有価証券報告書-第53期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/22 16:11
【資料】
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【項目】
87項目

事業等のリスク

当社の業績は、今後起こりうる様々な要因により大きな影響を受ける可能性があります。以下において、当社の事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。
当社はこれらリスクの可能性を認識した上で、適宜適切な経営対応に努める方針であります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)業績の変動要因
スパンクリート事業は、建設業界の動向に大きく影響されます。特に、リーマンショック以前に売上の6割強を占めていたマンション床材の需要、すなわちマンション建設の動向が、当社の受注量及び工場の稼働率を大きく左右します。工期の短縮に資する当社の製品需要は、特に高層マンション向けには競争力を有しているものと認識しておりますが、マンションの受注状況が、当社の業況を大きく左右するものと思われます。
また、近年大きな経営圧迫要因として問題化しております円安等による原材料の高騰があります。このコストアップは、極力全社挙げての効率化、合理化により吸収することは当然でありますが、それにも限度があり、大宗は顧客の理解の下、販売価格の引き上げを認めてもらうことで吸収することが不可欠であります。建設業界の状態が必ずしも良好でない環境下で、難航が予想される値上げ浸透の度合、所要時間が当社の業績を大きく左右します。
さらには、現在鉄道関連の需要が一時的に減少しており、その受注動向が当社の業績に影響を与えます。
(2)価格競争及び競合
当社は、工法が類似した同業者に加え、製法は異なるが同機能を有する製品の製造業者と競合しております。当社が取り扱う製品は、価格及び品質において競争力を有していると確信しており、その維持強化に鋭意努めておりますが、将来に亘り競争力を維持できる保証はありません。
(3)戦略製品の開発販売
当社の戦略製品であるスパンクリートのJスラブ(組立床工法)・Mスラブ(補強鉄筋入り床パネル)・土木関連等の製品が順調に市場に受け入れられるか否か、その動向如何によっては当社の業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。
(4)製品が重量物であるがための事故のリスク
重量物であるスパンクリート製品の工場や工事現場での運搬には、クレーンや重機等を使ったハンドリングを必要とします。安全対策には万全を期しておりますが、気象条件等による事故のリスクは考慮すべきと思われます。
(5)経年劣化等による事故のリスク
スパンクリート製品は建物の床・壁、駅舎のプラットホームや鉄道の防音壁等に幅広く使われております。品質管理には万全の注意を払っておりますが、据付場所によっては、漏水や塩害等により想定を超える耐力の劣化が進み、あるいは施工時の取り付け部材等の不具合を起因として事故が発生することがないとは言えず、その場合は業績に何らかの影響を及ぼす可能性があります。
(6)不動産市況の動向と賃貸ビル事業
当社は、オフィスビル4棟を所有し不動産事業を営んでおり、当面賃料推移・稼働率とも堅調でありますが、将来不動産市況によっては賃料水準や稼働率が影響を受け業績が左右されることがあります。
また、4棟とも建物の状態は良好ではあるものの、その内2棟は築25年から26年を経過しており、7年前に大規模修繕を実施しましたが、将来に亘りさらに修繕を要する可能性があり、その修繕費の多寡によっては業績に影響を及ぼすことがあり得ます。
(7)大株主である三菱商事株式会社との関係
当社と三菱商事株式会社及びその子会社である三菱商事建材株式会社との間には、重要な資本関係、商取引及び人的関係があります。従って、同社との関係に何らかの変更が生じた場合には、当社の事業に影響を与える可能性があります。
(8)東日本大震災の影響
平成23年3月11日発生した東日本大震災は当社の業績に大きな影響を与えましたが、今後も、(イ)電力供給の状態、(ロ)電力料金の動向、(ハ)放射性物質関連の風評被害等々により、業績に何らかの影響を与えることがあり得ます。