有価証券報告書-第97期(平成27年1月1日-平成27年12月31日)

【提出】
2016/03/24 16:51
【資料】
PDFをみる
【項目】
124項目

研究開発活動

当社グループは、企業理念の使命として掲げる「最高の品質で社会に貢献」を全うし、技術及びビジネスモデルのイノベーション、また企業活動と社会・お客様を創造的に繋ぐデザイン力の強化を通して、グローバルで強力な競争力を持つビジネスを展開することを目指し中期経営計画に沿って研究開発活動に取り組んでおります。また、その実効性を更に高めるべく、当社グループにおける全ての事業活動の基盤となる研究開発体制についてグローバル最適化を推進しております。
タイヤ部門では、すべてに対する「安心」を開発理念として、常に環境に配慮し、安全性、快適性を追求することで新しい付加価値の創造に取り組んでおります。
タイヤと路面との接地状況を計測・予測・可視化するタイヤ解析技術「アルティメットアイ」を用いて開発した新商品は、タイヤに求められる様々な性能を高次元でバランスさせた高付加価値商品であり、高い評価をいただいております。
さらに、将来のモビリティ社会を見据えた新技術として、タイヤセンシング技術である「CAIS(カイズ)」コンセプトを進化させ、タイヤからの接地面情報を収集、解析し、降雪等の路面状態の変化を感知する路面状態判別技術を世界で初めて実用化しました。本技術の活用で効率的な道路管理が可能となり、安全運転支援や経費削減に貢献できるものと考えております。
また、従来のパラゴムノキ由来の天然ゴム資源に代わる原材料として「グアユール」に関する研究開発を進めており、「グアユール」由来の天然ゴムを使った最初のタイヤを完成させることで、「再生可能資源の拡充・多様化」に向け、大きな一歩を踏み出しました。
多角化部門では、集中事業と位置付ける商品群の強化を図ると共に、絶えず変化するニーズに的確にこたえ、お客様に満足いただける商品の提供や社会インフラを支える事業に関連する研究開発活動に取り組んでおります。その一例として、将来の社会インフラを担う燃料電池自動車向け水素ステーション用に高圧水素充填が可能となるホースを実用化しました。
さらに当社は、タイヤの空気圧・温度を遠隔監視する「B-TAG(ビー タグ)」に加え、鉱山現場においてコンベヤベルトの厚さを自動測定する「摩耗モニタリングシステム」を開発し、これらタイヤ及び多角化事業領域の技術をITと組み合わせ、新しいサービスとして提供する等、既存事業の枠を超えて顧客価値を提供するソリューションビジネスの競争力強化のための研究開発活動を強化しております。
なお、当期におけるグループ全体の研究開発費は949億円であります。部門別には、タイヤ部門では794億円、多角化部門では154億円であります。