有価証券報告書-第96期(平成26年4月1日-平成26年12月31日)

【提出】
2015/03/30 9:49
【資料】
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【項目】
121項目

業績等の概要

当社は当連結会計年度から決算期(事業年度の末日)を3月31日から12月31日に変更しています。決算期変更の経過期間となる当連結会計年度は、連結対象期間(当社及び国内連結子会社:平成26年4月1日~同年12月31日、海外連結子会社:平成26年1月1日~同年12月31日)が前連結会計年度と異なるため、前連結会計年度との比較増減を記載しておりません。なお、経過期間の措置として、海外連結子会社の平成26年1月1日から同年3月31日までの損益については、連結貸借対照表における株主資本の利益剰余金に直接加減しています。
(1) 業績
当連結会計年度においては、世界経済は、欧州では緩やかな持ち直しの動きが見られた一方、一部地域をめぐる地政学的リスクや原油安の影響などもあり予断を許さぬ状況が続きました。米国では、堅調な雇用情勢や個人消費の増加などにより、景気回復が進みました。また、中国では景気に減速感が見られたものの、引き続き安定した成長を維持しました。国内経済は、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動の影響を受けつつも、雇用の改善や堅調な株式市況などを背景に緩やかに回復しました。
このような中、当社グループ(当社及び連結子会社)においては、販売面では、電子・情報用ガラスは、主力の液晶ディスプレイ(LCD)用基板ガラスが需要回復の一方で製品価格が下落し、販売は低調に推移しました。モバイル端末用カバーガラスは、採用機種や販路の拡大に成果が見られたものの、ハイエンド機種の需要減速の影響を受け伸び悩みました。電子デバイス用ガラスは、イメージセンサ用カバーガラスの販売がデジタルカメラ市場の不振により低迷しました。一方、光関連ガラスは、通信インフラ需要の拡大を背景に好調な販売が続きました。太陽電池用基板ガラスは、概ね堅調でした。なお、プラズマディスプレイ用基板ガラスは、顧客の撤退により第2四半期連結会計期間(平成26年7月1日~同年9月30日)をもって販売を終了し、ブラウン管用ガラスは、市場縮小の影響により第3四半期連結会計期間(平成26年10月1日~同年12月31日)をもって成形生産を終了しました(一部在庫品の加工・販売は継続)。その他用ガラスでは、ガラスファイバは、自動車部品向け高機能樹脂用が北米を中心とする自動車市場の拡大を背景に、また、セメント強化用が海外を中心に受注を増やし、それぞれ販売が増加しました。建築用ガラスは、国内の大型物件や海外物件の受注が増加し販売が回復しました。耐熱ガラスは、景気回復の動きに沿って緩やかに持ち直しました。医薬用管ガラスは、海外向けの販売を中心に概ね堅調に推移しました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は1,926億92百万円となりました。
損益面では、生産性改善や費用削減などにおいて一定の成果があったものの、製品価格の下落や原燃料コストの上昇、電気硝子(Korea)株式会社の新設備の稼働に係る費用、開発コストなどが利益を下押しし、営業利益は52億23百万円となりました。一方、主として、円安による為替差益が寄与し、経常利益は68億83百万円となりました。また、ガラス溶解炉の修理予定がなくなったことに伴い特別修繕引当金を戻入したことなどにより、当期純利益は59億38百万円となりました。
なお、当社グループのセグメントは、ガラス事業単一です。
(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) キャッシュ・フローの状況
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
税金等調整前当期純利益は低調でした。近年の設備投資により減価償却費が高い水準でした。また、電気硝子(Korea)株式会社の第2期投資設備の生産開始などにより仕入債務が増加しました。これらにより、営業活動によって得られた資金は388億37百万円となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
主として、電気硝子(Korea)株式会社の第2期投資に係る固定資産の取得による支出があったため、投資活動に使用した資金は292億64百万円となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
社債の償還や長期借入金の返済及び配当金の支払いがあった一方で、新たな社債の発行による収入があり、財務活動によって得られた資金は16億98百万円となりました。
上記に、現金及び現金同等物に係る換算差額10億45百万円、及び、決算期変更に伴う現金及び現金同等物の減少額63億81百万円を合わせ、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、1,298億23百万円となりました。