四半期報告書-第124期第3四半期(平成27年7月1日-平成27年9月30日)
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況
為替レートの前提
当第3四半期連結累計期間(平成27年1月1日~平成27年9月30日)の世界経済は、米国では緩やかな景気拡大が継続しており、欧州においても景気の回復傾向が見られるようになりました。一方、中国においては経済成長が一段と鈍化してきており、ロシアやブラジルなど、多くの新興諸国においては景気の悪化が顕在化するなど、世界経済全体としては、総じて低調に推移しました。
わが国経済につきましても、円安の定着による企業収益の改善は継続しているものの、中国、アジア地域での需要の減退により輸出が停滞するなど、総じて低調に推移しました。
当社グループを取り巻く情勢につきましては、天然ゴム相場が引き続き低位で安定的に推移したことに加えて、為替の円安による輸出環境の改善がありましたが、海外市販市場における競合他社との競争が激化していることに加えて、多くの国・地域で市況が低迷するなど、引き続き厳しい状況で推移しました。
このような情勢のもと、当社グループは、2020年を目標年度とする長期ビジョン「VISION 2020」の実現に向けて、グループを挙げて事業の成長と収益力の向上を目指して様々な対策に取り組みましたが、新興諸国を中心とした販売環境の悪化により、主力のタイヤ事業において販売数量が前年同期を下回りました。
この結果、当社グループの連結売上高は590,057百万円(前年同期比2.5%増)、連結営業利益は42,503百万円(前年同期比13.4%減)と、円安の効果などにより増収でしたが、営業減益となりました。連結経常利益は43,559百万円(前年同期比15.6%減)となりましたが、グッドイヤー社とのアライアンス契約及び合弁事業の解消に伴う繰延税金資産の計上により、法人税等が減少したため、連結四半期純利益は38,729百万円(前年同期比22.1%増)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
1.タイヤ事業
タイヤ事業の売上高は、505,925百万円(前年同期比1.0%増)、営業利益は40,905百万円(前年同期比7.3%減)となりました。
国内市販用タイヤは、ダンロップブランドの長持ちする低燃費タイヤ「エナセーブ」シリーズを中心に拡販に努めましたが、前年の消費税率引き上げ以降の消費の冷え込みにより、販売数量、売上高は前年同期を下回りました。
国内新車用タイヤは、引き続き低燃費タイヤを中心とする高付加価値タイヤの納入拡大に努めましたが、自動車生産台数が前年同期を下回ったため、販売数量、売上高は前年同期を下回りました。
海外市販用タイヤは、中国では経済成長鈍化により消費マインドが減退したほか、ロシア、ブラジル、インドネシアなどでは消費の冷え込みに加えて、現地通貨安の影響により厳しい状況で推移しましたが、米国では景気の拡大により販売数量が大幅に増加したことに加えて、為替の円安効果などにより売上高は前年同期を上回りました。
海外新車用タイヤは、米国では新たな納入が継続的に拡大し、タイでは高シェア納入車種の好調な販売により販売数量が増加しましたが、中国では自動車メーカーの生産調整が行われたほか、インドネシアでもガソリン価格の値上がりなどにより自動車販売が停滞したため、全体の販売数量は減少しましたが、為替の円安効果などにより、売上高は前年同期を上回りました。
以上の結果、タイヤ事業の売上高は前年同期を上回りました。
2.スポーツ事業
スポーツ事業の売上高は、56,118百万円(前年同期比13.2%増)、営業利益は438百万円(前年同期比76.0%減)となりました。
国内市場では、ゴルフ用品市場が消費税率引き上げ以降低迷していた前年同期を上回るなか、松山英樹選手をはじめとする契約選手の活躍効果などにより好調に推移したため、売上高は前年同期を上回りました。
海外のゴルフ用品市場においては、米国は前年同期を金額ベースで上回りましたが、中国や東南アジアにおいては経済減速などにより伸び悩みました。このようななか、主力の「ゼクシオ エイト」を各国に積極展開しましたが、売上高は現地通貨ベースで前年同期を下回りました。
そのほか、前年第4四半期に新規参入しましたウェルネス事業が売上高の増加に寄与しました。
以上の結果、スポーツ事業の売上高は前年同期を上回りました。
3.産業品他事業
産業品他事業の売上高は、28,014百万円(前年同期比9.5%増)、営業利益は1,151百万円(前年同期比62.8%減)となりました。
スイスの医療用ゴム部品事業会社を1月に子会社化したことによる事業の拡大のほか、プリンター・コピー機用精密ゴム部品も海外市場を中心に順調に販売を伸ばしたことに加えて、為替の円安も増収に寄与しました。
以上の結果、産業品他事業の売上高は前年同期を上回りました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は17,939百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(1) 業績の状況
当第3四半期 連結累計期間 | 前第3四半期 連結累計期間 | 増減率 | ||
百万円 | 百万円 | % | ||
売上高 | 590,057 | 575,832 | 2.5 | |
タイヤ事業 | 505,925 | 500,701 | 1.0 | |
スポーツ事業 | 56,118 | 49,554 | 13.2 | |
産業品他事業 | 28,014 | 25,577 | 9.5 | |
営業利益 | 42,503 | 49,068 | △13.4 | |
タイヤ事業 | 40,905 | 44,138 | △7.3 | |
スポーツ事業 | 438 | 1,827 | △76.0 | |
産業品他事業 | 1,151 | 3,091 | △62.8 | |
調整額 | 9 | 12 | - | |
経常利益 | 43,559 | 51,627 | △15.6 | |
四半期純利益 | 38,729 | 31,728 | 22.1 |
為替レートの前提
当第3四半期 連結累計期間 | 前第3四半期 連結累計期間 | 増減 | ||
1米ドル当たり | 121円 | 103円 | 18円 | |
1ユーロ当たり | 135円 | 140円 | △5円 |
当第3四半期連結累計期間(平成27年1月1日~平成27年9月30日)の世界経済は、米国では緩やかな景気拡大が継続しており、欧州においても景気の回復傾向が見られるようになりました。一方、中国においては経済成長が一段と鈍化してきており、ロシアやブラジルなど、多くの新興諸国においては景気の悪化が顕在化するなど、世界経済全体としては、総じて低調に推移しました。
わが国経済につきましても、円安の定着による企業収益の改善は継続しているものの、中国、アジア地域での需要の減退により輸出が停滞するなど、総じて低調に推移しました。
当社グループを取り巻く情勢につきましては、天然ゴム相場が引き続き低位で安定的に推移したことに加えて、為替の円安による輸出環境の改善がありましたが、海外市販市場における競合他社との競争が激化していることに加えて、多くの国・地域で市況が低迷するなど、引き続き厳しい状況で推移しました。
このような情勢のもと、当社グループは、2020年を目標年度とする長期ビジョン「VISION 2020」の実現に向けて、グループを挙げて事業の成長と収益力の向上を目指して様々な対策に取り組みましたが、新興諸国を中心とした販売環境の悪化により、主力のタイヤ事業において販売数量が前年同期を下回りました。
この結果、当社グループの連結売上高は590,057百万円(前年同期比2.5%増)、連結営業利益は42,503百万円(前年同期比13.4%減)と、円安の効果などにより増収でしたが、営業減益となりました。連結経常利益は43,559百万円(前年同期比15.6%減)となりましたが、グッドイヤー社とのアライアンス契約及び合弁事業の解消に伴う繰延税金資産の計上により、法人税等が減少したため、連結四半期純利益は38,729百万円(前年同期比22.1%増)となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
1.タイヤ事業
タイヤ事業の売上高は、505,925百万円(前年同期比1.0%増)、営業利益は40,905百万円(前年同期比7.3%減)となりました。
国内市販用タイヤは、ダンロップブランドの長持ちする低燃費タイヤ「エナセーブ」シリーズを中心に拡販に努めましたが、前年の消費税率引き上げ以降の消費の冷え込みにより、販売数量、売上高は前年同期を下回りました。
国内新車用タイヤは、引き続き低燃費タイヤを中心とする高付加価値タイヤの納入拡大に努めましたが、自動車生産台数が前年同期を下回ったため、販売数量、売上高は前年同期を下回りました。
海外市販用タイヤは、中国では経済成長鈍化により消費マインドが減退したほか、ロシア、ブラジル、インドネシアなどでは消費の冷え込みに加えて、現地通貨安の影響により厳しい状況で推移しましたが、米国では景気の拡大により販売数量が大幅に増加したことに加えて、為替の円安効果などにより売上高は前年同期を上回りました。
海外新車用タイヤは、米国では新たな納入が継続的に拡大し、タイでは高シェア納入車種の好調な販売により販売数量が増加しましたが、中国では自動車メーカーの生産調整が行われたほか、インドネシアでもガソリン価格の値上がりなどにより自動車販売が停滞したため、全体の販売数量は減少しましたが、為替の円安効果などにより、売上高は前年同期を上回りました。
以上の結果、タイヤ事業の売上高は前年同期を上回りました。
2.スポーツ事業
スポーツ事業の売上高は、56,118百万円(前年同期比13.2%増)、営業利益は438百万円(前年同期比76.0%減)となりました。
国内市場では、ゴルフ用品市場が消費税率引き上げ以降低迷していた前年同期を上回るなか、松山英樹選手をはじめとする契約選手の活躍効果などにより好調に推移したため、売上高は前年同期を上回りました。
海外のゴルフ用品市場においては、米国は前年同期を金額ベースで上回りましたが、中国や東南アジアにおいては経済減速などにより伸び悩みました。このようななか、主力の「ゼクシオ エイト」を各国に積極展開しましたが、売上高は現地通貨ベースで前年同期を下回りました。
そのほか、前年第4四半期に新規参入しましたウェルネス事業が売上高の増加に寄与しました。
以上の結果、スポーツ事業の売上高は前年同期を上回りました。
3.産業品他事業
産業品他事業の売上高は、28,014百万円(前年同期比9.5%増)、営業利益は1,151百万円(前年同期比62.8%減)となりました。
スイスの医療用ゴム部品事業会社を1月に子会社化したことによる事業の拡大のほか、プリンター・コピー機用精密ゴム部品も海外市場を中心に順調に販売を伸ばしたことに加えて、為替の円安も増収に寄与しました。
以上の結果、産業品他事業の売上高は前年同期を上回りました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(3) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は17,939百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。