有価証券報告書-第63期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/30 9:29
【資料】
PDFをみる
【項目】
125項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、「熱・水・環境の分野で、環境に優しい社会、きれいで快適な生活の創造に貢献します」を企業理念に掲げ、その実現のため、エネルギーの有効利用や環境関連の分野で有用な製品やサービスを独自の技術力で創出し、世界のお客様のお役に立つことを目指しております。
そのうえで、企業価値の最大化を目指して透明性や効率性の高い経営に努め、株主をはじめとするステークホルダーの皆様の期待と信頼にお応えするとともに、健全な成長を図って企業の社会的責任を果たしてまいりたいと考えております。
さらに、当社グループは、「我々はわが社を最も働きがいのある、最も働きやすい職場にしよう」をモットーに信頼・連帯感・誇りで結ばれる風通しの良い職場の実現を目指し、働きがいのある企業風土づくりや人材育成などに取組み、成長し続けるための基盤強化を図ってまいる所存です。
(2) 経営戦略等
① 中期経営計画
当社グループは、国内は、お客様に熱・水・環境の分野においても独自技術によるトータルソリューションをグループの総合力で進化させながら提供することにより、事業の拡大を図ってまいります。海外においては、省エネルギーと環境保全の提案など国内で長年培ったビジネスモデルを展開し、事業基盤の強化と収益力の向上に努めてまいります。また、グローバルな市場のニーズにマッチした新製品の開発や設計・製造一体となった品質の追求に取組み、企業ブランドの浸透を図ってまいります。
さらには、中長期的な企業価値向上を図るべくESG経営への取組みを継続するとともに、働き方改革や生産性の向上に向けたIT技術の活用に取組み、グループの成長基盤を強化してまいります。
当社グループは、永続的な成長と安定的な収益を実現するため、3年分の中期計画を作成し、以下を目標に経営を行ってまいります。なお、中期計画は事業環境の変化等を考慮して毎年見直す「ローリング方式」により立案しております。
(単位:百万円)
2022年3月期2023年3月期2024年3月期
売上収益141,500152,500164,500
営業利益18,40020,00022,000

当社グループ一丸となって目標の達成を目指してまいります。
なお、現時点では暫定的に3か年の数値計画を上記のとおり策定しておりますが、新型コロナウイルス感染症
の収束時期やその後の各国経済の回復過程等、事業環境には不透明感が強いことから、今後、業績予想の修正が必要となった場合には、数値計画の見直しを実施する予定です。
② 経営指針
1.グループの総合力でグローバル化を推進する
ミウラのビジネスモデルである技術力、営業力、メンテナンス力のそれぞれの優れた力と、それらを融合させた「三位一体」の総合力で、「トータルソリューション」を世界へ展開する。
2.テクノサービスで世界のベストパートナー企業を目指す
お客様の抱えられる問題をミウラの技術とサービスで解決し、世界のお客様から「ミウラ=ベストパートナー」と認めていただけるよう「信頼」を得る。
3.社員の潜在能力が最大限発揮できる職場作りを目指す
従業員の多様性を尊重し、従業員同士がしっかりとコミュニケーションがとれる職場環境を整備し、モットーである「我々はわが社を最も働きがいのある、最も働きやすい職場にしよう」を浸透させる。
(3) 目標とする経営指標
当社グループは、いかなる市場環境のもとでも利益を着実に拡大していくことが、企業価値の増大と株主利益の向上につながるものと考えており、さらなる営業利益の増加とROE(自己資本当期純利益率)10%を経営目標としております。
2022年3月期には、営業利益18,400百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益13,500百万円を年度経営目標として収益性の向上に取り組んでまいります。
(4) 経営環境
2022年3月期の当社グループを取巻く国内の事業環境は、人手不足の影響に伴う生産コスト・物流コストの上昇に加え、新型コロナウイルス感染症の拡大により景気が低迷し、経営環境は依然として不透明な状況が続くものと見込まれますが、設備投資需要は徐々に回復していくと思われます。海外の事業環境は、各国における新型コロナウイルス感染症の感染状況が異なるため、画一的な判断は困難ではありますが、各国の状況に合わせた営業活動を進めてまいります。
今後の見通しについて、国内においては、今後も事業活動が制限された状況下での事業運営が続くと見込まれますが、引続きお客様の視点に立ち「トータルソリューション」提案活動を推進してまいります。
海外においては、各国で大きく状況は異なりますが、環境規制に伴うボイラの提案、新規顧客の開拓や提案営業の強化により、機器販売を推進してまいります。メンテナンス事業は、社員教育に注力し、引続き有償保守契約の取得件数の増加に努めてまいります。
(5) 対処すべき課題
当社グループは、2019年度より「一つでも多くの商品を通じてお客様と持続的につながり続ける会社」の実現を目標に取り組んでまいりました。しかし、2020年度において当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により厳しい状況となり、業績への影響を避けることができませんでした。2021年度は、諸々の環境変化を踏まえ、従来とは異なる社会ニーズへの対応を加速化させながら、引続き環境負荷低減、トータルソリューション、ワンストップサービスをスローガンに既存事業の収益体質の強化、新たにより多くのお客様とつながりをもつことのできる製品・サービスの提供、日本で培ったビジネスモデルの展開に取り組んでまいります。そのために、新製品・新サービスの研究開発、独創的な技術を獲得するM&A、生産性向上に向けた情報システムの再構築、そして従業員教育等に積極的に投資を行ってまいります。
① 新製品の開発
国内においては、ボイラだけでなくランドリー機器、舶用機器、水処理機器、食品機器、メディカル機器、未利用熱回収装置、環境分析装置、燃料電池など、あらゆるお客様の付加価値を最大化できるトータルソリューションを提供する新製品の開発を引続き積極的に進めてまいります。
② 海外への日本のビジネスモデルの展開
世界のお客様に、日本と同等の品質のサービスを提供できるよう、人的投資を積極的に行い、各国の拠点網の拡充、従業員教育の充実を図ってまいります。
③ トータルソリューションによる事業の拡大
当社グループは、中長期の経営戦略として、トータルソリューションに基づいた事業拡大を掲げております。具体的には、主力製品であるボイラを核として周辺機器をつなぐことにより、お客様の工場全体で抱えられている問題を解決し、お客様に更なる成長をしていただける環境作りを目的とした活動です。当社グループはこのトータルソリューションを拡大し、進化させるため、引続き他社との協業やM&Aも検討してまいります。
④ 働き方改革への取り組み
当社グループは、お客様の信頼を得るためには、経験を積み、質の高いサービスを提供することが必要不可欠であり、そのためには、従業員同士がしっかりとコミュニケーションをとり、意思疎通が図れて働きやすい職場にすることが必要であると考えております。これまで、人事制度の充実やワークライフバランスの推進などにより、育児・介護などの事情を抱えた従業員が活躍できるような職場の実現に注力してまいりましたが、当社グループで働く外国人や障がい者の方々も増加していることから、今後はさらに従業員の多様性を尊重し、それぞれの個性が生かせる職場づくりを積極的に進めてまいります。
⑤ 女性の登用
当社グループは、特に女性従業員のキャリア形成について支援強化を継続しており、外部研修受講奨励や女性技術者等の他社交流会による意識改革とあわせ、女性管理職比率目標を3%と掲げ、役職者登用の拡大と育成強化を進めてまいりました。
近年では、従来の女性活躍領域を超えた社内公募制度の開始及び領域の拡大を実施し、活躍志向の人材発掘とキャリアアップ支援を強化しております。引続き、主任・係長のジョブローテーションの推進、役員や女性上位役職者参画によるオフサイトミーティングの開催等を通じて、課長候補者の計画的な拡充、強みを生かした専門領域等での上位役職への登用に取り組んでまいります。
直前5ヶ年の女性役職者数及び比率
2017年
3月31日
2018年
3月31日
2019年
3月31日
2020年
3月31日
2021年
3月31日
女性役職者(名)211231240256279
女性役職者比率(%)12.413.013.313.814.5
うち管理監督者(課長以上)(名)1515161616
女性管理監督者比率(%)2.72.72.62.62.5

(注)1 女性役職者比率は、当社の全役職者に対する女性の割合を記載しております。
2 女性管理監督者比率は、当社の全管理監督者(課長以上)に対する女性の割合を記載しております。