6月7月8月9月
最高株価3,2253,0452,7192,5652,5232,4802,482
最低株価2,8132,6362,4842,4202,4002,1502,151

(注1) 2022年4月4日付の東京証券取引所の市場区分の再編により、2022年4月1日までは東京証券取引所市場第二部における株価となります。

継続開示会社たる対象者に関する事項

(1)【対象者が提出した書類】
①【有価証券報告書及びその添付書類】
事業年度 第148期(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)
2021年6月25日関東財務局長に提出
事業年度 第149期(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
2022年6月29日関東財務局長に提出
②【四半期報告書又は半期報告書】
事業年度 第150期第1四半期(自 2022年4月1日 至 2022年6月30日)
2022年8月8日関東財務局長に提出
③【臨時報告書】
該当事項はありません。
④【訂正報告書】
訂正報告書(上記①の第148期有価証券報告書の訂正報告書)を2022年7月21日に関東財務局長に提出
訂正報告書(上記①の第149期有価証券報告書の訂正報告書)を2022年7月21日に関東財務局長に提出
(2)【上記書類を縦覧に供している場所】
東亜石油株式会社
(神奈川県川崎市川崎区水江町3番1号)
株式会社東京証券取引所
(東京都中央区日本橋兜町2番1号)

その他、対象者の状況

(1)対象者の2023年3月期末の剰余金の配当の不実施
対象者は、2022年9月30日開催の取締役会において、本公開買付けが成立することを条件に、2023年3月期の配当予想を修正し、2023年3月期の期末配当を行わないことを決議したとのことです。詳細については、対象者が2022年9月30日に公表した「2023年3月期配当予想の修正(無配)に関するお知らせ」をご参照ください。