有価証券報告書-第60期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/27 16:24
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【項目】
62項目

業績等の概要

(1) 業績
(百万円)

前連結会計年度当連結会計年度増 減
金 額売上高比
(%)
金 額売上高比
(%)
増減金額増減率
(%)
売上高1,280,054100.01,447,369100.0167,31513.1
営業利益76,9266.0120,5828.343,65656.8
税引前当期純利益101,3637.9146,26810.144,90544.3
当社株主に帰属する当期純利益66,4735.288,7566.122,28333.5
希薄化後1株当たり当社株主に帰属する
当期純利益 (円)
181.18-241.93---
米ドル平均為替レート (円)83-100---
ユーロ平均為替レート (円)107-134---

(注)当社は、平成25年10月1日に普通株式1株を2株に分割する株式分割を実施したことにより、「希薄化後1株当たり当
社株主に帰属する当期純利益」については、米国において一般に認められた会計原則における1株当たり利益に係る基準に準拠し、当該株式分割を前連結会計年度の期首に実施したものと仮定して算出しています。
京セラグループは、創業以来、ファインセラミック技術をベースに新技術、新製品開発や新市場創造を進めてきました。また、素材・部品からデバイス、機器、システム、サービスに至るグループ内の経営資源を活用し、事業の多角化により成長を図るとともに、情報通信機器、産業機械、自動車、環境・エネルギー関連市場向けに、多種多様な製品の開発・製造・販売及びサービスの提供をグローバルに行っています。
当連結会計年度(平成25年4月1日から平成26年3月31日まで)の国内経済は、公共投資の増加や個人消費の堅調な伸びに支えられ回復基調で推移しました。海外においては、米国経済は個人消費や民間投資、輸出の増加により拡大し、また、中国経済も安定的な成長を継続しました。一方、欧州経済は持ち直しの兆しは見られたものの、依然として低調に推移しました。
当社の主要市場であるデジタルコンシューマ機器市場においては、従来型の携帯電話端末やPCの出荷台数は前連結会計年度(平成24年4月1日から平成25年3月31日まで)に比べ減少しましたが、スマートフォンやタブレット端末の出荷台数は増加しました。自動車市場においては、中国や米国を中心に販売台数は堅調に増加し、また、国内の太陽電池市場は公共・産業用の需要が著しく伸びたことにより、前連結会計年度に比べ大幅に拡大しました。
当連結会計年度においては、主要市場における需要増を確実に捉えるとともに、グループの総合力による受注獲得や原価低減に努めた結果、前連結会計年度に比べ増収増益となりました。当連結会計年度の連結売上高は全ての事業セグメントで増収となり、前連結会計年度の1,280,054百万円に比べ13.1%(167,315百万円)増加の1,447,369百万円となり、過去最高となりました。
利益については、増収効果や生産性の向上を図ったことにより、部品事業及び機器事業ともに前連結会計年度に比べ大幅な増益となりました。更に、前連結会計年度には米国連結子会社AVX Corporationが環境汚染浄化費用を計上していたこともあり、営業利益は前連結会計年度の76,926百万円に比べ56.8%(43,656百万円)増加の120,582百万円、税引前当期純利益は前連結会計年度の101,363百万円に比べ44.3%(44,905百万円)増加の146,268百万円、当社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度の66,473百万円に比べ33.5%(22,283百万円)増加の88,756百万円となりました。
なお、当連結会計年度の平均為替レートは、対米ドルは前連結会計年度の83円に比べ17円(約20%)円安の 100円、対ユーロは前連結会計年度の107円に比べ27円(約25%)円安の134円となりました。この結果、前連結会計年度に比べ売上高は約140,000百万円、税引前当期純利益は約29,000百万円、それぞれ押し上げられることとなりました。
なお、AVX Corporationにおける環境汚染浄化費用については、「第2 事業の状況 7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績に重要な影響を与えた要因」を参照下さい。
[レポーティングセグメントの状況]
(百万円)

売上高前連結会計年度当連結会計年度増 減
金 額構成比
(%)
金 額構成比
(%)
増減金額増減率
(%)
ファインセラミック部品関連事業74,8525.980,0205.55,1686.9
半導体部品関連事業167,24113.1187,89113.020,65012.3
ファインセラミック応用品関連事業211,43916.5272,79518.961,35629.0
電子デバイス関連事業271,57021.2284,32219.612,7524.7
部品事業計725,10256.7825,02857.099,92613.8
通信機器関連事業177,31413.8186,74912.99,4355.3
情報機器関連事業250,53419.6307,84821.357,31422.9
機器事業計427,84833.4494,59734.266,74915.6
その他の事業159,90212.5173,13711.913,2358.3
調整及び消去△32,798△2.6△45,393△3.1△12,595-
売上高計1,280,054100.01,447,369100.0167,31513.1

(百万円)

税引前当期純利益前連結会計年度当連結会計年度増 減
金 額売上高比
(%)
金 額売上高比
(%)
増減金額増減率
(%)
ファインセラミック部品関連事業7,61410.211,83614.84,22255.5
半導体部品関連事業30,37918.231,88917.01,5105.0
ファインセラミック応用品関連事業17,9248.533,50112.315,57786.9
電子デバイス関連事業△4,014-21,1607.425,174-
部品事業計51,9037.298,38611.946,48389.6
通信機器関連事業1,3400.81,4370.8977.2
情報機器関連事業21,7508.728,1939.26,44329.6
機器事業計23,0905.429,6306.06,54028.3
その他の事業10,5426.66,2763.6△4,266△40.5
事業利益計85,5356.7134,2929.348,75757.0
本社部門損益及び持分法投資損益17,248-11,889-△5,359△31.1
調整及び消去△1,420-87-1,507-
税引前当期純利益101,3637.9146,26810.144,90544.3

① ファインセラミック部品関連事業
当事業セグメントの売上高は、半導体製造装置用部品をはじめとした産業機械市場や自動車関連市場向けに需要が堅調に伸びたことにより、前連結会計年度に比べ増加しました。また、事業利益は主要製品の売上増及び原価低減の効果により大幅に増加しました。
② 半導体部品関連事業
デジタルカメラ向けの需要は低迷したものの、スマートフォン向け等のセラミックパッケージや有機パッケージの需要増を主因に、当事業セグメントの売上高及び事業利益は増加しました。加えて、有機基板事業の強化を目的に平成25年10月に連結子会社化した京セラサーキットソリューションズ㈱の売上も貢献しました。
③ ファインセラミック応用品関連事業
ソーラーエネルギー事業の売上高が国内の公共・産業用を中心に大幅に増加しました。また、機械工具事業の売上高も自動車市場向けを中心に増加しました。この結果、当事業セグメントの売上高及び事業利益は前連結会計年度に比べ大幅に増加し、利益率も2桁へと収益性の改善が図られました。
④ 電子デバイス関連事業
構造改革を実施したことにより一部製品の売上高及び利益は減少したものの、主要製品の売上増や原価低減の取り組みの効果により、前連結会計年度に比べ増収増益となりました。特に、コンデンサやコネクタの売上が自動車及びスマートフォン向けに増加しました。また、前連結会計年度にはAVX Corporationが環境汚染浄化費用を計上していたこともあり、大幅な増益となりました。
⑤ 通信機器関連事業
振動で音を伝えるスマートソニックレシーバー等、当社独自の機能を持つスマートフォンや携帯電話端末の新製品を国内外で積極的に投入したことに加え、大手客先開拓による海外市場での販売台数の増加により、当事業セグメントの売上高及び事業利益は前連結会計年度に比べ増加しました。
⑥ 情報機器関連事業
積極的な新製品の投入及び拡販活動を進めたことにより、機器の販売台数が伸びました。また、新興国市場の開拓により中国等での売上が伸びました。この結果、当事業セグメントの売上高及び事業利益は前連結会計年度に比べ大幅に増加しました。
⑦ その他の事業
当事業セグメントの売上高は、京セラコミュニケーションシステム㈱の増収等により、前連結会計年度に比べ増加しました。しかし、事業利益は、新技術・新製品開発のための研究開発費の増加により、前連結会計年度を下回りました。
[地域別売上高]
(百万円)

売上高前連結会計年度当連結会計年度増 減
金 額構成比
(%)
金 額構成比
(%)
増減金額増減率
(%)
日本574,20244.9643,42344.469,22112.1
アジア235,52018.4274,51219.038,99216.6
欧州198,86815.5247,70017.148,83224.6
米国215,03216.8217,23015.02,1981.0
その他の地域56,4324.464,5044.58,07214.3
売上高計1,280,054100.01,447,369100.0167,31513.1

① 日本向け売上高
ソーラーエネルギー事業の売上高が公共・産業用を中心に増加したことに加え、新たに子会社となった京セラサーキットソリューションズ㈱の売上貢献もあり、日本向けの売上高は前連結会計年度に比べ増加しました。
② アジア向け売上高
情報機器関連事業や、コネクタ及びコンデンサ等の電子デバイス関連事業の売上高が増加したことに加え、円安の効果もあり、アジア向けの売上高は前連結会計年度に比べ増加しました。
③ 欧州向け売上高
情報機器関連事業や電子デバイス関連事業の売上高の増加及び円安の効果により、欧州向けの売上高は前連結会計年度に比べ増加しました。
④ 米国向け売上高
電子デバイス関連事業の売上高は減少したものの、情報機器関連事業の売上高が増加した結果、米国向けの売上高は前連結会計年度に比べ微増となりました。
⑤ その他の地域向け売上高
情報機器関連事業及び通信機器関連事業の売上高の増加により、その他の地域向けの売上高は前連結会計年度に比べ増加しました。
(2) キャッシュ・フローの状況
(百万円)

前連結会計年度当連結会計年度
営業活動によるキャッシュ・フロー109,489149,141
投資活動によるキャッシュ・フロー△66,142△101,141
財務活動によるキャッシュ・フロー△31,431△32,805
現金及び現金等価物に係る換算差額20,25014,525
現金及び現金等価物の増加額32,16629,720
現金及び現金等価物の期首残高273,288305,454
現金及び現金等価物の期末残高305,454335,174

① 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・インは149,141百万円となり、前連結会計年度の109,489百万円に比べ39,652百万円(36.2%)増加しました。これは主に、非支配持分帰属損益控除前当期純利益の増加と受取債権のキャッシュ・フローへの調整が、その他の流動及び固定負債のキャッシュ・フローへの調整を上回ったことによるものです。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・アウトは101,141百万円となり、前連結会計年度の66,142百万円に比べ34,999百万円(52.9%)増加しました。これは主に、満期保有有価証券の購入の増加が、定期預金及び譲渡性預金の預入の減少を上回ったことによるものです。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・アウトは32,805百万円となり、前連結会計年度の31,431百万円に比べ1,374百万円(4.4%)増加しました。これは主に、配当金支払額の増加が、短期債務の返済の減少と長期債務の調達の増加を上回ったことによるものです。
なお、前連結会計年度末に比べ当連結会計年度末は欧米通貨に対し円安となったことを主因として、現金及び現金等価物は換算により14,525百万円増加しました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金等価物は、前連結会計年度末の305,454百万円から29,720百万円(9.7%)増加し335,174百万円となりました。当社の現金及び現金等価物の大部分は円建ですが、海外の連結子会社では主として、米ドルを含む外貨建の現金及び現金等価物を保有しています。