有価証券報告書-第116期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/24 13:06
【資料】
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【項目】
135項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における日本経済は、消費増税の影響や夏季の天候不順の影響などから上半期を中心に弱含む状況で推移しました。下半期には日銀による追加金融緩和や米国の利上げ予想などの要因から、円安と株価の上昇が進み回復の期待が高まりましたが、個人消費や鉱工業生産、住宅着工などの回復の足取りは弱く、一進一退の状況が続いております。
世界経済では、米国経済は期間を通し堅調な動きを見せましたが、中国では不動産市況の悪化など減速傾向が強まり、地政学的リスクや世界的な原油価格下落の影響などからその他の地域も総じて力強さを欠く状況で推移しました。
鉄鋼業においては、中国経済の成長鈍化から中国鉄鋼業の輸出に拍車がかかり、海外市況はアジアを中心に軟調に推移するとともに、各地でアンチダンピング調査やセーフガード発動などの動きが見られ不透明感が高まっております。日本国内市場は消費増税後も需要は概ね底堅く推移したものの、下半期においても建設向けや自動車向けの需要が力強さを欠いたことから、期間の終盤には在庫が積み上がる状況となりました。また、前下半期から再び増加した安価輸入材は、中国材の増加などの要因から、円安が進んだにもかかわらず高水準で推移しました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
① 鋼板関連事業
売上高は163,173百万円(前年同期比16,382百万円増)、営業利益は3,450百万円(前年同期比3,252百万円減)であります。
<鋼板業務>日本国内のひも付き(特定需要家向け)はめっき商品を中心に堅調に推移しました。店売り(一般流通向け)では上半期は消費増税の影響などから弱含み、下半期は回復傾向ながら勢いを欠く結果となりました。
台湾の子会社、SYSCO社は、台湾国内では採算の良いカラー商品の販売に注力するとともに、輸出では景気回復が続く北米向けの販売量を増やして他地域の落ち込みを補うなど、採算重視の販売活動を進めた結果、増収となりました。
中国の子会社であるYSS社の連続式めっき設備および連続式塗装設備、ならびにタイの子会社であるPPT社の連続式塗装設備については、品質の安定と生産量の拡大に向け、引き続き取り組みを進めております。
これらの結果、鋼板業務については日本国内、海外とも増収となっております。
<建材業務>建材業務の建材商品では、価格改定に取り組むとともに、ルーフ・外壁商品ともに概ね堅調に推移したことから、増収となりました。エクステリア商品では、昨年7月に発売した新型エルモが好評を得ておりますが、消費増税前の駆け込み需要の影響などから減収となりました。工事は複数の比較的大規模な物件が順調に完工したことなどから増収となりました。
これらの結果、建材業務全体としては増収となっております。
② ロール事業
売上高は3,476百万円(前年同期比968百万円増)、営業利益は19百万円(前年は営業損失720百万円)であります。
鉄鋼向けロールの需要が回復傾向にあり販売量が増加したこと、また価格改善とコスト削減に取り組んだ結果、増収となりました。
③ グレーチング事業
売上高は3,510百万円(前年同期比88百万円減)、営業利益は86百万円(前年同期比5百万円減)であります。
価格改定と積極的川下営業、高機能商品の拡販に取り組みましたが、消費増税前の駆け込み需要の反動などの要因から減収となりました。
④ 不動産事業
売上高は906百万円(前年同期比35百万円増)、営業利益は519百万円(前年同期比105百万円減)であります。
賃貸用不動産の効率的運用に努めたこと、また販売用不動産の売上計上があったことなどから増収となりました。
⑤ その他事業
売上高は4,821百万円(前年同期比1,040百万円増)、営業利益は494百万円(前年同期比151百万円増)であります。
機械プラントで海外での大口物件の売上計上があったことなどから増収となりました。
(2) キャッシュ・フロー
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の収入は2,827百万円(前年同期比975百万円増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上(6,426百万円)、減価償却費(5,155百万円)、投資有価証券売却益(△1,090百万円)、たな卸資産の増加(△1,813百万円)、仕入債務の減少(△1,652百万円)、法人税等の支払額(△3,774百万円)等の差し引きによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の支出は1,355百万円(前年は資金の支出9,052百万円)となりました。これは主に、定期性預金の収入と支出との差額(2,033百万円)、有形固定資産の取得による支出(△5,457百万円)、投資有価証券の売却による収入(2,235百万円)等の差し引きによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の収入は2,193百万円(前年同期比1,814百万円増)となりました。これは主に、短期借入金の純増(5,352百万円)、自己株式の取得による支出(△1,199百万円)、配当金の支払額(△1,582百万円)等の差し引きによるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べ3,918百万円増加し35,197百万円となりました。