有価証券報告書-第88期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/29 13:12
【資料】
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【項目】
135項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 事業固有のリスクについて
① ベントナイト事業
鋳物用ベントナイトの主要納入先は自動車関連産業でありますが、100年に1度の変革期を迎えている自動車業界は、CASE「(Connected(コネクティッド)、Autonomous/Automated(自動化)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化))」対応・EV化の加速により、ベントナイトの販売減少につながるリスクがあり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
土木用ベントナイトにつきましては、基礎杭工事および地熱、シールドマシン向けが主要納入先でありますが、掘削に関して、新技術の開発や新工法の出現により、ベントナイトの使用が減少し、販売の減少につながるリスクがあり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
② アグリ事業
アグリ事業につきましては、農薬等の受託生産が中心であるため、委託元の販売不振や委託方針の変化および天候等により、受注の減少につながるリスクがあり、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、少量多品種化、環境基準や品質基準が厳しくなることにより収益性が悪化する恐れがあります。
③ 化成品事業
化成品事業につきましては、ファインケミカル関係において、環境規制強化にともなう市場ニーズの変化や、代替技術・素材の出現が、業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う当社グループ及び各事業へのリスクについて
当社グループでは新型コロナウイルス感染症による不透明な状況が続くとみており、新型コロナウイルス感染症以降の新常態への転換を図り、財務基盤の安定・強化を推進してまいります。また、各事業への影響とその対応策につきましては、下記の通りとなります。
① ベントナイト事業
鋳物分野につきましては、需要の回復基調が見られますが、再度の感染拡大も懸念されており、不透明な状況が継続する見通しであります。引き続き原料再編による製造経費圧縮および、WEBを活用した営業スタイルへの転換を図り、収益の確保に努めてまいります。
土木分野につきましては、引き続き復興関連需要への取り込みを推進し、需要増に対応できるよう安定供給体制の確保を進めてまいります。
② アグリ事業
農薬は例年並みの需要の見通しであり、受託製造への影響はないものと考えております。引き続き生産性向上および製剤技術向上を推進してまいります。
③ 化成品事業
ファインケミカル分野で大幅な回復基調が見られますが、再度の感染拡大も懸念されており、不透明な状況が継続する見通しであります。安定した需要獲得に向けて、引き続き新分野・新商品開発を推進してまいります。
(3) 他社との競合と販売価格の変動について
当社グループの主要事業であるベントナイト事業、アグリ事業および化成品事業は、いずれも市場での厳しい競争にさらされております。そのため、新技術や新製品の開発、あるいは、競合他社との価格低減競争等により、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 貸倒れについて
当社グループは、十分な与信管理を行っておりますが、取引先に予期せぬ貸倒れが発生した場合は、追加的な損失や引当金の計上が必要となり、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 為替相場の変動について
当社グループは、原料の一部を海外から輸入しております。そのため、為替相場の変動によるリスクをヘッジする目的で、為替予約等で対策を講じております。しかしながら、リスクヘッジにより為替相場変動の影響を緩和することは可能であっても、影響を完全に排除することは不可能であり、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 原料の確保について
当社グループには、鉱山会社が3社あり、原鉱採掘を行っております。毎年、探鉱ボーリングを実施して原鉱埋蔵量の確保は行っておりますが、災害や事故等の発生により、採掘が不可能になる危惧や、品質の低下および原鉱の枯渇等が発生する危惧があります。また、一部海外より原鉱を輸入しておりますが、原鉱の輸入につきましても、災害や事故等の発生や国際情勢の変化等により、輸入が困難となる危惧があります。こうした状況の発生が経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) エネルギー価格の変動について
当社グループでは、主に製造工程において重油や電力等のエネルギーを使用しております。これらのエネルギー価格の変動により、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 原材料の仕入価格について
当社グループでは、原鉱の輸入の他様々な原材料を外部より購入しております。これらの原材料は、為替相場の変動や原油価格の変動、その他の要因等によって仕入価格が上昇するおそれがあり、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 製品の品質に係るものについて
当社グループでは、徹底した品質管理のもとで製品を製造しておりますが、すべての製品が完全無欠という保証はありません。また、製造物賠償責任保険等に加入しておりますが、これらの保険が賠償額の全額を賄える保証もありません。そのため、製品の欠陥が、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 災害等による影響について
当社グループは、鉱山および工場において安全対策等を十分に実施しておりますが、大規模な地震や近隣の火山の噴火、火災、事故等が発生した場合は、生産、出荷等が著しく低下するおそれがあり、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 法的規制について
当社グループの行う事業に適用される主な法的規制として、鉱山でのベントナイト原鉱石採掘に関連する採石法、アグリ事業での製品製造に関連する農薬取締法等があります。これらの関係法令は社会情勢の変化等に応じて適宜、改正や解釈の変更等が行われる可能性があります。その場合には経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。主な法的規制に関する許認可の内容は以下のとおりです。
① 採石法関連
当社グループは、採石法第32条に定める採石業者登録および採石法第33条で定める採取計画の許認可を以下のとおり受けております。なお、現状これら許認可等について、その継続に支障をきたす要因は発生しておりませんが、万一、採石法第32条の10および第33条の11、12の規定やその他の関連法令に抵触する等により、業務停止又は取消し等の処分を受けることとなった場合には、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
取得年月許認可等の名称所管官庁等許認可等の内容有効期限
1971年10月採石業者登録宮城県採石法第32条による宮城県採石登録第69号
川崎鉱業㈱
なし
1971年10月採石業者登録新潟県採石法第32条による新潟県採石登録第9号
関ベン鉱業㈱
なし
1995年1月採石業者登録山形県採石法第32条による山形県採石登録第601号
クニマイン㈱
なし
2000年4月採石業者登録宮城県採石法第32条による宮城県採石登録第5000号
当社蔵王工場
なし
2020年3月岩石採取計画認可宮城県採石法第33条による宮城県(産立)指令第119号
当社蔵王工場
2025年2月
2017年8月岩石採取計画認可宮城県採石法第33条による宮城県(産立)指令第38号
川崎鉱業㈱
2022年7月
2021年8月岩石採取計画認可山形県採石法第33条による山形県指令村総産企第17号
クニマイン㈱
2026年8月
2021年6月岩石採取計画認可新潟県採石法第33条による新潟県津振第620号
関ベン鉱業㈱ 細越鉱山
2025年12月
2019年11月岩石採取計画認可新潟県採石法第33条による新潟県津振第369号
関ベン鉱業㈱ 白崎鉱山
2024年10月

② 農薬取締法関連
当社グループは、農薬取締法第2条に定める農薬登録につきまして、当社小名浜工場、郡山工場および太田工場において、製造品目ごとに農薬登録票の許認可を受け、製造場の名称および所在地登録を行っております。なお、現状これら登録について、その継続に支障をきたす要因は発生しておりませんが、万一、農薬取締法第14条の規定やその他の関連法令に抵触する等により、業務停止又は取消し等の処分を受けることとなった場合には、経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 情報セキュリティについて
当社グループは、事業活動を通じてお客様や取引先の個人情報および機密情報を入手することがあり、また、営業・技術上の機密情報を保有しております。 当社グループでは、これら情報に関する管理体制の強化と社員教育を展開し、適切なセキュリティ対策を講じています。しかしながら、予想を超えるサイバー攻撃、不正アクセス、コンピューターウィルス侵入等により、重要情報が流出した場合や、重要データの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合は、当社グループの信用低下により、業績および財務状況に影響を及ぼす場合があります。
(13) 環境について
当社グループは、事業活動による地球環境への影響を認識し、CO2排出量の削減や資源の有効活用に努め、環境負荷の低減を進めております。 しかしながら、CO2の排出に対する新たな規制等が導入された場合には、ベントナイト事業を中心に当社グループの事業活動が制約を受けたり、事業活動に係る費用が増加したりする可能性があります。