有価証券報告書-第70期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/25 9:08
【資料】
PDFをみる
【項目】
110項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、昨年4月からの消費税率の引き上げを主因として、前半は急速に景気が落ち込みましたが、後半は緩やかな回復基調が続きました。
個人消費は、消費税率引き上げ前の駆け込み需要の反動で大きく落ち込んだ後、夏場以降は緩やかに持ち直し、また設備投資については、企業収益の改善を背景に回復基調を維持しています。
一方、為替レートは、対ドルでは平成26年3月末の103円台から、米国の量的緩和長期化観測を背景に日米金利差が縮小したことなどから平成26年8月末まで102円前後で推移し、その後、日本銀行が追加緩和を決定したこと、米国の早期利上げ観測が高まったことをきっかけとして円安が加速しました。
LME銅相場は、低下傾向でありましたが、国内銅建値は円安の影響を受け、年間上昇率は104%となりました。
このような状況の中、当社グループは中期経営計画の2年目として、前年に実施した製販統合型事業部制組織の利点を発揮させ、製品の開発・改良や市場開拓等に鋭意取り組んでおります。
当年度の売上高は9,413百万円(前年同期比0.1%増)となりました。
利益面につきましては、電線事業においては前年比増加したものの、ポリマテック事業および電熱線事業で減益となり、グループ全体での営業利益は107百万円(前年同期比33.2%減)となりました。経常利益は、急速な円安により、海外子会社で為替差益が70百万円発生したことから157百万円(前年同期比27.8%減)となりました。また当期純利益は、繰延税金資産の回収可能性の見直しに伴う法人税等調整額を計上した結果、274百万円(前年同期比51.9%増)となりました。
[電線]
当事業の主要な市場である建設・電販向けの売上は、公共工事の増加を背景に、ゴム電線、プラスチック電線共に前年比増加基調で推移しました。売上高は、昨年1月に発売しました新製品の寄与もあり、6,214百万円(前年同期比4.0%増)となりました。
利益面につきましては、販売量の増加に伴う増産効果と適正価格での販売に注力しましたが、円安により海外子会社からの輸入製品の利益低下を吸収し、セグメント利益は171百万円(前年同期比32.2%増)となりました。
[ポリマテック]
当事業は、消費税引き上げ後の住宅着工件数の落ち込み等の影響を大きく受け、全体の売上高は2,481百万円(前年同期比10.1%減)となりました。
利益面につきましては、国内売上の減少や円安による材料価格の上昇等により、セグメント損失43百万円(前年同期セグメント利益42百万円)となりました。
[電熱線]
当事業は、当期に入り、海外商社筋からニッケル価格の上昇を背景とするニッケル系鋼種の受注が増加したことから、売上高は717百万円(前年同期比7.6%増)となりました。しかし、利益面では、付加価値の高い極細線の販売が減少したことと、費用増加により、セグメント損失20百万円(前年同期セグメント損失10百万円)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、税金等調整前当期純利益134百万円を計上しましたが、長期借入れによる収入、仕入債務の増加、長期・短期借入金の返済による支出等を総合し、当連結会計年度末には1,256百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローでは、196百万円の獲得(前連結会計年度は350百万円の獲得)となりました。これは、税金等調整前当期純利益134百万円(前連結会計年度は税金等調整前当期純利益222百万円)や、減価償却費166百万円(前連結会計年度は163百万円)、仕入債務の増加118百万円(前連結会計年度は476百万円の増加)と、たな卸資産の増加178百万円(前連結会計年度は98百万円の増加)があったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、127百万円の使用(前連結会計年度は116百万円の使用)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出104百万円(前連結会計年度は119百万円の支出)によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローでは132百万円の使用(前連結会計年度は191百万円の獲得)となりました。これは、長期借入金の純増額148百万円(前連結会計年度は純増額396百万円)と短期借入金の純減額219百万円(前連結会計年度は純減額149百万円)によるものであります。