有価証券報告書-第137期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 15:17
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【項目】
109項目

研究開発活動

当社グループは、平成23年に岩槻工場内にエンジニアリングセンターを開設しました。エンジニアリングセンターでは技術者を集約し各事業部門間の垣根を取り払い、お客様のニーズを的確に捉えた新たな複合化技術の開発に取り組んでいます。また評価解析、機能設計などの基盤技術にも力を入れて製品開発を進めています。
当連結会計年度の研究開発費の総額は12億8千8百万円であります。
当連結会計年度におけるセグメント別の主な研究開発活動は次のとおりであります。
(1) 産業用資材
工業用品部門では、特殊ゴム材料の開発をはじめ、当社の特徴である複合化技術により、ゴム、繊維、樹脂、金属など各種材料を最適設計し接着技術を組み合わせ、新たな高機能製品の開発を行っています。また特殊表面処理技術の開発により新しい機能を付加させることにも成功しています。国内外の自動車をはじめ多くの産業分野のお客様からのニーズに応えるべく、生産技術の開発にも力を入れ製品の開発を行っています。現在、電気自動車、ハイブリッド車用電池周辺機器用ゴム製品や、ガス燃料自動車、燃料電池自動車用途のゴム製品も多数量産化しています。さらなる高機能化を目指し開発を進めています。
制御機器部門では、市場の要望するモジュール化に注力し、医療分野、半導体分野向けを中心に新たな機能を付加した製品を継続的に開発しています。また新たに自動車分野にも検討が進んでいます。
電気材料部門では、情報通信及び電力関連用に導電材料、半導電材料、絶縁材料を用いた高機能部品の開発を行っています。また燃料電池分野、風力発電用ブレード関連分野などにも検討が進んでいます。
その他として、スチール製に比べて軽量化したCFRP(炭素繊維強化プラスチック)製ドライブシャフトをはじめとする各種CFRP製品については、自動車用機能部品及び各種産業分野への展開を進めています。またマグネシウム電池「WattSatt」をはじめとする電池関連製品、ゴム材料を利用した新しいセンサ製品の開発も進めています。
当セグメントにかかる研究開発費は8億9千万円であります。
(2) 引布加工品
引布部門では、当社の基盤技術である高機能ゴムシート及びゴムと布などを複合化した高機能ゴムシートの開発を行っています。特に厚さ0.1~0.3mmの極薄ゴムシートはさまざまな分野にて、いろいろな形状に加工され使用されています。配合、加工技術をベースにした新しい高機能ゴムシートの検討も進んでいます。
印刷機材部門では、市場を全世界に広げ、顧客志向に合わせた対応をさらに充実させるために、新ブランケット・FITシリーズを開発し提案しています。さらにプリンタブルエレクトロニクス分野では、ブランケット基盤技術から生まれたシリコーン製ブランケットを開発し高い評価を受けています。
加工品部門では、基盤技術であるゴム引布加工技術により、世界市場に向けて救命いかだをはじめとする救命関連製品の開発を行っています。また、いかだの高度な技術を応用して『災害用テント』を開発し、販売を開始しました。産業資材関連では官公庁、流通分野向けに新しい用途のゴム布加工製品の開発が進んでいます。
当セグメントにかかる研究開発費は2億1千万円であります。
(3) スポーツ用品
ゴルフ用カーボンシャフト部門では、複合化技術により誕生したシャフト『MCI』が市場で高く評価されています。この金属複合化特許技術を応用し、新しいシャフトの開発を進めています。また『SPEEDER』のコンセプトを継承し、最新の材料技術を複合した『Speeder EVOLUTIONⅡ』は好評を得ており、男女プロツアーでも多くの使用実績を挙げています。さらに、世界最軽量20g台シャフト『ZERO Speeder』の開発にも成功し発売に至りました。更なるゴルフシャフト性能を追求するため、ゴルファーのスイングを3次元で評価するシステムを導入し、ゴルファーのニーズより先を行く製品開発を進めています。
当セグメントにかかる研究開発費は1億8千8百万円であります。
(4) その他
該当事項はありません。