有価証券報告書-第96期(平成26年4月1日-平成26年12月31日)

【提出】
2015/03/30 9:49
【資料】
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【項目】
121項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1) 財政状態
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比較して241億63百万円増加し、7,311億84百万円となりました。
流動資産は164億98百万円増加しました。新たな社債発行などにより現金及び預金が増加しました。また、販売回復などにより受取手形及び売掛金が増加しました。
固定資産は76億64百万円増加しました。電気硝子(Korea)株式会社の第2期投資の完工により建物及び構築物が増加する一方、建設仮勘定が減少しました。また、株式市況の回復に伴う投資有価証券の増加などにより投資その他の資産が増加しました。
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して123億94百万円増加し、2,086億7百万円となりました。
流動負債は42億68百万円減少しました。電気硝子(Korea)株式会社の第2期投資設備の生産開始などにより支払手形及び買掛金が増加する一方、1年内償還予定の社債を償還しました。
固定負債は、166億62百万円増加しました。新たに社債を発行した一方、ガラス溶解炉の修理予定がなくなったことに伴う特別修繕引当金の取り崩しがありました。
なお、当社グループでは、柔軟な財務・投資戦略の実行、並びに事業環境急変への備えのため、財務体質強化の施策として、有利子負債(長短借入金、社債及びコマーシャル・ペーパー)について対連結売上高比率を将来的に20%とする事を基本に、継続的にその削減に取り組んでいます。当連結会計年度末の有利子負債残高は、新たな社債の発行などにより1,091億40百万円(前連結会計年度末は994億92百万円)となりました。
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比較して117億69百万円増加し、5,225億77百万円となりました。株式市況の回復によりその他有価証券評価差額金が、また、主要な通貨において円安に振れたことから為替換算調整勘定がそれぞれ増加しました。
これらの結果、当連結会計年度末における自己資本比率は前連結会計年度末の71.2%から1.0ポイント低下し、70.2%となりました。
(注)当連結会計年度末:当社及び国内・海外連結子会社(平成26年12月31日)
前連結会計年度末:当社及び国内連結子会社(平成26年3月31日)、海外連結子会社(平成25年12月31日)
(2) 経営成績
ディスプレイ用ガラス分野では、主力の液晶ディスプレイ(LCD)用基板ガラスの出荷が増加したものの、製品価格の下落が継続し、厳しい事業環境が続きました。こうした中、当社グループでは、韓国及び中国へ生産能力の移管を進め、最新鋭設備による高効率の生産とコスト低減による収益性の改善、並びに成長市場における積極的な事業展開を図っています。
一方、ノンディスプレイ用ガラス分野においては、自動車市場の成長に伴い高機能樹脂用ガラスファイバの販売が拡大したほか、光関連ガラスや建築用ガラスなどの販売も好調に推移し、全体として損益も改善傾向を示しました。
当連結会計年度においては、世界経済は、欧州では緩やかな持ち直しの動きが見られた一方、一部地域をめぐる地政学的リスクや原油安の影響などもあり予断を許さぬ状況が続きました。米国では、堅調な雇用情勢や個人消費の増加などにより、景気回復が進みました。中国では景気に減速感が見られたものの、引き続き安定した成長を維持しました。国内経済は、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動の影響を受けつつも、雇用の改善や堅調な株式市況などを背景に緩やかに回復しました。
当連結会計年度の業績については、売上面では、ガラスファイバや光関連ガラスなど複数の事業で好調な需要を背景に出荷が増加したものの、主力のLCD用基板ガラスの製品価格の下落や、モバイル端末用カバーガラスの需要減速の影響を受け売上が伸び悩み、売上高は1,926億92百万円となりました。損益面では、生産性改善や費用削減などにおいて一定の成果があったものの、製品価格の下落や原燃料コストの上昇、電気硝子(Korea)株式会社の新設備稼働に係る費用、開発コストなどが利益を下押ししました。一方、主として円安による為替差益が経常利益を、また、ガラス溶解炉の修理予定がなくなったことに伴う特別修繕引当金の戻入が当期純利益をそれぞれ押し上げました。
売上総利益は279億97百万円となり、営業利益は52億23百万円となりました。この結果、売上高営業利益率は2.7%となりました。また、経常利益は68億83百万円となりました。
特別利益は、前述の特別修繕引当金の戻入などにより61億90百万円となり、特別損失は、減損損失などにより38億90百万円となりました。この結果、特別利益から特別損失を差し引いた純額は23億円となりました。
これらによって、税金等調整前当期純利益は91億83百万円となりました。これに法人税、住民税及び事業税24億57百万円及び法人税等調整額などを計上した結果、当期純利益は59億38百万円となりました。なお、1株当たりの当期純利益金額は、11円94銭(前連結会計年度は24円99銭)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当社グループにおいては、需要動向に対応した稼働、在庫の適正化、費用の削減などキャッシュ・フロー重視の事業運営により、事業環境の変化に耐え得る強固な経営・財務体質を目指しています。
当連結会計年度における当社グループのキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローでは、税金等調整前当期純利益が低調であった一方で、近年の設備投資により減価償却費が高い水準でした。また、電気硝子(Korea)株式会社の第2期投資設備の生産開始などにより仕入債務が増加しました。これらにより、営業活動によって得られた資金は388億37百万円となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、主として電気硝子(Korea)株式会社の第2期投資に係る固定資産の取得による支出があったため、投資活動に使用した資金は292億64百万円となりました。
これらにより、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローの合計)は95億72百万円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、社債の償還や長期借入金の返済及び配当金の支払いがあった一方で、新たな社債の発行による収入があり、財務活動によって得られた資金は16億98百万円となりました。
上記に、現金及び現金同等物に係る換算差額10億45百万円、及び、決算期変更に伴う現金及び現金同等物の減少額63億81百万円を合わせ、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、1,298億23百万円となりました。
(注)上記(2) 経営成績及び(3) キャッシュ・フローの状況については、当連結会計年度の連結対象期間が前連結会計年度と異なるため比較増減を記載しておりません。