有価証券報告書-第83期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/04 13:51
【資料】
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【項目】
136項目

研究開発活動


当社グループは、将来にわたる持続的成長と企業価値の向上を目指し、長期的な視点に立った事業戦略の立案と技術開発に取り組んでおります。
当社グループでは、既存事業の延長線上にある次世代技術及び長期的な視点に立った次々世代の研究開発を各事業部門が手がけております。また、新しい分野・領域の新規事業開発については、本社新事業開発部門が担当しております。
当連結会計年度のグループ全体の研究開発費の総額(継続事業)は、23,256百万円であり、主要課題及び研究成果は次のとおりであります。
(ライフケア)
ヘルスケア関連製品として、メガネレンズは、お客様のライフスタイルや生活バリエーションに幅広く応えるため、薄く・軽く・強い素材の開発や抗菌・防汚・防曇機能などの表面処理技術の開発、累進レンズや非球面レンズの開発、調光や偏光などの機能性レンズの開発を行っております。
メディカル関連製品として、医療用内視鏡は、病気の早期発見と身体への負担を軽減する低侵襲治療を念頭に微小病変部も見逃すことなく観察、治療出来る小型・高解像度の撮像デバイス及び画像処理技術や病変を確実に切除する治療用デバイスの製品開発を目指して日・米・欧の開発拠点が連携し各市場に適応した製品ラインナップの充実に向けた研究開発に取り組んでおります。
眼内レンズにおいては、従来の単焦点球面眼内レンズ、非球面眼内レンズ、乱視矯正を目的としたトーリック眼内レンズに加え、多焦点眼内レンズや焦点深度拡張型眼内レンズなど患者のクオリティオブライフ(生活の質)向上に適した多様な光学機能を持つレンズの開発を行っております。また、より簡便で手術時の患者の負担や感染症リスクの軽減を期待できるディスポーザブルインジェクターシステム、さらには眼科用手術用機器の開発に努めております。
当報告セグメントの当連結会計年度における研究開発費は、上記を含めて14,306百万円であります。
(情報・通信)
エレクトロニクス関連製品として、半導体用マスクブランクスは、EUV向けを含む先端品における高品質なマスクブランクスを安定供給できるよう開発を行っております。
FPD用フォトマスクにおいては高精細化するパネルに対応すべく機能性フォトマスクの開発、量産化に取り組んでおります。
ハードディスク用サブストレートにおいては、データセンター向け3.5インチ用基板を安定供給できるように開発を行っております。次世代記録方式のHAMR用基板、HDDの高容量化を実現するための高剛性、薄板化の開発を行っております。
映像関連製品においては、高性能CCTVに必要とされる夜間でも鮮明な撮影を可能にする機能を有する光学ガラスを開発し量産化いたしました。モールドレンズの技術開発においては、需要が拡大している車載カメラや監視カメラに使用される高性能高難度非球面レンズの開発を行っております。
当報告セグメントの当連結会計年度における研究開発費は、上記を含めて7,927百万円であります。
(本社新事業開発部門)
新規事業開発は当社グループにとって中・長期的な重要課題の一つで、新規事業を立ち上げるには事業領域の選定から始まり、研究開発からマーケティング、事業化に至るまで長年の年月を要します。
世界の技術革新を視野に入れて、眼内レンズなどの既存製品を超えた眼科領域での事業拡大、次世代の医療へ積極的に貢献するための低侵襲治療領域での事業拡大等、将来有望な成長領域を柔軟な発想で選定し、新しいベンチャー企業への出資や事業提携なども含め、企画・推進しております。
当連結会計年度は、眼科および内視鏡領域における既出資先ベンチャー企業へ追加資金投入しております。