有価証券報告書-第144期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

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2020/03/27 13:36
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95項目

研究開発活動

当社グループの研究開発は、会社の基盤技術に関する研究開発活動を研究先行開発本部が、直接商品に係る研究開発活動をタイヤ、MB、ATG及びその他の技術部門が担当となり、世界的な技術の先端に挑戦し、世界初の商品を市場に提供することで、お客様に満足いただくべく努力を重ねています。
当連結会計年度における研究開発費の総額は、15,026百万円であります。
当社研究先行開発本部においては、環境貢献企業における研究部門として、精緻でかつ高度な分析・解析技術をベースに物質構造や反応機構等の解明による新素材開発やシミュレーション技術の開発を行い、環境にやさしいタイヤ材料の開発や電子材料用素材・省エネルギー関連への適用技術の開発などを中心に技術の先端に挑戦しています。
研究先行開発本部の研究開発費の金額は、866百万円であります。
・バイオエタノールからブタジエンを生成する世界最高の生産性を有する触媒システムを短期間で開発
国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)と先端素材高速開発技術研究組合(ADMAT)との共同研究により、インフォマティクス(情報科学)を活用しバイオエタノールからブタジエンを生成する世界最高の生産性を有する触媒システムを開発しました。また、生成したブタジエンを使ったブタジエンゴムの合成に成功しました。タイヤの主原料のひとつである合成ゴムの元となるブタジエンをバイオマス(生物資源)からの生産技術の確立により石油への依存度低減やサステナブルな原料調達の促進が期待できます。
今回、バイオエタノールからブタジエンをより多く生成できる金属酸化物触媒を探るため、AIを使用した量子化学計算による一次スクリーニングを行いました。次にそれらの最適な配合状態や反応条件を探索するため、複数の条件下で試験する迅速触媒評価とそれぞれの反応性を高速に計測するハイスループット実験を行い、活性成分の触媒調製条件や温度などの反応条件における最適解を発見しました。世界最高の生産性を有する非常に高活性な触媒システムの極めて短期間での発見であり、触媒開発におけるインフォマティクスの有用性を実証することにも成功しました。今後はより高度なAI技術による計算科学をベースとしたハイスループット実験を通して、2030年のバイオマス由来の合成ゴム実用化を目指します。
セグメントごとの研究開発活動を示すと、次のとおりであります。
(1)タイヤ
当社の強みである独自の特性コントロール技術とグローバルな開発体制の拡充により、卓越した性能と品質の商品を作り出し「GD2020」の事業戦略を支えていくことを目標とし、以下のような活動を行いました。
当連結会計年度における研究開発費の金額は、11,384百万円であります。
1)グランドツーリングタイヤ「BluEarth-GT AE51」新発売
2019年2月、低燃費タイヤブランド「BluEarth」からトータルパフォーマンスに優れたグランドツーリングタイヤ「BluEarth-GT AE51(ブルーアース・ジーティー・エーイーゴーイチ)」を発売しました。
「BluEarth-GT AE51」はミドルクラスセダンをメインターゲットに「走行性能、快適性能、環境性能の全てに優れるグランドツーリングタイヤ」をコンセプトとして開発し、長距離移動することを語源とする「グランドツーリング」に相応しい力強くしっかりとした走行性能を追求したほか、従来品(BluEarth-A)で定評のあった優れたウェットグリップ性能を確保しながら、低燃費性能を一段と向上させ、国内ラベリング制度においては全サイズで最高グレードのウェットグリップ性能「a」、ころがり抵抗性能では31サイズで「AA」、26サイズで「A」を獲得しました。
また専用開発の非対称パターンにより快適な乗り心地と優れた操縦安定性を両立するとともに、トレッドパターンに施した「ライトニンググルーブ」や「ブレードカットサイプ」が優れたウェット性能に貢献します。
さらに、専用のチューニングを施した高剛性構造や接地圧を均一化したトレッドプロファイルが力強く、快適な走りを実現するほか、発熱によるエネルギーロスを抑える2層構造の「低燃費レイヤードゴム」や歪みを低減するサイドプロファイル、放熱効果を生む「ディンプルショルダーデザイン」により低燃費性能を向上しています。
2)新次元ハイウェイテレーンタイヤ「GEOLANDAR X-CV」新発売
2019年4月、SUV用タイヤブランド「GEOLANDAR」からハイパフォーマンス・クロスオーバーSUV向けのハイウェイテレーンタイヤの新商品「GEOLANDAR X-CV(ジオランダー・エックスシーブイ)」を発売しました。
「GEOLANDAR X-CV」は、近年増加しているモノコック構造の中・大型輸入車に代表される高速性能と運動性能を重視したハイパフォーマンス・クロスオーバーSUV向けに開発した新次元ハイウェイテレーンタイヤで、同SUVに相応しい安全性、快適性、経済性を備えながら、急な降雪にも対応する「M+S(マッド&スノー)」規格を獲得しており、さらに全サイズで最高速度270km/hに対応するスピードレンジ「W」を実現しています。
安全性及び経済性では「4本ワイドストレートグルーブ」や「2-3Dコンビネーションサイプ」などを採用した専用開発の非対称パターンと新開発の「ハイシリカ・コンパウンド」が優れたウェット制動性能と耐摩耗性能を発揮するほか、快適性では非対称トレッドパターンに加え、高剛性・高耐久の専用構造が高速走行時の安定感を高め、ハイウェイでのアクティブな走りを生み出すとともに、快適なロングドライブを実現するほか、トレッドのブロックに施した「5ピッチ・バリエーション」が耳障りなパターンノイズを抑え、静粛性の向上に貢献します。
3)世界的なタイヤ技術会議「Tire Technology Expo 2019」で技術プレゼンテーションを実施
2019年3月、世界で高い注目を集めるタイヤ技術会議「Tire Technology Expo 2019(ドイツ ハノーバー開催)」にて、横浜ゴムからタイヤ解析や材料に関する技術を3件、グループ会社のATG(アライアンスタイヤグループ)からタイヤリサイクルに関する技術を1件、横浜ゴムグループとして合計4件の技術を発表しました。
<発表した技術の概要>[逆畳み込み手法によるタイヤの振動解析]
乗心地の良いタイヤを作るために必要な解析項目である「路面の凹凸がタイヤに与えた振動が車体側にどのように伝わるか」について、画像解析や信号処理に用いられている「逆畳み込み」手法をタイヤの振動解析に適用した結果を報告しました。
[セルロースナノファイバーによるSBR(合成ゴム)の補強]
従来から使われているカーボンブラックによるSBR(合成ゴム)の補強と、木材を原料としゴムの補強材として将来有望なサステナブルマテリアルであるセルロースナノファイバーによる補強とを比較し、その特徴について報告しました。
[濡れた平滑路面上を滑るゴムの接触挙動解析]
タイヤのウェット性能向上のため必要な調査事項である、「ゴムが濡れた路面の上でどのように接触しているか」について、摩擦中のゴムが非常に速い周期で密着と滑りを繰り返していることを明らかにした結果を報告しました。
[リサイクルゴムの持続可能性と最適化(ATG)]
地球環境を保護し持続可能な社会を実現するための重要な課題である、使用済みタイヤの再利用について、使用後のタイヤゴムを粉末化した粉ゴムをタイヤのゴムに少量添加して再利用するための最適な手法を報告しました。
4)舗装路・非舗装路用ダンプ向けラグタイヤ「302C」新発売
2019年6月、ダンプ用クロスラグタイヤ「LY317」の後継となる、舗装路・非舗装路用ダンプ向けラグタイヤの新商品「302C(サンマルニ・シー)」を発売しました。
「302C」では、耐外傷性能の向上によりタイヤ寿命を延ばすことで、お客様の求める経済性を追求しつつ、安全性や利便性の改善を目指して開発しました。
センター部に耐カット・チッピング性能に優れるトレッドコンパウンドをベルト付近まで配置し、走行により発熱しやすいベルトエッジ部周辺には、発熱を防ぐアンダートレッドゴムを配置(セパレートアンダートレッド構造)することで、摩耗末期までカット・チッピングを防止するよう設計しました。
またサイドプロテクターを設けることでサイド部のカットを防止するなど、耐外傷性能の向上によりタイヤ寿命を延ばし、経済性を改善しています。
安全性においては、トレッド幅を従来品比4%アップしたワイドトレッドデザインが、優れた操縦安定性を実現するほか、トレッドパターンに偏摩耗を抑制する「センターブロック千鳥配列」やウェット性能を向上する「センタージグザグ溝」などを採用し、それらの配置を最適化することで、耐カット・チッピング性能やウェット性能、悪路でのトラクション性能を向上させています。
さらに、従来品では、非舗装路向けと舗装路向けに分かれていた仕様を統一し、両路面に対応可能な商品とすることで、利便性も改善いたしました。
5)日本ゴム協会の優秀論文賞を受賞
2019年5月、当社技術者によるゴム技術に関する研究論文「加硫過程におけるゴム中での気泡発生機構の解明」が、一般社団法人日本ゴム協会の「第66回優秀論文賞※1」を受賞しました。
これまで、タイヤ加硫時に気泡が発生するメカニズムは十分明らかになっていませんでしたが、本研究において、スチレンブタジエンゴム及びブタジエンゴムにシリカやカーボンブラックを充填剤として配合し、加硫した後にゴム内部の発泡の様子を大型放射光施設「SPring-8」を活用したX線イメージング法※2により観察する方法を開発したことで、ゴムに存在する水分を主とする揮発成分量及び架橋剤の配合量とそれらの発泡状態の関係を明らかにしました。
今回は、こうした気泡生成における発生機構の解明が、信頼性の高いゴム製品を製造する際の条件設定の一助となったことが評価されました。
※1 「優秀論文賞」は今年で66回目となる歴史ある賞で、過去3年間に日本ゴム協会誌に発表された論文の中から毎年優秀なものに対し最多で2件に授与されます。
※2 高輝度X線を用いて透過像を短時間で多数取得する方法。これにより加硫中のゴム内部で気泡が発生する様子を観察することが可能になった。
6)オフロード感を高めた新カテゴリーのSUV・ピックアップトラック向け タイヤ「GEOLANDAR X-AT」新発売
2019年9月、SUV・ピックアップトラック用タイヤブランド「GEOLANDAR(ジオランダー)」からオンロードでの快適性を求めながら、オフロードチューニングやドレスアップを楽しむユーザー向けに開発した「GEOLANDAR X-AT(ジオランダー・エックスエーティー)」を日本国内で発売しました。
「GEOLANDAR X-AT」は、現在販売中のオールテレーンタイヤ「GEOLANDAR A/T G015」とマッドテレーンタイヤ「GEOLANDAR M/T G003」の中間に位置する新カテゴリー商品で、デザイン面では特徴的なブロックを組み合わせたアグレッシブブロックパターンを採用したほか、トレッドデザインをサイドウォール上部まで伸長させ存在感を一段と高めるとともに、タイヤ両側のサイド部をそれぞれ異なるデザインとし、好きなデザインを車両外側に装着できるデュアルサイドブロックデザインを採用しました。
また性能面ではトレッドに施したサイプと細溝のコンビネーションがウェット路面や滑りやすいオフロード路面で高いトラクション性を発揮するほか、ショルダー部の横溝とセンター側の縦溝に配したストーンイジェクターが泥や石噛みによるダメージを緩和します。
コンパウンドにはトリプルポリマーを採用することで、耐摩耗性能と耐カットチッピング性能を確保し、接地性の高いワイドトレッドデザインや高剛性3プライ構造などにより、操縦安定性や耐サイドカット性能を高めています。
7)オールシーズンウルトラワイドベースタイヤ 「902L」新発売
2019年9月、トラックに装着される複輪(2本1組)を単輪(1本)に置き換えることができる超偏平シングルタイヤのオールシーズンウルトラワイドベースタイヤ「902L(キューマルニ・エル)」を日本国内で発売しました。
単輪への置き換えにより、タイヤ組み換え・日常点検などの省メンテナンス化や、1軸当たり約85kgの軽量化※1が可能となることから、例えば後輪2軸の大型トラックでは、約170kg※2の積載量を増加させることが可能となります。
「902L」は、タイヤの回転方向と平行なスチールベルト層を有する独自開発のベルト構造「SpiraLoop®(スパイラループ)」を採用しており、走行によるショルダー部の成長とベルト部の歪みを抑制し、優れた耐偏摩耗性と耐久性を確保することで、タイヤの長寿命化に貢献します。
また、トレッドパターンでは小ピッチブロックやスプリットクローズドサイプによりトラクション性能を高めたほか、転がり抵抗を低減するウェーブドグルーブ、排水性と操縦安定性に配慮した7本溝パターンを採用しています。
当社では近年のトラック用タイヤのシングル化需要に合わせ、ワイドベースの商品を豊富にラインアップしている中で、今回、11R22.5の後輪用タイヤのシングル化として、455/55R22.5の「902L」を当社としては日本で初めて本格導入しました。
※1:(11R22.5の当社トラック・バス用タイヤ「710R」+鉄ホイール)×2本に対し(455/55R22.5の「902L」+アルミホイール)×1本の場合
※2:1軸当たりの軽量化できる重さ約85kg×2軸=約170kg
8)タイヤ3商品が2019年度グッドデザイン賞を受賞
2019年10月、グランドツーリングタイヤ「BluEarth-GT AE51(ブルーアース・ジーティー・エーイーゴーイチ)」、ハイパフォーマンス・クロスオーバーSUV向けタイヤ「GEOLANDAR X-CV(ジオランダー・エックスシーブイ)」、舗装路・非舗装路用ダンプトラック向けラグタイヤ「302C(サンマルニ・シー)」の3商品が2019年度グッドデザイン賞を受賞しました。
「BluEarth-GT AE51」は走行性能、快適性能、環境性能などトータルパフォーマンスに優れ、力強い走行性能を追求しながら、高いウェットグリップ性能と低燃費性能を両立しています。「GEOLANDAR X-CV」は安全性、快適性、経済性を備えながら、急な降雪にも対応する「M+S」規格を獲得しつつ、全サイズで最高速度270km/hに対応するスピードレンジ「W」を実現しています。
これらの商品は、優れた性能と高いデザイン性を兼ね備えている点が評価されました。
また「302C」は耐カット・チッピング性能、ウェット性能を向上するとともに、低燃費性能、耐久性を確保するなど地球環境にも配慮した点を高く評価されました。
なお「グッドデザイン賞」は公益財団法人日本デザイン振興会が主催する総合的なデザイン推奨制度で、国内外の多くの企業や団体が参加しています。グッドデザイン賞受賞作品には優れたデザイン性を象徴する「Gマーク」の使用が認められます。
9)タイヤ3商品が「2019 SEMA Show」の「New Products Award」でタイヤ関連部門賞を独占
2019年11月、米国販売子会社 Yokohama Tire Corporation(ヨコハマタイヤコーポレーション)はネバダ州ラスベガスで開催された世界最大規模の自動車用品ショー「2019 SEMA※1Show」に出展し、「New Products Award」におけるタイヤ関連部門の3つの賞を独占しました。
最も優れた商品に与えられる「Best New Tire Winner」ではオフロード感を高めた新カテゴリーのSUV・ピックアップトラック向けタイヤ「GEOLANDAR X-AT(ジオランダー・エックスエーティー)」が受賞し、続いて優秀な商品に与えられる「Runner-up Awards」では、ハイパフォーマンス・クロスオーバーSUV 向けハイウェイテレーンタイヤ「GEOLANDAR X-CV(ジオランダー・エックスシーブイ)」とウルトラハイパフォーマンスサマータイヤ「ADVAN APEX V601(アドバン・アペックス・ブイロクマルイチ)※2」の2商品が受賞し、タイヤ関連部門の賞を独占しました。
※1:SEMA:Specialty Equipment Market Association 米国自動車用品工業会
※2:「ADVAN APEX V601」は北米向けに開発された商品です。
10)「第46回東京モーターショー2019」に出展
2019年10月23日~11月4日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された「第46回東京モーターショー2019」に出展し、“優れた技術開発力”をアピールしました。
未来のモビリティを見据えた将来技術コーナーでは、今後急速な進展が見込まれるCASE※1対応技術として、タイヤのIoT化技術「YOKOHAMA Intelligent Tire Concept」をはじめ、自動運転・無人運転に対応する走行持続性技術「Self Seal Concept Tire」、次世代車向けタイヤノイズ低減技術「Silent Foam面ファスナー Concept Tire」の3つの新技術を紹介しました。
またサステナブル社会の実現に貢献する環境技術では、大幅なタイヤの軽量化技術を用いた「Ultra Lightweight Concept Tire」を初披露したほか、バイオマスから合成ゴムを生成する技術やリサイクル可能な熱可逆性ゴムなどを紹介しました。
さらに先進技術体感コーナーでは、カーカス構造の違いによる剛性の違いを模型によって体感いただくコーナーや、ウェット路面でのグリップ力の違いを比較体験出来るコーナーを設置しました。
※1:CASEとは、Connected(コネクテッド)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(カーシェアリングとサービス/シェアリングのみを指す場合もある)、Electric(電気自動車)の頭文字をとった造語
(2)MB
お客様の満足と環境への貢献を念頭に置いて、幅広い産業分野での高機能新商品の開発と、新規事業を目指した技術開発を積極的に行いました。
当連結会計年度における研究開発費の金額は、2,147百万円であります。
(3)ATG
革新、技術、低コスト生産により、商品のライフサイクルを通じて最も安いコストで最高の価値をお客様に提供するべく以下のような活動をしました。
当連結会計年度における研究開発費の総額は、286百万円であります。
1)各種展示会への出展
2019年1月から3月にかけては、欧州最大級の農業機械展示イベントであるSIMA(シマ)、米国における主要な屋内農機展の一つであるIowa Power Farming Show(アイオワ パワー ファーミング ショー)などの展示会へ出展しました。
2019年4月から6月にかけては、世界最大級の建設車両関連展示会Bauma-Munich Germany(バウマ ミュンヘン ドイツ)や国際環境展示会Waste Expo2019(ウェスト エクスポ2019)などの展示会へ出展しました。
また、大手農機メーカーDEUTZ-FAHR社主催のイベントDEUTZ-FAHR Power Tour(ドイツ-ファール パワーツアー)にオフィシャルタイヤパートナーとして参加しました。
2019年7月から9月にかけては、北米最大級の屋外農機展FARM PROGRESS SHOW 2019(ファーム プログレス ショー 2019)、アメリカ中西部における主要農機展HUSKER HARVEST DAYS(ハスカー ハーベスト デイズ)などの展示会へ出展しました。また、第2四半期に引き続き、大手農機メーカーDEUTZ-FAHR社主催のイベントDEUTZ-FAHR Power Tour(ドイツ-ファール パワーツアー)にオフィシャルタイヤパートナーとして参加しました。
2)新商品の発売
多くの商品を市場に投入し、販売拡大に努めております。当期において発売した商品は、主に次のものとなります。
[ALLIANCEブランド]
・398 MPT(398 エムピーティー):
高負荷かつ高速での走行が可能な上、舗装路と比舗装路の両方で優れた走行性能を発揮するフローテーションラジアルタイヤ。 (2019年1月発売)
・HAUL PRO-ML(ホール プロ エムエル)
耐久性に優れ、土壌接地圧を低減。高速での走行も可能なトラクター用タイヤ。(2019年7月発売)
・321 PLUS(321 プラス)
トラクションや耐久性、放熱性に優れ、オンロード・オフロード両方での幅広い作業を支えるバックホーローダー用タイヤ。(2019年8月発売)
[GALAXYブランド]
・Lifter SDS(リフター エスディーエス)
耐久性に優れたコンパウンドと、耐摩耗性の高いトレッドデザインを採用。比較的強度が低い作業を行うフォークリフト向けに設計された高コストパフォーマンスクッションタイヤ(2019年1月発売)
・Super Severe Double Width Lug(スーパー シビアー ダブル ウィドゥス ラグ)
耐熱性コンパウンドと広い接地面積を確保するトレッドデザインの採用により、発熱を最小限に抑え、耐磨耗性、耐久性に優れながら同時に高い走行性を発揮する港湾荷役機械用タイヤ。(2019年1月発売)
・S-300(エス 300)
優れた牽引力、安定性と耐久性を発揮し、軟弱な路面から小石が転がる硬い路面まで幅広く対応する建設車両向けタイヤ。(2019年2月発売)
・LIFTOP SDS IND(リフトップ エスディーエス アイエヌディー)
強固な3層構造とユニークなトレッドデザインにより、優れた耐久性とともに高いグリップ性能を発揮するフォークリフト・特殊カート向けタイヤ。(2019年4月発売)
・GIRAFFE ND(ジラフ エヌディー)
独自の非方向性深溝パターンにより不整地でのトラクション性を高め、タイヤ寿命を長期化させたテレハンドラー用タイヤ。(2019年7月発売)
・TERMINAL MASTER(ターミナル マスター)
深溝リブパターン、ラジアル構造の採用によりスムースな取り回しが可能な上、トラクションに優れ、タイヤ寿命を長期化させた港湾トラクター用タイヤ。(2019年9月発売)
3)世界最大の農業機械展で農業機械用タイヤが銀賞受賞
2019年11月、オフハイウェイタイヤの生産販売子会社であるアライアンスタイヤグループ(ATG)は、ドイツのハノーバーで開催される世界最大の農業機械展「AGRITECHNICA 2019」に出展し、「Innovation Award AGRITECHNICA(イノベーションアワードアグリテクニカ)」で銀賞を受賞しました。
受賞した農業機械用タイヤ「Alliance 398 MPT(アライアンス・サンキューハチ・エムピーティー)」は農場や舗装路など路面状況に合わせて空気圧を自動で調整できるセントラルタイヤインフレーションシステム※1に対応。また、スチールラジアルフローテーション構造※2により、トラクションや積載量の増加のほか、土壌保護性など農場での優れた性能と高速での操縦安定性や静粛性、乗り心地など高いオンロード性能を両立しました。農業機械用タイヤとして世界初※3となる最高時速100kmを実現しています。これにより、農場での作業後、積み替え無しで収穫物を輸送できるため、穀物カートといった機器が不要になるほか、作業の効率化にも貢献します。
「AGRITECHNICA」は1985年から隔年開催されており、前回の2017年は52カ国から2,802の企業・団体が出展し、来場者は45万8,000人を記録しました。
※1 農場では空気圧を下げ、接地面積を増やすことで荷重を分散させて土壌への負担を軽くする一方、舗装路では空気圧を上げて走行する必要があるが、その上げ下げがトラックから降りることなく自動で調整ができるシステム
※2 農業機械用スチールラジアルタイヤ構造の中でも、泥濘路などの路面で土壌への負担を軽くするために要求されるフローテーション(浮力)性能に優れた構造のこと
※3 当社調べによる
上記のほか、ゴルフクラブ等のスポーツ用品にかかる研究開発費が 343百万円あります。