有価証券報告書-第156期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/03/29 15:43
【資料】
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【項目】
122項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度(2017年1月1日から2017年12月31日)における世界経済は、欧米を中心に全般的に緩やかな持ち直し基調となりました。しかしながら、米国の政策運営、中国経済の動向、朝鮮半島の政治情勢、英国EU離脱に係る諸問題等、世界経済をとりまく不確実性は高く、今後の動向を注視していく必要があります。
このような情勢下、3ヵ年中期経営計画T-2018の2年目となった当期では、計画初年度で取り組んだ「構造改革」の成果を活かし、成長戦略に軸足を移してまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は前期比19.9%増の1,062億5千2百万円となりました。営業利益は前期比大幅増の114億8千6百万円となりました。経常利益は前期比大幅増の132億4千9百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は118億1千6百万円となりました(前期は79億2千9百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)。
セグメント別の業績は次のとおりです。
[カーボンブラック事業部門]
対面業界であるタイヤ業界及び自動車業界の堅調な推移、原料油価格変動分の価格改定実施、昨年の構造改革
の効果現出等により前期比増収増益となりました。
この結果、当事業部門の売上高は前期比26.6%増の478億2千8百万円となり、営業利益は前期比44.4%増の68億6千8百万円となりました。
[黒鉛電極事業部門]
黒鉛電極事業は構造的な需給不均衡による販売価格の下落を続けてきましたが、世界的な電極需要回復と主要原材料の供給不足を背景に、当期後半より電極市況は好転いたしました。しかしながら当期における前期比増益は主に構造改革の効果現出によるもので、本格的な売価改善の影響は翌期以降となります。
2017年11月より北米のTOKAI CARBON GE HOLDING LLCを連結対象としており、売上高21億8千万円を当期に織り込んでおります。
この結果、当事業部門の売上高は前期比14.0%増の236億1千万円となり、営業利益は17億4千8百万円となりまし
た(前期は12億9千万円の営業損失)。
[ファインカーボン事業部門]
一般産業用市場が堅調に推移するなか、太陽電池及び半導体市場も好調を維持しており、黒鉛素材、CVD/CC製品の需要が増加しております。これにより当社の生産設備は高稼働を維持しており、昨年度実施した合理化の効果現出や製品価格の上昇により、前期比増収増益となりました。
この結果、当事業部門の売上高は前期比11.8%増の144億4千7百万円となり、営業利益は17億3千8百万円となりました(前期は18億2千5百万円の営業損失)。
[工業炉及び関連製品事業部門]
工業炉の売上高は、主要な需要先である情報技術関連業界向け及びエネルギー関連業界向けとも設備投資が進んだことから前年比大幅増となりました。発熱体その他製品の売上高は、中国の電力インフラ向けが減少したものの、電子部品業界向け及びガラス業界向けの需要が堅調に推移したため前期比増となりました。
営業利益については、工業炉の増収並びに発熱体事業における中国子会社の収益改善等が寄与し前期比増となりました。
この結果、当事業部門の売上高は前期比30.1%増の68億2千3百万円となり、営業利益は前期比160.0%増の13億4千2百万円となりました。
[その他事業部門]
摩擦材
産業用ロボットを含む工作機械、建設機械、鉱山機械等の需要が増え摩擦材販売は好調に推移しました。
この結果、摩擦材の売上高は前期比14.0%増の86億7千1百万円となりました。
負極材
世界的な環境規制強化に伴い電気自動車市場が拡大しておりリチウムイオン二次電池用負極材の販売量も増加いたしました。
この結果、負極材の売上高は、前期比12.3%増の46億4千万円となりました。
その他
不動産賃貸等その他の売上高は、前期比18.3%増の2億3千万円となりました。
以上により、当事業部門の売上高は前期比13.5%増の135億4千2百万円となり、営業利益は前期比64.3%増の8億5
千8百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比63億7千6百万円減の221億4千5百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は、税金等調整前当期純利益となったことなどにより収入が増加したものの、たな卸資産の増加などにより収入が減少し、前連結会計年度比69億6千2百万円収入減の、105億4千3百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出などにより、前連結会計年度比104億1千6百万円支出増の、140億3千9百万円の支出となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は、短期借入金の増加などにより、前連結会計年度比30億7千9百万円支出減の、45億3千4百万円の支出となりました。