有価証券報告書-第91期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 12:58
【資料】
PDFをみる
【項目】
97項目

研究開発活動

当社グループはユーザーニーズを形にする技術確立を基本理念とし、提案型企業の根幹となるテクニカム(研究・実験施設)を長年にわたり運営しております。テクニカムでは小型テスト機から実機レベルまでの試作機を多数設置しており、ユーザー立会いを含めた試作テストを中心として、より一層の高品質、高精度化が求められる市場環境において、薄膜塗工・乾燥技術のレベル向上のため、コンピュータ解析を含めたシミュレーション技術の活用により、高機能かつ高精度で完成度を高めた製品開発を実施しております。
当社の研究開発における取り組みは、研究開発部門が主に基礎研究、開発とテクニカム運営を行い、ユーザーニーズを具現化するライン開発は設計部門が主体となり、多様化する市場の変化に対応するべく、ラインの効率化や自動化に対応した製品や、当社グループが保有する多彩な独自技術を基本とした新たな複合化製品の開発に注力しております。
また、ヒラノグループが連携しウェットとドライのコーティングを合わせた“Wet&Dry技術”へも取り組み、電子部材に加え有機ELやエネルギー、新素材などの分野でも新規製造技術を提案しております。
現在、研究開発活動は当社の研究開発部、塗工・化工機械部技術課、設計部及び子会社であるヒラノ技研工業株式会社、ヒラノ光音株式会社、株式会社ヒラノエンテックの技術担当を含む合計約30名、総社員の1割に当たる要員で業務の対応に務めております。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、353,558千円となっております。
(塗工機関連機器)
光学市場における高精度塗工装置の開発や、エネルギー分野における機能性を高めた製品、特に低公害車用途に使用されるリチウム二次電池や燃料電池における新しい塗工システムの研究開発、多層コートや両面同時コート、ライン運転の自動化、省力化など生産効率向上に向けた製品の開発を積極的に行っております。
当部門に係わる研究開発費は、150,178千円となっております。
(化工機関連機器)
化工機械分野では、主に電子材料や環境分野で利用されているセラミックスシートの成膜プロセスにおいて、より薄膜、高精度、また厚膜シート成型への対応に向けた開発に取り組んでおります。
テクニカムに高機能性フィルム用クリーンテンターにインラインコーティングを組み合わせたテスト装置を設置し、高付加価値化を目指す顧客の獲得に取組むとともに、省エネルギー、高効率・高精度加熱方式を具備した高機能装置の開発を推進しながら、積極的な受注量拡大に努めております。
また、真空成膜技術とシート走行制御技術を組み合わせた“Roll To Roll真空装置”におきましてもスパッタリング装置の新しい機構や方式の開発に取り組んでおります。
当部門に係わる研究開発費は、203,380千円となっております。