有価証券報告書-第66期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/20 15:00
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【項目】
144項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー状況の分析は、以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 当連結会計年度の経営成績の分析
①売上高
当連結会計年度における売上高は、160,728百万円(前期比8.2%増)となりました。セグメント別の売上構成比は、日本33.1%、米州33.5%、欧州20.0%、中国・アジア13.4%となっております。増収の主たる要因は、年度を通じて需要が好調であった米州に加え、日本・欧州・中国で需要回復があったことによります。
②売上原価、販売費及び一般管理費
当連結会計年度における売上原価は、107,469百万円(前期比2.9%増)となりました。売上高に対する売上原価の比率は3.4ポイント下落して66.9%となりましたが、これは円安進行等の影響によるものです。
また、売上高の増加に伴い、販売費及び一般管理費は43,902百万円(前期比9.7%増)となりました。売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、0.4ポイント増加して27.3%となりました。これは、売上の増加に伴い、運賃4,781百万円(前期比8.4%減)、給与・賞与金13,114百万円(前期比19.4%増)、研究開発費3,362百万円(前期比23.0%増)をそれぞれ計上したためであります。
③営業損益
当連結会計年度における営業損益は、主として売上高の増加により、9,357百万円の営業利益(前期比126.3%増)となりました。セグメント別の利益は、日本は8,632百万円のセグメント利益(前期比83.0%増)、米州は1,133百万円のセグメント利益(前期は995百万円のセグメント損失)、欧州は25百万円のセグメント損失(前期は62百万円のセグメント損失)、中国・アジアは435百万円のセグメント損失(前期は2百万円のセグメント損失)をそれぞれ計上しております。
④営業外損益
当連結会計年度における営業外損益は、前連結会計年度の871百万円の収益(純額)から、1,888百万円の収益(純額)となりました。主な要因は、為替差益1,478百万円、持分法による投資利益1,008百万円等が計上されているためであります。
以上の結果、経常損益は11,245百万円の経常利益(前期比124.6%増)となりました。
⑤特別損益
当連結会計年度における特別損益は、前連結会計年度の631百万円の収益(純額)から、130百万円の収益(純額)となりました。主な要因は、持分変動損益3,404百万円、事業構造改革費用3,331百万円等が計上されているためであります。
⑥当期純損益
当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、11,376百万円(前期比101.8%増)を計上しております。
また、税効果会計適用後の法人税等負担額は1,829百万円となり、前連結会計年度の122百万円から1,707百万円増加しております。
少数株主利益103百万円を計上した結果、当期純利益は9,442百万円(前期比82.6%増)となりました。
(2) 経営成績に重要な影響を与える要因について
現在の経済環境は、クリミア半島情勢の緊迫化や南シナ海の領有権問題等、不安要素があるものの、米州の受注は引き続き好調で、欧州、国内においても受注環境の改善が見込まれます。こうした世界各地域における設備投資の動向が当社グループの経営成績に重要な影響を与えるものと考えております。
(3) 戦略的現状と見通し
グローバル市場における経済発展の段階的差異、金融問題、為替変動、自然災害、地政学的リスク等を背景に、製造業をとりまく生産革新、経営リソースの再配置は新たな局面を迎えております。それとともに、お客様の工作機械メーカーに対する要望も、高精度、高機能の機械の提供はもちろんのこと、オペレーションの支援、エンジニアリング、教育、アフターサービスの充実へと範囲が広がりつつあります。当社グループにおいては、65年以上にわたって蓄積してきた専門技術や強靭な営業・サービスネットワークを駆使し、事業環境の変化、お客様ニーズの変化に対応してまいります。
製品展開においては、当社の主力機種として導入した「Xクラス」が受注構成比で50%を超え、確実にお客様の要望・信頼にお応えできる製品に成長してまいりました。また、DMG MORI SEIKI AGとの提携により、5軸機(DMU)、レーザー加工機(LASERTEC)等も製品ラインアップとして拡充し、また、小型マシニングセンタ「MILLTAP700」や空間精度を飛躍的に向上させた5軸機「DIXI210」を共同開発し、新しいお客様の獲得を目指してまいります。さらに、DMG MORI SEIKI AGと機種統合、部品の共通化を進め、コストダウンを推進してまいります。
生産体制については、今までどおり国内工場をマザー工場と捉え、品質改善、生産性向上に努めております。一方、需要地ニーズへの迅速な対応、為替変動リスクの低減を目的に需要地での生産対応を進め、平成24年11月には北米工場をグランドオープンしました。北米で需要の高い横形マシニングセンタの生産は軌道に乗ってきており、今後は現地の需要にあわせて生産機種の拡大を図ってまいります。また、平成25年10月には中国に天津工場をグランドオープンし、生産を徐々に拡大しつつあります。また、鋳物加工を実施し、当社の日本工場へ供給を行っており、コストメリットを活かした鋳物の供給拠点として活用してまいります。DMG MORI SEIKI AGとの協業により日本・北米・欧州・中国という世界4極生産体制を構築しました。今後も納期短縮を含め、お客様によりよい製品とサービスを提供してまいります。
販売展開においては、DMG MORI SEIKI AGと販売統合を進め、顧客数、ソリューション、サービスの提供等の面で、業界における圧倒的な地位を確立しつつあります。全世界における主要地域での販売統合は最終局面を迎え、残りロシア、ブラジルでの販売統合を進めており、両社でより強固な販売、サービス体制を構築してまいります。
以上の経営方針のもと、顧客価値創造を実現し、事業規模、収益性、財務基盤において、業界内における競争優位を確立し、企業価値向上に努めてまいります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
資本の財源及び資金の流動性についての分析については「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。