有価証券報告書-第66期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/20 15:00
【資料】
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【項目】
144項目

研究開発活動

当社グループは、DMG森精機、DIGITAL TECHNOLOGY LABORATORY CORPORATION(以下、DTL)、マグネスケール、 ビー・ユー・ジー森精機、Mori Seiki International SA(DIXI)での各開発を有機的に連動させることで、効率良い工作機械の本体開発、制御ソフト開発、周辺機器開発を実現し、お客様に最新で最適な生産環境を提供するための研究開発活動を行っております。
米国カリフォルニア州の研究所DTLでは、工作機械の静剛性や動剛性等のシミュレーション解析や工作物等の自動搬送システムのためのソフトウエア開発を行っております。また、隣接する北米工場で生産される「NHX4000」や「NHX5000」の顧客対応設計も行っており、北米市場のお客様要求に対応するための開発拠点として重要な役割を 担っております。
マグネスケールでは、主力製品の一つであるリニアスケール、ロータリスケールにおいて、シーメンス社製NCにも対応可能なスケールを開発・生産しています。DMG MORI SEIKI AG製の工作機械にもマグネスケール社製の高速・高精度・高分解能スケールを搭載できるようになっています。また、半導体製造装置で使用されるレーザスケールでは、世界初cmという長距離においてピコメートルレベルで計測できる「Zセンサー」を市場投入しています。
工作機械の操作盤や制御ソフトウエアの開発を専門に行うビー・ユー・ジー森精機では、工作機械の制御や操作で必要となる、対話機能、シミュレーション機能、モニタリング機能、衝突回避システムや遠隔保守サービス等のソフト開発を行っております。また、後述するDMG MORI SEIKI AGとの共同開発オペレーティングソフト「CELOS(セロス)」開発拠点の一つにもなっています。
DMG MORI SEIKI AGとは、お互いの技術と製品を補完することにより、研究開発の高度化、スピードアップを実現しています。新機種及び新技術の共同開発のほかに、工作機械で使用される各部品やユニットの標準化、さらに、設計CADシステムや部品表の共通化をするためのプロジェクトも昨年スタートさせました。現在、両社あわせて200機種以上の製品がありますが、2020年までには100機種程度に集約していく計画です、これらの活動を押し進めることにより、1機種当たりの研究開発費低減等、高い開発の生産性が実現できると考えております。
昨年は、DMG MORI SEIKI AGと共同開発した新しいオペレーティングソフト「CELOS」と新統合デザインの15機種を9月に開催された欧州国際機械展示会「EMO Hannover 2013」で世界初公開し、話題を集めました。
上記開発活動を通じて、昨年度は9種類の新機種を発表しました。まず、「NLX2500/500」、「NLX3000」、「NLX4000」を発表し、「Xクラス」のラインアップの充実を図りました。現在では工場から出荷される半数以上の製品が「Xクラス」となっており、完全に当社の基幹商品となるまで「Xクラス」が成長しております。また、自動車部品等の量産部品加工ライン向け機として、「NZX-S2500」、「i80」、「MAX3000」を開発、市場投入しております。さらに、DMG MORI SEIKI AGとは、低価格モデルの汎用CNC旋盤「CTX450Ecoline」、空間精度30ミクロン以下を実現した超高精度5軸マシニングセンタ「DIXI210」、「DIXI270」を共同開発、「EMO Hannover 2013」で発表しました。
平成26年度も、引き続き、「NTX1000 2nd」、「NHX4000 2nd」、「NHX5000 2nd」、「NRX2000」、「NZX4000/3000」を開発、発表を行い「Xクラス」の拡充を図ります。また、自動車量産部品加工ライン向機「i50」も市場投入する予定です。
以上の研究開発活動の結果、当連結会計年度の研究開発費の総額は3,362百万円となっており、セグメント別としては、日本2,288百万円、米州806百万円、欧州267百万円となっております。