四半期報告書-第162期第2四半期(平成26年7月1日-平成26年9月30日)

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2014/11/05 14:29
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第2四半期連結累計期間の我が国経済は、消費増税に伴う駆け込み需要の反動影響がみられたものの、政府の各種経済対策などを背景に、企業収益の改善や設備投資の増加、公共投資が引き続き高水準で推移するなど、景気は総じて回復基調が継続しました。海外では、米国においては緩やかながら景気回復基調が継続しましたが、欧州においては引き続き景気は低調に推移し、中国及び東南アジアにおいても、景気の減速基調が継続しました。
このような経済環境のもと、当社グループにおいては、鋼材の販売数量は、消費増税に伴う駆け込み需要の反動により、自動車向けの需要が減少したことや、当社加古川製鉄所における生産トラブルの影響などから、前年同期を下回りました。アルミ圧延品の販売数量は、国内の飲料用缶材の需要が増加したほか、輸出の拡販に取り組んだことなどから、前年同期を上回りました。銅圧延品の販売数量は、銅板条においては自動車用端子や半導体、銅管においてはエアコン向けの需要が堅調に推移したことなどから、前年同期を上回りました。油圧ショベルの販売台数は、拡販が順調に進捗している欧米などにおいては増加したものの、国内及び東南アジアにおいては減少したことから、前年同期を下回りました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、前年同期に比べ266億円増収の9,160億円となり、営業利益は、前年同期に比べ27億円増益の571億円、経常利益は、前年同期に比べ30億円増益の461億円となりました。一方、四半期純利益は、前年同期に投資有価証券売却益などを計上していたこともあり、前年同期に比べ20億円減益の421億円となりました。
当第2四半期連結累計期間のセグメント毎の状況は以下のとおりであります。
[鉄鋼事業部門]
鋼材については、消費増税に伴う駆け込み需要の反動により、自動車向けの需要が減少したことや、当社加古川製鉄所における生産トラブルの影響などから、販売数量は、前年同期を下回りました。また、販売価格は、期末に向けて上昇した前年度末の水準で推移したことから、前年同期を上回りました。
鋳鍛鋼品の売上高は、造船向けの需要が回復基調にあったことから、前年同期を上回りました。一方、チタン製品の売上高は、前年同期を若干下回りました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、前年同期並の3,866億円となりましたが、経常利益は、収益を押し上げていた在庫評価影響の剥落もあり、前年同期に比べ51億円減益の104億円となりました。
[溶接事業部門]
溶接材料の販売数量は、国内において造船向けの需要が回復基調にあったことや、建築向けの需要が堅調に推移したことから、前年同期を上回りました。また、溶接システムの売上高についても、国内建築向けの需要が堅調に推移したことから、前年同期を上回りました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比8.8%増の456億円となり、経常利益は、前年同期に比べ18億円増益の46億円となりました。
[アルミ・銅事業部門]
アルミ圧延品の販売数量は、国内の飲料用缶材の需要が増加したほか、輸出で飲料用缶材や自動車向けの拡販に取り組んだことなどから、前年同期を上回りました。アルミ鋳鍛造品の売上高は、海外における自動車向けの需要が堅調に推移したことなどから、前年同期を上回りました。
銅圧延品の販売数量は、銅板条においては自動車用端子や半導体、銅管においてはエアコン向けの需要が堅調に推移したことなどから、前年同期を上回りました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比9.0%増の1,615億円となりましたが、経常利益は、エネルギーコストの上昇や在庫評価影響の悪化などもあり、前年同期に比べ19億円減益の60億円となりました。
[機械事業部門]
海外を中心に石油精製・石油化学業界向けの圧縮機の需要は引き続き堅調に推移したことから、当第2四半期連結累計期間の受注高は、前年同期並の737億円となり、当第2四半期連結累計期間末の受注残高は、1,421億円となりました。
また、当第2四半期連結累計期間の売上高は、タイヤ・ゴム機械の大型案件の売上計上が集中したことなどから、前年同期比2.3%増の730億円となり、経常利益は、前年同期に比べ11億円増益の32億円となりました。
[エンジニアリング事業部門]
当第2四半期連結累計期間の受注高は、震災復興に関連した廃棄物処理業務及び維持管理業務を中心に受注を積み上げたものの、ロシア向け大型還元鉄プラントを受注した前年同期と比べると27.6%減の145億円となり、当第2四半期連結累計期間末の受注残高は、807億円となりました。
また、当第2四半期連結累計期間の売上高は、震災復興に関連した大型案件の売上計上があった前年同期と比べると、8.6%減の190億円となり、経常損失は、前年同期に比べ3億円悪化し、5億円となりました。
[神鋼環境ソリューション]
当第2四半期連結累計期間の受注高は、廃棄物処理関連事業での受注量が増加したこともあり、前年同期比22.8%増の452億円となり、当第2四半期連結累計期間末の受注残高は、653億円となりました。
また、当第2四半期連結累計期間の売上高は、大型廃棄物処理案件などの売上計上があった前年同期と比べると、12.1%減の271億円となり、経常利益は、前年同期に比べ6億円減益の3億円となりました。
[コベルコ建機]
油圧ショベルの販売台数は、拡販が順調に進捗している欧米などにおいては増加し、中国においても、前年同期との比較では増加したものの、排ガス規制、消費増税に伴う駆け込み需要の反動影響がみられた国内、政情不安のあった東南アジアにおいては減少したことから、全体としては前年同期を下回りました。
一方、販売エリアや機種の構成変化もあり、当第2四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比4.1%増の1,697億円となり、経常利益は、前年同期に比べ59億円増益の161億円となりました。
[コベルコクレーン]
クローラクレーンの販売台数は、国内においては公共投資の増加などを背景に引き続き需要が高水準で推移したことから増加し、海外においても、需要が堅調に推移したアジア向けなどで増加したことから、前年同期を上回りました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比40.8%増の358億円となり、経常利益は、前年同期に比べ14億円増益の31億円となりました。
[その他]
神鋼不動産(株)においては、賃貸事業は堅調に推移したものの、分譲事業においては引渡戸数が減少しました。(株)コベルコ科研においては、試験研究事業において、自動車関連を中心に需要が堅調に推移しました。
以上の状況から、その他の事業全体の当第2四半期連結累計期間の売上高は、前年同期比5.2%減の304億円となり、経常利益は、前年同期に比べ5億円減益の19億円となりました。
(注) 売上高・受注高には消費税等は含まれておりません。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローに係る収入が797億円、投資活動によるキャッシュ・フローに係る支出が△392億円、財務活動によるキャッシュ・フローに係る支出が△928億円となりました。
以上の結果、換算差額を含めた当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物の残高は、前第2四半期連結累計期間末に比べ773億円減少の1,153億円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
法人税等の支払額が増加したことなどから、当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、前第2四半期連結累計期間に比べて50億円減少し、797億円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資有価証券の売却による収入が減少したことなどから、当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、前第2四半期連結累計期間に比べて302億円支出が増加し、△392億円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
社債の償還による支出が増加したこと、配当金の支払額が増加したことなどから、当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、前第2四半期連結累計期間に比べて378億円支出が増加し、△928億円となりました。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(「会社支配に関する基本方針」)は以下のとおりであります。
1. 基本方針の内容
当社は上場会社として、株式の自由な取引のなかで、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に資する形であれば、支配権の移動を伴う大規模な株式買付行為であっても、当然是認されるべきであると考えております。
しかしながら、一方、昨今のわが国の資本市場においては、株主・投資家などに十分な情報開示が行なわれることなく、突如として株式等の大規模買付けが行なわれる事例が少なからず見受けられます。こうした大規模な株式買付行為および提案の中には、当社に回復し難い損害をもたらすおそれのあるものを内容として含むものや、株主の皆様に大規模買付行為を受け入れるか否かを検討するのに必要な情報と時間を提供しないものも想定されます。このような行為は、いずれも当社の企業価値、ひいては株主共同の利益を著しく損なうおそれのあるものです。
特に、当社は素材関連や機械関連など様々な事業を行なっており、事業の裾野が広い分、多様なステークホルダーや、様々な事業により生み出されるシナジーが存在しますが、これら全てが当社独自の企業価値の源泉であると考えております。そして、これらのステークホルダーとの関係および事業間のシナジーについて十分な理解のない大規模買付者が当社の財務および事業の方針の決定を支配した場合には、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益が毀損される可能性もあります。したがって、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益を向上させる上で必要不可欠な、当社の経営理念、企業価値を生み出す源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係などを十分に理解し、その結果として当社の企業価値、ひいては株主共同の利益を確保、向上させる者でなければならないと考えております。これに反して、上述のような大規模な株式買付行為および提案を行なう者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
当社をとりまく事業環境をみると、国際的な競争激化の中、企業買収は依然として活発な状況にあり、当社の経営方針に影響を与えるような当社株式の大規模な買付行為が将来行なわれる可能性は否定できません。
一方、こうした大規模買付行為の際に利用される公開買付制度については、少なくとも現在の制度に基づく限り、株主が大規模買付行為の是非を判断するための情報と検討期間が十分に確保できない場合もありえるといわざるをえません。
すなわち、国内外で行なわれている大型のM&A案件を見ると、友好的に行なわれる場合であっても、合意に至るまでに半年を超えて交渉を行なう事例も少なくありません。企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するためには、経営陣との事前の合意無く行なわれる大規模買付行為においても、友好的に行なわれるのと同等の情報開示と評価検討期間が確保されることが必要であり、これを確保するための手続きが、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者を株主が選ぶにあたって必要であると当社は考えます。
以上を考慮した結果、当社といたしましては、大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供することを大規模買付者に求め、株主の皆様および当社取締役会のための一定の検討評価期間が経過した後にのみ当該大規模買付行為を開始するというルールを設定する必要があると考えております。
2. 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の会社支配に関する基本方針の実現に資する特別な取組み
(1) 「中長期経営ビジョン」による企業価値向上への取組み
当社グループは、平成22年4月に神戸製鋼グループ「中長期経営ビジョン『KOBELCO VISION“G”』」を策定し、現在、この実現に向け取り組んでおります。
「中長期経営ビジョン『KOBELCO VISION“G”』」とは、多様な素材系、機械系のビジネスで培った神戸製鋼グループならではの知識・技術をさらに融合することにより、
・グローバル市場において存在感のある企業グループ
・安定収益体質と強固な財務基盤を備え持つ企業グループ
・株主・取引先・従業員・社会と共栄する企業グループ
の3つを5年~10年後の神戸製鋼グループ像として目指すものです。当社グループは、安全・コンプライアンスへの取組みを徹底した上で、以下の基本方針の下、様々な事業を展開しております。
『KOBELCO VISION“G”』の基本方針
(ⅰ)オンリーワンの徹底的な追求
(ⅱ)「ものづくり力」の更なる強化
(ⅲ)成長市場への進出深化
(ⅳ)グループ総合力の発揮
(ⅴ)社会への貢献
※「中長期経営ビジョン『KOBELCO VISION“G”』」の内容の詳細は、当社ホームページ(http://www.kobelco.co.jp)プレスリリース欄 平成22年4月14日付「神戸製鋼グループ『中長期経営ビジョン』」をご覧ください。
(2) コーポレート・ガバナンス(企業統治)の強化による企業価値向上への取組み
当社は、内部統制システムに基づき、コーポレート・ガバナンス(企業統治)の充実と、万全なコンプライアンス体制の確立に全力を挙げ、企業価値の向上に取り組んでおります。
3. 会社支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
平成25年6月26日開催の定時株主総会において、不適切な者によって当社の財務および事業の方針が決定されることを防止するための取組みとして、次のプラン(以下、「本プラン」といいます。)のご承認をいただきました。
<本プランの概要>本プランは当社株券等に対する大規模買付行為が行なわれる場合に、以下の手順を定めております。
(1) 本プランの趣旨
当社株券等の持株割合が15パーセント以上となる当社株券等に対する大規模買付行為が行なわれる場合に、株主の皆様がこのような買付行為を受け入れるか否かを検討するために必要かつ十分な情報を事前に提供することを大規模買付者に求めるとともに、提供された情報に基づき、当社取締役会が当該大規模買付行為について検討評価を行なうための期間を設け、かかる期間が経過するまで大規模買付行為が開始されないようにすることを定めたものです。
(2) 独立委員会の設置
当社取締役会の恣意的な判断を防止し、本プランに則った手続きの客観性、公正性、合理性を担保するため、独立委員会を設置しております。独立委員会の委員は、3名以上とし、社外の弁護士、公認会計士、税理士、学識経験者等及び社外の経営者と社外取締役によって構成いたします。
(3) 必要情報の提供
大規模買付者の提案が企業価値ひいては株主共同の利益を高めるものか否かについて判断するため、大規模買付者に対し、株式取得の目的、買付対価の算定根拠、買付資金の裏付け、株式取得後の経営方針等について、情報提供を求めます。
ただし、提供される情報は、株主並びに当社取締役会および独立委員会が大規模買付行為の是非を適切に判断するために必要かつ十分な範囲に限定されるものとし、独立委員会は、大規模買付者に延々と情報提供を求めるなどの濫用的な運用は行ないません。
(4) 検討評価
独立委員会が大規模買付行為の是非を判断するのに必要かつ十分な情報提供を受けたと判断した旨を開示した日から、円貨の現金のみとする全部買付けの場合は60日間、これ以外の場合は90日間を当社取締役会および独立委員会の検討評価期間として確保いたします。
独立委員会は、この間、大規模買付行為の妥当性や対抗措置の発動の是非等を判断し、その検討の結果を取締役会に勧告いたします。
独立委員会が当社取締役会に対して対抗措置を発動すべき旨の勧告をする場合には、当社社外取締役を務める委員のうち、少なくとも1名が賛成していることを必要とするものといたします。
※検討評価期間は、独立委員会が必要と判断した場合、最大60日延長可能といたします。
(5) 大規模買付行為がなされたときの対応
独立委員会の勧告を最大限に尊重し、取締役会が以下の基準のもとで判断いたします。
a.大規模買付者が本プランの手続きを遵守しない場合、原則として対抗措置を発動します。
b.大規模買付者が本プランの手続きを遵守した場合、取締役会は、仮に反対であっても、大規模買付行為に対する反対意見の表明や代替案の提示等を行なうにとどめ、原則として対抗措置はとりません。ただし、大規模買付行為が当社に回復し難い損害をもたらすと認められる場合や当社の企業価値を著しく損なうと判断される場合には対抗措置をとることがあります。
(6) 対抗措置の内容
大規模買付者は行使することができないなどの条件を付した新株予約権の無償割当ての方法をとります。ただし、大規模買付者に新株予約権の対価として現金を交付する旨の取得条項を付することはできないものといたします。
(7) 有効期限
平成27年6月に開催予定の当社定時株主総会の終了後最初に開催される取締役会終了のときまでとしております。
※ 本プランの内容の詳細は、当社ホームページ(http://www.kobelco.co.jp) プレスリリース欄 平成25年4月26日付「当社株券等の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の継続について」をご覧ください。
4.経営者の取組みが会社支配に関する基本方針に沿い、当社の株主共同の利益を損なうものではないこと、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでないことについて
当社グループにおける取組みは、会社支配に関する基本方針にいう「当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上」のための現在の経営者による取組みです。
当社の現在のコーポレート・ガバナンス(企業統治)体制およびその強化のための様々な取組みは、会社法の規律に基づき、取締役の職務執行に対する監督機能を確保し、経営の透明性を高め、もって企業価値、ひいては株主共同の利益の向上に資する点で会社支配に関する基本方針に準拠するものです。
また、本プランは、「大規模買付行為に応じるか否かは、最終的には株主の皆様が判断する」という基本精神に基づき作成されております。本プランに定める手続きのいずれも、大規模買付行為に応じるか否かを当社株主の皆様が判断するために必要な情報を提供させるため、あるいは代替案の提示を受ける機会を株主の皆様に保障するための手段として採用されたものです。よって、本プランは、会社支配に関する基本方針の考え方に沿って設計されたものであり、当社株主共同の利益に資するものであると考えます。
さらに、本プランの発効は、株主総会における当社株主の皆様の承認が条件となっております。また、有効期間が明確に規定されていることから、本プランの更新を株主総会の決議により承認しないことが可能です。加えて、本プランは、取締役会決議によりいつでも廃止が可能であることから、当社株主の皆様が本プランの維持により株主共同の利益を損なうこととなると判断する場合、取締役の選解任権を行使することにより、いつでも株主の皆様のご意思によって本プランを廃止することが可能となっております。このような仕組みにより、本プランが当社株主共同の利益を損なうことがないように配慮されております。
本プランに定める当社取締役会による対抗措置の発動は、かかる本プランの規定に従って行なわれます。さらに、当社取締役会が大規模買付行為の是非を検討評価し、対抗措置を発動するか否かを判断するにあたっては、外部専門家などの助言を得るとともに、当社の業務執行を行なう経営陣から独立している委員で構成される独立委員会へ諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされています。このように、本プランには、当社取締役会による適正な運用を担保するための手続きも盛り込まれています。以上から、本プランは当社役員の地位の維持を目的とするものでないと考えております。
(4) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループ(当社及び連結子会社)の研究開発費は、140億円であります。
また、当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の状況の変更の内容は、次のとおりであります。
[鉄鋼事業部門]
鉄鋼事業部門では、船舶ディーゼルエンジン用組立型クランクシャフトの「型入れ鍛造法」に関して、一般財団法人日本海事協会より「設計疲労強度向上」の認証を世界で初めて取得しました。これにより、「当社の型入れ鍛造法を採用することでクランクスローの疲労強度が向上する」ことが、公的機関から承認されたことになります。本製造法により、クランクスロー素材の疲労強度が実質20%程度向上し、ロングストローク化したクランクスローの信頼性向上と軽量化が可能となります。
[溶接事業部門]
溶接事業部門では、一般財団法人日本海事協会、(株)新来島どっくとの共同研究により、造船分野における水平すみ肉溶接向けの軟鋼フラックス入りワイヤ「FAMILIARCTM MX-200F」を開発し、平成26年4月より販売を開始しました。この商品は、IACS共通構造規則やIMO塗装性能基準の厳格化傾向に対応し、1回の溶接操作(1パス)で8mm程度の脚長が得られ、かつ、良好な溶接ビード形状を実現し、溶接作業効率と塗装性の向上が期待できます。
また、海外の造船・海構市場ニーズに対応し、高温焼結タイプのサブマージアーク溶接用フラックス「FAMILIARCTM AF-490E」「FAMILIARCTM AF-490S」を開発し、平成26年7月より販売を開始しました。この商品は、海外市場で一般的な直流電源に適した設計となっており、溶接作業性・機械的性質が優れています。アセアン市場を中心に、海構や造船分野顧客への拡販を推進しています。
[機械事業部門]
機械事業部門では、旭海運(株)及び三浦工業(株)と共同で「舶用バイナリー発電システム」の開発に着手しました。平成27年度中に開発を完了し、平成28年度中の実船搭載を目指します。なお、本研究開発は、国土交通省の「次世代海洋環境関連技術開発支援事業」及び一般財団法人日本海事協会の共同研究テーマとして実施しています。
また、(株)東芝と共同で、環境省の補助事業として兵庫県南あわじ市に建設を進めていた風力・太陽熱・バイオマスを熱源とするバイナリー発電システムの実験設備を完成させ、実証試験を開始しました。このシステムは、自然条件の変化にかかわらず、安定した電力に加え、温水の供給を可能にするものです。
[神鋼環境ソリューション]
(株)神鋼環境ソリューションでは、水処理関連事業において、同社技術研究所内に閉鎖型の1m3培養槽を設置し、従属栄養培養(生育に必要な炭素を有機化合物の形で生物に与える培養方法)方式によるユーグレナ(光合成を行なう植物的性質と“すじりもじり”運動をする動物的性質を兼ね備えた生物)の培養を本格的に開始しました。これにより、ユーグレナ由来のバイオマス等のサンプルをキログラム単位で提供する体制が整ったため、バイオ燃料、食品/化粧品、下水処理に加え、化成品等の商品化検討を開始しております。
また、廃棄物処理関連事業において、(独)国立環境研究所と共同で、放射能汚染土壌にセシウム除去剤を添加し、加熱化学処理を行なうことで放射性セシウムを除去し、汚染土壌を最大98%減容化する技術を開発しました。放射能汚染焼却灰(主灰)に対しても、前処理を施すことにより、汚染土壌と同様に除染・減容化できる目途を得ております。
[コベルコ建機]
コベルコ建機(株)では、独自の低騒音技術「iNDR(エンジン冷却システム)」を搭載し、低騒音性能とメンテナンス性を向上させるとともに、燃費をさらに向上させた2.8~4.5トンクラスの油圧ショベルACERA GEOSPEC「SK28SR」「SK30SR」「SK35SR」「SK45SR」を開発し、平成26年7月より販売開始しました。また、強化された排ガス規制に対応した7~8トン級油圧ショベルACERA GEOSPEC「SK75SR」「SK80SR+」「SK80UR」を開発し、平成26年11月より販売開始します。
[コベルコクレーン]
コベルコクレーン(株)では、港湾向けラチスブームホイールクレーン「MK650」(最大つり上げ荷重65トン)を開発し、平成26年5月より国内向けに販売を開始しました。当機は「MK500」のモデルチェンジ機で、港湾荷役作業のための能力と機能を向上させ、さらに走行性能として、最高速度40㎞/h(従来機15km/h)を達成しました。また、国土交通省基本通行条件はD条件に適合した国土交通省指定低騒音型建設機械であり、エンジンは平成23年排出ガス規制に対応しております。
(5) 主要な設備
① 主要な設備の状況
当第2四半期連結累計期間において、「② 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおり、在外子会社であるコウベ アルミナム オートモーティブ プロダクツ LLCの溶解鋳造ライン・鍛造プレス他の設備が完成いたしました。(工事予算額66,300千米$)
② 設備の新設、除却等の計画
前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設について、当第2四半期連結累計期間で完成したものは次のとおりであります。
会社名
事業所名
セグメントの名称設備の内容完成年月
当社
加古川製鉄所
鉄鋼事業部門新溶銑処理工場平成26年4月
コウベ アルミナム
オートモーティブ
プロダクツ LLC
アルミ・銅
事業部門
溶解鋳造ライン
鍛造プレス他
平成26年8月

前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設について、当第2四半期連結累計期間において、重要な変更があったものはありません。
当第2四半期連結累計期間において、「第2 事業の状況 2.経営上の重要な契約等」に記載のとおり、東京瓦斯(株)と電力供給に関する契約を締結しており、それに伴い、下記のとおり設備の新設計画を確定いたしました。現在、環境アセスメントを実施しております。
会社名
事業所名
セグメントの名称設備の内容出力工期
着工
(年月)
完成
(年月)
当社
栃木県真岡市
全社電力供給設備120万キロワット級
(60万キロワット級2基)
26.932.1

(注)今後の所要資金の調達方法は、自己資金、借入金等を予定しております。
また、経常的な設備更新のための除却等を除き、前連結会計年度末において計画中であったもの以外に重要な設備の除却等の計画はありません。