訂正有価証券報告書-第120期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2015/11/11 15:19
【資料】
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【項目】
141項目

事業等のリスク

当報告書に記載している事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下のとおりであり、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 主要原材料の価格並びに製品の販売価格の影響について
鉄鋼製品の主原材料価格は、国際的な資源需給の動向等の影響を受けます。当社グループでは、国内外の需要に見合ったフレキシブルな生産・営業体制を堅持するとともに、鋼材の需給動向や製造コストを勘案しながら、販売価格の改善を更に進めていく方針であります。しかしながら、主原料の国際商品市況が急激に変化した場合、製造コストの上昇分に見合った販売価格への転嫁を早期に実施することは困難であるため、当社グループの経営成績は影響を受ける可能性があります。また、原油価格の変動に伴う重油・ガソリン・天然ガスなど、燃料価格の上昇は、製造プロセスにおける燃料コストや販売運送コストに大きな影響を与える可能性があります。
② 最終ユーザーの需要動向について
当社グループが製造している鉄鋼製品は、総合商社や鉄鋼商社、問屋や溶断業者などを通じて最終ユーザーに販売されております。最終ユーザーは、主として建設、建設機械や産業機械などに属する企業であることから、建設需要の低迷や建設機械や産業機械の生産量の減少など、最終ユーザーにおける鉄鋼需要そのものが低迷した場合、当社グループの経営成績は影響を受ける可能性があります。
③ 固定資産減損損失について
当社グループの固定資産の時価が著しく下落した場合や事業の収益性が悪化した場合には、固定資産減損会計の適用により固定資産について減損損失が発生し、当社グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。
④ 借入金依存度について
将来金利水準が大きく変動した場合、当社グループの経営成績並びに財政状態は影響を受ける可能性があります。
⑤ 事業活動にかかる環境規制について
鉄鋼事業活動の過程で発生する廃棄物、副産物等の扱いは、国内外の法規制を遵守し、的確な対応を行っております。しかしながら、将来において環境規制が強化された場合、例えば、CO2の排出者に対する環境税の導入等が行われた場合には、鉄鋼事業活動が制約を受け、業績に影響を与える可能性があります。
⑥ 災害等が発生した場合の影響について
当社の船町工場をはじめとする当社グループの各製造工場が、大規模な台風、地震等の自然災害に見舞われた場合、あるいは重大な労働災害、設備事故等が発生した場合には、操業に支障をきたし、業績に影響を与える可能性があります。
⑦ 電気料金の値上げ等の懸念について
当社製品の素材である鉄源の約半分は自社電気炉材で賄っております。電気炉にとって電気料金は原材料費に次ぐ主要コストであり、原発停止の継続や再生可能エネルギーの固定価格買取制度のスタートにより電気料金が上昇した場合には、損益に大きな影響を与える可能性があります。また、計画停電が実施されますと生産停止となり大幅な減産となる可能性があります。
⑧ 投資有価証券の価値変動
上場株式の株価変動などに伴う投資有価証券の価値変動は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼします。また、年金資産を構成する上場株式の株価変動により、退職給付会計における数理計算上の差異が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 上場の維持について
当社グループは前連結会計年度末において、158億63百万円の債務超過でありましたが、債権放棄等及び第三者割当増資によって当連結会計年度中に債務超過を解消いたしました。なお、関係金融機関等に対して依頼した債権放棄等の額は、前事業年度の末日における債務総額の10%以上となることから、株式会社東京証券取引所の有価証券上場規程第601条第1項第7号に抵触しましたが、当社は上場維持のため有価証券上場規程同号に基づく再建計画等の審査に係る申請を行い、同取引所により再建計画が適当と認められ、かつ、債権放棄等の合意がなされ、再建計画を開示した日の翌日から1ヶ月間の平均時価総額及び当該1ヶ月間の最終日の時価総額のいずれもが10億円以上でありましたので、平成25年7月19日に同取引所より上場維持の報告を受けております。
⑩ 将来の見通し等の未達について
当社グループは、株式会社地域経済活性化支援機構の再生支援決定を受けた事業再生計画を遂行し、抜本的な事業再構築に取り組み、企業価値の最大化に努めてまいります。当該事業再生計画は、当時において適切と考えられる情報や分析等に基づき策定しておりますが、上記の様々な要因により、計画した全ての目標の達成、又は期待される成果の実現に至らない可能性があります。
なお、当社グループは、前連結会計年度まで継続的に営業損失を計上し、第1四半期連結会計期間末まで債務超過の状態にあり、関係金融機関等から借入金元本の返済猶予を受けている状況にありました。当社グループは、当該状況を解消すべく事業再生計画を策定し、「業界トップクラスのロー・コスト経営の確立」を目指し、厚板工場休止など不採算製品・事業からの撤退等により組織のスリム化を徹底するとともに、工場運営の効率化や徹底したコスト削減等をグループ一丸となって進めてまいりました結果、当連結会計年度において5年ぶりに黒字を達成することができました。さらに、当該事業再生計画に基づき、当社は、機構による再生支援の下で、①関係金融機関等に対して602億9百万円の債権放棄等の金融支援を依頼し、②連結子会社5社(中山三星建材株式会社、中山通商株式会社、三星商事株式会社、三星海運株式会社及び三泉シヤー株式会社)との株式交換によりグループ一体経営を強化した上で、③新日鐵住金株式会社、阪和興業株式会社、日鐵商事株式會社(現 日鉄住金物産株式会社)、エア・ウォーター株式会社、大阪瓦斯株式会社、及び大和PIパートナーズ株式会社を引受先とする第三者割当増資により90億12百万円の資金調達を実施いたしました。上記②の株式交換につきましては平成25年7月9日に効力が発生し、同年7月10日には発行可能株式総数を3億株から7億株に増加する旨の定款変更の効力が発生しました。また、上記①の債権放棄および③の第三者割当増資は同年8月27日にそれぞれ実行いたしました。
これらの諸施策を実行したことにより、当連結会計年度末において債務超過の状況は解消され、営業利益において黒字を達成したことから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況は存在していないと判断しております。
なお、現時点では予測できない上記以外の事象の発生により、当社グループの経営成績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。