有価証券報告書-第21期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/28 14:15
【資料】
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【項目】
174項目

研究開発活動

研究開発部門は、収益の源泉となる既存事業分野において最大の利益を獲得するために技術面での支援を確実に進めるとともに、資源・環境・海外・建材を成長事業分野と位置付け、17中期経営計画で基礎を築き、20中期経営計画以降において新しい利益を創出させるための研究開発を推進しております。
また、震災復興・原発対応をはじめ、インフラ老朽化などの喫緊の社会的課題に加え、2020年の東京オリンピック・パラリンピックなど国家的プロジェクトへの対応、CO2低減やリサイクル資源活用などの地球環境負荷低減に向けた研究開発にも精力的に取り組んでおります。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は4,311百万円であり、事業の種類別セグメントの主な研究開発活動の状況は以下のとおりであります。
1.セメント
トップブランドとしての最高品質の維持、セメント・コンクリートの需要拡大に取り組むとともに、セメント製造に関わるコスト低減と環境対策との両立を図るための研究開発を、セメント事業本部及び生産・設備部門等と連携して、推進しております。また、CO2排出量を低減する技術の研究開発も行っております。さらに、海外事業本部等と連携し、海外市場ニーズに即した混合セメント・コンクリートの材料設計や関連技術の開発を行っております。なお、当事業に係る研究開発費の金額は、2,374百万円であります。
2.資源
骨材資源や特殊骨材の価値極大化及び重金属不溶化材を中心とした汚染土壌対策技術の開発等を、資源事業部等と連携して、推進しております。また、当社が保有する石灰石及び珪石資源と、これまでに蓄積した水熱反応や粒子構造制御などの技術を活用した研究開発により、各種の機能性マテリアルの事業化に向けた研究開発にも鋭意取り組んでおります。なお、当事業に係る研究開発費の金額は、472百万円であります。
3.環境事業
セメント製造プロセスの特長を活用した各種廃棄物の再資源化技術の高度化、及び各種の廃プラスチックやバイオマス系の代替エネルギー使用等のCO2低減に資する技術開発に注力し、環境事業部等と連携して、着実に国内のセメント工場等へ展開しております。また、各種排水の処理・浄化及び藻場再生等の水環境事業、放射性汚染土壌・廃棄物の減容化技術、廃棄物からの金属資源回収技術等の新規技術開発にも積極的に取り組んでおります。これらの国内で実績のある環境関連技術を成長著しいアジア諸国等へ導出すべく、海外事業本部等と連携し、対象国・地域に見合う開発を行っております。なお、当事業に係る研究開発費の金額は、1,077百万円であります。
4.建材・建築土木
建設資材分野における新たな商材や技術の開発に、セメント事業本部及び建材事業部等と連携し、取り組んでおります。また、コンクリート舗装を中心とした、セメント・コンクリート需要拡大に向けた材料及び周辺技術開発とインフラ保全に対応するコンクリートの診断、補修・補強材料及び工法等の技術開発・市場展開についても、当社グループの企業とも連携しながら、グループ全体の技術力や収益の向上に寄与しています。なお、当事業に係る研究開発費の金額は、386百万円であります。