有価証券報告書-第182期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 14:20
【資料】
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【項目】
156項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
(1) 各事業領域におけるリスク
① 工作機械関連について
(ア)工作機械:主な需要先は自動車及び自動車部品業界であり、当社グループの主力製品は、自動車部品の専用加工ラインであるため、自動車のモデルチェンジ等に伴うラインの更新時期に需要が集中し、売上高は年度によりかなりの幅で変動します。このため、需要の少ない時期には当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、CASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)の進展による自動車業界の構造変化が当社の想定を超えて急速に進んだ場合、更新需要の縮小等により当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(イ)海外向け:アジアを中心とする海外向けにつきましては、各々の地域における政治的・経済的要因、戦争・暴動・テロ・伝染病・ストライキその他の社会的混乱により現地における事業活動が影響を受けた場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 火器について
(ア)防衛省向け小火器:防衛省の装備品調達予算に全面的に依存しており、同予算が削減される場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(イ)民間向け猟銃:米国市場への依存度が高いため、同市場の需要が停滞する場合には、売上高が減少するおそれがあります。また、米ドル建の取引であるため、円高/ドル安に向かえば、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、同製品の事故による製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、賠償額を保険により十分にカバーできる保証はなく、重大な事故が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 特装車両について
路面清掃車については、自動車の国際基準調和と認証の相互承認推進のため保安基準が変更され、その影響を受けるため、遵法性の確保のための様々な研究開発・投資コストを負担しております。今後規制の強化により想定を上回る負担が生じた場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 建材について
防衛省向け防音サッシへの依存度が高いため、防衛省の予算が削減される場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらの各事業部門におけるリスクへの対応のため、当社では中期経営計画に基づき「企業競争力の強化」と「収益力の抜本的な改善」を推進し、外部環境の変化に強い経営基盤を構築することが最重要であると認識しております。特に各事業部門が「事業ポートフォリオの再構築」として掲げる各経営課題への取組みについては、収益体質を強化し、リスク耐久力を高めていく上で最も重視すべき施策であると認識しております。
(2)その他経営全般に係るリスク
① 固定資産の減損について
当社グループにおいては、中期経営計画に基づき「企業競争力の強化」「収益力の抜本的な改善」に取り組んでおりますが、現段階では収益性の低い事業・子会社を抱えており、取り組みによる強化・改善が想定通りに進捗しない場合、各資産グループにおいて収益性の低下等を要因とする固定資産の減損損失が発生し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② たな卸資産の評価について
当社グループは、事業セグメントごとに様々な製品群を有しており、それぞれのセグメントで製品別に将来の受注予測を立てた上で最適な生産体制を構築し、製造コストの低減を図っておりますが、需給バランスの急激な悪化等の外部環境の変化に対し対応の遅れが生じた場合、適正水準以上の在庫が積み上がることによってたな卸資産の評価損が発生し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 原材料等の価格上昇について
原材料等の価格上昇によるコストアップを製品価格に十分に転嫁できない場合、もしくは社内でのコストダウンでカバーできない場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 退職給付費用及び退職給付債務について
当社グループの年金資産の時価が下落した場合、当社グループの年金資産の運用利回りが予定を下回った場合、又は退職給付債務を計算する前提となる割引率等に変更があった場合には、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、年金制度の変更があった場合には、未認識の過去勤務費用が一時に発生する可能性があります。
⑤ 有価証券について
当社グループは、金融資産として時価のある株式を多く保有しております。このため、株価の下落は保有有価証券の資産価値を減少させ、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 自然災害・感染症による影響について
当社グループの製造は、ほとんどが愛知県の本社工場に集中しているため、同地域に大規模な地震・水害等の自然災害が発生した場合、新型コロナウイルス等の感染症の影響が拡大した場合には、復旧・沈静化するまでは操業停止状態となり、生産能力が著しく低下し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 新型コロナウイルス等、感染症の世界的拡大の影響について
新型コロナウイルス等、感染症の世界的拡大により、国内外における経済活動が抑制された場合、受注・生産活動が著しく低下し、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑧ 土壌汚染による影響について
当社グループが保有する土地につき、環境基準を超える有害物質による土壌汚染がある場合には、汚染拡散防止等に要する環境安全対策費用が発生し、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
これらの経営全般に係るリスクへの対応のため、当社では取締役から構成される常務会がリスク管理委員会を兼ねる体制とし、当会議体において月次でこれらのリスクを検証し、リスク対応方針を決定する仕組みを構築しております。また決定事項については、代表取締役から執行役員会・内部監査委員会等を通じて業務執行方針・内部統制方針を浸透させ、迅速かつ適切にリスクに対処できる体制としております。