四半期報告書-第99期第2四半期(平成29年4月1日-平成29年6月30日)

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2017/08/14 9:20
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31項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中における将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1)経営成績の分析
当第2四半期連結累計期間(平成29年1月1日~平成29年6月30日)においては、世界経済は、欧州や米国では個人消費の増加や雇用情勢の改善を背景に景気は緩やかな回復が続きました。中国では各種政策効果もあり、持ち直しの動きが見られました。国内経済においても、個人消費や雇用情勢の改善等を背景に緩やかな回復が続きました。
このような中、当第2四半期連結累計期間における当社グループの業績は、売上高、利益ともに前第2四半期連結累計期間(平成28年1月1日~平成28年6月30日)と比べ大きく増加いたしました。
電子・情報の分野においては、液晶ディスプレイ(LCD)用基板ガラスの出荷は当第2四半期連結会計期間(平成29年4月1日~平成29年6月30日)に入り増加に転じ、価格の下落幅は一段と縮小しました。モバイル端末用カバーガラス(化学強化専用ガラス)の販売は、安定的に推移しました。電子デバイス用ガラスでは、イメージセンサ用カバーガラスがレンズ交換式デジタルカメラ向けを中心に底堅く推移したほか、機能性粉末ガラスなどが伸長しました。光関連ガラスでは、一部の製品が低調に推移したものの、その他は概ね堅調でした。太陽電池用基板ガラスは、需要は減少しつつも販売は安定的に推移しました。
機能材料・その他の分野においては、ガラスファイバは、主として自動車部品向け高機能樹脂用途の旺盛な需要を背景に堅調な販売が続きました。昨年10月にPPG社より取得した欧州ガラス繊維事業なども販売面で寄与しました。耐熱ガラスや医薬用管ガラスは概ね堅調に推移したものの、建築用ガラスは国内大型物件を中心に販売が伸び悩みました。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は1,332億6百万円(前年同四半期連結累計期間比12.7%増)となりました。
損益面においては、売上高の増加や生産性の改善等が利益を押し上げ、営業利益は162億66百万円(前年同四半期連結累計期間比86.7%増)、経常利益は159億78百万円(前年同四半期連結累計期間は5億68百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は120億38百万円(前年同四半期連結累計期間は12億70百万円の純損失)となり、いずれも前第2四半期連結累計期間を上回る結果となりました。
なお、当社グループのセグメントは、ガラス事業単一です。
(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)財政状態の分析
[総資産]
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末と比較して23億84百万円減少し、6,915億33百万円となりました。流動資産では、1年以内償還の社債を償還したことや、配当金の支払いなどにより現金及び預金が減少しました。固定資産では、減価償却が進んだことなどにより有形固定資産が減少しました。また、一部の投資有価証券の評価額が増加したことから、投資その他の資産のその他が増加しました。
[負債]
当第2四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して148億82百万円減少し、1,694億71百万円となりました。流動負債では、短期借入金を返済した一方で、返済期限が1年以内の長期借入金を短期借入金へ振り替えたことにより、短期借入金が増加しました。また、前述の通り、1年以内償還の社債を償還しました。固定負債では、前述の振り替えに伴い長期借入金が減少しました。
[純資産]
当第2四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末と比較して124億97百万円増加し、5,220億61百万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益の増加により利益剰余金が増加したほか、その他有価証券評価差額金が増加しました。
これらの結果、当第2四半期連結会計期間末における自己資本比率は前連結会計年度末の72.7%から2.1ポイント上昇し、74.8%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
税金等調整前四半期純利益が増加しました。減価償却費は高水準ですが前年同四半期連結累計期間比で減少しました。一方、たな卸資産が増加しました。これらの結果、当第2四半期連結累計期間において営業活動によって得られた資金は244億37百万円(前年同四半期連結累計期間比74億37百万円の収入増)となりました。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
国内外の設備の増強などにより、当第2四半期連結累計期間において投資活動に使用した資金は80億63百万円(同29億2百万円の支出減)となりました。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
社債の償還や、株主への配当金及び子会社における非支配株主への配当金を支払ったことなどにより、当第2四半期連結累計期間において財務活動に使用した資金は184億41百万円(同153億7百万円の支出増)となりました。
上記に、現金及び現金同等物に係る換算差額△1億69百万円を合わせ、当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比べ22億36百万円減少し、1,239億30百万円となりました。
(4)対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題に重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当社グループは、「ガラスの持つ無限の可能性を引き出し、モノづくりを通して、豊かな未来を切り拓きます。」という企業理念を実現することを目的に研究開発活動に取り組んでいます。また、製造プロセスと製品開発の統合的な進化を目指し、その成果を当社の中長期の成長のための経営戦略に反映させていきます。
当社の研究開発活動は、「基礎的研究開発」と「事業部門開発」から成っています。
「基礎的研究開発」は、基盤技術開発と戦略的開発で構成されます。基盤技術開発は、主としてスタッフ機能部門(技術本部、製造技術統括本部)が担当しています。科学的なアプローチに基づき、新材料・新技術、製品化技術、分析評価技術、製造プロセス技術の研究開発をライン部門(各事業部)と密接に連携をとりながら行っています。また、戦略的開発については、スタッフ機能部門とライン部門が、事業戦略に基づく中期的開発課題について密接に連携し取り組んでいます。そのための情報解析や企画立案は、事業戦略部が支援しています。一方、「事業部門開発」は、主としてライン部門が担当し、各事業分野の発展につながる製品及び製造プロセス技術の研究開発を、スタッフ機能部門と密接に連携をとりながら行っています。
当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費は28億27百万円となりました。これは、基礎的研究開発に9億99百万円、事業部門開発に18億28百万円を使用したものです。
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(注)上記金額には、消費税等は含まれておりません。