有価証券報告書-第107期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/27 9:44
【資料】
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【項目】
112項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度の世界経済は、新興国において、国やエリア別の景気に差異がみられ、新興国全体としてはやや鈍化したものの、欧州景気に回復の兆しがあり、米国の景気回復も堅調に推移しました。国内経済は政府の積極的な金融・政策政策などによる円高修正と株価の回復を背景に、企業業績の改善がみられ個人消費も堅調に推移しました。また、年度末にかけ、消費税増税前の駆け込み需要や、2020年東京五輪開催決定による首都圏不動産市況回復など関連市場における需要も上向いております。
ステンレス業界においても、国内は景気回復を背景に、消費税増税前の駆け込み需要や復興需要なども加わり、自動車、電機、建材、ガス石油器具向けなど広い範囲で需要が回復傾向にあります。輸出は円高修正により改善の兆しがあるものの、国際的な供給過剰による競争激化と市況低迷が継続しており、依然厳しい受注環境にあります。また、経営環境においては、円安や原発問題などによるエネルギー価格上昇など、原材料や副資材のコストアップにより収益が圧迫される状況にあります。
当社グループは、このような状況のもと、新鋭設備導入・新技術開発による差別化製品について、自動車用途をはじめとした主力市場で拡販を進め、また、既存設備改善・合理化設備導入による省人化と費用削減を推進し、その効果は当第4四半期を中心に業績に反映され通期での売上高及び収益を大きく改善するに至りました。
その結果、当連結会計年度の連結業績につきましては、売上高は前期と比べ11億6千4百万円(3.1%)増収の392億4千7百万円となりました。損益面につきましては、営業利益は前期と比べ3億3千7百万円(296.3%)増益の4億5千1百万円、経常利益は2億8千2百万円増益の1億2千6百万円となり、当期純利益は5億7千9百万円増益の2億5千2百万円となりました。
セグメントごとの業績を示すと、次のとおりであります。
① みがき帯鋼部門
冷間圧延ステンレス鋼帯におきましては、新興国ステンレスメーカーの当社市場参入による競争激化が続くなか、品質とVAに対する競争力を強化した新製品主体のソリューション営業を国内外で展開いたしました。日系及び外資系自動車メーカー向けの自動車外装用ステンレスなど、差別化製品の拡販により輸出を大きく伸ばし、また国内市場においてもシェアアップにより販売を拡大いたしました。
みがき特殊帯鋼におきましては主力の自動車向け及び刃物関連の受注が、消費税増税前の駆け込み需要もあり、好調に推移いたしました。
マグネシウム合金帯におきましては、スマートフォン、タブレット端末、パソコン向け新機種用途での受注獲得により、好調に推移いたしました。
以上の結果、みがき帯鋼部門の売上高は、前期と比べて7億8千万円(2.5%)増収の316億2千7百万円となり、営業利益では、前期と比べて1億4千8百万円(26.2%)増益の7億1千6百万円となりました。
② 加工品部門
加工品部門におきましては、新事業を中心に積極的な新鋭設備の導入と全数全長保証体制の確立をはかり、本格的量産化を開始した高精度異形鋼や小径厚肉管など自動車用途を主体とし、計測機器、エネルギー関連、更に建築部材の型鋼製品の販売も堅調に推移しております。また、タイ王国に増設した加工品工場では新製品の量産体制が確立され拡大しております。
以上の結果、加工品部門の売上高は、前期と比べて3億8千3百万円(5.3%)増収の76億1千9百万円となり、営業利益では、前期と比べて1億9百万円(19.7%)増益の6億6千5百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による収支と投資活動による収支を合わせると、14億4千6百万円の収入(前期9億9千2百万円の支出)であり、これに、財務活動による収支を加味すると、12億6千万円の収入(前期14億5千4百万円の支出)となり、前連結会計年度末に比べ資金は12億9千5百万円(32.8%)の増加となり、当連結会計年度末には52億4千8百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、25億9千2百万円の収入(前期2億5千4百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が4億6千7百万円の利益(前期1億6千2百万円の損失)、減価償却費が13億4千9百万円(前期13億4千9百万円)であり、たな卸資産の減少により1億3千9百万円の収入(前期7千3百万円の収入)、仕入債務の増加により21億4百万円の収入(前期24億8千6百万円の支出)があった一方、売上債権の増加により7億6千2百万円の支出(前期14億2千2百万円の収入)があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、11億4千6百万円の支出(前期12億4千6百万円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が13億9千9百万円(前期13億5千8百万円)、投資有価証券の売却による収入2億7千2百万円(前期3千万円)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、1億8千5百万円の支出(前期4億6千2百万円の支出)となりました。これは、短期借入金の純増額1億8千4百万円の収入(前期10億1千万円の支出)があったものの、長期借入金の純減額2億8千4百万円の支出(前期6億2千8百万円の収入)があったこと等によるものであります。