四半期報告書-第40期第1四半期(平成27年4月1日-平成27年6月30日)

【提出】
2015/08/07 15:02
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27項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
なお、当第1四半期連結累計期間より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「四半期純利益」を「親会社株主に帰属する四半期純利益」としております。
(1) 業績の状況
当第1四半期連結累計期間のわが国経済は、円安による輸出企業の収益改善、雇用環境改善による個人消費の持ち直し等により景気は緩やかな回復基調にあります。海外経済につきましては、米国経済は引き続き堅調に推移し、欧州ではウクライナ問題やギリシャ財政問題等の影響が懸念されますが、景気は緩やかな回復傾向にありました。中国や東南アジア等の新興国は、総じて停滞感が見られました。
当社グループが属する機械業界においては、国内は政府の補助金等の政策や老朽設備の更新需要、円安を背景に製造業の国内回帰が進み設備投資が増加しました。海外においては北米及び欧州で安定的に推移するも中国及び東南アジアの一部の地域では設備投資需要に一巡感が見られます。
このような事業環境の中、当社グループは、中国最大級の工作機械展示会CIMT 2015や、タイで行われたInterMold Thailand 2015など世界各地の展示会に、主力の放電加工機に加えて、金属3Dプリンタや射出成形機などを出展しました。また、国際食品工業展FOOMA JAPAN 2015においても真空押出機等の最先端の食品機械を出展するなど、それぞれの事業において活発な営業活動を展開しました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は前年同四半期比22億16百万円増(前年同四半期比18.3%増)の143億10百万円となりました。利益面では、営業利益は前年同四半期比6億73百万円増(前年同四半期比127.0%増)の12億3百万円、経常利益は前年同四半期比11億23百万円増(前年同四半期比502.1%増)の13億47百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同四半期比13億29百万円増(前年同四半期比790.0%増)の14億97百万円となりました。
セグメントの業績は以下のとおりであります。
工作機械事業 …工作機械の設備投資需要は、国内においては、政府による補助金等が追い風となり、自動車関連及びスマートフォン関連で好調に推移しました。海外においては、北米地域では自動車関連で大型金型向けの需要があったほか、航空機関連でも設備投資需要は増加傾向にありました。欧州は、ロシアでは経済制裁の影響を受け出荷台数は減少しましたが、その他の地域は引き続き自動車・航空機関連で需要が堅調でした。アジアでは、中華圏においてスマートフォン及びコネクタ関連で売上は順調でしたが、足元の需要には停滞感がみられます。東南アジア諸国では、自動車関連からの需要が振るわず、弱含みの結果となりました。上記の結果、当事業の売上高は前年同四半期比13億37百万円増(14.8%増)の103億76百万円となりました。
産業機械事業 …射出成形機の設備投資需要は、国内では自動車関連で高付加価値の部品向けの受注が順調に推移しました。しかし、海外では特に中華圏を含むアジアにおいて価格競争の激化により厳しい事業環境にあります。上記の結果、当事業の売上高は前年同四半期比4億6百万円増(24.8%増)の20億40百万円となりました。
食品機械事業 …食品機械事業は、各種製麺機、麺製造プラントなどの開発・製造を行っております。国内は、引き続き麺の品質向上のための設備投資需要が見られました。海外では、日本食ブームの広がりにより需要が増えつつあります。上記の結果、当事業の売上高は前年同四半期比1億77百万円増(40.3%増)の6億17百万円となりました。
その他 …その他は、精密コネクタなどの受注生産を行う精密金型・精密成形事業、リニアモータやセラミックス部材など独自の技術を活かした製品及びLED照明機器の開発・製造を行う要素技術事業等から構成されております。精密金型・精密成形事業は好調に推移し、セラミックス及びリニアモータの外販も引き続き順調でした。当事業の売上高は前年同四半期比2億95百万円増(30.1%増)の12億75百万円となりました。
(2)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、8億83百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当社グループを取り巻く経営環境は現在急激に変化しておりますが、その変化に対応しつつ、グループの継続的な成長を図るため、徹底的なコスト削減と抜本的な組織再編による経営資源の最適化・合理化や市場環境に応じた事業展開を進めております。
当社グループは、主力事業である工作機械事業の市場を日本・欧米などの成熟市場とアジア・南米などの成長市場に区分し、それぞれの市場に応じた事業展開を行っております。成熟市場である日本や北米においては、工作機械がすでに市場全体に行きわたっていることから、競争力のある製品を投入しシェアアップを図るとともに、既存の納入機のユーザーへの継続的な技術指導や保守契約によるメンテナンスを通じて、更新需要の取り込みや周辺機器や消耗品の販売強化を図ります。また、航空宇宙産業や医療機器産業、次世代自動車産業などの分野は、要求されるレベル・特殊性ともに高いものがありますが、市場の拡大及び安定した需要が見込まれることから、金属3Dプリンタや豊富なノウハウを活かしたシリコーン射出成形機に代表されるような高付加価値の製品開発に積極的に取組み、収益力の強化に努めてまいります。一方、インドなどに代表される成長市場においては、市場の成長に応じた製品の投入と市場の拡大に合わせた拠点整備、成長市場のニーズを反映した機種の開発を行い、積極的なシェアの獲得に取組んでまいります。また、当社グループはリニアモータやセラミック部材などの優れた要素技術を有しておりますが、これらの要素技術の外販も進めて事業の拡大を目指します。
また、当社が開発した金属3Dプリンタ「OPM250L」を導入されるお客様への様々な後方支援活動や、従来の工作機械を利用するお客様が金属3Dプリンタ製作物を活用しやすいインフラの整備を目的として、福井事業所でサービスビューロを展開しております。
さらに、研究開発の成果等によって新しい事業を興し、リスク分散を図り、安定した収益を得ることができる体制の構築を図ります。今後も成長性の高い事業に積極的に進出し、安定した事業基盤の構築に努めます。
(5)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの業績は、製造業の設備投資動向に依るところが大きく、景気変動の影響を強く受けます。近年では、インドネシア、フィリピンなどのASEAN諸国や中国の経済成長を背景にアジア地域の設備投資需要は伸びが期待でき、当社グループの業績への影響度も大きくなっております。これに対し、当社グループでは、食品機械事業など景気による影響が少ない事業を拡充するほか、要素技術事業で新たな顧客を獲得し、景気変動リスクの低減を図るとともに、国内市場中心で海外展開の余地が大きい産業機械事業の海外進出を推進するなど、特定の業種や地域の需要環境に依存しない、安定した収益構造を目指してまいります。さらに、エコロジー意識の高まりとともに環境対応ビジネスにおいて急速に市場が拡大していますが、環境負荷の小さいLED照明事業に進出するなど、市場環境の変化に適宜対応することによって、経営基盤の強化に努めてまいります。生産体制については、東日本大震災やタイの洪水の発生により、多くの工場が被災し、事業継続が困難になった事実を受け、生産能力の分散化を図るなど災害に強い生産体制の再検討・再構築を図ってまいります。