有価証券報告書-第73期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 10:47
【資料】
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【項目】
115項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月29日)現在において当社グループが判断したものです。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。そして、連結財務諸表の作成にあたり資産・負債の評価及び収益・費用の認識について重要な会計方針に基づき見積り及び仮定による判断を行っています。しかし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果と見積りが異なる可能性があります。
連結財務諸表の利用上重要と考える仮定設定及び見積りについての項目は次のとおりです。
①投資有価証券
連結貸借対照表に計上されている投資有価証券には、時価のある有価証券と時価のない有価証券が含まれています。そのうち、時価のある有価証券については、決算日の市場価格等に基づく時価により評価しています。時価評価されていない有価証券については原価法により評価していますが、投資先の資産内容の悪化等により投資価値が著しく低下し、回復する見込みがないと判断した場合には減損処理を行っています。
ただし、将来の市場環境の悪化及び投資先の業績不振等により、現在の簿価に反映されていない損失または簿価の回収不能が発生した場合には、評価損等の計上が必要となる可能性があります。
②繰延税金資産
連結貸借対照表に計上されている繰延税金資産の発生原因内訳については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 税効果会計関係」に記載のとおりです。繰延税金資産の回収可能性については、将来の課税所得の見積りなどを検討して回収可能性は十分あると判断しています。
ただし、将来市場環境の変化による業績の悪化等により繰延税金資産の全部または一部を回収できないと判断した場合には、この判断を行った連結会計年度に繰延税金資産を取崩し、費用として計上する可能性があります。
③貸倒引当金
貸倒引当金の計上基準は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4 会計方針に関する事項 (3) 重要な引当金の計上基準 ① 貸倒引当金」に記載のとおりです。
なお、貸倒実績率については過去3年間の貸倒実績に基づいて算定していますが、顧客等の支払能力の低下が貸倒実績率以上に発生した場合には、追加引当が必要となる可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度における連結売上高は209億30百万円と前期と比べ4億41百万円の減少(前期比2.1%減)となり、売上原価、販売費及び一般管理費の合計は190億23百万円と前期に比べ9億15百万円の減少(前期比4.6%減)となりました。営業利益は19億6百万円と前期と比べ4億74百万円の増加(前期比33.1%増)、経常利益は19億57百万円と前期と比べ4億25百万円の増加(前期比27.8%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は12億53百万円と前期と比べ3億18百万円の増加(前期比34.0%増)となりました。
(3)財政状態及びキャッシュ・フローの分析
①財政状態
(資産)
当連結会計年度末の流動資産は、受取手形及び売掛金、製品及び商品等の減少により、149億24百万円(前期比20百万円減少)となりました。固定資産は、有形固定資産、投資有価証券等の増加により63億72百万円(前期比2億86百万円増加)となりました。その結果、資産合計では、212億96百万円(前期比2億65百万円増加)となりました。
(負債)
当連結会計年度末の流動負債は、支払手形及び買掛金等の減少により70億35百万円(前期比5億62百万円減少)となりました。固定負債は、長期借入金等の減少により17億95百万円(前期比3億98百万円減少)となりました。その結果、負債合計では、88億31百万円(前期比9億60百万円減少)となりました。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、利益剰余金等の増加により124億65百万円になりました。これは、配当金の支払いがありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益12億53百万円によるものです。
②キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの分析につきましては、「1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(4)会社経営の基本方針と中期的な会社の経営戦略
①会社経営の基本方針
当社グループは、どんな環境下にあっても『ステークホルダーの信頼に応え続けること』を経営の基本としております。そのためには、『経営のあるべき姿』を次のように捉えています。
ア.顧客のニーズに合致するものを良質適価で提供する会社
顧客のニーズに合致するものを良質適価で提供する会社とは、市場の要求にいち早く対応できる会社であり、市場を創造できる会社です。創造的な高品質・高機能の商品をスピーディーに市場に投入できる開発力をもった会社であり、コスト競争力を実現できる技術力をもった会社です。
イ.安定した配当ができる会社
安定した配当ができる会社とは、長期に安定した株主価値の創造をし、配当を継続する会社です。
ウ.社会状況に適応した運営を行う会社
社会状況に適応した運営を行う会社とは、どんな環境下にあっても生き抜く適者たる存在になるために、環境に適応し続ける会社です。
エ.従業員が生活設計を描ける会社
従業員が生活設計を描ける会社とは、会社の展望を見える形で従業員に示せる会社であり、従業員自身は自分の役割を果たすことを通してエンプロイアビリティー(雇用される市場価値)向上を実現する会社です。
②中期的な会社の経営戦略
3ヶ年計画の方向性は次のとおりです。
ア.既存事業分野における選択と集中
事業内容を見直し、今後成長が期待できるコア分野に対して、市場への差別化商品の早期投入、効率的な営業により利益を実現していきます。また、将来性が見込めない事業分野及び商品については、縮小、撤退を図り、コア分野へ経営資源を集中させます。
イ.コストダウン
あらゆるプロセスにおいて、コストを削減します。
ウ.新規事業展開
コア・コンピタンスを生かしつつ、成長性ある事業・市場への展開に取り組みます。