有価証券報告書-第124期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/07/31 10:48
【資料】
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【項目】
163項目

事業等のリスク

当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社では、当社グループ全体のリスク管理を一層強化することを目的として、2020年3月30日開催の取締役会におい
て、2020年4月1日付で「内部統制システム構築の基本方針」を一部改正し、新たに社長を委員長とするリスク管理
委員会を設置することを決議しています。
(1) 経済状況
当社グループの売上高のうち大半を占める資本財に対する需要は、当社グループが販売している国内、海外諸地域の経済状況の影響を受けます。したがって日本、アジア、北米及び欧州その他の当社製品の主要市場における景気後退とそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
世界的に感染拡大している新型コロナウイルスにより、当社グループを取り巻く経営環境は、国内・海外ともに非常に厳しい状況となっております。対応策等の詳細につきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
(2) 海外事業
当社グループは特に機械コンポーネント部門、精密機械部門、建設機械部門及び環境・プラント部門において北米、アジア及び欧州を中心にグローバルに事業を展開しており、海外の需要の増加に対応するため、販売網の整備と生産設備の拡充を行っております。しかしながら、国によっては政治的変動や予期できない法律、規制の変更などにより当該製品の市場が影響を受けることがあり、その結果、当社グループの海外事業での業績が影響を受ける可能性があります。
(3) 為替相場の変動
当社グループの事業には、世界各国での製品の生産と販売が含まれております。各地域における売上、費用、資産及び負債を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されております。これらの項目は、現地通貨における価値が変わらなかったとしても、換算時のレートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。また、為替相場の変動は外貨建てで販売する製品及び調達する資材の価格に影響を与える可能性があります。これに対し当社グループはグローバルに生産拠点を配置して現地生産を行い、この変動リスクを軽減するよう努めております。さらに為替先物予約などを利用したリスクヘッジも行っております。
(4) 製品の品質
当社グループは、高い品質管理基準に従って各種の製品を製造しております。しかし、全ての製品について欠陥が無く、これに起因する当社グループ負担の保証工事が発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償につきましては保険に加入しておりますが、この保険が全ての賠償額をカバーできるという保証はありません。品質問題から起こった当社グループ負担の保証工事や製造物賠償責任は、多額なコストの発生により当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
2018年度に公表しました当社及び当社グループにおける製品及びサービスに関する不適切な検査等については再発防止策を確実に実行し、業務品質の改善及びコンプライアンス最優先の経営方針の再徹底を図り、信頼回復に全力を挙げて取り組んでおります。
(5) 個別受注契約
当社グループは、お客様と個別に受注契約を締結した後に製品を生産する場合が多く、請負金額が大きい工事等の重要な案件につきましては、受注契約締結前の多面的な受注検討を行っております。しかし、当初想定できなかった経済情勢の変動、設計や工程の混乱等による当初見積り以上のコストの発生、訴訟等の提起、製品の性能・納期上の問題によるペナルティーの支払い等の可能性があり、その結果として業績の悪化を招くおそれがあります。また、お客様都合による受注契約取り消しのケースでは、受注契約条件において違約金の設定などリスク回避の努力を最大限に行っておりますが、発生したコストの全額が回収できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 減損会計の影響
当社は、「土地の再評価に関する法律」(1998年3月31日公布法律第34号)及び「土地の再評価に関する法律の一部を改正する法律」(2001年3月31日公布法律19号)に基づき、2002年3月31日に事業用の土地の再評価をしております。再評価を行った土地の当期末における時価と再評価後の帳簿価額との差額は181億円(下落率21%)でありますが、今後地価が一層下落した場合や、資産又は資産グループの帳簿価額が回収できない可能性を示す事象が発生した場合、固定資産の減損を認識する可能性があります。減損を認識した場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また海外でのM&Aなど成長のための投資を積極的に実施した結果、上記土地以外の有形固定資産やのれん等を多額計上しています。今後、収益性の低下等により、固定資産の減損を認識する可能性があります。
(7) 気候変動
当社グループでは、商品ライフサイクル全体での環境への負荷低減のために、商品の製造時、輸送時、使用時等のCO2の排出量削減に取り組んでいます。2020年度から開始する第6次環境中期計画においても、商品の製造時、使用時のCO2排出総量の大幅な削減に向けて、一層、取り組みを強化して参ります。
しかしながら、世界中で発生している気候変動は、大型台風や集中豪雨等の自然災害の激甚化・増加、平均気温の上昇による猛暑等による職場労働環境への影響等、様々な影響をもたらします。CO2排出量の大幅な削減のために高炭素商品・設備から低炭素商品・設備への移行に向けても、当社の商品やサービスにおける研究・開発、生産など、経営全般に亘って当社グループに影響をもたらします。又、これらは、当社グループのみならず、当社グループのサプライチェーンへの影響を通じて、当社グループに影響を及ぼす可能性があります。
自然災害への取組み及び環境保全への取り組みは、下記(8)及び(9) をご参照ください。
(8) 自然災害及び感染症
当社グループは火災、地震、台風、風水害及び感染症などの各種災害に対して損害の発生及び拡大を最小限に抑えるために点検、訓練及び連絡体制の整備を行っております。しかしながら、これら災害による物的・人的被害により当社グループの活動が影響を受ける可能性があります。これらによる損害額が損害保険等で十分にカバーされる保証はありません。
世界的に感染拡大している新型コロナウイルスについては、従業員の安全の確保、社会的要請への最大限の協力、事業基盤の維持の三点を第一に取り組んで参ります。詳細は、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」(2)中長期的経営戦略、目標とする経営指標及び会社の対処すべき課題 ②2020年及び中長期的な課題をご参照ください。
(9) 環境保全
当社グループの事業所からの汚染物質の流出等により環境汚染が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは「グループ環境方針」のもと、環境事故の防止に向けた環境リスクマネジメントの実施や廃棄物、水使用量などの事業活動に伴う環境負荷低減に取り組んでおります。