有価証券報告書-第104期(平成25年12月1日-平成26年11月30日)

【提出】
2015/02/25 10:01
【資料】
PDFをみる
【項目】
114項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、株価の回復や円安に伴う輸出関連企業の業績の改善など経済政策の効果が表れた反面、消費税増税や急激な円安の影響などのマイナス面も顕著となった。また、世界経済においては米国経済が堅調に推移した一方で、中国経済の減速が鮮明となり、加えてウクライナ問題や中東情勢など新たな不安定要素が表れた。
こうした中、当社グループは、受注の確保と売上の拡大に注力した。
しかし、繊維機械事業では当初の予想に反して中心市場の中国市場で繊維製品市場の悪化と金融規制の影響を強く受けて、設備投資が著しく低迷し、大きな影響を受けた。工作機械関連事業では工作機械業界や自動車業界を中心に回復の傾向が鮮明になる中、当事業においても受注・売上の回復が見られたが、期待した伸びには至らなかった。
この結果、全体では受注高は30,724百万円(前期比32.6%減少)、売上高は34,735百万円(同比15.6%減少)となった。
損益面では生産・売上の減少が大きく影響し、営業損失1,207百万円(前期 営業損失512百万円)、経常損失1,161百万円(前期 経常損失606百万円)、当期純損失1,263百万円(前期 当期純損失698百万円)となった。
セグメント別の状況は以下のとおりである。
①繊維機械事業
中心市場である中国市場では、第2四半期半ばから欧米向けの繊維製品輸出に回復の兆しが見られたことから、第3四半期以降の繊維機械への設備投資の回復を見込んでいた。しかし、中国の内需不振に伴う国内のフィラメント織物の在庫調整の遅れや綿花価格の先安感などが影響し、設備投資は低調に推移した。こうした繊維製品市場の悪化に加えて、金融規制の問題が大きく影響し、契約済み案件のL/Cの開設が遅延した。
中国子会社の津田駒機械製造(常熟)有限公司は、国際繊維機械展示会への出展や本社で行っていたZW408型ウォータジェットルームの生産の移管を進めるなど、ブランドの浸透と売上の拡大を図ったが、中国のフィラメント織物市場の低迷の影響は強く、厳しい状況となった。
こうした主力市場の減速に対し、中国以外の市場への販売を強化した。新政権による積極的な経済政策への期待が高いインド市場に対しては、最新鋭のジェットルームを積極的にアピールし、受注は増加した。また、インドネシア市場では、電力料金の値上げや人件費の上昇の対策として省エネや自動化機能への関心が高まり、最新機種の商談が進んだ。しかし、いずれの市場も銀行の融資状況は依然として厳しく、成約案件は増加しているものの、L/Cの開設に時間を要している。国内市場は、設備更新にかかる補助金制度などを利用して設備更新が進んだ。
コンポジット機械は、2014年3月にパリで開催された世界最大の炭素繊維機械展示会に初出展した。当社の最新の自動積層機械は高い注目を集め、新規の商談が寄せられた。また、航空機部品用の自動積層機は第3号機を納入した。
この結果、当事業全体では中国市場の落ち込みの影響が大きく、受注高は23,076百万円(前期比41.2%減少)、売上高は27,121百万円(同比21.9%減少)、営業損失523百万円(前期 営業利益403百万円)となった。
②工作機械関連事業
工作機械関連事業については、主要な納入先の日本の工作機械業界の回復が本格的になった。この動きに伴い、当事業部門が手がけているNC円テーブルなどの装置分野も受注が回復した。
このような市場環境の改善を捉えて、当事業部門では社内の販売部門の体制を変更して、内外市場に対し積極的な販売活動を展開した。特に海外の市場ではASEAN諸国、インド、中南米の市場で自動車産業向けの設備投資が進んだことから、インドネシア、タイ、メキシコに新たなサービス拠点を設置し、新興市場における販売体制を強化した。米国市場は、航空機・自動車・医療・エネルギーなどの基幹産業分野が引き続き堅調に推移した。また、米国の自動車産業においては、今後、新しい排ガス規制の対応に向けた設備投資が本格化すると見込まれており、情報の収集に注力した。電子機器分野では、新型スマートフォン用のNC円テーブルの販売に注力した。
新製品として開発を進めた新方式駆動を採用したボールドライブ駆動のNC円テーブルは、中核部品の社内加工体制が整い、本格的な販売活動に入った。
この結果、当事業の受注高は7,648百万円(前期比19.6%増加)、売上高は7,613百万円(同比18.1%増加)、営業利益375百万円(同比139.2%増加)となった。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ207百万円増加し7,894百万円となった。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純損失1,151百万円の計上や仕入債務が減少したものの、減価償却費1,134百万円の計上や売上債権の減少などにより、1,448百万円(前期 マイナス2,834百万円)となった。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出603百万円などにより、マイナス653百万円(前期 マイナス1,529百万円)となった。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の借入れによる収入200百万円があったものの、長期借入金の返済による支出775百万円などにより、マイナス593百万円(前期 1,610百万円)となった。