有価証券報告書-第89期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/30 9:27
【資料】
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【項目】
114項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益が改善するなか、設備投資は持ち直しており、また、個人消費につきましても、雇用や所得環境の改善などにより底堅く推移するなど、景気は緩やかに回復する状況となりました。
当連結会計年度における清涼飲料業界の状況につきましては、新製品と猛暑が寄与した昨年度の反動が懸念されましたが、梅雨明け以降の猛暑により、7月と8月が過去最高の出荷数になるなど、清涼飲料業界全体では前年を上回る結果となりました。市場はこの5年間で1割以上の規模拡大となりましたが、店頭での販売競争が激化したことにより、価格の下落傾向が進んでおります。カテゴリー別では、炭酸飲料が定番商品の活性化や新製品の継続的投入が消費者に受け入れられ、好調に推移いたしました。ミネラルウォーターやスポーツドリンク、機能性飲料につきましては夏場の猛暑の効果と、消費者の熱中症対策意識の高まりにも支えられたことにより前年を大きく上回る結果となりました。缶コーヒーにつきましては、自動販売機による販売が低迷したことと、カウンターコーヒーがアイスコーヒーなどのラインアップを拡充した影響などにより前年を下回る結果となりました。なお、容器別では、スチール缶製品は昨年と同様に前年割れとなりましたものの、ペットボトル製品につきましてはスーパーマーケット等での販売が寄与し、前年を上回る結果となりました。
食品缶詰業界の状況につきましては、水産缶詰では夏場の猛暑により海水温が高い状態が続いたため、サバやサンマなどの水揚げが落ち込み減産となり、さらに円安により輸入原料の価格が高騰し、製品価格の値上げがおこなわれたために販売減となりました。また、農産缶詰につきましても、豪雨や突風など、天候要因による原料事情の悪化により国内生産は減少しました。
(容器事業)
飲料用スチール空缶につきましては、主力の缶コーヒー分野の市場が低調に推移するなか、新製品やリニューアル品の受注を獲得した結果、飲料用スチール空缶全体では前年を上回る結果となりました。なお、食品缶詰用空缶につきましては、業界の動向と同様に、水産缶詰・農産缶詰ともに前年を下回る結果となりました。
つぎにプラスチック容器では、飲料用ペットボトル分野および無菌充填向けプリフォーム(ボトル成形前の中間製品)につきましては、お客様による自社内製造の影響を受け、前年を下回る結果となりました。また、食品用ペットボトルにつきましても、醤油用ボトルは堅調でありましたが、食用油用がギフト商品の販売が減少したため、食品用ペットボトル全体では、前年を下回る結果となりました。
一般プラスチック成形品につきましては、化粧品用や農薬、園芸用が増加し、また、バッグインボックスも好調に推移したことから一般成形品全体では前年を上回る結果となりました。
エアゾール用空缶につきましては、当社独自の開発容器の販売が伸びましたものの、消臭剤などの家庭用品や燃料ボンベ缶が減少したため、前年を下回る結果となりました。
美術缶につきましては、洋菓子関連が好調でありましたものの、ギフト商品の低迷もあり、美術缶全体では前年を下回る販売となりました。
以上の結果、容器事業全体の売上高は、48,681百万円と前年度に比べ2.0%の減少となりました。
(充填事業)
缶製品につきましては、客先への積極的な営業活動により多くの新製品を受注できたことと、設備面においては、客先からの要望によるマルチパック対応をおこなった結果、通常缶によるコーヒー製品では前年を上回る結果となりました。また、リシール缶(ボトル缶)につきましてはほぼ前年並みの販売でありましたものの、炭酸製品は順調に販売が伸びましたため、缶製品全体では前年を上回る販売となりました。
ペットボトル製品につきましては、ホットパック用小型ペットボトルは受注が減少したことにより前年を下回りましたが、無菌充填システムによる小型アセプティック製品は、茶系飲料を中心に安定的に受注したため前年を上回る販売となりました。また、大型ペットボトル製品につきましても、麦茶を中心に緑茶、ウーロン茶が増産となり、前年を上回る販売となりましたため、ペットボトル製品全体では前年を上回る結果となりました。
以上の結果、充填事業における販売数量が過去最高を記録することができ、充填事業全体の売上高につきましても115,822百万円と前年度に比べ0.3%の増加となりました。
(機械製作事業)
機械製作事業につきましては、新素材のウッドプラスチックを利用したパレット溶融機やEGR成形機を新規に受注し、また、グループ内における飲料プラスチック容器用生産ライン工事や飲料充填用生産ライン工事の受注がありましたものの、規格製品である液体小袋充填機や自動車用クラッチ板への摩擦材貼り付け省力機械が減少したため、機械製作事業全体の売上高は、1,230百万円と前年度に比べ22.5%の減少となりました。
(その他)
インドネシアにおいて、容器(ペットボトル)製造から内容物の充填までを一貫しておこなうPT.HOKKAN INDONESIA(ホッカン・インドネシア)は、同国の経済成長とともに拡大する清涼飲料市場において、コーヒー飲料(250ml)を中心に順調に受注しております。また、さらなる受注拡大を図るため、現在、製造ラインの増設をおこなっております。
以上の結果、当連結会計年度より工場内の運搬作業等をおこなっております株式会社ワーク・サービスを連結の範囲に含め、その他全体の売上高は3,979百万円となりました。
以上により、当連結会計年度における連結総売上高は169,714百万円と前年度比1.6%の増加となりましたが、営業利益は3,765百万円(前年度比23.7%減)、経常利益は4,639百万円(前年度比22.2%減)、当期純利益1,966百万円(前年度比35.4%減)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローで9,710百万円の増加(前年同期は10,314百万円の増加)、投資活動によるキャッシュ・フローで9,743百万円の減少(前年同期は6,650百万円の減少)、財務活動によるキャッシュ・フローで673百万円の増加(前年同期は3,775百万円の減少)がありました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益3,722百万円(前年同期は5,019百万円)に加え、減価償却費7,884百万円(前年同期は8,309百万円)が主な増加要因であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、北海製罐株式会社における各種飲料用空缶製造設備の更新拡充等の有形固定資産取得による支出8,186百万円(前年同期は5,061百万円)が主な減少要因であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期及び短期借入れ59,048百万円(前年同期は34,389百万円)の収入及び、長期及び短期借入金の返済58,071百万円(前年同期は37,306百万円)の支出が主な増減要因になっております。
この結果、現金及び現金同等物は、741百万円増加し、当連結会計年度末は2,459百万円となりました。