有価証券報告書-第135期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/29 9:21
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【項目】
88項目

対処すべき課題

平成27年度の日本経済は、政府の経済対策、日銀の金融政策の継続実施による景気の下支えが見込まれ、雇用・所得環境の改善から個人消費の持ち直しが期待されますが、海外経済の持つリスクの顕在化懸念など不安な要素を内包しております。
建設土木業界では震災復興、五輪関連のインフラ整備などを除けば公共事業は抑制基調に入ると思われます。また、労働者不足と人件費、原材料費の上昇等の構造的問題が深刻の度を加え、事業を取り巻く状況には厳しいものがあります。この状況を踏まえ、当社は「コンクリート製品の先端技術製造会社」の原点に立ち返り、お客様のニーズに寄り添いながら安全・安心で環境に優しい高品質な新製品・新工法を開発し、提供し、普及を図ってまいります。
また品質管理・製造原価低減の徹底、棚卸資産削減、販管費の見直しを進めて収益の向上を図り、経営体質の強化に弛みなく取り組んでまいります。
会社の支配に関する基本方針
(1)会社の支配に関する基本方針の内容
上場会社である当社の株式は株主、投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社の株式に対する大規模買付提案又はこれに類似する行為があった場合においても、一概に否定するものではなく、最終的には株主の皆様の自由な意思により判断されるべきであると考えます。
しかしながら、このような株式の大規模な買付や買付提案の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を強要するおそれのあるもの、対象会社の取締役会や株主が買付の条件等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないものなど、不適切なものも少なくありません。
当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方としては、経営の基本理念、企業価値のさまざまな源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させる者でなければならないと考えております。
従いまして、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付提案又はこれに類似する行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
(2)会社支配に関する基本方針の実現に資する取組み
当社では、多数の投資家の皆様に長期的に継続して当社に投資していただくため、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取組みとして、以下の施策を実施しております。これらの取組みは、会社の支配に関する基本方針の実現に資するものと考えております。
①「中期経営計画」による企業価値向上への取組み
当社は1923年の設立以降、コンクリート二次製品事業一筋で発展をしてまいりました。なかでも1966年に全国で初めてのコンクリート二次製品、PCボックスカルバートの開発により飛躍的な発展を遂げ、1975年2月にはABCグループ設立となり技術分権され、今日では日本PCボックスカルバート製品協会として全国で技術分権された企業が33社にも達し発展をしております。当社の今まで培ったボックスカルバートの技術は、PCボックスカルバート、PRCボックスカルバート、HTCボックスカルバートとなり、その周辺に関する技術開発、用途開発は多くの知的財産権を生み、近年では新しい工法として「TB(タッチボンド)工法」、「ECO-C・L(エコ・クリーンリフト)工法」を開発し、「TB(タッチボンド)工法」はTB(タッチボンド)工法研究会を発足させ、全国で急速に普及拡大をし企業発展につながっています。
平成23年3月11日に発生した東日本大震災は甚大な被害をもたらし、その後遺症が今も日本全体を覆い包んでいますが、国土強靭化を基に当社としては、今まで培った長年の経験に加え、永年蓄積された技術力をフルに活用し、安全・安心な国土の整備に携わり、企業としての社会的責任を果たし、この分野で成長する活力ある企業に邁進いたします。この為には、
ⅰ国土強靭化と共に新技術、新商品を駆使し社会へ貢献する
ⅱ(技術+品質+コスト)×販売力 で成長
ⅲ企業は数字なり
を戦略として、2013年より「RebirthⅢ 中期3ヶ年計画」grow up ASAHI(成長する旭へ)を策定いたしました。
(目標)
・「会社の発展と、株主へ安定した配当を持続できる利益を追求し、従業員の幸せな生活向上を実現する。」
・「コンクリート製品の先端技術製造会社でありつづけることを目指す。」
(経営方針)
◇企業の成長=(技術+品質+コスト)×販売力。
◇CSR重視の経営を目指す。
◇安全・安心で良質な製品を提供する。
◇三位一体の改革改善にて、たえず活性化を計り継続的な利益を追求する。
◇「組織力」「技術力」の充実を計り、旭独自技術の入った商品開発を迅速化する。
◇仕事に対する“情熱”“執念”“熱意”“気力”を持ち、新しい仕事にチャレンジする。
◇“企業は数字なり”を基に成果は数字で表す。
②コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
・当社は、経営指針(企業理念、社是、社針)を基に地球環境を守り、社会の一員として企業の発展に取組み、顧客、株主、また地域社会及び従業員等多くの関係者各位のご期待、ご信頼に応える収益力及び業容の拡大による事業基盤の強化を図ります。
(企業理念)
◇「誠意をもって、社会の安全・安心な環境整備に貢献し、株主・従業員及び家族の幸せを追求する。」
◇「最高の技術をもって社会に奉仕する。」
(社是)
「信用第一」
(社針)
「質の伴った量の拡大」
・当社は、取締役会及び監査役会の設置会社であり、経営者のこれら取組みに対して、取締役会(監督)の強化、監査役会(監査)の強化により厳格に監視します。
・当社では、多数の投資家の皆様に長期的な当社への投資を継続して頂くためコーポレート・ガバナンスを充実させ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるために取り組んでまいります。
(3)会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、会社支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるための取り組みとして、平成25年5月17日開催の当社取締役会において、「当社株式の大規模買付行為への対応策」(以下「本プラン」といいます。)の継続を決議し、平成25年6月27日開催の第133回定時株主総会(以下「本株主総会」といいます。)において、本プランの継続について承認を得ております。
その概要は以下の通りです。
本プランの対象となる当社株式の大規模買付行為とは、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株券等の買付行為をいい、かかる買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。
本プランにおける、大規模買付時における情報提供と検討時間の確保等に関する一定のルール(以下、「大規模買付ルール」といいます。)は、①事前に大規模買付者が当社取締役会に対して必要かつ十分な情報を提供し、②必要情報の提供完了後、対価を現金のみとする公開買付による当社全株式の買付けの場合は最長60日間、又はその他の大規模買付行為の場合は最長90日間を当社取締役会による評価・検討等の取締役会評価期間として設定し、取締役会評価期間が経過した後に大規模買付行為を開始する、というものです。
本プランにおいては、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置は講じません。但し、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合、遵守しても当該大規模買付行為が当社に回復し難い損害をもたらすなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断する場合には、必要かつ相当な範囲で新株予約権の無償割当等、会社法その他の法律および当社定款が認める検討可能な対抗措置をとることがあります。
このように対抗措置をとる場合、その判断の合理性及び公正性を担保するために、取締役会は対抗措置の発動に先立ち、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外監査役または社外有識者から選任された委員で構成する独立委員会に対して対抗措置の発動の是非について諮問し、独立委員会は対抗措置の発動の是非について、取締役会評価期間内に勧告を行うものとします。当社取締役会は、対抗措置を発動するか否かの判断に際して、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとします。
本プランの有効期限
平成28年6月に開催される当社第136回定時株主総会の終結の時までとします。本プランは、有効期間中であっても
ⅰ当社株主総会において本プランを廃止する旨の株主の一定割合の意思表示が行われた場合。
ⅱ当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議等が行われた場合。
その時点で廃止されるものとします。
継続後の本プランの詳細につきましては、当社インターネット上の当社ウェブサイト(http://www.asahi-concrete.co.jp)をご参照ください。
(4)上記取組みが会社の支配に関する基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでないことについて
本プランは、①買収防衛策に関する指針の要件を充足していること、②株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること、③合理的な客観的発動要件の設定、④独立性の高い社外者の判断の重視、⑤株主意思を重視するものであること、⑥デッドハンド型買収防衛策ではないこと等の理由から、基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうものではなく、かつ、当社経営陣の地位の維持を目的とするものではないと考えております。