有価証券報告書-第169期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 10:54
【資料】
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【項目】
121項目

研究開発活動


当連結会計年度の研究開発活動は、新規製品と新技術の開発、既存製品の改良及び高付加価値化のためにコラーゲン、ゼラチン、ラミニンに代表される細胞外マトリックスを対象として、生化学、分子生物学、細胞生物学、栄養学、生理学等の基礎研究及び再生医療分野向けの応用開発を行っております。
具体的な研究開発項目につきましては、以下の通りであります。
(1) 大阪大学、京都大学との共同研究から生まれたiPS,ES細胞を効率良く培養できる新規細胞培養基質「iMatrix511」並びに臨床用にも用いることのできる「iMatrix511MG」を市場に供給しております。本年1月には、大阪大学とベンチャー「株式会社マトリクソーム」を共同で立ち上げ、さらに大阪大学内に寄付講座マトリクソームを設置いたしました。これら組織と緊密に連携して研究開発を進め、再生医療の基盤を支える製品をを国内外の研究者、医師、製薬企業に提供していきたいと考えております。
(2) 安全性の高い医療用コラーゲン、化粧品用コラーゲンの素材開発及び用途開発を行っております。また、医療用に用いることのできるメディゼラチンを開発し、いくつかの疾患に対応する製品の開発を行っております。製品開発、研究用コラーゲン、ゼラチン試薬の開発製造も行っております。
(3) コラーゲン健康食品については、コラーゲン経口摂取に関するヒト効能試験を行い、有望な結果を得ており、作用メカニズムに関しても研究を行っております。また、新機能を付加したコラーゲン・ペプチド製品の開発を進めております。
(4) 狂牛病検査キット(ニッピブルBSE検査キット)につきましては、平成20年度より営業活動を開始し、その性能性と操作性の良さが受け入れられ、本年は国内市場をほぼ独占しております。また、同時に開発したバイオマッシャー等理化学器具も販売をしております。
(5) 当研究所の研究能力を活用して、ペプチド・シークエンス、アミノ酸分析、コラーゲン各種分析等の受託研究を受注し、国内外の企業、研究機関から高く評価されております。
(6) 当社で発見しました新規コラーゲン分解酵素(コラゲナーゼ)の組み換え蛋白質製造法を確立し、移植医療への応用のための研究開発を行っております。また、研究用試薬としても販売をしております。
(7) 医薬品に用いる抗体組み換え蛋白質の効率の良い製造法を開発し、基本特許として知的財産化しました。さらに実証実験を含めた開発を進め、創薬研究に貢献したいと考えております。
上記のほか、化学架橋性ポリ塩化ビニルを用いた電線被膜、遮熱塩ビフィルム、耐熱マスキングフィルム等の既存製品販売のほか、ユーザー様の改良・改善の要望への対応を行っております。また、新製品として防汚フロアーマーキングフィルム、自動車用消音テープ他の開発を行っております。また、他企業と共同で防虫用フィルムの開発も行っております。
当連結会計年度の研究開発費の金額は、109百万円であります。
なお、研究開発費の金額の内容は、研究開発のために新規に購入、支出した直接的費用であり、人件費、減価償却費等の費用は含めておりません。
また、事業のセグメント別の研究開発費は、バイオマトリックス研究所において各セグメントの総合的、横断的研究開発活動を行っていること、また、経営資源の配分の決定及び業績を評価するための検討対象としていないことから区分しておりません。